
グループホーム介護職の給料・年収を徹底解説|他施設との比較と収入アップの方法
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)で働く介護職の平均給料・年収を最新データで解説。他施設との比較、資格別・勤続年数別の給料差、収入アップの方法を紹介します。
この記事のポイント
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)で働く介護職員の平均給料は、常勤で月額約30.2万円、年収約362万円です(令和6年度介護従事者処遇状況等調査)。特養や老健より月3〜6万円低い水準ですが、身体介護の負担が比較的軽く、未経験・無資格からでも働きやすい点が特徴です。資格取得や夜勤で収入アップも可能です。
グループホームの平均給料・年収・手取り
グループホームで働く介護職員の給料を、最新の公的データから確認しましょう。
常勤(正社員)の平均給料
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」によると、グループホーム(認知症対応型共同生活介護事業所)の常勤介護職員(月給制)の平均給与額は月額302,010円です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 平均給与額(月給・常勤) | 302,010円 |
| 年収換算(×12ヶ月) | 約362万円 |
| 手取り目安(額面の75〜85%) | 約226,500〜256,700円 |
| 非常勤(月給制) | 201,810円 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
介護職員全体の平均給与(月額338,200円)と比較すると、グループホームは約36,000円低い水準です。ただし、前年比で+16,930円(約+5.1%)と上昇ペースは加速しており、処遇改善加算の効果が表れています。
男女別の平均給料
グループホームは女性職員の比率が高い職場ですが、給料にも男女差が見られます。厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとにした介護職員全体の傾向では、男女間で以下のような差があります。
| 性別 | 平均給与額(月額) | 年収換算 |
|---|---|---|
| 男性 | 約320,000円 | 約384万円 |
| 女性 | 約290,000円 | 約348万円 |
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」を基に推計
男女間で月額約3万円の差がありますが、これは勤続年数や夜勤回数の違いが主な要因です。介護職は同一資格・同一業務であれば男女の賃金格差は比較的小さい業界です。
年齢別の平均給料
介護職員の給料は年齢によっても変動します。「令和6年賃金構造基本統計調査」を基にしたグループホーム介護職員の年齢別給料の目安は以下のとおりです。
| 年齢層 | 平均給与額(月額) | 年収換算 |
|---|---|---|
| 20〜24歳 | 約250,000円 | 約300万円 |
| 25〜29歳 | 約275,000円 | 約330万円 |
| 30〜34歳 | 約295,000円 | 約354万円 |
| 35〜39歳 | 約310,000円 | 約372万円 |
| 40〜44歳 | 約315,000円 | 約378万円 |
| 45〜49歳 | 約310,000円 | 約372万円 |
| 50歳以上 | 約300,000円 | 約360万円 |
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」を基に推計
35〜44歳がピークで月額約31〜31.5万円となっています。50歳以上では体力面から夜勤回数が減少する傾向があり、やや下がる傾向が見られます。20代でも資格を取得して夜勤をこなせば、平均以上の給料を得ることは十分可能です。
基本給と手当の内訳
グループホーム介護職員の給料の内訳は以下のとおりです(介護職員全体の参考値)。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 基本給 | 約192,660円 |
| 各種手当 | 約97,980円 |
| 一時金(賞与月割り分) | 約47,560円 |
手当には資格手当、夜勤手当、処遇改善手当、通勤手当などが含まれます。グループホームは1ユニット9名の少人数制のため、夜勤は各ユニット1名体制が基本です。夜勤手当は1回あたり4,000〜6,000円が相場です。
