高齢者の息切れ・呼吸が苦しいとき|家庭での観察・危険なサイン・受診の目安
ご家族・ご利用者向け

高齢者の息切れ・呼吸が苦しいとき|家庭での観察・危険なサイン・受診の目安

高齢の家族が息切れ・呼吸が苦しそうなとき、家庭で何を見ればよいか。呼吸数やSpO2の観察、すぐ救急を呼ぶ危険なサイン、受診の目安を、心不全やCOPDなど原因とあわせてやさしく解説します。

ポイント

この記事のポイント

高齢のご家族が「息切れする」「呼吸が苦しそう」というとき、まず確認したいのは安静にしているのに苦しいかです。じっと座っているのに苦しい、会話の途中で息が続かない、唇や指先が紫色(チアノーゼ)、胸の痛みや冷や汗を伴う、横になると苦しくて座ると楽になる(起座呼吸)。これらがあるときは、ためらわず救急(119)を考えてください。歩いたときだけ軽く息切れする、数日かけて少しずつ悪くなっている場合は、当日〜数日内にかかりつけ医を受診します。家庭では呼吸の速さ(回数)と、パルスオキシメーターがあればSpO2を見ておくと、相談時に役立ちます。

目次

年齢を重ねると、誰でも少しずつ息切れしやすくなります。呼吸を助ける筋肉(横隔膜や肋間筋)や肺の弾力が衰え、坂道や階段で息が上がりやすくなるのは自然な変化です。だからこそ、ご家族が「年のせいかな」と見過ごしてしまいがちなのですが、息切れの裏には心臓や肺の病気が隠れていることが少なくありません。早めに気づけるかどうかが、その後の経過を大きく左右することもあります。

大切なのは、「いつもと比べてどう変わったか」に気づくことです。同じ距離を歩いて以前より苦しそう、平らな道でも休むようになった、夜に咳き込んで眠れない。こうした変化は、本人よりも一緒に暮らすご家族のほうが先に気づけることがあります。本人は遠慮や慣れから「大丈夫」と言いがちなので、周りの目がとても大切です。

この記事では、特定の病名にしぼらず、「息切れ・呼吸が苦しい」という症状そのものに家庭でどう向き合うかを整理します。どんな原因が考えられるのか、どんなときが危険でいますぐ受診すべきか、家庭で何をどう観察すればよいのか、そして誰に相談すればよいのかを、順番にやさしく解説します。なお、ここでの内容は受診の判断を助けるための一般的な目安であり、診断ではありません。気になるときは自己判断せず医療機関にご相談ください。

高齢者の息切れ・呼吸が苦しくなる主な原因

息切れや呼吸の苦しさは、ひとつの病気だけで起こるわけではありません。高齢者では心臓と肺の病気が合併していることも多く、専門家でも見分けには検査が必要です。ここでは「家庭で頭に入れておくと相談しやすい」代表的な原因を、体のしくみごとに紹介します。あくまで知識として持っておくもので、ご家庭で原因を特定する必要はありません。

心臓の病気(心不全・狭心症・不整脈など)

心臓のポンプの力が弱る心不全は、高齢者の息切れで最も注意したい原因のひとつです。日本心臓財団の解説によると、はじめは坂道や階段で息切れする程度でも、進むと少し動いただけでも苦しくなり、やがて夜寝ているときに咳や息苦しさで目が覚める、横になると苦しく座ると楽になる(起座呼吸)といった状態に進みます。心臓が十分に血液を送り出せないと、体に水分がたまり、足のむくみや急な体重増加(数日で2〜3kg)としてあらわれることもサインです。狭心症や不整脈でも、動いたときの息切れや動悸が現れます。高齢者では「年のせい」「太ったから」と見過ごされやすいので、いつもとの違いに注目してください。

肺の病気(COPD・肺炎・喘息・間質性肺炎など)

長年の喫煙などで起こるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)は、坂道や重い荷物で息切れが強まり、慢性的な咳や痰を伴います。かぜや気道の感染をきっかけに急に悪化(増悪)し、苦しさが強まることもあります。高齢者は肺炎にもかかりやすく、発熱・咳・痰とともに急に呼吸が苦しくなることがあります。高齢者の肺炎は、はっきりした熱や咳が出にくく「元気がない」「食欲がない」だけのこともあるため注意が必要です。気管支喘息では夜間や明け方にゼーゼー・ヒューヒュー(喘鳴)を伴う発作的な苦しさが出ます。間質性肺炎では、乾いた咳と動いたときの息切れがゆっくり進みます。

