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小規模多機能型居宅介護の仕事内容完全ガイド|通い・泊まり・訪問の3サービスと働き方

小規模多機能型居宅介護の仕事内容完全ガイド|通い・泊まり・訪問の3サービスと働き方

小規模多機能型居宅介護(小多機)の仕事内容を徹底解説。通い・泊まり・訪問の3サービス一体型の業務内容、1日の流れ(日勤・夜勤)、給料相場、向いている人の特徴、他施設との違いまで網羅。2026年最新の処遇改善情報も掲載。

ポイント

この記事のポイント

小規模多機能型居宅介護(小多機)は、「通い」「泊まり」「訪問」の3サービスを1つの事業所で提供する地域密着型介護サービスです。介護職員は送迎・身体介護・生活援助・レクリエーション・夜間見守りなど幅広い業務を担い、登録定員29名以下の少人数環境で利用者一人ひとりに深く関わります。常勤の平均月給は約30万円で、2026年度の介護報酬改定により処遇改善が進んでいます。

小規模多機能型居宅介護(小多機)とは?基本を理解しよう

小規模多機能型居宅介護(通称:小多機・ショウタキ)は、2006年の介護保険制度改正で創設された地域密着型サービスの1つです。利用者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、1つの事業所が「通い(デイサービス)」「訪問(ホームヘルプ)」「泊まり(ショートステイ)」の3つのサービスを一体的に提供します。

小多機の基本的な仕組み

従来の介護サービスでは、デイサービス・訪問介護・ショートステイをそれぞれ別の事業所と契約する必要がありました。利用者の状態が変化するたびにサービスの組み合わせを変更する手間があり、本人や家族にとって大きな負担でした。小多機はこの課題を解決するために生まれたサービスです。

1つの事業所に登録するだけで、利用者の体調や家族の事情に応じて「通い」「訪問」「泊まり」を自由に組み合わせて利用できます。利用料金は月額定額制で、回数を気にせず必要なときに必要なサービスを受けられるのが最大の特徴です。

定員と利用条件

小多機の定員は以下のとおり定められています。

  • 登録定員:1事業所あたり29名以下
  • 通いの1日定員:18名以下(基本は15名以下、一定基準を満たす場合に18名まで可)
  • 泊まりの1日定員:9名以下

利用できるのは、事業所と同じ市区町村に住んでいる要支援1・2または要介護1〜5の認定を受けた方です。地域密着型サービスのため、原則として住所地の市区町村内にある事業所しか利用できません。

人員基準と配置される職種

小多機の事業所には、以下の職種が配置されています。

  • 管理者:事業所全体の運営管理を行う(認知症介護実践者研修修了者等)
  • 介護支援専門員(ケアマネジャー):利用者ごとのケアプラン作成を担当
  • 介護職員:日中は通いの利用者3名につき1名以上+訪問対応1名以上、夜間は泊まり・訪問対応で2名以上(うち1名は宿直可)
  • 看護職員:看護師または准看護師(常勤換算1名以上)

1事業所あたりのサービス提供職員は15名程度と小規模です。少人数体制のため、職員一人ひとりが幅広い業務をこなすことが求められます。

看護小規模多機能型居宅介護(看多機)との違い

小多機に「訪問看護」を加えたサービスが「看護小規模多機能型居宅介護(看多機・カンタキ)」です。看多機では医療的ケアが必要な方(たとえば在宅での点滴・吸引・褥瘡処置など)にも対応できる点が異なります。小多機の介護職員が看多機で働く場合は、看護師との連携がより密になるため、医療知識の習得も求められます。

3サービス別の仕事内容を徹底解説|通い・訪問・泊まり

小多機の介護職員は「通い」「訪問」「泊まり」の3サービスすべてを担当するのが基本です。1つのサービスだけに特化するのではなく、シフトに応じて異なるサービスを提供するのが小多機ならではの働き方です。ここでは各サービスの具体的な業務内容を詳しく解説します。

