グループホームのケアマネ(計画作成担当者)|配置基準・仕事内容・給料を1記事で理解する
介護職向け

グループホームのケアマネ(計画作成担当者)|配置基準・仕事内容・給料を1記事で理解する

グループホームのケアマネ(計画作成担当者)の配置基準・仕事内容・給料を、2021年配置基準緩和と最新統計データで解説。ユニット型特養ケアマネとの違い、認知症介護実践者研修、最大3ユニット兼務のリアルな業務量まで網羅。

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この記事のポイント

グループホームのケアマネ(介護支援専門員)は、認知症対応型共同生活介護事業所に配置される「計画作成担当者」のうち、介護支援専門員資格を持つ職員を指します。2021年の介護報酬改定により、配置基準は「ユニットごと1人」から「事業所ごと1人以上(最大3ユニット兼務可)」に緩和。介護業務との兼務が一般的で、平均月給は常勤で約27万円、ケアマネ手当を含めると年収400万円超も可能です。本記事では配置基準・仕事内容・給料・ユニット型特養ケアマネとの違いまで、転職前に知っておきたい全情報を整理します。

目次

グループホームの給与・事業所データから見るポイント

グループホームで働く介護職員の平均月給は30.2万円、平均年収は362万円です(厚生労働省 令和6年度介護従事者処遇状況等調査に基づく全国値)。主要7施設タイプの平均33.2万円と比べると約3.0万円低い水準で、タイプ間では6番目の給与水準です。

施設タイプ平均月給平均年収グループホームとの差
特別養護老人ホーム36.2万円434万円+6.0万円
有料老人ホーム36.1万円433万円+5.9万円
介護老人保健施設35.3万円424万円+5.1万円
訪問介護35.0万円420万円+4.8万円
小規模多機能型居宅介護30.5万円366万円+0.3万円
グループホーム30.2万円362万円基準
デイサービス29.4万円353万円-0.8万円

求人の母数になる事業所数で見ると、グループホームは全国に14,297件あります(75歳以上人口1万人あたり約6.9件)。最も多いのは北海道の1,007件(全国の7.0%)で、次いで神奈川県の826件。最も少ない山梨県は72件にとどまり、地域によってグループホームの求人の出やすさには大きな差があります。

仕事内容を調べる段階でも給与データを並行して見ておくと、業務範囲と待遇のバランスで職場を評価できるようになります。同じ業務でも施設タイプと地域で対価は変わります。

施設配置のケアマネは現場との兼務の有無で給与構成が変わります。ケアマネジャー職の平均給与は月375,410円。一方、ケアマネ資格を保有したまま介護職員として現場で働く人の平均は388,080円とむしろ高く、専任か兼務かの選択そのものが収入を左右します。配置基準と手当の内訳を求人票で確認しましょう。

グループホームは1ユニット9人以下の認知症ケア特化型で、小規模ゆえに人員配置や手当の事業所差が出やすい業態です。ユニット数と夜勤体制をセットで確認しましょう。この記事のテーマであるケアマネジャーは夜勤が基本的に無いため、月給の構成が介護職と異なります。夜勤手当込みの介護職平均と額面だけで比べず、基本給と手当を分けて見るのがポイントです。資格取得の価値は、試験や研修の難しさだけでなく、その後にどの施設タイプ・地域で条件を伸ばせるかで変わります。

出典: 厚生労働省 令和6年度介護従事者処遇状況等調査。厚生労働省 介護サービス情報公表システム掲載データに基づく本サイト集計。総務省統計局 人口推計(2024年10月1日現在)。調査ごとに母集団・集計定義が異なるため、数値は水準の目安として参照してください。

グループホームの施設数データから見るポイント

本サイトが保有する厚生労働省由来の施設データでは、グループホームは全国に14,297件あります。この記事のテーマは「給与・待遇」です。給与を見るときは、平均額だけでなく、その施設タイプが多い地域かどうかも重要です。施設数が多い地域ほど比較対象が増え、夜勤手当・資格手当・賞与の差も見つけやすくなります。

順位都道府県施設数全国比率
1北海道1,007件7.0%
2神奈川県826件5.8%
3東京都708件5.0%
4大阪府696件4.9%
5福岡県687件4.8%
順位市区町村施設数全国比率
1愛媛県松山市130件0.9%
2鹿児島県鹿児島市124件0.9%
3北海道旭川市82件0.6%
4岡山県倉敷市76件0.5%
5長崎県長崎市74件0.5%