心臓・肺以外の原因(貧血・甲状腺・腎臓・心因性など)

息切れは心臓や肺だけの問題とは限りません。貧血があると全身に酸素が届きにくく、少し動くだけで息が上がり、顔色が悪い・疲れやすいといった症状を伴います。高齢者では胃腸からの慢性的な出血などで気づかぬうちに貧血が進むこともあります。甲状腺の働きが活発になりすぎる病気や、腎臓の機能低下でも息切れが出ることがあります。また、強い不安や緊張から呼吸が速く浅くなる心因性の息苦しさもあります。ただし「不安のせい」と決めつけるのは危険で、まずは体の病気が隠れていないかを確認することが先です。

加齢・フレイル(虚弱)による体力低下

病気がなくても、加齢や活動量の低下で全身の筋力・体力が落ちると、以前は平気だった動作で息切れするようになります。これはフレイルと呼ばれる虚弱の入り口でもあります。食が細くなった、外出が減った、体重が落ちてきたといった変化と一緒に息切れがある場合は、生活全体を見直すきっかけになります。動かないことでさらに体力が落ちる悪循環に入らないよう、無理のない範囲で体を動かすことも大切です。

危険なサインと受診の目安(3段階で見分ける)

息切れで一番大切なのは、「すぐに救急車を呼ぶべき状態」と「落ち着いて受診すればよい状態」を見分けることです。下の3段階を目安にしてください。判断に迷うときは無理に自分で決めず、後で紹介する相談窓口を使ってかまいません。

【すぐに救急車(119)】命に関わる危険なサイン

次のいずれかがあるときは、ためらわず119番に電話してください。済生会の解説でも、これらを伴う呼吸困難は「一刻を争うほど危険な状態」とされています。

  • 安静にしているのに息が苦しい(座っているだけ、横になっているだけで苦しい)
  • 会話ができないほど苦しい(ひと息で短い言葉しか言えない)
  • 唇・指先が青紫色(チアノーゼ)になっている
  • 胸の痛み・強い圧迫感、冷や汗を伴う(心筋梗塞などの可能性)
  • 急に・突然、激しい息苦しさが始まった
  • 横になれず、座らないと呼吸できない(起座呼吸)/意識がもうろうとしている
  • パルスオキシメーターがあり、SpO2が90%を下回る状態が続く

【その日のうちに受診】当日中に医療機関へ

  • 発熱・咳・痰とともに、いつもより呼吸が苦しい(肺炎の可能性)
  • これまでできていた動作(着替え・トイレ・短い歩行)で息切れするようになった
  • 足のむくみや、数日での急な体重増加(2〜3kg)を伴う
  • 持病(心不全・COPD・喘息)があり、いつもの薬で楽にならない/SpO2が普段より3〜4%下がっている

【数日内に相談】落ち着いて受診を検討

  • 坂道や階段で以前より息が上がるが、休めば戻る
  • 同年代の人と歩くと自分だけ遅れる、坂道で途中休憩が必要になった
  • はっきりした苦しさはないが、ここ数週間でだんだん息切れしやすくなった

持病のある方は、かかりつけ医から「こうなったら受診」「こうなったら救急」という具体的な指示を受けていることがあります。その指示があるときは、この一般的な目安よりもかかりつけ医の指示を優先してください。

家庭でできる観察ポイント(呼吸数・SpO2・記録)

受診や相談のとき、「いつ・どんなときに・どのくらい苦しいか」を具体的に伝えられると、医師の判断がぐっと早くなります。家庭でできる観察は、特別な道具がなくてもできるものと、あると役立つ道具を使うものに分かれます。

1. 呼吸の速さ(呼吸数)を数える

胸やお腹の動きを見ながら、「吸って吐く」を1回として1分間数えます。成人の安静時の呼吸数はおおむね1分間に12〜20回が目安とされ、24回を超えるような速く浅い呼吸が続くときは注意が必要です。本人に「数えるよ」と言うと意識して呼吸が変わるので、さりげなく観察するのがコツです。

