SOMPOケア「5連休制度」取得率8割弱で定着|離職率11%台、全員リクルーター制度も強化
介護職向け

SOMPOケア「5連休制度」取得率8割弱で定着|離職率11%台、全員リクルーター制度も強化

SOMPOケアの鷲見隆充社長が2026年7月、勤続5年以上の介護職を対象とした「5連休制度」の取得率が8割弱に達し、離職率が11%台で推移していることを明らかにした。制度の中身と全国データとの突合、連休が取れる職場の見極め方を解説する。

Quick Diagnosis

45

全6問・動画ガイド付き

性格から、合う働き方をみつける。

介護の仕事を嫌いになる前に。施設タイプや転職サービスの選び方を、6つの質問と45秒の動画で整理できます。

無料で診断を始める
ポイント

この記事のポイント

介護大手のSOMPOケアは2026年7月13日、勤続5年以上の介護職員を対象とした「5連休制度」の取得率が8割弱に達し、離職率が11%台で推移していることを明らかにした。鷲見隆充代表取締役社長がインタビューで語ったもので、同社は職員が知人を紹介する「全員リクルーター制度」の強化と、体験型スポットワークの導入もあわせて進めている。ただしこれは大手法人の自主的な福利厚生であり、制度上の義務ではない。全国データと突き合わせると、この2つの施策は「介護労働実態調査」が定着・採用それぞれで効果1位に挙げた手法とぴたり重なる。奇策ではなく、効くと分かっている打ち手を規模で実行した事例と読むのが正確だ。転職を考える介護職にとっては、連休制度の有無そのものより「勤続何年ごとに、誰が代替に入る設計か」を確かめることが実益になる。

目次

「3連休以上はなかなか取れない業界」。SOMPOケアの鷲見隆充代表取締役社長が、5連休制度を導入した2024年度当時にそう語っていた言葉は、シフト制で働く介護職の実感に近いはずだ。早番・日勤・遅番・夜勤が組み合わさる勤務表のなかで、自分が5日抜けるということは、その5日分を誰かが埋めるということでもある。だからこそ、連続した休みは「制度としてある」ことと「実際に取れる」ことの間に、大きな溝が生まれやすい。

2026年7月13日、その溝がどこまで埋まったかを示す数字が出た。SOMPOケアの5連休制度の取得率は8割弱。同社の離職率は11%台で推移しているという。従業員数2万5千人規模(2025年3月時点の連結、パート社員を含む)の事業者が、5年がかりで積み上げた運用実績である。

この記事では、まず5連休制度が具体的にどういう設計なのかを一次情報で確認する。次に、あわせて強化された「全員リクルーター制度」と体験型スポットワークという採用側の動きを整理する。そのうえで、公的統計である「介護労働実態調査」の全国データと突き合わせ、この取り組みが業界のなかでどういう位置にあるのかを検証したい。最後に、2027年度介護報酬改定で人材確保が主要論点となっている流れを踏まえ、現場の職員・求職者が「連休が取れる職場」をどう見極めるかという実務的な視点で締める。

あらかじめ断っておくと、これは一民間事業者の自主的な取り組みであり、制度上の義務でも、業界標準でもない。だからこそ「大手だからできる」で終わらせず、どの部分が規模に依存し、どの部分が規模に依存しないのかを分けて読む必要がある。

「5連休制度」の中身と、取得率8割弱が意味するもの

「勤続5年ごとに5連休」という設計

SOMPOケアの5連休制度は、同社の採用サイトで「特別連続休暇制度(GOGOホリデー)」として案内されている。内容は「入社5年毎に、5連休が付与されます」というもので、募集要項では「リフレッシュ特別連続休暇(勤続5年毎に5連休を付与)」と表記されている。年次有給休暇や特別有給休暇(慶弔休暇)とは別枠の休暇として位置づけられている点が要点だ。

つまり毎年5連休が取れるわけではない。勤続5年、10年、15年といった節目に、通常の休日に加えて5日間の連続休暇が付与される仕組みである。2026年7月13日に公表されたインタビューでも、対象は「勤続5年以上の介護職員ら」とされている。この頻度の設計は、見出しだけを読んだときの印象と実態がずれやすい部分なので、正確に押さえておきたい。

