高齢者の痛風|足の親指の激痛の原因・家庭での対応と受診の目安
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高齢者の痛風|足の親指の激痛の原因・家庭での対応と受診の目安

高齢者の痛風は利尿薬や腎機能低下で起こりやすく、非典型例や女性も増えます。足の親指の激痛が出たときの家庭での対応(安静・冷却・患部を高くする)、偽痛風との違い、何科を受診するかの目安を、家族向けにやさしく解説します。

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痛風は、血液中の尿酸が結晶になって関節にたまり、激しい炎症(痛風発作)を起こす病気です。足の親指の付け根が赤く腫れて強く痛むのが典型ですが、高齢者では利尿薬の服用や腎機能の低下で起こりやすく、足以外の関節に出たり女性に出たりする非典型例も増えます。発作が起きたら、患部を安静にして冷やし、足を高くして、自己判断で市販の痛み止め(特にアスピリン)を足さずに受診します。受診は内科・整形外科・リウマチ科が目安で、発熱を伴う強い関節の腫れは早めに相談してください。

目次

ご高齢のご家族が「夜中に急に足の親指の付け根が腫れて、激しく痛む」「歩けないほど痛がる」と訴えると、ご家族はとても驚かれると思います。その代表的な原因のひとつが痛風です。痛風は中高年の男性に多いと知られていますが、高齢になると事情が少し変わります。血圧やむくみのために飲んでいる利尿薬、加齢による腎機能の低下、閉経後の女性のホルモン変化などが重なり、高齢者では痛風が起こりやすくなったり、足の親指以外の関節に出たりすることがあるのです。さらに、痛風とよく似た偽痛風という別の病気のこともあり、見た目だけでは区別がつきません。

この記事は、介護を受けるご本人と支えるご家族に向けて、痛風がどんな病気か、発作が起きたときに家庭でできる対応、似た病気である偽痛風との違い、そして何科をいつ受診すればよいかを、できるだけやさしくまとめました。痛風は適切に対応すれば落ち着く病気ですが、自己判断は禁物です。診断や薬の調整は必ず医師に相談してください。この記事の内容は一般的な情報であり、個々の診断・治療に代わるものではありません。気になる症状があるときは、かかりつけ医や医療機関に相談しましょう。

痛風とは|尿酸の結晶が関節にたまって起こる激しい炎症

痛風とは、血液中の尿酸(にょうさん)が増えた状態が長く続くことで、尿酸が針状の結晶になって関節にたまり、そこに体が反応して急激な炎症(痛風発作)を起こす病気です。血清尿酸値が7.0mg/dL以上の状態を高尿酸血症といい、これが続くと結晶ができやすくなります。尿酸はもともと体の中でつくられる老廃物で、プリン体という物質が分解されてできます。つくられすぎたり、腎臓からの排泄が減ったりすると血液中にたまっていきます。

尿酸がたまる2つのルート

尿酸が増える原因は、大きく「つくられすぎる(産生過剰)」「出ていきにくい(排泄低下)」の2つに分けられます。多くの人はこの両方が重なっています。高齢者では、腎臓の働きが落ちて尿への排泄が減る「排泄低下」のタイプが関わりやすく、さらに脱水や一部の薬がこれに拍車をかけます。尿酸そのものは健康な人の血液中にもあり、すぐに悪さをするわけではありませんが、高い状態が長く続くと結晶として関節にたまっていきます。

足の親指の付け根に出やすい理由

痛風発作は、足の親指の付け根(第1中足趾節関節)に最も多く起こり、この場所の発作はポダグラとも呼ばれます。尿酸の結晶は体温の低い、心臓から遠い部分にたまりやすいため、足の指先が好発部位になります。赤く腫れて熱を持ち、触れるだけでも飛び上がるほど痛むのが特徴です。足首、足の甲、膝、手首、アキレス腱の付け根などに出ることもあります。夜間から明け方にかけて急に痛みだすことが多く、「昨日まで何ともなかったのに、朝起きたら歩けないほど腫れている」という形で気づかれます。

前ぶれ(前兆)があることも

痛風発作の前には、その関節がムズムズする、違和感がある、少しチクチクするといった軽い前ぶれを感じる人もいます。こうした前兆の段階で対応できると、発作の程度を抑えられることがあります。過去に痛風と言われたことがある方は、前ぶれを感じたら早めにかかりつけ医へ相談し、無理をしないようにしましょう。