2. SpO2(血液中の酸素の量)を測る

パルスオキシメーターを指先にはさむと、血液にどれくらい酸素が行き渡っているか(SpO2)が分かります。日本呼吸器学会の資料では、健康な人のSpO2は96〜99%が標準で、90%を下回ると体に十分な酸素を送れない「呼吸不全」の可能性があるとされています。心臓や肺の持病がある方は、調子のよいときの普段の値を覚えておき、普段より3〜4%下がったらかかりつけ医に連絡・受診するのが目安です。指先が冷えていたり動いていると正しく測れないことがあるので、温めて落ち着いてから測りましょう。

3. 苦しさが「いつ・どんなとき」に出るかを記録する

安静時か、動いたときか。夜寝ているときか、横になったときか。発作的か、じわじわか。こうした出かたの違いは、原因を考えるうえで重要な手がかりになります。スマートフォンのメモに日付と一緒に書いておくと便利です。

4. 息切れ以外のサインも一緒に見る

唇や爪の色(青紫でないか)、足のむくみ、体重の急な増減、咳や痰の有無と色、発熱、動悸。これらを合わせて見ておくと、危険なサインの早期発見につながります。

呼吸数やSpO2などの基本的な観察項目については、バイタルサインとは|体温・脈拍・血圧・呼吸・SpO2の正常値と介護現場での観察もあわせてご覧ください。

データで見る「迷う息切れ」との向き合い方

「救急車を呼ぶほどではない気がする」とためらううちに受診が遅れるのは、息切れで起こりやすい失敗です。ここでは公的データを家庭の判断に引き寄せて整理してみます。

「迷う息切れ」こそ、相談窓口を間にはさむ価値がある

消防庁の集計によると、令和6年(2024年)の救急出動件数は約772万件と過去最多で、搬送された人の4割以上は入院の必要がない「軽症」でした。一方で、救急隊が現場に到着するまでの平均時間は令和5年(2023年)で約10.0分と、10年前より約1.5分延びています。つまり、本当に急を要する息切れ(安静時の呼吸困難・チアノーゼ・胸痛)では一刻も早い119番が命を分ける一方、「呼ぶべきか迷う」レベルの息切れは、いきなり救急車ではなく相談窓口を間にはさむことで、適切な行き先に最短でたどり着ける可能性が高まります。

家庭の「迷い」を埋める3つの相談ルート

判断に迷ったときの相談ルートを、家庭であらかじめ決めておくと安心です。消防庁が案内する電話相談「#7119(救急安心センター事業)」は、医師・看護師・救急救命士などが「救急車を呼ぶべきか/今すぐ受診すべきか」を電話でアドバイスしてくれる窓口です。ただし実施は全国の一部地域(消防庁の案内で41地域、随時拡大中)にとどまり、お住まいの地域で使えるかは事前に確認しておくと安心です。使えない地域では、消防庁の全国版救急受診アプリ「Q助」が、当てはまる症状を選ぶだけで緊急度の目安を示してくれます。そして平常時のいちばんの相談先は、本人をよく知るかかりつけ医です。これらの連絡先を、いざというときに家族の誰でも分かるようまとめておきましょう。

「症状から考える」ことが、家庭でできる最大の備え

息切れは、心不全・COPD・肺炎・貧血など原因がさまざまで、家庭で病名を当てることはできませんし、その必要もありません。家庭にできる最も価値のある備えは、原因を当てることではなく、「いつもと比べてどう変わったか」「安静時か動作時か」「危険なサインがあるか」という症状の観察を、誰に相談するかの判断につなげることです。原因の特定は医療機関に任せ、ご家庭は早く気づき・早くつなぐ役割に集中するのが、最も効果的な向き合い方だと言えます。

急ぐ息切れ・急がない息切れの見分けの手がかり

家庭で病名を特定することはできませんが、「出かたの違い」を知っておくと、受診や相談のときに状況を伝えやすくなります。下の手がかりは原因を断定するものではなく、あくまで医師に伝える観察メモとして役立ててください。