「通い(デイサービス)」の仕事内容

「通い」は小多機の中心的なサービスで、厚生労働省の資料によると利用者の93%が通いを含むサービスを利用しています(厚生労働省「小規模多機能型居宅介護」資料)。主な業務は以下のとおりです。

送迎業務

朝は利用者の自宅まで福祉車両で迎えに行き、夕方に自宅へ送り届けます。専属ドライバーがいる事業所もありますが、介護職員が運転を担当するケースが多いため、普通自動車運転免許があると有利です。送迎時は車椅子の方の乗降介助、シートベルト着用確認、車内での体調チェックなども行います。

健康チェック・バイタル測定

到着後は血圧・体温・脈拍などのバイタルサインを測定し、体調を確認します。異常があれば看護職員に報告し、入浴やレクリエーションの参加可否を判断します。

入浴介助

小多機の浴室は一般家庭と同じような造りが多く、利用者一人ずつ個別に入浴します。脱衣の介助から洗髪・洗体のサポート、浴室までの移動介助、入浴後の身体の確認(皮膚トラブルや傷の有無)、保湿ケア、整容まで一連の流れを担当します。利用者によってはリフト浴での対応が必要な場合もあります。

食事介助・口腔ケア

昼食の準備・配膳を行い、必要な方には食事介助をします。食事形態は利用者ごとに異なるため(普通食・きざみ食・ミキサー食など)、正確な配膳が重要です。食後は服薬管理と口腔ケアも行います。

レクリエーション・機能訓練

体操、手芸、書道、カラオケ、脳トレ、季節行事(お花見、夏祭り、クリスマス会など)の企画・運営を行います。利用者の興味や身体能力に合わせた活動を計画し、楽しみながら心身機能を維持・向上させることが目的です。大規模施設と異なり、少人数だからこそ一人ひとりの好みに合わせた柔軟なプログラムが組めるのが小多機の強みです。

一般的なデイサービスとの違い

通常のデイサービスは施設が決めた時間割に沿ってサービスを提供しますが、小多機の「通い」は利用者のペースに合わせた過ごし方ができます。1日通しで利用する人もいれば、入浴だけ・食事だけといった数時間の利用も可能です。この柔軟性が小多機の大きな特徴です。

「訪問(ホームヘルプ)」の仕事内容

利用者の自宅を訪問し、その方の生活を直接サポートするサービスです。小多機の訪問は一般的な訪問介護とは異なる柔軟さがあります。

身体介護

食事介助、排泄介助(おむつ交換・トイレ誘導)、入浴介助、着替え介助、体位変換、移動・移乗介助などを行います。利用者の自宅という環境の中で、その方の生活習慣を尊重しながらケアを提供します。

生活援助

掃除、洗濯、調理、買い物代行など、日常生活の維持に必要な家事支援を行います。ただし生活援助は介護保険の訪問介護で定められたサービス範囲に準じます。

安否確認・見守り

小多機の訪問の特徴として、短時間の安否確認だけの訪問も可能です。「声をかけるだけ」「服薬を確認するだけ」「ちょっと話し相手になるだけ」といった柔軟な対応ができます。利用者の些細な変化に気づくための重要な業務です。

通院介助・外出支援

病院への通院の送迎や受付でのサポート、買い物や散歩の付き添いなどの外出支援も行います。

一般的な訪問介護との違い

通常の訪問介護はヘルパーが時間単位で訪問し、決められたサービス内容のみを提供します。一方、小多機の訪問はサービス内容や時間に厳格な制約がなく、利用者のニーズに応じた柔軟な対応が可能です。緊急時には昼夜を問わず駆けつけることもできます。

