
日本看護協会、看多機の3割超が赤字と指摘|2027年度改定へ「評価の充実を」要望書を老健局長に提出【2026年6月】
日本看護協会は2026年6月8日、令和9年度(2027年度)介護報酬改定に向けた要望書を厚労省老健局長に提出。看護小規模多機能型居宅介護(看多機)の36.7%が赤字である実態を示し、評価の充実や退院日・ターミナル期の報酬新設、緊急時短期利用の評価などを求めた。
この記事のポイント
日本看護協会は2026年6月8日、令和9年度(2027年度)介護報酬改定に向けた要望書を厚生労働省の黒田秀郎・老健局長に提出し、看護小規模多機能型居宅介護(看多機)の36.7%が赤字に陥っている実態を示したうえで、基本報酬の評価充実を求めた。医療ニーズの高い中重度者を在宅で支える看多機は、利用開始前の居場所が「医療機関」55.3%と退院の受け皿として機能しながら、登録定員20人以下の事業所の収支差率はわずか0.6%にとどまる。協会は退院日やターミナル期の評価新設、緊急時短期利用の報酬引き上げも要望した。在宅医療の最前線で働く看護職・介護職にとっては、自分が選ぶ職場の経営基盤と処遇を左右する論点であり、2027年度改定議論の試金石になる。
目次
住み慣れた自宅で最期まで療養を続ける。その願いを医療と介護の両面から一体的に支えるのが、看護小規模多機能型居宅介護(看多機)だ。通い・泊まり・訪問介護に訪問看護を組み合わせ、医療依存度の高い中重度者でも在宅生活を継続できるよう設計されたこのサービスは、2040年に向けて利用者の急増が見込まれている。ところが、その担い手である事業所の経営は決して安定していない。
2026年6月8日、日本看護協会は令和9年度(2027年度)の介護報酬改定に向けた要望書を厚生労働省に提出した。要望書は、看多機の3割以上が赤字経営に陥っている実態をデータで示し、評価の充実を強く求める内容となっている。本記事では、要望書が示した収支の実情と協会の具体的な要望を一次資料から整理したうえで、2027年度改定議論のなかでこの論点がどう位置づけられるのか、そして在宅領域で働く看護職・介護職のキャリアにどう関わってくるのかを読み解いていく。
要望書は単なる「報酬を上げてほしい」という陳情ではない。誰がどんな状態で看多機を使い、どこで最期を迎えているのか。事業所の規模ごとに採算がどう変わるのか。一つひとつを公的調査の数値で裏づけながら、評価の充実を求めている点に特徴がある。以下、その中身を具体的に見ていきたい。
日本看護協会が老健局長に提出した「令和9年度介護報酬改定に関する要望書」の要点
要望は4本柱、看多機の機能強化が中核に
日本看護協会(会長・秋山智弥)が2026年6月8日付で厚生労働省の黒田秀郎・老健局長に提出した「令和9年度介護報酬改定に関する要望書」は、大きく4つの柱で構成されている。すなわち、(1)在宅・施設領域に従事する看護職員の処遇改善、(2)看護小規模多機能型居宅介護の安定的なサービス提供体制の整備と機能強化、(3)訪問看護・介護施設における持続可能な看護提供体制の整備、(4)専門性の高い看護師との協働による医療ニーズ対応の充実、である。
このうち、要望書がとりわけ紙幅を割いて訴えたのが2本目の柱、看多機の機能強化だ。協会は冒頭で「2040年に向け、85歳以上を中心に医療・介護の複合的ニーズのある高齢者の増加が見込まれており、介護保険サービスの利用者が地域で安全・安心な療養生活を継続できるサービス提供体制の整備が急がれる」と問題意識を示し、住み慣れた地域での在宅療養を最期まで支えるために看多機の設置推進が不可欠だと位置づけた。
「3割以上の事業所が赤字」という経営実態
要望書が最も強く打ち出したのが、看多機の厳しい収支状況だ。協会が示したデータによると、看多機事業所の収支状況は「黒字」が24.6%、「ほぼ均衡している」が34.3%、そして「赤字」が36.7%(無回答4.4%、n=411)。つまり3割以上の事業所が赤字経営に陥っている。協会はこの数字をもとに「看多機の設置推進に向けた抜本的な対策が必要である」と訴えた。