グループホームは、都道府県別では北海道1,007件、神奈川県826件、東京都708件に多く、市区町村別では愛媛県松山市130件、鹿児島県鹿児島市124件、北海道旭川市82件に集まりやすい傾向があります。求人条件を比較するときは、全国平均の説明だけでなく「自分が探す地域にどれだけ選択肢があるか」まで見ると、判断の精度が上がります。

出典: 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」オープンデータ(2025年12月末時点)に基づく本サイト集計。施設数は公開データの登録状況により変動します。

「ケアマネの資格を活かして、もう少し小規模で家庭的な現場で働きたい」「認知症ケアを深く学びながらキャリアアップしたい」。そう考えてグループホーム(GH)への転職を検討する方は少なくありません。一方で、グループホームのケアマネは「計画作成担当者」という独特の肩書きで呼ばれ、業務範囲も居宅ケアマネや特養ケアマネとは大きく異なります。

とくに2021年の介護報酬改定で配置基準が緩和されて以降、1人のケアマネが最大3ユニット(最大27人)のケアプランを担当するケースも増えました。介護業務との兼務、夜勤対応の有無、認知症介護実践者研修の必要性など、転職前にクリアにしておきたい論点は多岐にわたります。

この記事では、グループホームのケアマネ=計画作成担当者として働くうえで押さえるべき配置基準・業務範囲・給料・キャリアパスを、厚生労働省の最新資料と公的統計をベースに解説します。最後まで読めば、自分にとってGHケアマネが本当に向いているかを判断できる材料が揃います。

グループホームのケアマネ=「計画作成担当者」とは

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)でケアプランを作成する職員は、制度上は「計画作成担当者」と呼ばれます。一般に「グループホームのケアマネ」と言うとき、ほとんどの場合この計画作成担当者を指します。

「ケアマネ」と「計画作成担当者」は同じではない

計画作成担当者は、必ずしも介護支援専門員(ケアマネ)の資格を持っている必要はありません。グループホーム1事業所につき1人以上のケアマネ資格保有者が必要なものの、2人目以降の計画作成担当者は「認知症介護実践者研修修了者」であれば資格がなくても担えます(認知症対応型共同生活介護 指定基準)。

  • ケアマネ資格保有の計画作成担当者=「グループホームのケアマネ」と呼ばれる中心的存在
  • 無資格+認知症介護実践者研修修了の計画作成担当者=2人目以降に置かれるサブ担当

つまりグループホームに勤める「ケアマネ」とは、計画作成担当者の中で介護支援専門員資格を持ち、ケアプラン作成と多職種連携の中核を担う職員のことです。

居宅ケアマネ・特養ケアマネとの位置づけの違い

同じケアマネ資格でも、勤務する事業所のタイプによって役割は大きく変わります。

区分担当人数介護業務夜勤主な特徴
居宅ケアマネ1人あたり35件まで原則なしなし在宅サービスの調整役
特養ケアマネ利用者100人ごと1人基本的になしなし大規模施設の計画担当
GHケアマネ(計画作成担当者)最大3ユニット(27人)兼務が一般的事業所により発生認知症ケアの計画+現場兼務

GHケアマネの最大の特徴は「ケアプラン作成と現場介護の二刀流」であること。デスクワーク中心の居宅ケアマネとは働き方が大きく異なります。

配置基準|2021年改定で「事業所ごと1人以上」に緩和

グループホームの計画作成担当者(ケアマネ)の配置基準は、2021年度(令和3年度)介護報酬改定で大きく変わりました。求人選びにも直結する重要ポイントです。

改定前後の配置基準の比較

項目2021年改定前2021年改定後(現行)
計画作成担当者の配置ユニットごとに1人事業所ごとに1人以上
ケアマネ資格保有者の必要数各ユニット1人ずつ事業所内で1人以上
1人のケアマネが担当できるユニット数1ユニット(最大9人)最大3ユニット(最大27人)
勤務形態専従が原則業務に支障がない範囲で他職種兼務可

出典:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定における改定事項について(認知症対応型共同生活介護)」

改定の趣旨と現場への影響

改定の目的は「人材の有効活用」。介護人材不足が深刻化するなか、ケアマネ資格保有者をユニットごとに固定配置するのは現実的でないという判断です。一方で、2人以上の計画作成担当者を配置する場合、「全員が認知症介護実践者研修修了者」であることは引き続き必須です。

