
高齢者が閉じこもり・動かなくなったとき|原因と外出・活動を促す家族の関わり方
親や家族が外に出なくなり一日中家にこもるようになったら。閉じこもりの原因(身体機能の低下・うつ・認知症・転倒不安・社会的孤立)の見極め方と、廃用症候群を防ぐ家庭での働きかけ、受診や相談の目安を、公的資料をもとにやさしく解説します。
この記事のポイント
高齢者が外に出なくなり一日中家にこもるのは、加齢による「気のせい」ではなく、身体機能の低下・うつ・認知症の始まり・転倒への不安・社会的孤立といった原因が重なって起こります。週1回も外出しない状態が続くと、使わない心身の機能が落ちる「廃用症候群」へ進み、約30か月で4人に1人が要介護になるという調査もあります。一方で、適切な働きかけで再び外に出られるようになる人も少なくありません。まず原因を見極め、責めずに小さな一歩から促し、必要なら地域包括支援センターやかかりつけ医に相談することが回復への近道です。
目次
「親が最近めっきり外に出なくなった」「一日中テレビの前に座ったまま動かない」。離れて暮らすご家族も、同居しているご家族も、こうした変化に気づいて不安になっている方は多いのではないでしょうか。
家にこもりがちになること自体は、年を重ねれば誰にでも起こりうる自然な変化のように見えます。しかし、外出しない状態が続くと、足腰の筋力や食欲、気力までもが少しずつ落ちていき、気づいたときには立ち上がるのもつらい、という状態にまで進んでしまうことがあります。こうした連鎖は「閉じこもり」と呼ばれ、寝たきりや要介護のきっかけになることが、国の調査でもはっきり示されています。
大切なのは、「もう年だから仕方ない」とあきらめないことです。閉じこもりには必ず原因があり、その原因を見極めて適切に関わることで、再び外に出て活動できるようになる方は少なくありません。この記事では、高齢のご家族が動かなくなったときに、ご家庭でどう原因を見極め、どう声をかけ、どこに相談すればよいのかを、公的な資料をもとにやさしく整理します。
「閉じこもり」とは|外出しない状態が寝たきりにつながる仕組み
「閉じこもり」とは、明確な医学的診断名ではありませんが、一般に「寝たきりではないのに、週に1回程度しか外出しない、またはほとんど外出しない状態」を指す言葉です。厚生労働省の資料でも、外出頻度が極端に少ない生活が続くことを問題としてとらえています。
気をつけたいのは、「家にいること」そのものが悪いわけではない、という点です。たとえば自宅で仕事をしていて来客や友人との交流があり、体力維持にも気を配れている方は、外出が少なくても支援が必要とは限りません。問題になるのは、家の中での活動も人との会話も役割も少なくなり、心身を使う機会そのものが失われていく場合です。
使わない機能が落ちる「廃用症候群」という悪循環
体や頭は、使わないでいるとその機能がどんどん低下していきます。これを「廃用症候群(生活不活発病)」と呼びます。外に出ない、動かないという生活が続くと、次のような悪循環が起こります。
- 外出・活動が減る → 足腰の筋力が落ちる
- 筋力が落ちる → 転びやすくなり、動くのがこわくなる
- 動かない → 食欲が落ち、低栄養になる
- 低栄養・運動不足 → さらに体力と気力が落ちる
- 人と会わない → 会話が減り、気分が落ち込み、頭を使う機会も減る
この「閉じこもり → 廃用症候群 → 寝たきり」という流れは、脳卒中などの大きな病気がなくても進行します。厚生労働省の閉じこもり予防・支援マニュアルでも、自立して歩けていた高齢者が、「冬は道が凍って危ない」「転びやすくなった」「風邪が長引いた」といったささいなきっかけで外出を控えるうちに、気づいたら寝たきりになっていた、という例が少なくないと指摘されています。
閉じこもりは「変えられる状態」でもある
悪循環と聞くと不安になりますが、閉じこもりは必ずしも悪くなる一方ではありません。同じマニュアルでは、特別な介入をしなくても約16.7%の閉じこもりの方が自然に自立した状態へ改善したという報告も紹介されています。つまり閉じこもりは、適切な支援によって良い方向へ変えられる可能性のある状態(可変的な状態)なのです。だからこそ、早めに気づいて関わることに意味があります。
データで見る|閉じこもりが要介護・死亡リスクを高める
「家にこもっているくらいで、そんなに大ごとになるの?」と感じるかもしれません。しかし公的な調査は、閉じこもりが健康と寿命に大きく関わることを示しています。ご家族が状況を正しく理解するために、主なデータを整理します。
要介護になるリスクは約3.4倍