導入は2024年度。当時のインタビューで鷲見社長は「3連休以上はなかなか取れない業界。そこを是正したい。5連休ならできることが増えるので社員にも好評だ」と述べ、通常の休日に加えて勤続5年ごとに5連休を取れる制度として運用していく方針を示していた。あわせて同社は、使わなかった有給休暇を積み立てて長期の病気・けがに備える「失効有給積立制度」、介護関連資格の取得や大学・専門学校への通学のために退職せず学業を続けられる「学びのための休職制度」も同時期に整えている。

取得率8割弱、離職率11%台

2026年7月13日に明らかになったのは、この制度の2年後の運用実績である。5連休の取得率はすでに8割弱。そして一連の施策が奏功し、離職率は11%台と低い水準を維持しているという。

ここで注意したいのは、この2つの数字が別々の指標だということだ。取得率8割弱は「制度の対象になった職員のうち、実際に5連休を取った人の割合」を指す。離職率11%台は同社全体の定着状況を示す数字であり、5連休制度だけの効果を切り出したものではない。鷲見社長自身、離職率については「一連の施策が奏功し」という表現を使っている。SOMPOケアは5連休制度のほかに、継続的な処遇改善、人事制度の改定、教育体制の充実、外国人材の受け入れにも取り組んでおり、離職率はそれらの合成結果と見るのが妥当だ。

逆に言えば、取得率8割弱という数字のほうが、制度そのものの実効性を測る指標としては素直である。制度を作っただけで人員が回らず取得できなければ、この数字は伸びない。8割弱という水準は、少なくとも「絵に描いた餅ではない」ことを示している。

「採用は非常に厳しい」という現状認識

一方で、鷲見社長は採用環境について厳しい認識を示している。「正直に言って採用は非常に厳しい。新卒も中途も確保が難しくなり、採用コストも上がった。給与が高い他のサービス産業へ人材が流れている面もある」との発言だ。

定着で成果を出している事業者が、採用では苦戦していると率直に認めている点は見落とせない。国内の人手不足が深刻化するなか、人材の獲得競争はすでに介護業界の枠を超えて、業界横断で起きている。SOMPOケアの一連の施策は、この「業界の外に人材が流れる」圧力に対する防衛策という文脈で理解する必要がある。連続休暇という非金銭的な待遇を厚くすることは、賃金だけでは他産業に勝てないという現実認識の裏返しでもある。

全員リクルーター制度と体験型スポットワーク、採用側の一手

「全員リクルーター制度」を2026年7月に刷新

SOMPOケアは2026年度から、介護職員らに新たな人材を紹介・推薦してもらう「全員リクルーター制度」を強化した。従業員が知人・友人を紹介する、いわゆるリファラル採用の仕組みである。

同社の情報発信によれば、従来の従業員紹介制度を刷新した新しい「全員リクルーター制度」は2026年7月にスタートした。旧制度が「就業を前提とした直接面接」を軸にしていたのに対し、新制度では介護未経験者向けの「2時間のショート介護体験」という体験型アプローチを追加している。いきなり面接ではなく、まず現場に触れてもらう入口を用意した形だ。

インセンティブとしては、紹介者と被紹介者の双方に紹介手当を支給する。支給は法令を遵守したうえで賃金規程に基づき、所定期間の経過後に給与とあわせて支払われる。SOMPOグループの他法人への入社は対象外とされている。窓口は人事部人材採用室が担う。

体験型スポットワークという入口

採用強化のもう一つの柱が、体験型のスポットワークである。「今すぐ働くかどうか分からない」「まずは職場の雰囲気を知りたい」という求職者に向けて新たに導入された。

鷲見社長は「全員で仲間を増やしていこうと声をかけている。地域に開かれた透明性の高い事業所・施設をつくり、一緒に働きたいと言ってくれる人を増やしたい」と述べている。この「地域に開かれた透明性の高い事業所」という言い方には、採用の考え方の転換が表れている。求人票と面接だけで人を判断してもらうのではなく、職場を見せた上で選んでもらう。裏を返せば、見せられる職場でなければこの手法は成立しない。定着施策と採用施策が地続きになっているのは、そのためだ。

採用と定着を一体で回す設計

この2つの施策の関係を整理すると、構造が見えてくる。リファラル採用は、現に働いている職員が「ここで働くといいよ」と知人に言えて初めて機能する。職員自身が職場に不満を抱えていれば、誰も友人を誘わない。つまり全員リクルーター制度は、5連休制度をはじめとする働く環境の改善が先行していないと、そもそも回らない仕組みである。