現場への影響としては、以下のようなメリット・デメリットが指摘されています。

  • 事業所側のメリット:ケアマネを採用しやすくなり、3ユニット運営でも1人で対応可能
  • ケアマネ側のメリット:勤務先の選択肢が広がり、複数ユニット担当でケアマネ手当が手厚くなる傾向
  • ケアマネ側のデメリット:1人で27人分のケアプラン・モニタリングを担当する業務量増加

その他の人員配置(参考)

計画作成担当者以外も含めた、グループホームの主な人員配置基準は以下の通りです。

職種配置基準
代表者法人ごとに1人(認知症介護の経験+開設者研修修了)
管理者事業所ごとに1人(常勤専従、認知症介護3年+管理者研修修了)
計画作成担当者(ケアマネ)事業所ごとに1人以上
介護職員日中:利用者3人に対し1人以上/夜間:ユニットごとに1人以上

出典:厚生労働省「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」

グループホームのケアマネの仕事内容|10の主要業務

グループホームでケアプランを作成する計画作成担当者と入居者のイラスト

GHケアマネ(計画作成担当者)の仕事は、ケアプラン作成だけにとどまりません。利用者・家族・現場スタッフ・医療職を結ぶハブ役として、多岐にわたる業務をこなします。

1. アセスメント(利用者・家族との面談)

入居前後に利用者本人とご家族へヒアリングを行い、生活歴・既往歴・要介護度・認知症の症状・本人の希望・家族の意向を聞き取ります。グループホームは認知症の方が共同生活を送る場所のため、「これまでの暮らし方」「役割を持って続けたい家事」などを丁寧に把握することが、自立支援につながるケアプラン作成のカギになります。

2. ケアプランの作成

アセスメント情報をもとに、利用者一人ひとりの介護サービス計画書を作成します。グループホームでは「家事を分担する」「散歩で地域とつながる」など、生活全体を支えるプランが特徴的です。少なくとも3か月に1回、または状態変化時に見直しが必要です。

3. サービス担当者会議の開催

新規入居時・更新時・状態変化時には、本人・家族・主治医・介護職員などを集めたサービス担当者会議を開催します。グループホームでは管理者・介護職員と顔を合わせる機会が多いため、現場との連携密度は施設ケアマネのなかでも特に高くなります。

4. モニタリング(毎月実施)

計画通りにケアが提供されているか、状態に変化はないかを月1回以上、利用者本人と面談しながら確認します。グループホームでは生活の場が同じ建物内にあるため、日常的に観察できる強みがあります。

5. 介護業務の兼務(食事・入浴・排泄介助など)

2021年改定で他職種兼務が認められた結果、多くのGHケアマネが介護業務を兼務しています。日中は計画書作成、合間に食事介助、入浴介助、レクリエーションというように、デスクワークと現場業務が混在します。

6. 主治医・医療機関との連携

かかりつけ医との情報共有、服薬管理、訪問診療や訪問看護との調整を担います。グループホームには医師・看護師の常駐義務がないため、ケアマネが医療連携の窓口になることが多いです。

7. 要介護認定の更新申請のサポート

利用者の要介護度の更新申請、区分変更申請の代行支援を行います。市町村との書類やり取りもケアマネが担うのが一般的です。

8. 介護記録・書類作成

ケアプラン以外にも、サービス担当者会議録、モニタリング記録、認定調査票、加算の算定書類など、多くの書類業務があります。書類が監査の対象になるため、正確性が求められます。

9. クレーム・緊急時対応

利用者・家族からの相談やクレームの一次窓口になります。深夜の急変時には現場から電話相談が入ることもあり、オンコール対応を求める事業所もあります。

10. 新規入居者の受け入れ調整

空室発生時の入居相談、見学対応、入居判定会議への参加など、入居者獲得の窓口を担うこともあります。

GHケアマネの1日のスケジュール例(介護兼務型)