厚生労働省の閉じこもり予防・支援マニュアルによると、在宅の高齢者を約30か月追跡した調査で、新たに要介護状態になった人の割合は、閉じこもりでない人が7.4%だったのに対し、閉じこもりの人は25.0%にのぼりました。およそ4人に1人が要介護になった計算で、閉じこもりでない人と比べて約3.4倍のリスクです。
1年後の死亡・寝たきり発生は10倍以上の差
同じマニュアルでは、地域の在宅高齢者を1年間追跡した調査で、死亡または寝たきりになった人の割合が、閉じこもりでない人で1.4%だったのに対し、閉じこもりの人では16.7%だったと報告されています。短い期間でも、これだけ大きな差が生まれます。
社会的に孤立すると死亡リスクは約2.2倍
東京都健康長寿医療センターの研究では、社会的に孤立し閉じこもり傾向のある高齢者は、人とのつながりがある高齢者と比べて、約6年後の死亡率が約2.2倍だったと報告されています。「動かないこと」だけでなく「人とつながらないこと」もまた、健康を左右する要因なのです。
これらの数字は、閉じこもりを「様子を見ていれば自然に戻る一時的なこと」と片づけず、早めに手を打つべき状態だと教えてくれます。一方で、前の章で触れたとおり改善する人も一定数いることを思えば、過度に悲観する必要もありません。「リスクは高いが、関わり方で変えられる」というのが、データから読み取れる現実的な見方です。
閉じこもりの5つの原因|まず「なぜ動かないのか」を見極める
外に出るよう促す前に、もっとも大切なのは「なぜ動かなくなったのか」を見極めることです。原因によって、ご家庭でできる関わり方も、相談すべき窓口も変わってきます。厚生労働省の資料では、閉じこもりの原因は「身体的要因」「心理的要因」「社会・環境要因」の3つが互いに関連して起こるとされています。ご家庭で見極めやすいよう、ここでは具体的な5つの原因に分けて整理します。
1. 身体機能の低下(足腰の衰え・痛み・持病)
もっとも多いのが、加齢や持病による身体機能の低下です。膝や腰の痛み、息切れ、疲れやすさ、視力・聴力の衰えなどがあると、外出そのものが負担になります。「歩くのがしんどい」「途中で休む場所がない」といった身体的なつらさが、外出を遠ざけます。
2. うつ(気分の落ち込み・意欲の低下)
配偶者や友人との死別、退職や役割の喪失をきっかけに、何ごとにも興味がわかず、食欲や睡眠が乱れ、外出する気力が出なくなることがあります。「何をしても楽しくない」「自分なんて」という言葉が増えたら、高齢者のうつのサインかもしれません。うつは本人の努力不足ではなく、治療やサポートで改善する病気です。
3. 認知症の始まり(不安・自信の喪失)
認知症の初期には、道順や時間の見当がつきにくくなり、「外出先で迷ったらどうしよう」という不安から外出を避けるようになることがあります。同じことを何度も聞く、約束を忘れる、片づけや料理の段取りが悪くなったといった変化と一緒に閉じこもりが進んでいる場合は、認知症の可能性も視野に入れる必要があります。
4. 転倒への不安・失敗への恐れ
一度転んだ経験があると、「また転ぶのではないか」という不安(転倒恐怖)から外出を控えるようになります。失禁の心配で「外出先のトイレが不安」という方や、「衰えた姿を人に見られたくない」という気持ちから出かけなくなる方もいます。これらは心理的要因に分類されますが、本人にとってはとても切実な理由です。
5. 社会的孤立・行き先と役割の喪失
近所づきあいが減り、友人がいなくなり、「外に出る用事がない」「行っても話す相手がいない」状態になると、外出の目的そのものが失われます。家庭の中でも役割がなく、家族との会話が少ないと、ますます動く理由がなくなっていきます。
多くの場合、これらの原因は一つではなく複数が重なっています。たとえば「膝が痛い(身体)」→「転ぶのがこわい(心理)」→「誘ってくれる友人もいない(社会)」というように連鎖していることがほとんどです。だからこそ、一つの理由で決めつけず、本人の話をよく聞きながら全体像をとらえることが大切です。
原因の見極め方|うつ・認知症・身体の不調を区別するポイント
原因の中でも、うつや認知症、体の病気が隠れている場合は、家庭での声かけだけでは解決せず、医療や専門職の関わりが必要です。受診や相談のきっかけをつかむために、ご家庭で観察できるポイントを整理します。専門家でなくても、日々の様子を伝えるだけで、医師や相談員が判断する大きな手がかりになります。
うつが疑われるサイン
- 2週間以上、気分の落ち込みや「楽しめない」状態が続いている
- 眠れない、または寝てばかりいる。食欲が落ちて体重が減った