「泊まり(ショートステイ)」の仕事内容

日中に「通い」を利用した利用者がそのまま事業所に宿泊するサービスです。家族の急な用事や体調不良、介護者のレスパイト(休息)目的で利用されます。

夕食介助・就寝準備

夕食の配膳・食事介助・口腔ケアを行った後、利用者の就寝準備(着替え・排泄介助・ベッドメイキング)をサポートします。

夜間の見守り・巡回

夜間は定期的に利用者の様子を巡回確認します。排泄介助やナースコール対応、体位変換なども夜勤の重要な業務です。小多機の夜勤は基本的に1名体制(もう1名は宿直可)であるため、緊急時には施設長やオンコールの看護職員に連絡できる体制が整えられています。

起床介助・朝食準備

翌朝は利用者の起床を手伝い、着替え・洗顔・排泄介助を行います。朝食の準備・配膳・食事介助・服薬管理・口腔ケアまで一連の流れを担当し、日勤スタッフへ夜間の利用者の様子を申し送りします。

一般的なショートステイとの違い

通常のショートステイは事前予約が必要で、希望日に空きがなければ他の施設を探す必要があります。小多機の「泊まり」は日中の通いからそのまま柔軟に宿泊でき、急な利用にも対応しやすいのが利点です。顔なじみのスタッフがそのまま対応するため、環境変化に敏感な認知症の方にも安心感を与えられます。

小多機の1日の流れ|日勤・夜勤のスケジュール例

小多機の介護職員は、シフトにより日勤・夜勤を交代で担当します。同じ1日の中でも「通い」対応と「訪問」対応を行き来するのが特徴的です。ここでは典型的なスケジュール例を紹介します。

日勤の1日の流れ(8:30〜17:30の例)

時間業務内容
8:30出勤・申し送り:夜勤スタッフから宿泊利用者の夜間の様子を引き継ぎ、1日のスケジュールと担当を確認します。
9:00通い利用者の送迎:福祉車両で利用者の自宅を回り、事業所まで送迎します。到着後はバイタル測定で体調を確認。
10:00訪問介護・入浴介助:訪問担当は利用者宅を訪問し排泄介助や安否確認を実施。通い担当は入浴介助を行います。
11:00外出・通院支援:通院が必要な利用者の送迎や受付サポート、買い物支援などを行います。
12:00昼食準備・食事介助:昼食の配膳と食事介助、服薬管理、口腔ケアを行います。
13:00休憩:交代で昼休憩を取ります。
14:00レクリエーション・機能訓練:体操、脳トレ、手芸、季節行事などを企画・実施します。
15:00おやつ・訪問介護:通い利用者へおやつを提供。訪問担当は午後の訪問(買い物支援、服薬確認など)を行います。
15:30〜16:00通い利用者の送迎:帰宅する利用者を自宅まで送り届けます。
16:00〜17:00記録・ミーティング:介護記録の作成、カンファレンスでの情報共有を行います。
17:00〜17:30夜勤への引き継ぎ・退勤:夜勤スタッフに利用者の状態や注意事項を申し送り、退勤します。

夜勤の1日の流れ(17:00〜翌9:00の例)

時間業務内容
17:00出勤・日勤からの引き継ぎ:宿泊利用者の体調や注意事項を確認します。
18:00夕食準備・食事介助:宿泊利用者への夕食配膳・食事介助・服薬管理・口腔ケアを行います。
19:00〜20:00就寝準備:着替え介助、排泄介助、ベッドへの誘導など就寝の準備をサポートします。
21:00消灯・巡回開始:利用者の就寝後、定期的(2時間ごとが目安)に居室を巡回し、安全を確認します。
21:00〜5:00夜間対応:ナースコール対応、排泄介助、体位変換、緊急時対応を行います。合間に仮眠を取ります。
6:00起床介助:利用者を起こし、着替え・洗顔・排泄の介助を行います。
7:00朝食準備・食事介助:朝食の準備・配膳・食事介助・服薬管理・口腔ケアを行います。
8:30日勤への申し送り・退勤:夜間の利用者の様子を日勤スタッフに詳しく引き継ぎ、退勤します。