また、紹介で入職した人は職場の実態を事前に知っているため、入職後のミスマッチが起きにくく、結果として定着率も上がりやすい。定着が採用を呼び、採用が定着を強める。SOMPOケアが目指しているのは、この循環を組織的に設計することだと読める。同社はこのほか、継続的な処遇改善や人事制度の改定、教育体制の充実、外国人材の受け入れにも注力し、総合的なアプローチで持続可能な人員体制の構築を目指す方針を示している。

全国データと突き合わせて見えること

全国データが「効く」と言っていた2つの打ち手

SOMPOケアの取り組みを個社の話として読むと「大手だからできる福利厚生」で終わってしまう。だが公的統計と突き合わせると、別の像が浮かぶ。

介護労働安定センターの「令和6年度介護労働実態調査」は、全国9,044事業所から有効回答を得た調査である。このなかで、採用や職場定着・離職防止の方策として実際に行っている事業所に「効果があったか」を尋ねた結果がある。職場定着について最も効果があったとされたのは「有給休暇等の各種休暇の取得や勤務日時の変更をしやすい職場づくり」で34.4%。実施率でも74.7%と最も高い。

一方、採用活動の手法別に見ると、「職員に対して友人・知人の紹介を依頼」は65.6%の事業所が実施し、そのうち46.0%が「採用に効果があった」と回答している。同じ調査で「ハローワークや福祉人材センターの担当者に相談」は実施率66.9%とほぼ同水準ながら、効果があったとする割合は40.1%にとどまる。有料職業紹介所の活用は45%、民間の有料求人情報サイトは41%だった。つまり、職員による知人紹介は主要な採用手法のなかで効果を実感した割合が最も高い。

ここで整理すると、SOMPOケアの看板施策2つは、全国調査が示した「定着に最も効いた方策」と「採用で最も効果を実感された手法」に、それぞれ正確に対応している。5連休制度は前者の「休暇を取得しやすい職場づくり」の一形態であり、全員リクルーター制度は後者の「職員に知人紹介を依頼」そのものだ。同社がやっているのは奇策ではない。効くと全国データが示していた2本のレバーを、2万5千人規模で本気で引いた、というのが実態に近い。

「離職率11%台」は、どのくらいすごいのか

この視点を持つと、離職率11%台という数字の読み方も変わる。

同じ令和6年度介護労働実態調査によれば、訪問介護員・介護職員を合わせた2職種の離職率は全国平均で12.4%である。2年連続の低下で、現在の調査方法となった2005年度以降で最も低い水準だ。SOMPOケアの11%台は、この全国平均を下回ってはいるが、差はおよそ1ポイントである。「連休制度を入れたから離職率が劇的に下がった」と読むのは、明らかに過大評価になる。

むしろ注目すべきは、介護業界全体の離職率がすでに低下傾向にあるという事実のほうだ。厚生労働省の雇用動向調査による全産業平均は14%台で推移しており、介護職の離職率はいまや全産業平均を下回っている。「介護は離職率が高い」という古い前提は、統計上はすでに書き換わっている。

ただし、この平均値には大きな幅がある。同調査では、離職率10%未満の事業所・施設が53.6%と半数を超える一方、およそ4分の1にあたる24.1%が20%を超えていた。業界の平均が下がっても、事業所間の格差は残ったままだ。求職者にとって意味があるのは業界平均ではなく、目の前の事業所がこの分布のどこにいるかである。

本当のボトルネックは休暇制度ではなく人員配置

では、なぜ多くの事業所で連続休暇が取りにくいのか。同じ調査に手がかりがある。

労働条件・仕事の負担についての悩みで最も多いのは「人手が足りない」で49.1%。仕事の満足度を指数で見ると、「職場の人間関係」(32.4)や「仕事の内容」(28.2)が高いプラスである一方、「人員配置体制」はマイナス21.3と最も低い。事業所全体の従業員の過不足感でも、不足とする事業所は65.2%に達し、前年度の64.7%から上昇している。さらに採用率は14.3%と3年ぶりに低下し、低下幅2.6ポイントは離職率の低下幅0.7ポイントを上回った。

連続休暇が取れないのは、休暇制度が存在しないからではない。5日間抜けた穴を埋める人員の余裕がないからだ。だから「5連休制度を導入する」という宣言の実効性は、就業規則に条文を足せるかではなく、代替要員を確保できるかで決まる。SOMPOケアの取得率8割弱という数字が意味を持つのは、まさにこの一点においてである。制度の存在ではなく、運用の余力を示す数字だからだ。ここが、規模に依存する部分と依存しない部分の分かれ目でもある。就業規則の改定は小規模事業所でも真似できるが、人員の厚みは簡単には真似できない。