介護業務を兼務するGHケアマネの典型的な1日を見てみましょう。事業所により異なりますが、3ユニット担当の中規模施設をモデルにしています。

時間業務内容
8:30出勤、申し送り確認、当日のスケジュール確認
9:00各ユニット巡回(利用者の状態確認、職員へ声かけ)
9:30ケアプラン作成・モニタリング記録作成(PC作業)
11:00新規入居予定者の家族と面談(アセスメント)
12:00食事介助・配膳サポート(介護兼務)
13:00休憩(30〜45分)
13:45サービス担当者会議(医師との電話会議含む)
15:00レクリエーション参加・利用者観察(モニタリング)
16:00要介護認定更新申請書類の作成、市町村へ郵送準備
17:00夕食前の排泄介助サポート、現場フォロー
17:30引き継ぎノート記入、退勤

専従ケアマネ(介護兼務なし)の場合

大規模法人や2ユニット以上の事業所では、計画作成業務に専念する専従ケアマネを配置するケースもあります。その場合は介護業務はほぼなく、書類作成・関係者連絡・会議運営が中心となります。求人を選ぶ際は、「介護業務の兼務有無」「夜勤・オンコール対応の有無」を必ず確認しましょう。

給料・年収|介護支援専門員の平均月給と内訳

グループホームのケアマネの給料を、公的統計と求人データの両面から見ていきます。

厚労省・賃金構造基本統計調査ベースの年収

2024年賃金構造基本統計調査では、介護支援専門員(ケアマネジャー)の平均年収は約430万円。介護職員(約376万円)より約54万円高く、保有資格別では介護福祉士(約420万円)よりも上位に位置します。

職種平均年収(2024年)
ケアマネジャー(介護支援専門員)約430万円
介護福祉士約420万円
介護職員(資格不問)約376万円
全産業平均約527万円

出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

介護労働安定センター調査でみる施設ケアマネの賃金

介護労働安定センター・介護労働実態調査(医労連集計)では、施設系ケアマネの平均賃金月額は約26.1万円、平均勤続年数は9.0年。在宅ケアマネ(約25.8万円・7.5年)と比較しても、施設ケアマネは安定した雇用環境にあることが分かります。

グループホームのケアマネ求人の給与レンジ

求人情報の集計では、GHケアマネ(計画作成担当者)の月給は23.5万〜26.8万円が中心レンジ、平均で約25.4万円。これに賞与(年2〜4ヶ月分)と各種手当を加えると、年収350万〜450万円が現実的な水準です。

  • ケアマネ手当:月1万〜3万円が一般的
  • 処遇改善加算(介護職員等処遇改善加算):2024年度から一本化。事業所が算定する加算区分により、月数千円〜2万円超が支給
  • 夜勤手当:兼務で夜勤に入る場合、1回5,000〜8,000円程度
  • 住宅手当・通勤手当:事業所により

非常勤・パートのケアマネとして働く場合

グループホームの計画作成担当者は非常勤での配置も可能です。非常勤ケアマネの平均時給は約1,364円(求人データ平均)。週20時間程度の勤務でも、子育て中の有資格者や役職定年後のシニアケアマネが活躍する場として注目されています。

独自分析|GHケアマネとユニット型特養ケアマネの違い

グループホームケアマネとユニット型特養ケアマネの働き方比較イラスト

「グループホームのケアマネ」と「ユニット型特養のケアマネ」は、どちらも10人前後の小集団ユニットを単位とした認知症ケアの色合いが強い職場です。しかし配置基準・業務範囲・キャリアパスは別物です。当サイトが厚労省資料をもとに整理しました。

比較項目グループホーム(GH)ケアマネユニット型特養ケアマネ
正式名称計画作成担当者(うちケアマネ資格者)介護支援専門員
配置基準事業所ごと1人以上(最大3ユニット兼務可)利用者100人ごと1人
1人あたり担当人数最大27人原則100人まで(実質50〜100人)
必須研修認知症介護実践者研修(全員)介護支援専門員実務研修のみ
介護業務の兼務一般的(食事・入浴・排泄介助など)原則なし(書類業務専従)
夜勤・オンコール事業所により発生原則なし
医療職の常駐看護師の配置義務なし看護師24時間配置(多くの施設)
主な利用者要支援2〜要介護5の認知症の方(自立度高め)要介護3以上(自立度低め、看取り含む)
給料水準月給23.5〜26.8万円中心月給26〜30万円中心
キャリアパス管理者(実務経験3年+管理者研修)主任ケアマネ→施設長