背景には、看多機が医療ニーズの高い中重度者を受け入れるサービスであることがある。要望書は「再入院や死亡等による変動があり、登録定員が少ない事業所は特に収支差率が低い」と指摘。利用者の入退院や看取りによって利用状況が大きく変動するため、小規模な事業所ほど経営が不安定になりやすい構造的な課題を浮き彫りにした。
退院日・ターミナル期の評価新設を要望
協会は具体的な要望として、第一に「看護小規模多機能型居宅介護費の評価の充実」、すなわち基本報酬の引き上げを挙げた。さらに、退院後から看取りまでの看多機の機能発揮に向けて、2つの新たな評価を求めている。
1つは退院日の評価だ。要望書は「医療ニーズを有する中重度の利用者の受け皿である看多機における退院日の評価の充実」を求め、診療報酬の退院支援指導加算(6,000円、長時間の場合8,400円)や介護保険の訪問看護(350単位)と比較して、看多機には退院直後を評価する仕組みがないと指摘した。もう1つはターミナル期の評価で、自宅または事業所内での看取りに際して看多機の利用頻度が高まる実態を踏まえ、その充実を要望している。
データで見る看多機の現在地|退院の受け皿としての機能と「規模の壁」
利用開始前の居場所は「医療機関」が55.3%
要望書に添えられた調査データは、看多機が在宅医療のなかで果たしている役割を具体的に示している。看多機の利用開始前の居場所をみると、「医療機関」が55.3%と最も多く、次いで「自宅」29.4%、「介護保険施設(特養・老健・介護医療院など)」11.8%、「その他」3.5%(n=85事業所)となっている。半数以上が病院からの移行であり、看多機が退院後の中重度者の受け皿として機能している実態がうかがえる。
看取りの場面でも看多機の存在感は大きい。過去6か月以内に看多機の利用を終了した人の転帰(146事業所、933人)では「看取り」が40.1%を占めて最多で、「医療機関への入院」23.6%、「介護保険施設への入所・入居」18.6%が続く。さらに、看取りとなった人の看取り場所(110事業所、374人)は「事業所内」46.5%、「自宅」29.7%、「医療機関」23.8%で、看多機が通いや泊まり、訪問看護を組み合わせてターミナル期や看取りを在宅で支えている様子が読み取れる。
登録定員20人以下の収支差率はわずか0.6%
経営の不安定さを最も象徴するのが、登録定員の規模による収支差率の差だ。協会が令和5年介護事業経営実態調査をもとに整理したデータによると、1施設あたりの登録定員が「20人以下」の事業所の収支差率は0.6%にとどまるのに対し、「21〜25人」は3.8%、「26人以上」は6.9%と、規模が大きくなるほど収支が改善する傾向が明確に出ている。実利用者数(月)も20人以下が16.2人、26人以上が30.4人と差があり、小規模事業所ほど採算ラインに乗りにくい「規模の壁」が存在する。
看多機は地域密着型サービスであり、定員には上限が設けられている。小規模な事業所が地域に根ざして医療ニーズの高い利用者を支えようとするほど、収支は厳しくなる。この構造を放置すれば、医療依存度の高い人を受け入れる事業所ほど経営難に陥り、撤退しかねないというジレンマがある。
2040年に向けて利用者は76%増の見込み
需要面では拡大が確実視されている。第9期介護保険事業計画におけるサービス量の見込みでは、看多機の利用者は令和5年度(2023年度)の実績値2.1万人から、令和8年度(2026年度)には3.1万人(49%増)、令和22年度(2040年度)には3.6万人(76%増)へと増加する推計だ(厚労省報道発表資料などをもとに協会が整理)。需要が伸びる一方で供給側の経営が安定しなければ、地域によっては「使いたくても近くにない」という事態が現実味を帯びる。協会が設置推進を急ぐべきだと訴える根拠がここにある。
医療的ケア児まで受け止める「共生型」の現場