小多機特有の「ハイブリッドな働き方」

上記のスケジュールからわかるように、小多機の介護職員は1日の中で「通い対応」と「訪問対応」を行き来します。午前中に事業所で入浴介助をした後、午後は利用者宅を訪問して生活援助を行う――このような「ハイブリッドな働き方」が小多機の大きな特徴です。

外出業務が多いため、デスクワーク中心の仕事と比べると移動時間が発生しますが、気分転換になるという声もあります。また、事業所と利用者の自宅の両方を知ることで、利用者の生活全体を理解した上でのケアが可能になります。

シフトパターンの例

小多機は24時間365日の運営体制のため、シフト制が基本です。典型的なシフトパターンは以下のとおりです。

  • 早番:7:00〜16:00(宿泊利用者の朝食対応から通い利用者の帰宅支援まで)
  • 日勤:8:30〜17:30(通い・訪問の日中業務が中心)
  • 遅番:10:00〜19:00(通い利用者の帰宅支援から宿泊利用者の夕食対応まで)
  • 夜勤:17:00〜翌9:00(宿泊利用者の夜間ケア、16時間勤務が一般的)

夜勤は月に4〜6回程度が平均的です。パートやアルバイトの場合は日勤のみ・通いのみなど担当を固定して働けるケースもあり、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。

小多機の給料・年収データ|2026年最新の処遇改善情報

小多機で働く介護職員の給料は、施設の規模・地域・保有資格・経験年数によって差がありますが、ここでは公的データに基づく最新の給与水準と、今後の処遇改善の見通しを解説します。

常勤・非常勤別の平均給与

厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」によると、介護職員全体の平均給与(処遇改善加算取得事業所)は常勤で月額約29.1万円です。小多機を含む地域密着型サービスの介護職員は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設と比べるとやや低い傾向にありますが、処遇改善加算の充実により差は縮まっています。

雇用形態平均月給推定年収
常勤(月給制)約28〜31万円約340〜380万円
非常勤(月給制)約21〜24万円約250〜290万円
非常勤(時給制)時給1,200〜1,400円―

出典:厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査結果」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/23/index.html)

資格別の給与差

保有資格による給与の違いは以下のとおりです。介護福祉士を取得すると資格手当(月5,000〜20,000円程度)が加算される事業所が多く、収入アップに直結します。

  • 無資格:月給約22〜25万円
  • 介護職員初任者研修修了:月給約24〜27万円
  • 介護福祉士実務者研修修了:月給約25〜28万円
  • 介護福祉士:月給約27〜32万円
  • 管理者・施設長:月給約35〜40万円

夜勤手当と収入アップのポイント

小多機は24時間体制のため夜勤があり、夜勤手当が月収を押し上げる大きな要素になります。夜勤手当の相場は1回あたり5,000〜8,000円程度です。月に5回夜勤をすれば25,000〜40,000円の手当が加算されます。

そのほか、以下のような手当が支給される事業所が一般的です。

  • 処遇改善加算手当(月15,000〜30,000円程度)
  • 通勤手当
  • 扶養手当
  • 住宅手当
  • 資格手当

2024〜2026年の処遇改善の動向

介護職員の賃金改善は国の重点施策として進められています。2024年度の介護報酬改定では処遇改善加算が一本化され、取得しやすい仕組みに改編されました。厚生労働省の資料によると、処遇改善関連加算を取得している事業所の介護職員の平均給与は前年比で月額約7,530円の増加となっています(厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」)。

2025年度の補正予算では最大月1.9万円の賃上げ支援が実施され、2026年度からは報酬本体への反映(改定率+2.03%)が予定されています。小多機では認知症加算の新設なども見込まれており、事業所の収益向上と連動して介護職員の給与水準はさらに改善される見通しです。

当サイト独自分析:小多機の給与を他施設と比較

厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」のデータを基に、施設タイプ別の常勤介護職員の平均月給を比較すると、以下のような傾向が見えてきます。