どちらが向いているか

  • 家庭的な少人数ケアと現場感覚を両立したい人→ GHケアマネ。介護兼務で利用者との距離が近く、認知症ケアの専門性が深まる。
  • 計画業務に専念し、医療連携を含む多職種マネジメントを学びたい人→ 特養ケアマネ。看取りまでカバーする重度ケアの計画立案が経験できる。

「ケアマネ資格は取ったが、いきなり50人以上のケアプランを抱えるのは不安」という方には、GHの計画作成担当者として10〜27人規模からスタートし、ステップアップする選択肢が現実的です。

必要な資格・研修|認知症介護実践者研修の受講要件

グループホームのケアマネ(計画作成担当者)として働くには、「介護支援専門員(ケアマネ)資格」+「認知症介護実践者研修」の両方が必要です。順番にチェックしていきましょう。

1. 介護支援専門員(ケアマネ)資格を取る

ケアマネ資格を取得するには、以下の流れを踏みます。

  1. 受験資格を満たす:介護福祉士・看護師・社会福祉士などの国家資格保有者で、当該業務の実務経験5年以上かつ900日以上
  2. 介護支援専門員実務研修受講試験に合格:合格率は近年15〜20%台。直近の第27回(2024年度)は合格率20%前後
  3. 介護支援専門員実務研修(87時間)を修了:演習・実習を含む研修
  4. 都道府県に登録、介護支援専門員証の交付
  5. 5年ごとに更新研修を受講

2. 認知症介護実践者研修を修了する

グループホームの計画作成担当者は、ケアマネ資格に加えて認知症介護実践者研修(おおむね8〜9日間)の修了が必須です。

項目内容
受講要件介護保険施設・事業所で認知症介護の実務経験おおむね2年以上
研修時間講義・演習・職場実習合わせて約60時間
受講料都道府県・実施機関により0〜30,000円程度
申込方法勤務先(事業所)から都道府県へ推薦・申込
修了後の効果認知症対応型サービスの計画作成担当者になれる/処遇改善加算の算定要件にも該当

出典:東京都福祉局「東京都認知症介護研修の概要」、大阪府「令和6年度 認知症介護実践研修」

注意点として、認知症介護実践者研修は事業所の推薦が必須のため、転職前に資格だけ取ることは原則できません。GHケアマネを目指すなら、まず認知症対応型の施設で実務経験を2年積んでから、現職場の推薦で受講するのが王道です。

3. キャリアアップに役立つ追加研修

  • 認知症介護実践リーダー研修:実践者研修修了後の上位研修。リーダー職や管理者を目指す人向け
  • 認知症対応型サービス事業管理者研修:GH管理者になるための必須研修(実務経験3年以上)
  • 主任介護支援専門員研修:居宅介護支援事業所の主任ケアマネ、地域包括支援センター転職時に有利

グループホームのケアマネのやりがいと大変さ

転職前にイメージしておきたい、GHケアマネの仕事のリアルな両面を整理します。

やりがい・メリット

1. 利用者の生活変化を間近で実感できる

1ユニット9人という少人数制のため、自分が立てたケアプランによって入居者の表情・行動・自立度がどう変わるかを毎日観察できます。「徘徊が減った」「家事に参加するようになった」など、変化を直接フィードバックとして受け取れる職場です。

2. 認知症ケアの専門性が深まる

認知症介護実践者研修を修了し、日々BPSD(行動・心理症状)への対応を実践するため、認知症ケアのスペシャリストとして圧倒的な専門性が身につきます。次のキャリア(認知症介護実践リーダー、認知症対応型サービス管理者)への土台にもなります。

3. 利用者・家族との濃密な関係性

少人数のため家族との顔合わせも頻繁で、深い信頼関係を築けます。看取りまで関わるケースもあり、感謝の言葉を直接受け取れる仕事です。

4. 計画作成と現場の二刀流でスキル幅が広い

居宅ケアマネのようにデスクワークだけでは物足りない、特養ケアマネのように規模が大きすぎるのも違和感。そんな方にとって、計画と現場のバランスが取れたGHケアマネは「ちょうどよい」働き方です。

大変な点・デメリット

1. 1人で27人分のケアプラン責任を負うプレッシャー

2021年改定で最大3ユニット担当が可能になった結果、1人で27人分のケアプラン作成・モニタリング・サービス担当者会議をこなす業務量負担が大きくなっています。書類業務だけで月100時間相当という声も。