ボーナス(賞与)の相場
グループホームの賞与は年間約30〜40万円が相場です。ただし、運営法人の規模や経営状況によって大きく異なります。営利法人が運営するグループホームでは賞与が低めの傾向がある一方、社会福祉法人が運営する施設では比較的安定した賞与が支給される傾向にあります。
グループホームの仕事内容と給料の関係
グループホームの給料水準を理解するためには、実際の仕事内容を知ることが大切です。業務の特性が給料にどう影響しているのかを解説します。
グループホームの1日の流れ
グループホームでは、認知症の高齢者が少人数(1ユニット最大9名)で共同生活を送ります。介護職員の1日の業務は、利用者の生活リズムに沿って進みます。
| 時間帯 | 主な業務内容 |
|---|---|
| 7:00〜9:00 | 起床介助、バイタルチェック、朝食準備・介助、服薬介助 |
| 9:00〜12:00 | 入浴介助、レクリエーション、家事(洗濯・掃除)、買い物同行 |
| 12:00〜14:00 | 昼食準備・介助、口腔ケア、休憩 |
| 14:00〜17:00 | レクリエーション、おやつ、散歩、記録作成 |
| 17:00〜21:00 | 夕食準備・介助、口腔ケア、就寝介助、夜勤への引き継ぎ |
| 21:00〜翌7:00 | 夜勤(巡回、排泄介助、緊急対応、朝食準備) |
特養や老健と大きく異なるのは、調理や買い物など「生活支援」の比重が大きい点です。グループホームでは利用者と一緒に料理をしたり、近所に買い物に出かけたりと、家庭的な暮らしをサポートする業務が中心です。この「生活支援中心」の業務特性が、身体介護中心の特養と比べて介護報酬が低く設定されている理由のひとつです。
認知症ケアの専門性と給料への影響
グループホームの入居要件は「認知症の診断を受けていること」であり、全利用者が認知症を抱えています。そのため、介護職員には以下のような専門的な対応力が求められます。
- BPSD(行動・心理症状)への対応:徘徊、暴言・暴力、帰宅願望など
- パーソン・センタード・ケア:一人ひとりの生活歴や価値観を尊重した個別ケア
- 非薬物療法の実践:回想法、音楽療法、園芸療法などのアクティビティ
- 環境調整:少人数の居住空間を活かした安心できる環境づくり
この認知症ケアの専門性は、現時点では給料に十分反映されているとは言い難い状況です。しかし、2025年施行の認知症基本法により認知症ケアの社会的評価が高まっており、認知症介護実践者研修や認知症ケア専門士などの資格を取得すれば、資格手当として月額3,000〜10,000円の上乗せが期待できます。
夜勤体制の負担と手当
グループホームの夜勤は1ユニットにつき1名体制が基本です。これは特養(2〜3名体制)と大きく異なる点で、夜間は9名の利用者を1人で対応しなければなりません。
夜勤中の主な業務は、定期的な巡回(2時間おき程度)、排泄介助、体位変換、緊急時の対応、朝食の準備などです。認知症の利用者は夜間に不穏になることもあり、精神的な負担は1人体制のため大きいと言えます。
グループホームの夜勤手当は1回あたり4,000〜6,000円が相場です。月4〜5回の夜勤で16,000〜30,000円の収入アップになります。2ユニットの施設では夜勤者が2名いるため、緊急時に助け合える点で安心感があります。夜勤の負担と手当のバランスは、施設選びの重要なポイントです。
パート・非常勤の給料・時給
グループホームはパート・非常勤の介護職員も多く活躍しています。時給制で働く場合の給料を確認しましょう。
時給・月収の相場
| 雇用形態 | 平均給与額(月額) | 実労働時間 | 実質時給 |
|---|---|---|---|
| 時給制・常勤 | 約200,000円 | 約160時間 | 約1,250円 |
| 時給制・非常勤 | 約140,000円 | 約102.7時間 | 約1,100〜1,300円 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
グループホームのパート時給は約1,100〜1,300円で、訪問介護(1,400〜1,700円)と比較するとやや低めです。これは訪問介護が資格必須であるのに対し、グループホームは無資格でも働ける求人が多いことが影響しています。
登録ヘルパーとの時給比較
在宅系の介護サービスでは登録ヘルパー(訪問介護員)という働き方もあります。グループホームのパートとの比較は以下のとおりです。
| 項目 | GHパート | 登録ヘルパー |