発作の経過

最初の数回の発作は、ふつう1つの関節だけに起こり、数日から1週間ほど続いて自然に軽快していきます。痛みのピークを過ぎると、いったん嘘のように治まることもあります。しかし、これは尿酸の結晶がなくなったわけではありません。高尿酸血症をそのままにしておくと、発作を繰り返したり、関節以外(腎臓など)にも影響が及んだりするため、発作が治まっても受診して根本の管理をすることが大切です。発作を繰り返すうちに、痛む間隔が短くなったり、複数の関節に出るようになったりすることもあります。

高齢者の痛風で知っておきたい特徴|利尿薬・腎機能・非典型例

高齢者の痛風は、若い世代の典型的な痛風とは少し違う顔を見せることがあります。ご家族が知っておくと、受診の判断や医師への説明に役立ちます。

利尿薬が尿酸を上げることがある

高血圧やむくみ、心不全のために利尿薬を飲んでいる方は少なくありません。利尿薬の一部は血液中の尿酸値を上げる働きがあり、痛風の発作を起こしやすくする要因になります。MSDマニュアル家庭版でも、高血圧の治療で利尿薬を使っている痛風の方は、利尿薬以外の降圧薬(ロサルタンなど)に切り替えると発作の回数が減ることがあると説明されています。ただし、薬の変更は必ず医師の判断が必要です。ご家庭で勝手に中止したり減らしたりしないでください。利尿薬のほかにも、少量のアスピリンなど尿酸値に影響しうる薬があるため、飲んでいる薬はお薬手帳で医師・薬剤師に把握してもらいましょう。

腎機能の低下で起こりやすい

尿酸は腎臓から尿に排泄されます。加齢とともに腎機能が低下すると、尿酸が体にたまりやすくなり、高尿酸血症や痛風につながります。脱水も尿酸値を上げる方向に働くため、水分が不足しがちな高齢者は特に注意が必要です。逆に、高い尿酸値が長く続くと腎臓に負担をかけ、腎機能をさらに悪くするという悪循環もあります。痛風と腎臓の健康は切り離せない関係にあるため、尿酸値だけでなく腎機能も定期的に確認してもらうことが大切です。

足の親指以外の関節・非典型例が増える

若い男性では足の親指の付け根に出る典型例が多いのですが、高齢者や女性では、手指や膝など別の関節に慢性的な関節炎として出る非典型例も見られます。場所が違うために痛風と気づかれにくいことがあります。すでに変形性関節症などで関節が痛む方だと、「いつもの痛みが強くなっただけ」と見過ごされることもあるため、急に強く腫れて熱を持つときは別の原因を疑って受診します。

閉経後の女性にも増える

女性ホルモン(エストロゲン)には尿酸の排泄を助ける働きがあるため、閉経前の女性は痛風が少ないとされています。閉経後はこの働きが弱まり、女性でも痛風が起こりやすくなります。MSDマニュアル家庭版でも、痛風は中年期の男性と閉経後の女性に起こると説明されています。「痛風は男性の病気」という思い込みで見逃さないことが大切です。

症状を訴えにくい高齢者では家族の観察が手がかり

認知症などで痛みをうまく言葉にできない方では、急に歩きたがらない、片足をかばう、足に触れられるのを嫌がる、夜に落ち着かない、といった様子の変化が手がかりになります。片方の関節だけが赤く腫れて熱を持っていないか、ご家族が見てあげると、受診のきっかけになります。

発作が起きたときの家庭での対応|安静・冷却・足を高く

痛風発作が起きてしまったとき、ご家庭でできるのは「炎症を悪化させないこと」と「できるだけ早く医療につなぐこと」です。痛風・尿酸財団が示している応急処置をもとに、家族が手伝えるポイントを整理します。痛みを根本から止める治療は薬によるもので、これは医師の処方が前提です。以下はあくまで受診までの間の対処です。

1. 患部を安静にする

痛む関節は動かさず、安静にします。無理に歩かせたり、靴下や靴で締めつけたりしないようにします。布団や毛布が触れるだけでも痛むことがあるので、患部に物が当たらない工夫をします。トイレなど、どうしても動く必要があるときは、手すりや歩行器、ご家族の介助でできるだけ患部に体重をかけないようにします。

2. 患部を冷やす

痛む関節を冷やすと、炎症と痛みをやわらげる助けになります。保冷剤や氷のうをタオルで包んで当て、冷やしすぎや凍傷に注意します。1回15〜20分ほどを目安に、間をあけて繰り返すとよいでしょう。皮膚の感覚が鈍い方や血流の悪い方は、低温やけどを起こさないよう、こまめに皮膚の状態を確認します。逆に、温めること(入浴・カイロ・温湿布)は炎症を強めることがあるため、発作中は避けます。