- 「自分はだめだ」「いなくなりたい」などの言葉が出る
- 以前は好きだった趣味や外出に、まったく関心を示さなくなった
これらが続く場合は、かかりつけ医に相談し、必要に応じて精神科・心療内科や、もの忘れ外来につなげます。高齢者のうつは認知症と見分けにくいこともあるため、自己判断せず専門職に伝えることが大切です。
認知症が疑われるサイン
- 同じことを何度も聞く、約束や予定を忘れることが増えた
- 料理・買い物・お金の管理など、段取りが必要なことが苦手になった
- 外出先で道に迷う、日付や季節があいまいになる
- 身だしなみに無頓着になった、片づけられなくなった
これらが閉じこもりと同時に進んでいる場合は、かかりつけ医や地域包括支援センターに相談します。早期に気づくほど、本人に合ったサポートや進行をゆるやかにする手立てを取りやすくなります。
体の病気・痛みが疑われるサイン
- 急に歩き方がおかしくなった、立ち上がりがつらそう
- 特定の部位の痛みを訴える、息切れやむくみがある
- 食事量が急に減った、急に元気がなくなった
急な変化は、心臓や関節、神経などの病気が背景にあることがあります。まずはかかりつけ医を受診してください。「歳のせい」と決めつけず、治療できる原因がないかを確認することが、再び動けるようになる第一歩です。
見極めに迷ったら「変化のスピード」と「期間」に注目
判断に迷うときは、「いつから」「どのくらいの速さで」変化したかを思い出してみてください。数日から数週間で急に動かなくなった場合は、体の病気やうつの可能性が高く、早めの受診が必要です。一方、何か月もかけてゆっくり外出が減ってきた場合は、身体機能の低下や社会的孤立が背景にあることが多く、家庭での働きかけと介護予防の取り組みが中心になります。いずれの場合も、家族だけで抱え込まず、次の章で紹介する相談先を頼ってください。
外出・活動を促す家族の関わり方|小さな一歩から無理なく
原因の見当がついたら、いよいよご家庭での働きかけです。ここで何より大切なのは、「無理に連れ出さないこと」と「責めないこと」です。良かれと思った言葉が、かえって本人の心を閉ざしてしまうことがあります。厚生労働省の支援マニュアルでも、家族が「閉じこもっていてはダメ」と否定するのではなく、本人が少しずつ自信を取り戻せるよう、家庭内の役割づくりから始めて、最終的に外出につなげていく順序が推奨されています。
避けたい声かけ・してしまいがちな関わり
- 「行きなさい」「行かないとダメ」という命令口調
- 「どうして行ってくれないの」と責める・困らせる言い方
- 本人ができることまで先回りして手伝い、役割を奪ってしまう
- 「もう年だから」と家族の側があきらめてしまう
とくに最後の2つは見落としがちです。心配のあまり何でもやってあげると、本人の出番がなくなり、かえって閉じこもりを助長します。マニュアルでも、家族の過度な手助けが高齢者の役割と外出の機会を奪っていると指摘されています。
気持ちを動かす声かけ・関わり
- 提案・相談の形にする:「天気がいいから、少しだけ庭に出てみない?」
- 「一緒に」を伝える:「私も行きたいから付き合ってくれる?」
- 理由を聞いて一緒に考える:「どうして気が進まないのか、教えてくれる?」
- できたことを認めて褒める:「今日は玄関まで出られたね」
命令ではなく「あなたと一緒に行きたい」というメッセージにすると、気持ちが動きやすくなります。
ステップ1:家の中での役割と活動から始める
いきなり外出を目標にせず、まずは家の中で「自分の出番」をつくります。洗濯物をたたむ、食事の準備を少し手伝う、植物の水やり、新聞を取りに行くなど、本人が無理なくでき、誰かの役に立つ小さな役割が効果的です。成功体験を重ねることで、「自分にもできる」という自信(自己効力感)が育ちます。
ステップ2:玄関先・近所へと活動範囲を広げる
家の中で動けるようになったら、玄関前で外の空気を吸う、郵便受けまで行く、近所をひと回りするなど、少しずつ屋外へ範囲を広げます。最初から長距離を目指さず、「庭まで」「角の店まで」と小さなゴールを設定するのがコツです。杖や歩行器、使い捨ての吸水パッドなど、不安を減らす道具も活用しましょう。
ステップ3:外出の「目的」をつくる
人は「やるべきこと」があると動けます。買い物を宅配だけに頼らず一緒に店へ行く、好きな花の写真を撮りに行く、孫に渡すものを買いに行くなど、本人が楽しみや意味を感じられる目的をつくりましょう。週1回以上の外出を当面の目標にすると、心身の活性化につながります。うまくいかない日があっても、それは誰にでもあること。「また行きたくなったら声をかけてね」と、次につなげる言葉で締めくくることが大切です。