看多機の機能は高齢者にとどまらない。要望書のデータによれば、共生型サービスとして医療的ケア児を受け入れている事業所では、喀痰吸引や経管栄養(胃瘻・腸瘻・鼻腔)、輸液ポンプの使用、酸素療法、気管切開、人工呼吸器の着用、導尿、インスリン注射、てんかん発作時の対応など、肢体不自由の重症心身障害児に対する高度な医療処置が日常的に行われている。看多機が地域のなかで、世代を超えて医療依存度の高い人を受け止める拠点になりつつあることがわかる。
ただし、ここでも報酬の壁がある。要望書は、令和6年度の障害福祉サービス報酬改定で「共生型サービス医療的ケア児支援加算(1日につき400単位)」が新設されたものの、同加算と共生型サービス費を合算しても、共生型以外の障害福祉サービス費と比べて非常に低い水準にとどまると指摘した。共生型サービス費は単一設定であり、重症者を引き受けるほど経営が厳しくなる現状がある。多機能で多世代に対応できる強みが、報酬上は十分に評価されていないという課題が、ここでも繰り返されている。
これらの数値が示すのは、看多機が「医療と介護のはざま」で重い役割を担いながら、その負荷に報酬が追いついていないという構図だ。需要の伸びと供給の不安定さのギャップを埋められるかどうかが、地域包括ケアの実効性を左右する。
独自解説①:要望書が映す「在宅シフト」の矛盾と2027年度改定の力学
国の「在宅・地域包括ケア」推進と現場の採算が噛み合っていない
今回の要望書を制度全体の文脈に置くと、ある矛盾が浮かび上がる。国は団塊世代がすべて75歳以上となった現在、病院から在宅へと療養の場を移す「在宅シフト」を一貫して進めてきた。看多機はその在宅シフトを医療と介護の両面から支える切り札的なサービスとして期待され、設置推進が政策目標に掲げられている。にもかかわらず、現場の3割超が赤字という状況は、国の方針と報酬による裏付けが噛み合っていないことを示している。
要望書が退院日の評価やターミナル期の評価を求めた点は、この矛盾を突いている。診療報酬の側では退院支援指導加算(6,000円ないし8,400円)のように退院直後の手厚い関与が評価される一方、介護保険の看多機にはそうした評価が存在しない。医療と介護の制度のはざまで、もっとも手のかかる退院直後と看取りの局面が報酬上は十分に評価されていない。在宅シフトを本気で進めるなら、その移行点にこそ評価を厚くすべきだという主張には説得力がある。
緊急時の短期利用は「やればやるほど苦しい」
要望書が指摘したもう一つの論点が、緊急時の短期利用の評価だ。看多機事業者の46.2%が、登録者以外の緊急時の短期利用を受け入れている。認知症でひとり歩きのある高齢者など、ほかに対応できるサービスが見つからない人をケアマネジャーからの逼迫した相談を受けて引き受ける、いわば地域のセーフティネットの役割を果たしている。
ところが、看多機の短期利用に対する報酬は、要介護3を例にとると療養通所介護の1,335単位に対し看多機は706単位と、療養通所介護や小規模多機能型居宅介護(小多機)よりも低い設定だ。介護老人保健施設の短期利用には送迎加算が算定できるのに看多機には設定がないなど、現場からは「サービスに見合った報酬がなければ安定的な運営は困難」との声が上がっている。地域の困りごとを引き受けるほど採算が悪化する仕組みは、結果的に受け入れの萎縮を招きかねない。
2027年度改定議論のなかでの位置づけ
2027年度の介護報酬改定に向けては、社会保障審議会・介護給付費分科会で個別サービスごとの議論がすでに始まっている。物価高騰や人手不足を背景に、多くのサービスで基本報酬の底上げを求める声が相次いでいるのが現状だ。そのなかで看多機は、医療ニーズへの対応という他サービスにない特性と、需要が確実に伸びるという将来性を併せ持つ。協会が一次データを揃えて評価充実を求めた今回の要望は、分科会での議論に向けた布石とみることができる。実際にどこまで報酬に反映されるかは、年内にも固まる改定のアウトラインのなかで焦点の一つになりそうだ。