3. 患部を高くする

痛む足を心臓より高い位置に上げる(クッションや机の上にのせる)と、腫れや痛みがやわらぐことがあります。横になって足の下に枕を入れるだけでも構いません。長時間下げたままにすると腫れが強くなることがあるので、休んでいる間は高くしておくと楽になります。

4. マッサージ・もみほぐしはしない

痛風・尿酸財団は「マッサージはもってのほか」と明記しています。よかれと思って患部をもむと、かえって炎症を広げてしまいます。さすったり押したりせず、そっとしておきましょう。湿布や塗り薬も、自己判断であれこれ使うと刺激になることがあるため、迷うときは医療機関に確認します。

5. 自己判断で痛み止めを足さない

強い痛みに、家にある市販の痛み止めをあれこれ追加したくなりますが、これは避けます。とくにアスピリン(アセチルサリチル酸を含むバファリンなどの一部の解熱鎮痛薬)は、量によって尿酸の動きを変え、発作を悪化させることがあると痛風・尿酸財団は注意しています。すでに医師から痛風発作用の薬を処方されている場合は、その指示どおりに使い、それ以外の薬を自己判断で重ねないでください。市販薬を使ってよいか迷うときは、薬剤師や医療機関に確認します。

6. 水分をとり、お酒は控える

脱水は尿酸値を上げる方向に働くため、持病で水分制限がない限り、水やお茶でこまめに水分をとります。アルコールは尿酸値を上げ発作を長引かせるため、発作中は禁酒します。

受診のときに役立つ記録

受診をスムーズにするため、いつから・どの関節が・どんなふうに痛むか、熱や腫れの有無、これまでに同じような発作があったか、飲んでいる薬(お薬手帳)をメモしておくと、医師の診断や薬の調整に役立ちます。発作中の関節の写真を撮っておくと、受診時に腫れが引いていても様子を伝えられます。

痛風と偽痛風(ピロリン酸カルシウム)の違い

高齢者で「急に関節が腫れて激しく痛む」とき、痛風とよく似た偽痛風(ぎつうふう)という病気のこともあります。見た目や経過が似ているため自己判断では区別できませんが、原因も出やすい場所も違います。ご家族が違いの目安を知っておくと、医師への説明に役立ちます。

痛風偽痛風(CPP関節炎)
原因となる結晶尿酸(尿酸ナトリウム)の結晶ピロリン酸カルシウムの結晶
出やすい関節足の親指の付け根が代表的膝が最も多く、肩・手首・足首など大きな関節
多い人中高年の男性、閉経後の女性高齢者に多く、男女差は小さい
尿酸値高いことが多い必ずしも高くない
食事・尿酸の薬での予防食事や尿酸を下げる薬が有効食事療法・尿酸の薬では予防しにくい

偽痛風はピロリン酸カルシウムの結晶が関節の軟骨にたまって起こり、日本リウマチ学会の解説でも「高齢者の大きな関節に激しい痛みが起こる」とされています。膝が腫れて痛む場合は偽痛風の可能性も考えられます。どちらも炎症を抑える治療が中心ですが、確定診断には関節の液や画像の検査が必要です。「足の親指だから痛風」「膝だから偽痛風」と決めつけず、医師の診断を受けてください。

もうひとつ注意したい「関節の感染(化膿性関節炎)」

痛風や偽痛風と見た目が似ていて、より急ぐ必要があるのが、関節に細菌が入って起こる化膿性関節炎です。日本リウマチ学会の解説でも、関節炎の診断ではこの感染症を見分けることが重要とされています。関節の激しい腫れと痛みに加えて、発熱や強い全身のだるさを伴う場合は、痛風と決めつけずに早めに受診してください。とくに糖尿病などで感染に弱い方では注意が必要です。家庭での冷却や安静はこの場合も役立ちますが、原因によって治療がまったく異なるため、最終的な判断は必ず医師に委ねます。

受診の目安と何科に行くか|こんなときは早めに相談

痛風や偽痛風は、見た目だけでは他の病気と区別できないことがあります。とくに高齢者では、関節の細菌感染(化膿性関節炎)など、急いで治療が必要な病気が隠れていることもあるため、自己判断で様子を見続けず、受診につなげることが大切です。