|---|---|---|
| 時給相場 | 1,100〜1,300円 | 1,400〜1,700円 |
| 必要資格 | 不問(無資格可) | 初任者研修以上 |
| 勤務の安定性 | シフト制で安定 | 利用者都合で変動 |
| 移動時間 | なし | 利用者宅間の移動あり |
| 社会保険加入 | 週20時間以上で可 | 条件次第で加入困難な場合も |
登録ヘルパーは時給こそ高いものの、移動時間が無給だったり、利用者のキャンセルで勤務時間が減るリスクがあります。グループホームのパートはシフトが安定しているため、月単位で見ると手取りに大きな差が出ないケースもあります。
扶養内で働く場合のシミュレーション
配偶者の扶養内で働きたい場合、年収の壁を意識する必要があります。グループホームのパート勤務でシミュレーションしてみましょう。
| 年収の壁 | 時給1,200円の場合の上限 | 勤務パターン例 |
|---|---|---|
| 103万円の壁(所得税) | 月約85,800円 | 週4日×4.5時間 |
| 106万円の壁(社保・大企業) | 月約88,300円 | 週4日×4.5時間 |
| 130万円の壁(社保・一般) | 月約108,300円 | 週5日×4.5時間 |
グループホームは日勤帯(9時〜14時など)の短時間勤務にも対応している施設が多いため、扶養内で働きたい方にも適しています。ただし、2026年時点で社会保険の適用拡大が段階的に進んでおり、週20時間以上勤務する場合は加入要件を確認しましょう。
グループホームでは利用者の認知症ケアを通じて専門性を身につけながら働ける点がメリットです。無資格からスタートし、働きながら初任者研修→実務者研修→介護福祉士と資格を取得していくことで、段階的に時給アップが見込めます。
グループホームの給料は安い?他施設との比較
「グループホームの給料は安い」と言われることがありますが、実際のデータで他の介護施設と比較してみましょう。
サービス種類別の平均給与(月給・常勤)
| サービス種類 | 平均給与額(月額) | GHとの差 |
|---|---|---|
| 介護老人福祉施設(特養) | 361,860円 | +59,850円 |
| 特定施設入居者生活介護 | 361,000円 | +58,990円 |
| 介護老人保健施設(老健) | 352,900円 | +50,890円 |
| 訪問介護事業所 | 349,740円 | +47,730円 |
| 介護医療院 | 330,030円 | +28,020円 |
| 通所リハビリテーション | 319,310円 | +17,300円 |
| 小規模多機能型居宅介護 | 305,220円 | +3,210円 |
| グループホーム | 302,010円 | ― |
| 通所介護(デイサービス) | 294,440円 | −7,570円 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
グループホームの給料が低めの3つの理由
- 利用者の要介護度が比較的低い:グループホームの利用者は要介護1〜3が中心で、特養(要介護3以上)や老健と比べて身体介護の頻度が少ないため、介護報酬の単価が低く設定されています。
- 小規模施設のため経営効率が低い:1ユニット最大9名の少人数制のため、大規模施設と比べてスケールメリットが効きにくく、職員への還元にも限界があります。
- 無資格者の割合が高い:未経験・無資格でも始めやすい職場であるため、有資格者の割合が他施設より低く、平均給与を押し下げる要因になっています。
ただし、デイサービスよりは高い水準
グループホームの給料はデイサービスより月額約7,600円高く、最下位ではありません。また、グループホームには夜勤があるため夜勤手当が加算される点や、認知症ケアの専門性を身につけられる点は、給料以外の大きなメリットです。
当サイトが厚労省データを分析したところ、グループホームは処遇改善加算の取得率が99.7%と非常に高く、賃金改善(ベースアップ等)を実施している事業所は68.4%に達しています。加算による底上げ効果が大きい分野と言えます。
条件別の給料比較【資格・勤続年数・年齢】
グループホームの給料は条件によって大きく変わります。資格別・勤続年数別・年齢別のデータを確認しましょう。
保有資格別の平均給料
| 保有資格 | GH平均給与(月額) | 無資格との差 |
|---|---|---|
| 介護福祉士 | 約304,000円 | +約49,000円 |
| 実務者研修 | 約286,000円 | +約31,000円 |