協会の調査では、緊急時の短期利用を「受け入れていない」と回答した事業所の理由として最も多かったのは「受け入れの依頼がないから」(57.7%)だが、次いで「利用者の状態や家族等の状況による受け入れの判断が難しいから」(32.4%)、「登録者のサービス提供に支障があるから」(26.8%)、「宿泊室に空床がないから」(18.3%)が並ぶ。なかには「受け入れコストに見合う報酬ではないから」(14.1%)と明確に採算を理由に挙げる事業所もあった。地域のニーズに応えたくても、人員体制や報酬の制約で踏み込めない実情がうかがえる。緊急時の受け入れ体制に見合った報酬設定は、単なる事業者支援にとどまらず、地域の高齢者が行き場を失わないためのセーフティネットの維持に直結する論点だといえる。
独自解説②:在宅領域で働く看護職・介護職のキャリアにどう響くか
看護職の離職率は全職種で最も高い15.9%
要望書の1本目の柱である処遇改善のデータは、在宅・施設領域で働く人にとって見過ごせない。協会が示した毎月勤労統計調査(2025年分結果速報)によれば、月間現金給与額で「医療,福祉」は31万7,809円と、全産業平均の35万5,919円を3万8,110円(10.7%)下回り、その差は拡大している。さらに訪問看護ステーションや介護施設で働く看護職員の賃金水準は、病院で働く看護職員より低い実態があると指摘された。
処遇の厳しさは定着にも表れている。介護サービス事業所の職種別離職率では看護職員が最も高く15.9%で、前年度の15.3%から上昇した。訪問看護ステーションを退職した看護職員の転職先は、常勤・非常勤ともに「病院・診療所」が多く、「その他」も合わせると半数以上が介護分野以外に流出しているという。在宅領域から人材が抜けていく構造は、看多機をはじめとする在宅サービスの提供体制そのものを揺るがしかねない。
看多機は「多機能を担える専門職」を育てる場でもある
一方で、看多機という職場には、ほかの単機能サービスにはない強みがある。通い・泊まり・訪問介護・訪問看護を一体で提供するため、看護職も介護職も幅広い場面に関わり、医療と生活の両面を見渡す力が養われる。要望書のデータでも、看多機の訪問介護を担う職員のうちサービス提供責任者の資格を持つ職員がいる事業所は56.6%、訪問介護員がいる事業所は70.9%にのぼり、多様な資格・経験を持つ人材が集まっていることがうかがえる。
医療依存度の高い利用者を在宅で看取りまで支える経験は、キャリアの観点からは希少価値が高い。今後、地域包括ケアの深化とともに在宅・複合型サービスの比重が増していくことを考えれば、看多機で培うスキルは将来性のある専門性といえる。ただし、その専門性が報酬と処遇に見合った形で評価されるかどうかは、まさに今回のような改定議論の結果にかかっている。働く側にとっても、自分の職場の経営基盤がどう評価されるかは他人事ではない。
共生型サービスの推進という新たな論点
要望書は、看多機における共生型サービスの推進にも言及した。全世代型のサービス提供が求められるなか、障害児者へ一体的なケアを提供するため、看多機の共生型サービスの評価引き上げや、訪問介護を共生型の「居宅介護」に位置づけることを求めている。医療的ケア児を受け入れる事業所もあるなか、こうした多機能化・多世代対応の動きは、看多機で働く専門職の役割をさらに広げる可能性を秘めている。介護・看護のキャリアを在宅領域で築こうと考える人にとって、看多機を取り巻く制度の動きは、数年先の働き方を左右する重要な手がかりになる。
訪問看護・介護施設の看護体制と「専門性の高い看護師」の活用も論点に
在宅療養を支える訪問看護事業所の機能を介護報酬でも評価せよ
要望書の3本目の柱は、訪問看護と介護施設における持続可能な看護提供体制の整備だ。85歳以上の要介護高齢者がさらに増えると見込まれるなか、高齢者救急で治療を受けた後の在宅療養支援の重要性は一層高まっている。協会は、緊急訪問を通じて柔軟に対応し、医療機関との人材交流や地域の研修を通じて在宅療養支援能力を高め、再入院予防に寄与している訪問看護事業所の役割を強調した。