何科を受診すればよいか

尿酸値の管理や全身の生活習慣病も含めてみてもらうなら内科(一般内科・腎臓内科・代謝内科)、関節の腫れや痛みが強い場合は整形外科、関節炎の専門的な診断にはリウマチ科が目安です。かかりつけ医がいる場合は、まずそこに相談すると、必要に応じて適切な科へつないでもらえます。すでに利尿薬など複数の薬を飲んでいる方は、お薬手帳を持って受診すると、薬の影響もあわせて判断してもらえます。初めての発作で、どこにかかればよいか迷うときは、まずかかりつけの内科に相談するとよいでしょう。

早めに受診・相談したいサイン

  • 関節の激しい痛みと腫れに加えて、発熱や全身のだるさがある(関節の感染症など別の病気の可能性)
  • 痛む関節が赤黒く腫れ、強い熱を持っている
  • 痛みが1週間以上続く、または複数の関節に広がっていく
  • これまで痛風と言われたことがなく、初めて強い関節の痛みが出た
  • 糖尿病や腎臓病など持病があり、薬を飲んでいる
  • 水分や食事がとれず、ぐったりしている

とくに「発熱を伴う強い関節の腫れ」は、痛風ではなく関節の細菌感染のことがあり、早い対応が必要です。迷ったら、夜間でも相談窓口(自治体の救急相談など)に連絡してください。意識がもうろうとする、呼吸が苦しい、ぐったりして反応が鈍いなど全身状態が悪いときは、関節の問題にとどまらない可能性があるため、ためらわず救急への相談を検討します。受診の前には、いつから・どの関節が痛むか、発熱の有無、お薬手帳を準備しておくと、診察がスムーズになります。

痛風の予防と再発防止|水分・食事・薬の見直しは医師と

発作が落ち着いたあとに大切なのは、尿酸値を安定させて発作を繰り返さないようにすることと、背景にある生活習慣病を整えることです。ご家庭でできる工夫を中心にまとめます。いずれも、持病や飲んでいる薬によって適切な内容が変わるため、必ず主治医と相談しながら進めてください。

水分をしっかりとる

脱水は尿酸値を上げるため、心不全や腎臓病などで水分制限の指示がない限り、水やお茶でこまめに水分をとります。高齢者はのどの渇きを感じにくいので、ご家族が時間を決めて声かけをすると続けやすくなります。起床時、食事ごと、入浴前後など、タイミングを決めるとよいでしょう。コーヒーやお茶は構いませんが、糖分の多いジュースや甘い清涼飲料は尿酸値を上げやすいので控えめにします。

食事とお酒

レバーや干物、白子などプリン体の多い食品やビールを含むアルコールは、尿酸値を上げる方向に働きます。極端な制限よりも、バランスよく食べて食べ過ぎ・飲み過ぎを避けることが現実的です。肥満があるなら、無理のない範囲での減量も尿酸値の改善につながります。ただし高齢者では、痛風を気にするあまり食事量を減らしすぎると、低栄養やフレイル(心身の衰え)を招くおそれがあります。たんぱく質をしっかりとりつつ、量と質のバランスを保つことが大切で、不安なときは管理栄養士や主治医に相談しましょう。

尿酸を上げる薬の見直しは必ず医師と

利尿薬の一部など、尿酸値を上げる薬があります。だからといって、ご家庭で勝手に薬をやめたり減らしたりするのは危険です。血圧やむくみの治療として必要で飲んでいることが多いため、痛風が気になる場合は「この薬が尿酸に影響していないか」を主治医に相談し、必要なら医師の判断で別の薬に調整してもらいます。また、尿酸を下げる薬を飲み始めるときは、一時的に発作が起きやすくなることがあるため、医師の指示どおりに続けることが大切です。痛みが消えたからと自己判断でやめると、尿酸値が再び上がって発作を繰り返す原因になります。

合併しやすい生活習慣病もあわせて管理する

痛風・高尿酸血症は、高血圧・肥満・脂質異常症・糖尿病・慢性腎臓病などと一緒に起こりやすいことが知られています。健康長寿ネットでも、高尿酸血症は高血圧・肥満・脂質異常症などの生活習慣病を伴うことが多いと説明されています。これらはお互いに悪影響を及ぼし合うため、尿酸だけでなく血圧・血糖・体重・腎機能も含めて定期的に診てもらうことが、発作の予防と健康寿命の両方に役立ちます。痛風をきっかけに全身の健康を見直すと考えると、前向きに取り組みやすくなります。