施設タイプ常勤平均月給(税込)夜勤の有無
特別養護老人ホーム約31.8万円あり(月4〜5回)
介護老人保健施設約30.0万円あり(月4〜5回)
小規模多機能型居宅介護約28〜30万円あり(月4〜6回)
グループホーム約28.1万円あり(月4〜5回)
通所介護(デイサービス)約27.2万円なし
訪問介護約27.5万円基本なし

小多機の給与水準は特養や老健よりやや低い傾向がありますが、デイサービスや訪問介護よりは高めです。ただし重要なのは、小多機では「通い・訪問・泊まり」の3サービスすべてのスキルが身につくため、将来的なキャリアアップにおける投資対効果が高い点です。3年間の実務経験を積めば介護福祉士の受験資格を得られ、さらなる給与アップにつながります。

小多機と他の介護施設の違い|デイサービス・訪問介護・ショートステイ・グループホームとの比較

小多機は「通い・訪問・泊まり」を1つの事業所で提供する点で独自のポジションを持っています。ここでは介護職員の目線で、他の介護サービスとの働き方の違いを詳しく比較します。

サービス形態の比較表

比較項目小規模多機能型居宅介護デイサービス訪問介護ショートステイグループホーム
サービス形態通い+訪問+泊まりの3サービス一体型通いのみ訪問のみ泊まりのみ入居型
利用者定員登録29名以下施設による(10〜100名超)定員なし施設による1ユニット9名
利用者との関係少人数で深い関係構築多数の利用者と浅い関わり1対1の個別対応短期間の関わり少人数で家族的な関係
業務の幅非常に広い(3サービス兼任)通い業務に特化訪問業務に特化施設内ケアに特化生活全般の支援
夜勤あり(月4〜6回)基本なし基本なしありあり(月4〜5回)
外出業務多い(送迎+訪問)送迎のみ全て外出業務なし少ない
利用料の仕組み月額定額制利用回数ごと利用時間ごと利用日数ごと月額制

デイサービスとの違い

デイサービスは「通い」に特化したサービスで、施設で決められた時間割に沿って食事・入浴・レクリエーションなどを提供します。利用者数が数十名規模の事業所も多く、効率的なオペレーションが求められます。

一方、小多機の「通い」は利用者のペースに合わせた自由度の高いサービスが特徴です。「今日は入浴だけ」「午前中だけ利用」といった柔軟な対応ができます。介護職員にとっては、画一的なプログラムではなく個別対応力が求められますが、その分やりがいを感じやすいという声があります。

訪問介護との違い

訪問介護は、ヘルパーが利用者の自宅を訪問して身体介護や生活援助を行う点では小多機の「訪問」と共通しています。しかし、訪問介護は「1回あたりの訪問時間とサービス内容がケアプランで厳密に決められている」のに対し、小多機の訪問は「短時間の安否確認から長時間の生活支援まで柔軟に対応できる」という違いがあります。

また、訪問介護には介護職員初任者研修以上の資格が必須ですが、小多機の事業所内での業務は無資格でも従事可能です(ただし訪問業務を行う場合は資格が望ましい)。

ショートステイとの違い

ショートステイは事前に予約して短期間施設に宿泊するサービスです。小多機の「泊まり」との最大の違いは、小多機では日中の「通い」からシームレスに「泊まり」に移行できること。ショートステイは事前予約が原則ですが、小多機は当日の急な宿泊にも対応しやすく、利用者にとって心理的なハードルが低いのが利点です。介護職員にとっても、日中から関わっている利用者をそのまま夜間も担当するため、状態把握が容易です。

グループホームとの違い

グループホームは認知症の方を対象とした入居型施設で、1ユニット9名の少人数で家庭的な生活を送ります。少人数・アットホームという点は小多機と共通していますが、グループホームは「入居者の生活の場」であるのに対し、小多機は「在宅生活の支援拠点」です。

小多機は利用者が自宅での生活を継続できるよう支援する点で根本的に異なります。介護職員は利用者の自宅環境も把握した上でケアを提供するため、在宅支援のスキルが身につきやすいのが小多機の強みです。