「見守るべきとき」と「すぐ相談すべきとき」の見分け方
家庭での働きかけで様子を見てよい場合と、早めに専門家へ相談したほうがよい場合があります。判断の目安を整理します。あくまで目安であり、迷ったら相談を優先してください。
| 状況 | 家庭で働きかけながら見守る | 早めに相談・受診する |
|---|---|---|
| 変化のスピード | 数か月かけてゆっくり外出が減ってきた | 数日〜数週間で急に動かなくなった |
| 気分 | 誘えば応じる日もある | 2週間以上、強い落ち込みや無気力が続く |
| 体の状態 | 持病は安定し、痛みも我慢できる範囲 | 急な痛み・歩行の悪化・食欲低下がある |
| もの忘れ | 年齢相応の範囲 | 段取りや見当識の低下が目立ち進んでいる |
| 家族の負担 | 家族が無理なく関われている | 家族が疲弊し、対応に行き詰まっている |
右側の項目に一つでも当てはまるなら、家庭だけで抱え込まず、次の章の相談先を頼ってください。とくに「急な変化」「強い落ち込みが続く」「家族が限界」の3つは、ためらわず相談すべきサインです。
公的データからわかること|閉じこもりは「予防」より「早期の立て直し」が要
ここまで紹介してきた公的データを家族視点で読み直すと、関わり方のヒントが見えてきます。当サイトが厚生労働省の資料や公的研究を整理したところ、閉じこもりへの対応には次の3つのポイントが浮かび上がります。
ポイント1:リスクは高いが「可変的」だからこそ早く動く
閉じこもりの方が要介護になる割合は約3.4倍と高い一方で、特別な介入がなくても約16.7%の人が自立へ改善したという報告があります。これは、状態が固定されたものではなく、関わり方しだいで良い方向へ動かせることを意味します。「もう手遅れ」ではなく、「今からでも立て直せる」と考えてよいのです。気づいた時点が、もっとも早く動ける時点です。
ポイント2:「動くこと」と「つながること」は両輪
身体機能の低下による要介護リスク(約3.4倍)と、社会的孤立による死亡リスク(約2.2倍)は、別々の調査でそれぞれ示されています。つまり、運動や外出といった身体面の働きかけだけでも、人との交流といった社会面の働きかけだけでも不十分で、両方を同時に底上げすることが回復には欠かせません。日本老年医学会の提言でも、栄養・身体活動・社会参加の三位一体の重要性が強調されています。家庭での働きかけも、「体を動かす用事」と「人と会う機会」をセットで考えると効果的です。
ポイント3:家族の関わり方そのものが結果を左右する
厚生労働省のマニュアルが家族向けの介入プログラムをわざわざ設けているのは、家族の接し方が閉じこもりを「助長する側」にも「改善する側」にもなりうるからです。先回りして役割を奪えば閉じこもりは進み、家庭内の役割づくりと前向きな声かけを続ければ改善に向かいます。専門サービスを使う場合でも、日々いちばん近くにいる家族の関わりが、回復の土台になります。
これらをふまえると、家庭でできることは「早く気づく」「体と心の両面に働きかける」「役割と前向きな声かけで支える」の3点に集約できます。そのうえで、専門職の力を上手に借りることが、ご本人にもご家族にも無理のない道筋になります。
介護保険の前から使える支援|通いの場・介護予防の活用
「まだ要介護認定は受けていないけれど、このままでは心配」という段階でも、使える支援はたくさんあります。むしろこの時期こそ、外とのつながりを取り戻す好機です。
通いの場・介護予防教室
市区町村や地域の住民が運営する「通いの場」は、体操・お茶会・趣味活動などを通じて、気軽に人と交流できる場です。要介護認定がなくても参加でき、外出の目的と人とのつながりを同時につくれます。家族が「一緒に見学だけ行ってみよう」と誘うと、最初の一歩のハードルが下がります。
介護予防・日常生活支援総合事業
要支援の認定や基本チェックリストの該当によって、市区町村の総合事業による訪問型・通所型サービスを利用できる場合があります。外出のための送迎や付き添い、自宅でのリハビリ的な支援など、状況に応じた支えが受けられます。
家族自身のケアも忘れずに
動かない家族を支えるのは、想像以上に気力と体力がいります。「自分が頑張らなければ」と抱え込みすぎると、家族の側が先に疲れてしまいます。完璧を目指さず、できる日にできる範囲で関わること、そして地域包括支援センターやケアマネジャーなど専門職を遠慮なく頼ることが、長く支え続けるコツです。家族が笑顔でいることが、本人にとっても何よりの支えになります。