2. 認知症のBPSD対応によるメンタル負担

徘徊・暴言・拒否などBPSDへの対応は、ケアマネとして冷静に介入する役割が求められます。介護兼務の場合は身体的負担も加わります。

3. 医療職が常駐しないなかでの判断責任

看護師の配置義務がないため、急変時の判断(救急要請のタイミング、家族への連絡)をケアマネ・管理者で行う場面が多いです。重症化リスクのある利用者には精神的プレッシャーが伴います。

4. 1人職場の孤立感

事業所に1人だけのケアマネ配置の場合、業務上の相談相手がいない孤立感を訴える声もあります。法人内でケアマネ同士の勉強会がある事業所を選ぶと安心です。

5. 介護労働実態調査が示す離職要因

介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」によると、ケアマネを含む介護職全体の離職理由の上位は「職場の人間関係」(約23%)、「法人や事業所の理念・運営方針への不満」(約18%)。GHは小規模ゆえ人間関係が密になりやすく、職場選びの重要度が一段高いと言えます。

グループホームのケアマネに向いている人の特徴

これまでの仕事内容・配置基準・やりがい・大変さを踏まえると、GHケアマネに向いているのは次のような方です。

1. 認知症ケアに本気で向き合いたい人

グループホームの入居者は基本的に全員が認知症と診断された方です。BPSDや進行性の症状と向き合い続けるため、「認知症ケアこそ自分のやりたい仕事」という確信がある方が長く活躍しています。

2. 少人数の濃いコミュニケーションが好きな人

1ユニット9人、3ユニットでも27人。100人規模の特養や、毎月新規ケースが入る居宅と違い、「同じ顔ぶれを長期間支える」仕事です。深く関わるのが好きなタイプに向きます。

3. デスクワークと現場業務のバランスを取りたい人

1日中PC作業のみは飽きる、でも現場一辺倒も体力的にきつい。そんな方には、計画作成業務と介護兼務がほどよく混ざるGHケアマネが合います。

4. ケアマネ資格を活かしてキャリアアップを狙う人

GHケアマネは認知症ケアの現場リーダーとしてステップアップしやすく、認知症介護実践リーダー研修→管理者→施設長というキャリアラダーが描きやすい職種です。

5. ライフスタイルに合わせて働き方を選びたい人

非常勤・パートでの計画作成担当者配置も認められているため、子育て中や介護中、シニア層のセカンドキャリアとしても選びやすい環境があります。

逆に向かないかもしれない人

  • 認知症ケアより身体介護・リハビリ中心の業務をしたい人 → 老健・回復期リハ病院がおすすめ
  • 夜勤・オンコールを絶対に避けたい人 → 居宅ケアマネ・地域包括支援センターがおすすめ
  • 多人数のケースを効率的に回したい人 → 居宅ケアマネ(35件まで担当)がおすすめ

GHケアマネのキャリアロードマップ|計画作成担当者から管理者へ

「いずれは管理者・施設長を目指したい」というケアマネに向けた、グループホームでのキャリアパスを整理します。

ステップ1:認知症対応型施設で実務経験を積む(1〜2年目)

まずは介護職員またはサブの計画作成担当者として現場経験を積みます。この期間に認知症介護基礎研修・認知症介護実践者研修を修了します。

ステップ2:計画作成担当者(ケアマネ)として配置される(3〜5年目)

ケアマネ資格と認知症介護実践者研修修了を満たしたら、計画作成担当者として配置されます。1〜2ユニットの担当からスタートし、ケアプラン作成・モニタリングのプロセスを定着させます。

ステップ3:認知症介護実践リーダー研修を修了(5〜7年目)

実践者研修修了後1年以上の実務経験で受講可能。リーダーシップ・職員指導・ケアの質改善を学び、現場のリーダー職に。

ステップ4:認知症対応型サービス事業管理者研修を修了(7年目以降)

3年以上の認知症介護実務経験+実践者研修修了が要件。管理者研修を修了すれば、グループホーム管理者として事業所運営を担えます。

ステップ5:施設長・統括管理者・開設者へ

複数事業所を統括する立場や、認知症対応型サービス事業開設者研修を経て、新規GH立ち上げに関わる道もあります。法人によっては年収500万〜600万円の管理職ポジションが用意されています。

横展開のキャリア

  • 小規模多機能型居宅介護の計画作成担当者:認知症介護実践者研修+小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修で異動可能
  • 看護小規模多機能型居宅介護:医療連携を含む統合型サービスの計画担当へ
  • 主任介護支援専門員+地域包括支援センター:地域ケアの中核へキャリアシフト

よくある質問(FAQ)

Q1. グループホームのケアマネは無資格でもなれますか?