| 初任者研修 | 約281,000円 | +約26,000円 |
| 無資格 | 約255,000円 | ― |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
介護福祉士を取得することで、無資格と比べて年間約59万円の収入差が生まれます。グループホームは無資格から始められる職場ですが、キャリアアップのためには早めの資格取得が重要です。
勤続年数別の平均給料
| 勤続年数 | 平均給与額(月額) |
|---|---|
| 1年(勤続1年〜1年11ヶ月) | 約267,000円 |
| 3年(勤続3年〜3年11ヶ月) | 約284,000円 |
| 5年(勤続5年〜5年11ヶ月) | 約296,000円 |
| 10年(勤続10年以上) | 約325,000円 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
勤続10年以上では月額約32.5万円で、勤続1年と比較して月額約5.8万円、年間で約70万円のアップとなります。1つの施設で長く働き続けることも、着実な収入アップにつながります。
法人種類別の給料差
グループホームの運営主体によっても給料は異なります。介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」等を参考にした傾向は以下のとおりです。
| 運営法人の種類 | 平均給与(月額目安) | 特徴 |
|---|---|---|
| 社会福祉法人 | 約310,000〜320,000円 | 賞与が安定、福利厚生が充実 |
| 医療法人 | 約305,000〜315,000円 | 医療手当あり、病院併設の強み |
| 営利法人(株式会社等) | 約285,000〜300,000円 | 事業所数が多く、差が大きい |
| NPO法人 | 約275,000〜290,000円 | 小規模運営が多い |
出典:介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」を基に推計
社会福祉法人は営利法人と比べて月額2〜3万円高い傾向にあります。これは社会福祉法人が法人税の優遇措置を受けており、その分を職員の処遇に充てやすいためです。また、社会福祉法人は賞与の支給率が高く、年収ベースでは差がさらに広がることがあります。
施設規模別(ユニット数別)の給料差
グループホームは1ユニット最大9名で構成されますが、施設のユニット数によっても経営効率と給料に差があります。
| 施設規模 | 平均給与(月額目安) | 特徴 |
|---|---|---|
| 1ユニット(9名定員) | 約290,000〜300,000円 | 小規模で経営効率が低い |
| 2ユニット(18名定員) | 約300,000〜310,000円 | 最も多い運営形態 |
| 3ユニット(27名定員) | 約305,000〜315,000円 | スケールメリットあり |
2ユニット以上の施設は、管理部門の人件費や事務コストを分散できるため、その分を介護職員の給料に還元しやすくなります。転職先を選ぶ際は、2〜3ユニット運営の施設を優先的にチェックするのがおすすめです。なお、2024年度の介護報酬改定では「認知症グループホームサービス費(Ⅰ)」の1ユニットと2ユニット以上で報酬単価に差が設けられており、複数ユニットの施設ほど経営が安定する構造になっています。
管理者との給料差
グループホームの管理者(施設長)になると、給料は大幅にアップします。管理者の平均給与は月額約38〜42万円、年収約460〜500万円が相場です。一般の介護職員との差は月額約8〜12万円にもなります。認知症対応型サービス事業管理者研修の修了が要件となりますが、キャリアの最終目標として目指す価値があります。
グループホームの給料を上げる6つの方法
グループホームで働きながら収入をアップさせる方法を紹介します。
1. 介護福祉士などの上位資格を取得する
最も効果的な方法は資格取得です。初任者研修→実務者研修→介護福祉士のステップで、月額約5万円の収入アップが見込めます。グループホームで3年の実務経験を積めば介護福祉士の受験資格が得られるので、早めに計画を立てましょう。
資格取得にかかる費用の目安は、初任者研修が5〜10万円、実務者研修が8〜15万円です。多くのグループホーム運営法人が資格取得支援制度を設けており、受講費用の全額または一部を補助してくれます。制度の有無は求人選びの際に必ず確認しましょう。
2. 夜勤回数を増やす