小多機で身につくスキルの優位性

小多機で3サービスを経験することは、介護職員としてのキャリア形成において大きなアドバンテージとなります。通所系・訪問系・宿泊系すべての実務経験が1つの職場で得られるため、将来どのような介護サービスへ転職する場合にも即戦力として評価されやすくなります。また、利用者の在宅生活を包括的に支える経験は、ケアマネジャーを目指す際にも大いに役立ちます。

小多機に向いている人・やりがいと大変なこと

小多機は幅広い業務を少人数体制でこなす独特の職場です。「自分に合うかどうか」を判断するために、向いている人の特徴とやりがい、そして正直な「大変なこと」を紹介します。

小多機に向いている人の7つの特徴

1. 利用者一人ひとりとじっくり向き合いたい人

登録定員29名以下の少人数環境では、利用者の生活習慣・好み・家族構成まで深く理解した上でケアを提供できます。大規模施設のように「流れ作業」になりにくく、個別性の高いケアを実践したい方に向いています。

2. マルチタスクが得意な人

1日の中で通い対応、訪問、泊まりの準備と複数の業務を切り替えながらこなす必要があります。急な予定変更にも柔軟に対応できる方が活躍しやすい環境です。

3. 幅広い介護スキルを身につけたい人

施設ケア、在宅ケア、夜間ケアのすべてを1つの職場で経験できるのは小多機ならではです。介護職としての総合力を高めたい人、将来ケアマネジャーや管理者を目指す人にとって最良のトレーニングフィールドとなります。

4. コミュニケーションを大切にする人

少人数チームで働くため、職員同士の情報共有が極めて重要です。また、利用者の自宅を訪問する際には家族とのコミュニケーションも欠かせません。人と話すことが好きで、報告・連絡・相談を丁寧にできる方に適しています。

5. 在宅介護に興味がある人

利用者が自宅で暮らし続けることを支援するのが小多機の使命です。施設内完結型のケアだけでなく、「その人の暮らし」全体を見据えた支援に関心がある人は、大きなやりがいを感じられるでしょう。

6. アットホームな職場が好きな人

スタッフ15名程度の小さなチームで働くため、職場の雰囲気はアットホームです。大規模施設のように部署間の壁が少なく、風通しの良い環境で働きたい方に向いています。

7. 運転が苦でない人

送迎業務や訪問業務で車を運転する機会が多いため、運転に抵抗がない方が望ましいです。普通自動車免許を持っていると採用時に有利に働きます。

小多機で働くやりがい

利用者の「暮らし」を丸ごと支える実感

小多機では利用者の自宅も事業所も知っているため、「この方の生活全体を自分が支えている」という実感を持ちやすいのが大きなやりがいです。通いでのレクリエーションの笑顔、訪問先で「ありがとう」と言われる瞬間、泊まりで安心して眠る姿――3サービスすべてを通じて見える利用者の「暮らし」がモチベーションになります。

認知症ケアの専門性が高まる

小多機の利用者は認知症の方の割合が高い傾向にあります。環境変化に敏感な認知症の方にとって、顔なじみのスタッフが一貫してケアを提供する小多機は最適な環境です。認知症ケアの実践経験を積むことで、高い専門性を身につけることができます。

チームの一体感

少人数チームのため、全員が利用者全員のことを把握しており、チームとしての一体感が強い職場です。「自分がいないと回らない」というプレッシャーもありますが、同時にそれが「自分が必要とされている」という充実感にもつながります。

小多機で大変だと感じやすいこと

介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」では、介護職員が仕事上の悩みとして「人手が足りない」(52.1%)、「仕事内容のわりに賃金が低い」(38.2%)を上位に挙げています。小多機においても同様の課題が見られます。

業務の幅が広く覚えることが多い

通い・訪問・泊まりの3サービスすべてに対応するため、入職当初は覚えることの多さに圧倒されることがあります。ただし、多くの事業所では段階的に業務を覚えられるよう研修体制を整えています。

