家族でできる在宅リハビリテーション|訪問リハ・通所リハと自宅練習の組み合わせ方
ご家族・ご利用者向け

家族でできる在宅リハビリテーション|訪問リハ・通所リハと自宅練習の組み合わせ方

在宅介護中の家族向けに、訪問リハ・通所リハ・家族による日常リハの違いと組み合わせ方を解説。口腔体操・上肢体操・椅子立ち上がりなど家庭メニュー、安全配慮、リハ職との連携、介護保険サービスの加算情報まで。

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在宅でのリハビリテーションは、(1) 訪問リハ(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が自宅へ来る)(2) 通所リハ(デイケアで個別リハと交流)(3) 家族と本人で行う日常リハ(口腔体操・椅子立ち上がりなど)の3本柱を組み合わせるのが基本です。介護保険では要介護1以上で訪問リハ308単位/回、要支援1以上で通所リハが利用でき、家庭メニューは医療リハ職の指導のもと安全に毎日実施します。

目次

「親の歩く力が落ちてきた」「退院後にリハビリを続けたいけれど、どう組み合わせればいいかわからない」——在宅介護中のご家族から最も多く寄せられる相談のひとつが、リハビリテーションの進め方です。

在宅リハビリは、介護保険の訪問リハビリテーション通所リハビリテーション(デイケア)、そして家族と本人で行う日常リハの3つを組み合わせて、生活の中で機能を維持・改善していく取り組みです。本記事では、それぞれのサービスの特徴と費用、家庭で安全に取り組める具体的なメニュー、医療リハ職との連携の取り方、介護保険の加算情報まで、家族視点で整理して解説します。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療判断は主治医や担当のリハビリ専門職にご相談ください。

在宅リハビリテーションの3本柱

在宅リハビリテーションは、医療機関での回復期リハを終えた後に、生活の場で機能を維持・改善するために行われます。家族が知っておきたい基本構造は以下の3つです。

(1) 訪問リハビリテーション

理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が自宅を訪問し、20分1単位で関節可動域訓練、起居動作・歩行訓練、嚥下訓練、福祉用具・住宅改修のアドバイスなどを行います。介護保険では1単位308単位(2024年6月改定)、医師の指示書が必要で、要介護1〜5の方が利用できます(要支援は介護予防訪問リハ)。週6回が限度です。

(2) 通所リハビリテーション(デイケア)

介護老人保健施設(老健)や病院・診療所のデイケアに通い、医師の管理下で個別リハや集団リハを受けます。機械を使った筋力訓練・歩行訓練・入浴サービス・送迎・昼食がセットで、半日型(3時間以上4時間未満)から1日型(6時間以上8時間未満)まで複数の提供時間があります。他者との交流や外出機会が得られる点が在宅とは大きく異なります。

(3) 家族と本人で行う日常リハ

訪問リハ・通所リハは週数回に限られるため、残りの日は家庭での自主トレーニングが機能維持の鍵になります。リハビリ専門職が作成した「リハビリテーション実施計画書」には、本人・家族への生活指導の内容(自主トレ指導含む)を記載することが基準で定められており、家庭メニューはこの計画書に基づいて行います。

3本柱は独立ではなく、訪問リハや通所リハで学んだ動作を家庭で繰り返し、次回の訪問で評価してもらう——という循環で機能改善が進みます。

訪問リハ・通所リハ・家庭リハの違いと組み合わせ方

3つのリハをどう組み合わせるかは、要介護度・通所できる体力・家族の介護状況によって変わります。違いと使い分けの目安を表にまとめました。

項目 訪問リハ 通所リハ(デイケア) 家庭リハ(家族と本人)
場所自宅老健・病院・診療所自宅
実施者PT・OT・STPT・OT・ST+介護職本人+家族
頻度週1〜6回(20分単位)週1〜数回(3〜8時間)毎日数回
主な内容生活動作・住環境調整・家族指導機械を使った筋力訓練・集団体操・入浴・食事口腔体操・椅子立ち上がり・歩行・ストレッチ
介護保険対象要支援1以上・医師指示書必須要支援1以上・主治医意見書保険適用外(指導は計画書に含む)
費用目安(1割)308円/20分数百〜2,000円/回(時間区分で変動)無料(道具は実費)
向いている人外出が困難・住環境調整が必要外出可能・社会参加を増やしたい毎日の機能維持・予防が目的

組み合わせパターンの目安

退院直後(要介護2〜3)の例: 訪問リハ週2回+通所リハ週2回+家庭リハ毎日。退院後3〜6か月の短期集中期は訪問・通所を厚めにし、家庭リハで定着を図ります。

慢性期で安定(要介護1〜2)の例: 通所リハ週1〜2回+家庭リハ毎日。集団体操や入浴を兼ねたデイケアを軸にし、家庭で予防体操を続けます。

外出が難しい(要介護3〜5)の例: 訪問リハ週2〜3回+家庭リハ毎日。家族への介助方法指導や住環境調整を含む訪問リハをメインに、無理のない範囲で家庭メニューを継続します。

2024年改定では、同一事業所が訪問リハと通所リハの両方を提供している場合、共通の計画書で両方を一体的に提供できる規定が整理されました。担当ケアマネジャーに「同一法人で両方やっている事業所はあるか」を相談すると、計画の整合性が取りやすくなります。