グループホームの夜勤手当は1回あたり4,000〜6,000円が相場です。月5回の夜勤で2〜3万円の収入アップになります。ただし、1ユニット1名体制の夜勤は負担が大きいため、体調管理との兼ね合いが重要です。
夜勤専従(夜勤のみを担当する働き方)であれば、月10〜12回の勤務で月収28〜35万円を得ることも可能です。日勤がないため生活リズムは偏りますが、効率的に稼ぎたい方には選択肢のひとつです。
3. 管理者・計画作成担当者を目指す
グループホームの管理者になれば月額8〜12万円のアップが期待できます。管理者になるには「認知症対応型サービス事業管理者研修」の修了が必要ですが、実務経験3年以上で受講資格が得られます。また、計画作成担当者(ケアプラン作成担当)は介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格が活かせるポジションで、役職手当が加算されます。
4. パートから正社員に転換する
パート(時給制・非常勤)の月収約14万円に対し、正社員(月給制・常勤)は約30万円と約2倍以上の差があります。正社員は賞与や各種手当も手厚いため、安定収入を目指すなら正社員登用を検討しましょう。多くのグループホームでは正社員登用制度を設けており、パートとして実績を積んでから正社員に転換する道が用意されています。
5. 認知症ケアの専門資格を取得する
グループホームならではの給料アップ戦略として、認知症ケア専門士や認知症介護実践者研修の修了があります。認知症ケア専門士は日本認知症ケア学会が認定する資格で、取得すると月額3,000〜5,000円の資格手当が支給される施設があります。認知症介護実践者研修は都道府県が実施する公的研修で、グループホームの計画作成担当者には修了が推奨されています。これらの専門性は他施設でも評価されるため、転職時の交渉材料にもなります。
6. 給料の高い施設に転職する
同じグループホームでも、運営法人や地域によって給料には大きな差があります。転職を検討する際は以下を比較しましょう。
- 処遇改善加算の加算区分(Ⅰ〜Ⅳ):加算Ⅰを取得している施設は職員への還元が最も手厚い
- 運営法人の種類:社会福祉法人は賞与が安定しやすく、年収ベースで有利
- ユニット数:2〜3ユニットの施設は経営効率が良く、還元率が高い傾向
- 資格取得支援制度の有無:長期的な収入アップに直結する重要な福利厚生
- 都市部か地方か:東京・大阪など都市部は地域加算があり、給料が高めの傾向
2026年の賃上げ動向と今後の見通し
グループホームの給料は近年上昇傾向にあります。2026年以降の見通しを確認しましょう。
処遇改善加算の効果
グループホームの処遇改善加算取得率は99.7%と、介護施設のなかでも最高水準です。2024年6月の加算一本化以降、ベースアップを実施した事業所は68.4%に達しています。前年比+16,930円(+5.1%)という伸び率は、介護職全体の+4.3%を上回っています。
処遇改善加算は2024年度に「処遇改善加算」「特定処遇改善加算」「ベースアップ等支援加算」の3種類が一本化されました。新たな加算区分はⅠ〜Ⅳの4段階で、加算Ⅰ(最上位)を取得している施設は介護報酬の24.5%が処遇改善に充てられます。グループホームの約7割が加算ⅠまたはⅡを取得しており、給料の底上げ効果は大きいと言えます。
2026年6月の臨時改定の影響
2026年6月の介護報酬臨時改定(+2.03%)により、グループホームの介護職員もさらなる賃上げが見込まれます。この改定の特徴は、介護職員の賃金を2024年度比で月額約1.9万円引き上げることを目標としている点です。改定が予定どおり実施されれば、グループホームの常勤平均給与は月額約32万円、年収約384万円に達する可能性があります。
また、政府は「2025年度中に介護職員の賃金を全産業平均に近づける」という目標を掲げています。全産業平均の月額給与は約36万円であり、まだ差はありますが、段階的な改定による底上げが続く見込みです。
認知症施策の拡充が追い風
2025年1月に施行された「認知症基本法」により、認知症ケアの重要性が社会的に認識されています。グループホームは認知症ケアの中核施設として位置づけられており、今後の報酬改定で認知症ケアに対する評価の引き上げが期待されます。
具体的には、認知症介護実践者研修の修了者配置に対する加算の拡充や、看取り対応を行うグループホームへの報酬上乗せなどが議論されています。これらの加算が実現すれば、専門性の高い職員への還元がさらに進むことが見込まれます。グループホーム職員の給料アップに直結する可能性があり、今後の動向に注目です。