少人数ゆえの業務負担

スタッフ数が限られているため、急な欠勤が出た場合の代替が難しいことがあります。特に夜勤は基本1名体制のため、責任の重さを感じる場面もあります。

利用者の状態変化への即時対応

在宅生活を支えるサービスであるため、利用者の体調急変や家族からの緊急連絡に柔軟に対応する必要があります。予定通りに進まないことも多く、臨機応変な判断力が求められます。

記録業務の多さ

通い・訪問・泊まりのそれぞれで介護記録を作成する必要があるため、記録業務の負担を感じる職員もいます。ICT化が進んでいる事業所ではタブレット端末での入力が可能ですが、紙ベースの事業所もまだ存在します。

必要な資格は?無資格・未経験でも働ける?

小多機で介護職員として働くために法律上必須とされる資格はありません。無資格・未経験でも応募可能な求人は多くあります。

ただし、以下の資格があると業務の幅が広がり、給与面でも有利になります。

  • 介護職員初任者研修:介護の基礎知識と技術を学ぶ入門資格。訪問業務を行うには実質的にこの資格が必要
  • 介護福祉士実務者研修:初任者研修の上位資格。医療的ケア(たんの吸引等)の知識も学べる
  • 介護福祉士:介護職唯一の国家資格。実務経験3年+実務者研修修了で受験可能。資格手当で月収アップ
  • 普通自動車運転免許:送迎業務で必要。多くの事業所で応募条件に含まれている

小多機は未経験者を受け入れている事業所も多く、資格取得支援制度(受講費用の補助や勤務時間内での受講許可)を設けているところもあります。入職後に働きながら資格を取得するキャリアパスが一般的です。

小規模多機能型居宅介護の仕事に関するよくある質問

Q. 小多機の仕事は「しんどい」「きつい」と聞きますが本当ですか?

業務の幅が広く、1つの職場で通い・訪問・泊まりの3サービスを担当するため、覚えることが多いのは事実です。特に入職直後は業務量に圧倒されることもあるでしょう。しかし、介護労働安定センターの「令和5年度介護労働実態調査」によると、介護職員全体の離職率は13.1%で、小多機に特化した離職率が突出して高いというデータはありません。少人数で利用者とじっくり向き合える環境をやりがいと感じる職員も多く、「大変だけどやりがいがある」という評価が多い傾向です。

Q. 夜勤は毎日ありますか?1人で対応するのが不安です。

夜勤は月に4〜6回程度が一般的です。毎日ではなくシフト制で交代します。夜間の人員体制は基本1名(+宿直1名の場合あり)ですが、緊急時には施設長やオンコール対応の看護職員に電話で指示を仰げる体制が整備されています。また、宿泊利用者は最大9名と少人数のため、大規模施設の夜勤と比べると対応人数は限られます。不安な場合は、入職前に夜勤体制について詳しく確認することをおすすめします。

Q. 訪問介護の経験がなくても大丈夫ですか?

訪問未経験でも問題ありません。多くの事業所では、最初は先輩職員に同行して訪問業務を学ぶOJT(実地研修)の期間を設けています。通い業務に慣れてから徐々に訪問業務を担当するなど、段階的にステップアップできる仕組みを持つ事業所がほとんどです。ただし、訪問先では1人で判断する場面もあるため、初任者研修以上の資格取得が推奨されます。

Q. パートやアルバイトでも働けますか?通いだけの担当は可能ですか?

パート・アルバイトでの勤務は可能です。事業所によっては「日勤のみ」「通いサービスのみ担当」「週3日勤務」など、柔軟な勤務形態を選べます。子育て中の方やWワークの方が、自分のライフスタイルに合わせて働いているケースも多くあります。面接時に希望の働き方を伝え、事業所側と調整することが大切です。