よくある質問
Q. 無理に外へ連れ出すのはよくないのでしょうか?
はい、本人の気持ちを無視した強引な外出は逆効果になりがちです。「行かないとダメ」と迫ると自尊心が傷つき、かえって心を閉ざしてしまいます。まずは外出したくない理由を聞き、家の中の小さな役割や活動から始めて、本人のペースで少しずつ範囲を広げていくのが効果的です。
Q. 「ほうっておいてくれ」と言われます。どうすれば?
強い拒否の背景には、うつや認知症、転倒や失禁への不安など、言葉にしにくい理由が隠れていることがあります。説得を急がず、「心配している」という気持ちだけ伝え、地域包括支援センターやかかりつけ医に状況を相談しましょう。第三者である専門職が関わることで、本人が受け入れやすくなる場合もあります。
Q. 離れて暮らしていて、毎日は関われません。
遠方でも、電話やビデオ通話で会話を増やすこと自体が孤立の予防になります。あわせて、地域包括支援センターに連絡して見守りや訪問の仕組みを整えたり、通いの場の情報を集めて本人に届けたりと、できることはあります。一人で抱え込まず、地域の支援とつながることが大切です。
Q. 認知症かどうか、家族でどう確かめればいいですか?
家庭で診断はできませんが、「同じことを何度も聞く」「段取りが必要なことが苦手になった」「日付や場所があいまい」といった変化が閉じこもりと一緒に進んでいるかを観察し、その様子をかかりつけ医や地域包括支援センター、もの忘れ外来に伝えてください。早めに相談するほど、本人に合った支援を組み立てやすくなります。
Q. 何から相談すればよいかわかりません。
迷ったら、まずお住まいの地域を担当する地域包括支援センターに連絡してください。高齢者に関するあらゆる相談の総合窓口で、必要に応じて医療やサービスにつないでくれます。体の不調が気になる場合は、かかりつけ医の受診を優先しましょう。
参考文献・出典
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まとめ|まずは相談先とつながることから
高齢のご家族が外に出なくなり動かなくなったとき、それは「年のせい」ではなく、身体機能の低下・うつ・認知症・転倒不安・社会的孤立といった原因が重なって起こる「閉じこもり」かもしれません。放っておくと廃用症候群を通じて寝たきりや要介護につながる一方で、早く気づいて適切に関われば、再び動けるようになる可能性のある状態でもあります。
ご家庭では、まず原因を見極め、責めずに小さな一歩から促し、体を動かす機会と人と会う機会の両方を少しずつ取り戻していくことが大切です。そして何より、家族だけで抱え込まないこと。次の相談先は、いずれも無料で利用でき、状況に応じて医療やサービスにつないでくれます。
- 地域包括支援センター:高齢者に関するあらゆる相談の総合窓口。何から相談すればよいかわからないときは、まずここへ。お住まいの市区町村で担当エリアが決まっています。
- ケアマネジャー(介護支援専門員):すでに介護保険サービスを利用している場合は、担当のケアマネジャーに状況を伝えると、ケアプランの見直しや外出支援につなげてもらえます。
- かかりつけ医:急な体調の変化、強い気分の落ち込み、もの忘れの進行が気になるときは、まず受診を。うつや認知症、体の病気が隠れていないかを確認できます。
- 通いの場・介護予防教室:要介護認定がなくても参加でき、外出の目的と人とのつながりを同時に取り戻せます。市区町村や地域包括支援センターで情報を得られます。
「どこに相談すればいいかわからない」というときは、迷わず地域包括支援センターに電話してください。早く動くほど、ご本人にもご家族にも無理のない形で、暮らしを立て直していくことができます。
監修者
介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム
医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)
訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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