2027年度改定の文脈と、連休が取れる職場の見極め方

2027年度改定でも「職場環境改善」は主要論点

SOMPOケアの動きは、制度改定の議論とも無関係ではない。

厚生労働省は2026年4月27日の社会保障審議会介護給付費分科会で、2027年度(令和9年度)介護報酬改定に向けた検討の進め方を示した。ここで分野横断的なテーマとして示された4項目のうちの一つが「介護人材確保に向けた処遇改善等と職場環境改善やケアの質向上に向けた生産性向上等」である。残る3つは、人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築、地域包括ケアシステムの深化、制度の安定性・持続可能性を確保する報酬のあり方だ。スケジュールは2026年10月から12月にかけて具体的な方向性を議論し、12月中に基本的な考え方を整理・とりまとめ、2027年1月頃に諮問・答申、2027年4月1日施行が予定されている。

注目したいのは、論点が「処遇改善」だけでなく「職場環境改善」と併記されている点だ。背景には賃金格差の根深さがある。同分科会の資料によれば、介護人材と他産業との賃金格差は2024年度の月8万3000円から2025年度の月8万2000円へと、わずかに縮小したにとどまる。2026年6月には臨時の介護報酬改定が施行され、訪問介護では最大28.7%の処遇改善加算が設定された。それでも他産業は2026年度も5%程度の賃上げを続けており、賃金だけで追いつく構図は描きにくい。

この状況で、賃金以外の待遇、つまり休暇の取りやすさや働き方の柔軟性が、人材をつなぎとめる現実的な手段として重みを増している。SOMPOケアの5連休制度は、その一つの具体例として位置づけられる。

求職者が「連休が取れる職場」を見極める4つの質問

ここまでの整理を、転職や職場選びの実務に落とし込みたい。ポイントは、制度の名前ではなく運用を確かめることだ。

1つ目は「頻度」である。連続休暇制度と聞いたら、まず何年ごとに付与されるかを確認したい。SOMPOケアの例が示すとおり、勤続5年ごとという設計は珍しくない。毎年取れる制度なのか、節目のみなのかで、実感できる価値は大きく変わる。

2つ目は「取得率」である。制度の有無より、実際に何割が取れているかを聞くほうが情報量が多い。面接で「この制度の取得率はどのくらいですか」と尋ねて、数字が即答されるか、あるいは言葉を濁されるかは、それ自体が答えになる。令和5年度の調査では介護労働者の有給休暇取得率が53.7%と年々上昇していることも公表されており、有給の取得状況をあわせて聞くのも有効だ。

3つ目は「代替要員の設計」である。自分が5日抜けたとき、誰がその穴を埋めるのか。応援職員が入るのか、残ったメンバーで回すのか。後者であれば、その連休は同僚の負担の上に成り立つことになり、結局は取りづらい空気が生まれる。ここは求人票にはまず書かれていないので、見学や面接で直接聞くしかない。

4つ目は「離職率の分布のどこにいるか」である。先に見たとおり、離職率が10%未満の事業所が半数を超える一方、20%超の事業所も4分の1ある。「業界だから仕方ない」ではなく、同じ業界のなかで大きな差がついている。この差は、職場を選べば変えられる部分だということでもある。

体験型の入口が増えることの意味

最後に、採用手法の変化がもたらす副次的な効果にも触れておきたい。

SOMPOケアが導入した体験型スポットワークや2時間のショート介護体験は、求職者側から見れば「入職前に職場を確かめる権利」が増えたことを意味する。これまで求人票と数十分の面接だけで判断せざるを得なかった構造に、実地で見る選択肢が加わる。介護労働実態調査で、直前の介護の仕事を辞めた理由の最多が「職場の人間関係に問題があったため」(24.7%)であり、その具体的な内容として「上司や先輩からの指導や言動がきつかったり、パワーハラスメントがあった」が49.1%を占めることを踏まえれば、入職前に現場の空気を確かめられる価値は小さくない。人間関係は求人票に書かれない情報の代表格だからだ。

こうした体験型の入口が業界全体に広がるかどうかは、まだ分からない。ただ、職場を見せられる事業者が積極的に見せる流れが強まれば、見せない事業者との対比自体が求職者にとっての情報になる。人材獲得競争の激化は、働く側から見れば、職場を選ぶ側の情報が増えていく過程でもある。