グループホームの給料に関��るよくある質問
Q. グループホームの給料が安いと言われるのはなぜ?
A. 利用者の要介護度が比較的低く介護報酬の単価が低いこと、小規模施設でスケールメリットが効きにくいこと、無資格者の割合が高いことが主な理由です。ただし、処遇改善加算の取得率は99.7%と高く、近年は改善傾向にあります。
Q. グループホームで年収400万円は可能?
A. 介護福祉士を取得し、夜勤を月5回程度担当すれば年収380〜400万円に到達できます。さらに管理者になれば年収460〜500万円も現実的です。
Q. グループホームと特養ではどちらが稼げる?
A. 月額ベースでは特養が約6万円高いです。ただし、特養は身体介護の負担が大きく夜勤回数も多い傾向にあります。ワークライフバランスを考慮したうえで選択しましょう。
Q. グループホームのパートで月にいくら稼げる?
A. 時給1,200円で1日6時間・週4日働いた場合、月収は約115,200円です。夜勤も担当する場合は夜勤手当が加算されるため、月収15万円以上も可能です。
Q. 認知症ケアの経験は転職に有利?
A. はい、非常に有利です。高齢化の進展により認知症ケアの需要は増加しており、グループホームでの経験は特養・有料老人ホーム・訪問介護など幅広い施設で評価されます。認知症ケア専門士の資格があればさらに有利です。
Q. グループホームの夜勤は1人で大丈夫?
A. グループホームの夜勤は1ユニット1名体制が基本です。不安を感じる方も多いですが、利用者は最大9名と少人数であり、日中に比べて介助量は少なめです。ただし、認知症の方の夜間の不穏や転倒リスクには注意が必要です。2ユニット以上の施設であれば、もう1人の夜勤者と連携できるため安心感があります。不安な場合は、研修体制が整った施設を選ぶとよいでしょう。
Q. 認知症ケアに役立つ資格は?
A. グループホームで活かせる認知症関連の資格には、「認知症ケア専門士」「認知症介護実践者研修」「認知症介護実践リーダー研修」などがあります。認知症ケア専門士は3年以上の実務経験で受験でき、資格手当が付く施設もあります。認知症介護実践者研修は都道府県が実施する公的研修で、キャリアアップの基盤となります。
Q. グループホームの開設者(オーナー)になるメリットは?
A. グループホームは1ユニット9名の小規模施設のため、特養や老健と比べて初期投資が少なく開設しやすい事業形態です。開設者としての年収は経営状況次第ですが、2ユニット以上の安定運営が実現すれば年収600〜800万円以上も可能です。ただし、認知症対応型サービス事業管理者研修の修了が必要で、市町村の公募・選定を経る必要があります。介護職としての経験を積んだうえでの独立開業は、キャリアの選択肢のひとつです。
参考文献・出典
- [1]
- [2]
- [3]
- [4]
まとめ
グループホームで働く介護職員の給料は、常勤で月額約30.2万円、年収約362万円です。特養や老健と比べると低めの水準ですが、以下のポイントを押さえれば着実に収入アップが可能です。
- 介護福祉士を取得すれば月額約5万円のアップ
- 管理者を目指せば年収460〜500万円も現実的
- 夜勤手当(月5回で2〜3万円)の活用
- 処遇改善加算が充実した事業所を選ぶ
グループホームは身体介護の負担が比較的軽く、少人数制で利用者一人ひとりに寄り添えるやりがいのある職場です。認知症ケアの専門性は今後ますます求められる分野であり、キャリアとしての将来性も高いと言えます。2026年6月の臨時改定による賃上げも追い風となっており、グループホームの処遇改善は今後も続く見通しです。
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グループホームの1日の流れ
グループホームでは、早番・日勤・遅番・夜勤のシフト制で勤務します。日勤と夜勤それぞれの1日の流れを見てみましょう。
日勤の1日の流れ(9:00〜18:00の例)
| 時間 | 業務内容 |
|---|---|
| 9:00 | 出勤、申し送り(夜勤者から引き継ぎ) |
| 9:30 | バイタルチェック、お茶の提供 |
| 10:00 | 入浴介助、レクリエーション |
| 11:30 | 昼食準備(利用者さんと一緒に調理) |