協会のデータによると、機能強化型訪問看護管理療養費を届け出ている事業所では月に20回以上の緊急訪問を実施している事業所が41.8%にのぼる一方、届け出ていない事業所でも11.2%が同等の緊急訪問をしており、地域医療を支える機能を果たしている。研修の実施でも、機能強化型を届け出ていない事業所の13.3%が地域の医療機関などを対象とした研修を実施していた。こうした機能は医療保険の機能強化型訪問看護管理療養費で一定の評価がなされているものの、介護保険では評価されていない。協会は介護報酬においても、地域ニーズへの対応や退院支援・医療連携機能を持つ事業所を評価するよう求めている。
特養の緊急時対応・看取りを支える看護体制の評価
介護老人福祉施設(特養)についても、緊急時対応や看取りの推進に向けた充実した看護体制の評価を要望している。特養では入所者の重度化が進み、施設内での看取りも増えている。夜間や急変時に看護職員がどれだけ対応できるかが、入所者本人と家族の安心、そして救急搬送の抑制に直結する。看護体制を手厚くするには人件費がかかるが、その負担を報酬で支える仕組みがなければ、現場の努力だけでは限界がある。協会の要望は、施設で働く看護職・介護職の負担と、入所者が施設で安心して最期を迎えられる環境の両方を見据えたものといえる。
専門看護師・認定看護師との協働を在宅にも広げる
4本目の柱は、専門性の高い看護師との協働による医療ニーズ対応の充実だ。具体的には、特定の医療処置や疾患管理に高い専門性を持つ看護師の関与を評価する「専門管理加算」について、対象となるサービスや分野の拡大を求めている。在宅で療養する利用者の医療ニーズが複雑化・重度化するなか、専門看護師や認定看護師の知見を訪問看護や看多機の現場でより活用できるようにすることは、ケアの質を底上げするとともに、専門性を磨いた看護職のキャリアの受け皿を広げる意味も持つ。これらの要望は、在宅・施設領域で働く看護職にとって、専門性が正当に評価される環境づくりにつながる論点だ。
参考文献・出典
- [1]令和9年度介護報酬改定に関する要望書- 公益社団法人日本看護協会(2026年6月8日、厚生労働省老健局長宛)
看多機の36.7%が赤字とのデータを示し、評価充実・退院日/ターミナル期の評価新設・緊急時短期利用の報酬引き上げ等を求めた一次資料。
- [2]
- [3]
- [4]
- [5]
- [6]
まとめ
日本看護協会が2026年6月8日に厚生労働省へ提出した令和9年度(2027年度)介護報酬改定の要望書は、看護小規模多機能型居宅介護(看多機)の36.7%が赤字に陥っている実態を一次データで示し、評価の充実を求めるものだった。利用開始前の居場所が「医療機関」55.3%という数字が示すように、看多機は退院後の中重度者を在宅で受け止め、看取りまで支える在宅医療の要として機能している。それにもかかわらず、登録定員20人以下の事業所の収支差率はわずか0.6%にとどまり、医療ニーズの高い人を支えるほど経営が苦しくなる構造的なジレンマを抱えている。
協会は基本報酬の評価充実に加え、退院日やターミナル期の評価新設、緊急時短期利用の報酬引き上げ、共生型サービスの推進など、在宅シフトを実効性のあるものにするための具体策を並べた。需要が2040年に向けて76%増と見込まれるなか、供給側の経営と処遇をどう支えるかは、2027年度改定議論の重要な焦点になる。在宅・複合型サービスの現場で働く看護職・介護職にとって、これは自分の職場の将来と処遇に直結するテーマだ。あなたが大切にしたい働き方や専門性は、どんな職場でこそ活かせるだろうか。制度の動きを手がかりに、自分に合ったキャリアを考えてみたい。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
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