Q. 送迎の運転が必要ですか?ペーパードライバーでも大丈夫ですか?

送迎業務がある事業所が多いため、普通自動車運転免許はほぼ必須です。専属ドライバーを配置している事業所もありますが、介護職員が送迎を兼務するケースが一般的です。ペーパードライバーの場合は、入職前に運転練習をしておくと安心です。なかには運転不要のポジションで募集している事業所もあるため、運転に不安がある方は応募時に確認しましょう。

Q. 小多機から他の介護施設への転職は有利ですか?

非常に有利です。小多機で「通い・訪問・泊まり」の3サービスを経験することで、通所系(デイサービス)・訪問系(訪問介護)・入所系(特養・老健)のいずれの転職先でも即戦力として評価されます。特にケアマネジャーを目指す場合、在宅生活を包括的に支えた経験は大きな強みになります。介護福祉士の実務経験要件(3年以上の介護実務経験)も小多機での勤務で満たすことができます。

Q. 小多機の事業所数は増えていますか?将来性はありますか?

厚生労働省「令和5年介護サービス施設・事業所調査」によると、小多機の事業所数は全国で約5,700カ所(2023年時点)で、近年は横ばいから微増傾向です。国は地域包括ケアシステムの推進において小多機を重要な柱と位置づけており、2024年度の介護報酬改定でも基本報酬の引き上げが行われました。高齢化の進展と在宅志向の高まりから、小多機の需要は今後も安定的に推移すると見られています。

参考文献・出典

  • [1]
    令和5年度介護従事者処遇状況等調査結果- 厚生労働省

    介護職員の平均給与額・処遇改善加算の算定状況

  • [2]
    令和5年度介護労働実態調査- 介護労働安定センター

    介護職員の離職率、労働条件、仕事上の悩みに関する調査結果

  • [3]
    令和5年介護サービス施設・事業所調査- 厚生労働省

    小規模多機能型居宅介護の事業所数・利用者数の基礎統計

  • [4]
    令和6年度介護報酬改定について- 厚生労働省

    処遇改善加算の一本化・基本報酬改定内容

  • [5]
    賃金構造基本統計調査- e-Stat(政府統計ポータル)

    産業別・職種別の賃金に関する政府統計

まとめ|小多機は「介護のオールラウンダー」を目指す人に最適な職場

小規模多機能型居宅介護(小多機)は、「通い」「訪問」「泊まり」の3サービスを1つの事業所で一体的に提供する地域密着型サービスです。介護職員はこの3サービスすべてを担当するため、業務の幅は広いものの、その分だけ幅広い介護スキルが身につく職場です。

この記事のポイントを整理します。

  • 仕事内容:送迎・身体介護・生活援助・レクリエーション・夜間見守りなど多岐にわたる。1日の中で通い対応と訪問対応を行き来する「ハイブリッドな働き方」が特徴
  • 給与水準:常勤で月給約28〜31万円(年収340〜380万円)。2026年度の介護報酬改定により処遇改善が継続中
  • 向いている人:利用者とじっくり向き合いたい人、マルチタスクが得意な人、幅広いスキルを身につけたい人
  • 他施設との違い:デイサービス・訪問介護・ショートステイを別々に契約する従来型と異なり、1事業所で3サービスを柔軟に提供。利用者にとっても職員にとっても「顔なじみの安心感」がある
  • 資格:無資格・未経験でも応募可能な事業所が多い。介護福祉士を取得すれば収入アップに直結
  • 将来性:国の地域包括ケアシステム推進の中核サービスとして需要は安定。キャリアアップの選択肢も広い

小多機での経験は、介護職としてのキャリアにおいて大きな財産となります。通所系・訪問系・入所系すべてのスキルを1つの職場で習得できるため、将来どの介護サービスへ進むにしても即戦力として評価されます。「介護のオールラウンダー」を目指す方にとって、小多機は最適な出発点です。

転職を検討されている方は、まず複数の事業所を見学し、スタッフの雰囲気や夜勤体制、研修制度などを比較することをおすすめします。自分に合った事業所を見つけることが、小多機で長く活躍するための第一歩です。

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公開日: 2026年4月10日最終更新: 2026年4月10日

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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