| 12:00 | 昼食、服薬介助 |
| 13:00 | 休憩(1時間) |
| 14:00 | レクリエーション、おやつ準備 |
| 15:00 | おやつ、自由時間(散歩・買い物など) |
| 16:00 | 夕食準備、介護記録の作成 |
| 17:30 | 遅番への申し送り |
| 18:00 | 退勤 |
夜勤の1日の流れ(16:00〜翌9:00の例)
| 時間 | 業務内容 |
|---|---|
| 16:00 | 出勤、日勤者から申し送り |
| 17:00 | 夕食準備(利用者さんと一緒に) |
| 18:00 | 夕食、服薬介助 |
| 19:00 | 口腔ケア、就寝準備 |
| 20:00 | 就寝介助(着替え、トイレ誘導) |
| 21:00 | 消灯、巡回開始 |
| 22:00〜5:00 | 定期巡回(2時間ごと)、体位変換、排泄介助 ※仮眠時間あり(施設による) |
| 6:00 | 起床介助、着替え、トイレ誘導 |
| 7:00 | 朝食準備 |
| 8:00 | 朝食、服薬介助、口腔ケア |
| 8:30 | 介護記録作成、申し送り準備 |
| 9:00 | 日勤者への申し送り、退勤 |
夜勤の注意点
認知症の方は、夜間に不安になって起き出したり、徘徊してしまうことがあります。そのため、定期的な巡回と見守りが欠かせません。ただし、グループホームは少人数(1ユニット5〜9人)なので、大規模施設に比べると夜勤の負担は軽めです。
グループホームで働くメリット・デメリット
メリット
1. 体力的な負担が少ない
グループホームは比較的介護度が低い方が多く、全介助が必要なケースは少なめです。特養などに比べると、腰への負担が軽く、体力に自信がない方でも働きやすい環境です。
2. 一人ひとりに寄り添ったケアができる
少人数制(1ユニット5〜9人)なので、利用者さん一人ひとりとじっくり向き合えます。「流れ作業」ではなく、その方の生活リズムや好みに合わせたケアが可能です。
3. 家庭的でアットホームな雰囲気
グループホームは「第二の家」をコンセプトにしているため、職場の雰囲気も穏やかです。利用者さんと一緒に料理をしたり、おしゃべりを楽しんだりと、家庭的な時間を過ごせます。
4. 未経験でも始めやすい
身体介護の比重が軽いため、介護未経験の方でも入職しやすいです。先輩スタッフから丁寧に教えてもらいながら、徐々にスキルアップできます。
5. 認知症ケアの専門性が身につく
認知症専門施設なので、認知症ケアについて深く学べます。この経験は、どの介護現場でも役立つ貴重なスキルになります。
デメリット
1. 認知症ケアの難しさ
認知症の方は、同じことを何度も聞いたり、怒りっぽくなったりすることがあります。最初は対応に戸惑うこともあるでしょう。根気強さと理解が求められます。
2. 看取りへの精神的負担
グループホームで最期を迎える方もいます。長い時間を一緒に過ごした利用者さんとのお別れは、精神的に辛いこともあります。
3. 夜勤は1人体制のことも
夜勤は1ユニットにつき1人配置が基本です。何かあったときに1人で対応しなければならない場面もあり、不安を感じる方もいます。
4. 給与は平均的
特養や老健に比べると、給与水準はやや低めです。ただし、体力的な負担の軽さを考慮すると、バランスは取れているともいえます。
のの働き方
のでは、様々な働き方が可能です。
勤務形態の選択肢
- 日勤のみ:の中には日勤帯のみで働ける施設もあります
- シフト制:早番・日勤・遅番・夜勤のローテーションが基本
- パート・アルバイト:週2〜3日から働ける柔軟な雇用形態
で働く環境
エリアのでは、資格取得支援制度や研修制度が充実している施設が多くあります。での経験を積みながら、キャリアアップを目指すことができます。
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介護職の給料・年収|施設別・資格別の平均と給料アップ方法【2026年】
介護職の平均年収は約350万円。施設別・資格別・地域別の給料比較、2025年の賃上げ動向、給料を上げる5つの方法を解説。転職で年収アップを目指す方必見。
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