よくある質問(FAQ)

Q. 痛風発作のとき、家にある痛み止めを飲ませてもよいですか?

自己判断で市販の痛み止めを足すのは避けてください。とくにアスピリンを含む薬は量によって発作を悪化させることがあります。すでに医師から痛風発作用の薬が処方されていればその指示に従い、それ以外を重ねないでください。市販薬を使ってよいか迷うときは、薬剤師や医療機関に確認しましょう。

Q. 痛む関節は冷やすべきですか、温めるべきですか?

発作中は冷やすのが基本です。冷やすと炎症と痛みがやわらぎます。入浴やカイロなどで温めると炎症が強まることがあるため、痛みが強い時期は避けます。タオルで包んだ保冷剤を当て、冷やしすぎや低温やけどに注意してください。

Q. 女性や高齢者でも痛風になりますか?

なります。閉経後の女性は尿酸を排泄する働きが弱まり痛風が増えます。高齢者は腎機能の低下や利尿薬の影響で起こりやすく、足の親指以外の関節に出る非典型例もあります。「男性の病気」という思い込みで見逃さないことが大切です。

Q. 膝が急に腫れて痛みます。これも痛風ですか?

痛風のこともありますが、高齢者で膝が腫れる場合は偽痛風(ピロリン酸カルシウムによる関節炎)の可能性もあります。見た目では区別できないため、医師の診察と検査で確かめてもらってください。

Q. 利尿薬をやめれば痛風はよくなりますか?

自己判断でやめないでください。利尿薬は血圧やむくみの治療に必要で飲んでいることが多く、急にやめると別の問題が起こります。尿酸への影響が気になる場合は主治医に相談し、必要なら医師の判断で薬を調整してもらいます。

Q. 発作が治まれば、もう受診しなくてよいですか?

痛みが消えても、尿酸の結晶や高い尿酸値が残っていることがあります。放置すると発作を繰り返したり腎臓に負担がかかったりするため、落ち着いたあとも受診して尿酸値の管理を続けることがすすめられます。

参考文献・出典

  • [1]
    痛風発作の応急処置はどうするか?- 公益財団法人 痛風・尿酸財団

    発作時の応急処置(安静・冷却・患部を高くする・禁酒・アスピリンを避ける・マッサージをしない)

  • [2]
    痛風(骨、関節、筋肉の病気)- MSDマニュアル家庭版

    痛風の原因・足の親指の典型・閉経後の女性・利尿薬の影響・合併する生活習慣病

  • [3]
    偽痛風- 一般社団法人 日本リウマチ学会

    偽痛風(ピロリン酸カルシウム結晶沈着症)の原因・好発部位(膝など大関節)・高齢者に多いこと

  • [4]
    高尿酸血症- 健康長寿ネット(公益財団法人 長寿科学振興財団)

    血清尿酸値7.0mg/dL以上が高尿酸血症であること・腎臓への負担・合併する生活習慣病

まとめ|高齢者の痛風と家族の対応

痛風は、尿酸の結晶が関節にたまって激しい炎症を起こす病気で、足の親指の付け根の激痛が代表的です。高齢者では、利尿薬の服用や腎機能の低下、閉経後の女性のホルモン変化などにより起こりやすく、足以外の関節に出る非典型例も見られます。膝などが腫れる場合は偽痛風のこともあり、見た目では区別できません。

発作が起きたら、患部を安静にして冷やし、足を高くして、マッサージや自己判断での痛み止めの追加は避け、できるだけ早く受診します。受診は内科・整形外科・リウマチ科が目安で、発熱を伴う強い関節の腫れは別の病気の可能性もあるため早めに相談してください。発作が落ち着いたあとも、水分・食事・生活習慣病の管理と、尿酸を上げる薬の見直し(必ず医師と相談)を続けることが、再発の予防につながります。

痛風は「痛みが消えたら終わり」ではなく、尿酸値と全身の健康を長く整えていく病気です。高齢のご本人は痛みや不調を言葉にしにくいこともあるため、ご家族の「いつもと違う」という気づきが、早い受診と適切な治療につながります。ご家族だけで抱え込まず、かかりつけ医や薬剤師に相談しながら、無理のない範囲で対応していきましょう。

監修者

介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム

医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)

看護師介護福祉士ケアマネジャー

訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護保険、施設選び、在宅介護など、介護を受ける方・ご家族が判断に迷いやすいテーマを、公的情報と実務上の確認ポイントに沿って解説しています。

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