参考資料

  • [1]
    SOMPOケア、介護職の「5連休制度」が定着 取得率8割弱 リファラル採用も強化- 介護ニュースJoint(2026年7月13日)

    鷲見隆充代表取締役社長へのインタビュー。取得率8割弱・離職率11%台・全員リクルーター制度の強化・体験型スポットワークの一次報道。

  • [2]
    SOMPOケアの福利厚生- SOMPOケア 採用サイト

    特別連続休暇制度(GOGOホリデー)=入社5年毎に5連休を付与。失効有給積立制度・学びのための休職制度もあわせて記載。

  • [3]
    募集要項- SOMPOケア 採用サイト

    休暇制度欄に「リフレッシュ特別連続休暇(勤続5年毎に5連休を付与)」と明記。

  • [4]
    会社概要- SOMPOケア株式会社

    設立1997年5月26日、従業員数25,089名(2025年3月・連結、パート社員含む)、本社は東京都品川区。

  • [5]
    令和6年度「介護労働実態調査」結果の概要について- 公益財団法人 介護労働安定センター

    全国9,044事業所。2職種離職率12.4%、採用率14.3%、不足感65.2%、定着に効果があった方策1位「休暇の取得や勤務日時の変更をしやすい職場づくり」34.4%、採用で「職員に友人・知人の紹介を依頼」実施65.6%・効果46.0%。

  • [6]
    介護労働実態調査 結果報告書- 公益財団法人 介護労働安定センター

    令和5年度調査における有給休暇取得率53.7%など、経年データの掲載元。

  • [7]
    社会保障審議会(介護給付費分科会)- 厚生労働省

    2026年4月27日「令和9年度介護報酬改定に向けた検討の進め方について」。分野横断的テーマに介護人材確保に向けた処遇改善等と職場環境改善を明記。

  • [8]
    介護付きホーム協会について(役員一覧)- 一般社団法人 全国介護付きホーム協会

    鷲見隆充氏の肩書(SOMPOケア株式会社 代表取締役社長)の確認に使用。

まとめ

SOMPOケアの5連休制度は、勤続5年ごとに通常の休日とは別枠で5日間の連続休暇を付与する仕組みで、2024年度に導入された。2026年7月時点で取得率は8割弱、同社の離職率は11%台で推移している。あわせて2026年7月には従業員による紹介制度を刷新した「全員リクルーター制度」が始まり、紹介者と被紹介者双方への紹介手当、2時間のショート介護体験、体験型スポットワークといった入口が用意された。いずれも一民間事業者の自主的な取り組みであり、制度上の義務ではない点は改めて確認しておきたい。

全国データと突き合わせると、この2つの施策は「介護労働実態調査」が定着で効果1位に挙げた「休暇を取得しやすい職場づくり」と、採用で効果を実感された割合が最も高い「職員による知人紹介」に、それぞれ対応している。特別な発明があるわけではない。効くと分かっていた打ち手を、規模と本気度で実行したということだ。一方で離職率11%台は全国平均12.4%との差が約1ポイントにとどまり、制度単体の効果として読むのは正確ではない。むしろ意味があるのは取得率8割弱という数字のほうで、これは就業規則の条文ではなく、5日間の穴を埋められる人員の余力を示している。連続休暇が取れない本当の理由は制度の不在ではなく、「人手が足りない」と半数近くの職員が答える人員配置の現実にあるからだ。

2027年度介護報酬改定でも介護人材の確保と職場環境改善は主要論点であり続ける。他産業との賃金格差が月8万円規模で残るなか、休みの取りやすさという非金銭的な待遇の重みは増していくだろう。だからこそ、職場を選ぶときに問うべきは「連休制度がありますか」ではない。「何年ごとに付与され、実際の取得率は何割で、自分が抜けた5日間は誰が埋めるのか」である。

離職率10%未満の事業所が半数を超える一方で、20%を超える事業所も4分の1ある。同じ業界のなかに、それだけの幅がある。あなたの職場では、5日続けて休むと言ったとき、最初に返ってくるのはどんな言葉だろうか。その反応こそが、制度の説明よりも雄弁に職場の余力を語っているのかもしれない。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。

続けて読む

このテーマを深掘り

関連トピック

ご家族・ご利用者の視点

同じテーマをご家族・ご利用者の方の視点から書いた記事。視野を広げるためのヒントとして。