出かたで見る手がかり

  • 動いたときだけ苦しい:心臓(心不全・狭心症)や肺(COPD)、貧血などで起こりやすい出かたです。日常動作のどの場面で苦しいか(歩行・階段・入浴)を覚えておきましょう。
  • 横になると苦しく、座ると楽(起座呼吸)/夜間・明け方に苦しい:心不全や喘息で見られることがあるサインです。眠れないほどなら早めの相談を。
  • 発熱・咳・痰を伴う:肺炎や気道の感染が背景にあることがあります。高齢者は症状が出にくいことがあり、「なんとなく元気がない」も見逃せません。
  • ゼーゼー・ヒューヒュー(喘鳴)を伴う発作的な苦しさ:喘息やCOPDの増悪で見られます。
  • 急に・突然始まった激しい苦しさ:肺塞栓症や心臓の急な病気の可能性があり、危険なサインとして救急を検討します。
  • 足のむくみ・急な体重増加を伴う:体に水分がたまっている可能性があり、心不全のサインのことがあります。

「いつもと違う」を測る3つのものさし

原因の手がかり以上に家庭で役立つのが、変化の大きさです。(1)以前は平気だった動作で苦しくなったか、(2)この数日〜数週間で悪くなっているか、(3)安静にしても戻らないか。この3つに「はい」が増えるほど、受診の優先度は上がります。健康長寿ネットでも、息切れの程度を段階で評価するMRC息切れスケールが紹介されており、「平地を急ぐと苦しい」段階以上では受診がすすめられています。

家庭でできる息切れをやわらげる工夫

受診の合間や、軽い息切れと付き合っていくとき、家庭で楽にしてあげられる工夫があります。ただし、これらはあくまで補助です。危険なサインがあるときは工夫より受診を優先してください。

姿勢を整える

苦しいときは無理に寝かせず、上半身を起こした姿勢(座る、背もたれにもたれる、ベッドの頭側を上げる)にすると呼吸が楽になることがあります。前かがみでテーブルにクッションを置き、もたれかかる姿勢が楽な方もいます。本人が楽だと感じる姿勢を一緒に探してあげましょう。

口すぼめ呼吸を一緒に試す

口をすぼめて(ろうそくの火を弱く吹くように)ゆっくり息を吐く「口すぼめ呼吸」は、COPDなどの息切れをやわらげる方法として知られています。鼻から軽く吸い、吸う時間の2倍くらいかけて口から細く長く吐くのが目安です。あわてて速い呼吸になっているときほど効果的なので、落ち着いて一緒に呼吸のペースを作ってあげましょう。

環境と動作を見直す

部屋の空気を入れ替える、乾燥していれば加湿する、慌てて動かず動作の合間に休む。入浴・トイレ・着替えなどは息切れが出やすい場面なので、急がず、必要なら途中で休めるよう手すりや椅子を用意します。日本呼吸器学会の資料では、慢性の呼吸器疾患のある方は動作時にSpO2が下がりやすく、動くときの目安として88%を下回らないようにとされています。在宅酸素療法を使っている方は、医師が決めた酸素の量を自己判断で増減しないことが大切です。

予防にできること

高齢者の肺炎は息切れの一因になるため、インフルエンザや肺炎球菌などの予防接種は主治医と相談しましょう。喫煙はCOPDや心臓病を悪化させるので、本人が希望すれば禁煙外来など禁煙の相談も有効です。塩分のとりすぎは心不全のある方ではむくみや息切れの悪化につながるため、医師から指示があれば食事の塩分にも気を配ります。無理のない範囲で体を動かし、体力を保つことも、息切れしにくい体づくりにつながります。

受診・相談のときに伝えるとよいこと

受診や電話相談、救急要請のとき、慌てると大事な情報が抜けがちです。次のことをメモにまとめておくと、医師や相談員が状況をすばやく把握でき、適切な対応につながります。冷蔵庫など見える場所に「もしものメモ」を貼っておくのもおすすめです。

  • いつから・どんなときに苦しいか(安静時/動作時、夜間、急にか徐々にか)
  • 今日の様子(呼吸の速さ、SpO2の値があれば普段の値と今の値、顔色・唇の色)
  • ほかの症状(胸痛・冷や汗・むくみ・発熱・咳・痰・動悸の有無)
  • 持病と普段の状態(心不全・COPD・喘息などの有無、在宅酸素の使用、普段歩ける距離)
  • 飲んでいる薬(お薬手帳を用意。救急車を呼ぶときは保険証も)
  • かかりつけ医・病院の連絡先