計画作成担当者の2人目以降は、認知症介護実践者研修修了者であればケアマネ資格がなくても担当可能です。ただし、事業所内に1人以上は介護支援専門員(ケアマネ)資格保有者が必要です。一般的に「グループホームのケアマネ」と呼ばれるのは、ケアマネ資格を持つ計画作成担当者を指します。

Q2. パートや非常勤でも計画作成担当者になれますか?

グループホームの計画作成担当者は非常勤勤務でも認められています。実際、子育て中のケアマネや役職定年後のシニアケアマネが週20〜30時間勤務で活躍するケースは増えています。ただし、配置基準を満たすうえで業務量が多い事業所では、常勤雇用が前提となることが多いです。

Q3. 介護業務との兼務は必須ですか?

制度上は「業務に支障がない範囲で兼務可能」であり、必須ではありません。専従ケアマネとして計画作成業務に専念する求人もあります。求人を選ぶ際は、勤務形態欄や面接時に「介護業務の頻度はどれくらいか」を必ず確認しましょう。

Q4. 夜勤やオンコールはありますか?

事業所によって異なります。介護兼務の場合は月数回の夜勤シフトが入るケースが多く、専従ケアマネでも管理者と交代でオンコール対応を求められる事業所があります。夜勤・オンコールを避けたい場合は、求人段階での確認が必須です。

Q5. 1人で本当に最大3ユニット(27人)を担当できますか?

制度上は可能ですが、実務的には業務量が逼迫するケースが多いです。3ユニット担当の場合、月27件のモニタリング、3か月ごと27件のケアプラン更新、その都度のサービス担当者会議などをこなす必要があります。介護兼務もある場合は、計画作成業務に充てる時間の確保が課題です。事業所選びでは「計画作成担当者の総数」「補助事務職員の有無」「ICT導入状況」を確認しましょう。

Q6. 居宅ケアマネとグループホームのケアマネ、どちらが大変?

業務量の絶対値では居宅ケアマネ(最大35件)の方が多くなりがちですが、業務の幅広さではGHケアマネが上です。GHケアマネは計画作成+介護兼務+管理職的な役割を担うため、マルチタスクの負荷が高い傾向があります。一方で、利用者と毎日顔を合わせる距離の近さは大きな魅力です。

Q7. ケアマネ資格を取ったら、まずGHで働くべきですか?

初めての施設ケアマネとしては、10〜27人規模のGHは適度なケース数で経験を積めるため、おすすめの選択肢です。ただし、認知症ケアの現場経験が浅い場合は、まずGHの介護職員として認知症介護実践者研修を修了してから計画作成担当者にキャリアアップするほうがスムーズです。

参考文献・出典

まとめ|GHケアマネは認知症ケア×計画作成のスペシャリスト

グループホームのケアマネ(計画作成担当者)は、認知症ケアと計画作成を両立する数少ないポジションです。本記事のポイントを振り返ります。

  • 制度上の名称は「計画作成担当者」。事業所内に1人以上はケアマネ資格保有者が必要
  • 2021年改定で配置基準が「ユニットごと1人」から「事業所ごと1人以上(最大3ユニット兼務可)」に緩和
  • 仕事内容はケアプラン作成・モニタリング・サービス担当者会議・介護兼務と多岐にわたる
  • 給料は月給23.5〜26.8万円が中心、年収350万〜450万円が現実的レンジ
  • 必須資格は介護支援専門員+認知症介護実践者研修。研修は事業所推薦が必要
  • キャリアパスは計画作成担当者→実践リーダー→管理者→施設長と明確
  • 少人数制のため利用者との関係は濃く、認知症ケアの専門性が圧倒的に深まる

「ケアマネ資格を取ったが、いきなり数十人を担当するのは不安」「認知症ケアにじっくり向き合いたい」。そんな方にとって、グループホームの計画作成担当者は実務経験を積みながら、自分の理想とするケアを形にできる働き方です。求人を選ぶ際は「介護兼務の範囲」「夜勤・オンコール」「ICT・補助職員の有無」を必ず確認し、自分の希望する働き方とマッチする事業所を選びましょう。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。

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