救急車を呼んだときは、住所を最初に伝えると出動が早まります。意識や呼吸の有無も聞かれるので、落ち着いて答えましょう。到着までに、お薬手帳・保険証・普段使っている医療機器(在宅酸素など)を準備しておくとスムーズです。

よくある質問(FAQ)

Q. 「年のせいの息切れ」と「病気の息切れ」はどう見分ければいいですか?

はっきり線引きするのは家庭では難しく、最終的には受診で確認します。目安としては、安静時に苦しい・急に悪くなった・以前できた動作で息切れする・むくみや胸痛など他の症状を伴う場合は、加齢だけでは説明しにくく、病気が隠れている可能性が高くなります。迷ったら受診や相談をおすすめします。

Q. パルスオキシメーターは家庭に用意したほうがよいですか?

心臓や肺の持病がある方の家庭ではあると安心です。ただし数値だけで安心・危険を決めず、本人の苦しさや顔色など全体を見ることが大切です。指先が冷えていると低めに出るなど誤差もあるため、落ち着いた状態で測り、調子のよいときの普段の値を知っておくと役立ちます。

Q. SpO2が95%でした。受診すべきですか?

健康な人の標準は96〜99%とされますが、持病のある方では普段の値が個人差で異なります。大切なのは「普段の値からどれだけ下がったか」です。持病があり普段より3〜4%下がっている、あるいは苦しさを伴うときは、数値にかかわらずかかりつけ医に連絡してください。本記事の数値はあくまで一般的な目安です。

Q. 夜になると息苦しそうです。様子を見てよいですか?

横になると苦しく、座ると楽になる(起座呼吸)や、夜間・明け方の発作的な苦しさは、心不全や喘息のサインのことがあります。眠れないほど苦しい、安静にしても改善しないときは、夜間でも受診や救急の相談を検討してください。「朝まで待とう」と無理をしないことが大切です。

Q. 本人が「大丈夫」と言って受診を嫌がります。どうすればいいですか?

高齢の方は遠慮や「迷惑をかけたくない」という気持ちから症状を軽く言うことがあります。危険なサイン(安静時の苦しさ・胸痛・チアノーゼなど)があるときは、本人の意向よりも安全を優先して救急要請してかまいません。急がない場合も、「一度だけ一緒に診てもらおう」と寄り添う形で受診につなげると、本人も受け入れやすくなります。

Q. 何科を受診すればよいですか?

まずは普段の状態を知るかかりつけ医に相談するのが基本です。咳・痰・喘鳴が中心なら呼吸器内科、動悸・むくみ・労作時の息切れが中心なら循環器内科が専門です。判断に迷うときは、内科やかかりつけ医に相談すれば適切な科へ案内してもらえます。

参考文献・出典

まとめ|迷ったときの相談先

高齢のご家族の息切れや呼吸の苦しさは、加齢による自然な変化のこともあれば、心不全やCOPD、肺炎、貧血など治療が必要な病気のサインのこともあります。家庭で病名を当てる必要はありません。大切なのは、「いつもと比べてどう変わったか」に早く気づき、安静時に苦しい・チアノーゼ・胸痛・起座呼吸といった危険なサインがあれば迷わず救急(119)につなぎ、そうでなければ落ち着いて受診へつなぐことです。

困ったときの相談先をあらかじめ決めておきましょう。普段の状態を知るかかりつけ医がいちばんの相談先です。咳や痰が中心なら呼吸器内科、動悸やむくみ・動いたときの息切れが中心なら循環器内科が専門です。「救急車を呼ぶべきか、いま受診すべきか」迷うときは、お住まいの地域で利用できれば#7119(救急安心センター)に電話で相談でき、使えない地域では消防庁の全国版救急受診アプリ「Q助」が緊急度の目安を教えてくれます。

呼吸は命に直結する働きです。「大げさかもしれない」と感じても、苦しそうな様子が続くときは、ためらわず専門家に相談してください。早く気づき、早くつなぐ。それが、ご家庭にできるいちばん確かな支えです。

監修者

介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム

医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)

看護師介護福祉士ケアマネジャー

訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護保険、施設選び、在宅介護など、介護を受ける方・ご家族が判断に迷いやすいテーマを、公的情報と実務上の確認ポイントに沿って解説しています。

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