家族でできる在宅リハメニュー5選

ここからは、リハビリ専門職が家族指導でよく取り入れる代表的な5つの家庭メニューを紹介します。いずれも訪問リハ・通所リハの計画書に「自主トレ指導」として組み込めるもので、痛みや疲労がない範囲で毎日続けることが大切です。実施前に主治医・担当PT/OT/STに「この内容で問題ないか」を必ず確認してください。

1. パタカラ体操(口腔・嚥下)

「パ・タ・カ・ラ」を1音ずつはっきり発音し、舌と口周りの筋肉を動かすことで、誤嚥性肺炎の予防と滑舌の維持に役立ちます。

  • 方法: 各音を「パパパ…」と8回ずつ、続けて「パタカラ」を10回
  • 回数: 食事前に1日3回
  • 家族の役割: 一緒に発声してリズムを作る/鏡を見ながら口の開きを確認

2. 上肢(腕・肩)の体操

肩の関節可動域を保ち、着替え・食事・整容など日常動作の自立を支えます。

  • 万歳体操: 椅子に座って両腕をゆっくり頭上へ上げる×10回
  • 肩回し: 両肩を前回し10回・後ろ回し10回
  • タオル絞り: 濡れタオルを両手で絞る動作で握力と前腕筋を刺激
  • 家族の役割: 椅子の安定を確認/片麻痺の場合は健側で患側を補助する動きを一緒に行う

3. 椅子からの立ち上がり訓練

下肢筋力(大腿四頭筋・大殿筋)を維持し、トイレ・移乗・歩行の基礎を支える最重要メニューです。

  • 方法: 肘掛けのある安定した椅子に浅く座り、足を引き、上体を前傾してから立ち上がる→ゆっくり座る
  • 回数: 1日5〜10回×2〜3セット(無理せず徐々に増やす)
  • 家族の役割: 椅子の後ろに立って転倒に備える/「せーの」と声をかけてタイミングを合わせる/引っ張り上げず本人の動きを邪魔しない

4. 足踏み・歩行訓練

歩行能力の維持と心肺機能の刺激に。安全な室内で行います。

  • 座って足踏み: 椅子に座って太ももを高く上げる足踏み×左右各20回
  • 立位での足踏み: 安定した手すりや机に手を添えてその場足踏み×30秒〜1分
  • 室内歩行: 廊下を歩行器・杖で往復(無理のない距離から)
  • 家族の役割: 床のラグ・コードなど障害物を片付ける/後ろから付き添い、転倒時に支えられる位置に立つ

5. ストレッチと関節可動域訓練

関節拘縮の予防と血流促進。寝る前や入浴後に行うと効果的です。

  • ふくらはぎストレッチ: 座って片脚を前に伸ばし、つま先を手前にゆっくり引き寄せる(20〜30秒キープ)
  • 足首回し: 左右各10回
  • 太もも裏ストレッチ: ベッドで膝を抱えるように曲げ伸ばし
  • 家族の役割: 痛みが出ない範囲で介助/本人ができない部分は他動的にゆっくり動かす(PTから指導を受けた範囲のみ)

これらはあくまで標準的な例で、麻痺・骨折後・心疾患・呼吸器疾患などがある場合は禁忌や負荷制限があります。必ず主治医とリハビリ専門職が作成した個別の計画に従ってください。

家庭リハを始める前の安全配慮チェックリスト

家族が在宅でリハを補助する際、最も避けたいのが転倒・骨折・体調急変です。リハ専門職が訪問時に確認している安全項目を、家族向けに整理しました。

環境のチェック

  • 運動スペースに段差・コード・ラグなど躓くものがないか
  • 椅子はぐらつかず、肘掛けがあり、座面の高さが本人に合っているか
  • 滑り止め付きの靴下または室内履きを履いているか
  • 転倒に備えて、つかまれる安定した家具・手すりが近くにあるか

体調のチェック(運動前)

  • 血圧・脈拍が普段と大きく違わないか(高血圧・心疾患がある方は要注意)
  • 強い疲労・関節痛・腰痛・頭痛がないか
  • 発熱・風邪症状・下痢など体調不良がないか
  • 食後すぐ・空腹時は避けて、食後30分以上経過してから実施

実施中のチェック

  • 息切れ・めまい・冷や汗が出たら即中止し休憩
  • 痛みを我慢させない(「もう少し」「がんばって」と無理強いしない)
  • こまめに水分補給(脱水予防)
  • 会話しながらできる強度で(しゃべれないほどキツいのは負荷オーバー)

中止して受診を検討するサイン

  • 胸痛・強い動悸・意識がもうろうとする
  • 転倒した後の強い痛み(特に股関節周囲・腰)
  • 運動後数時間経っても改善しない疲労・腫れ
  • 麻痺・しびれの悪化、ろれつが回らないなど神経症状

これらのサインがあれば、家庭リハを中止し、かかりつけ医・救急相談(#7119)・119番のいずれかを状況に応じて選択してください。

リハビリ専門職との連携を上手に進める7つのポイント

  1. 退院前カンファレンスに必ず参加する
    2024年改定で、訪問リハ事業所のPT/OT/STが入院中の退院前カンファレンスに参加する「退院時共同指導加算」が新設されました。家族も同席し、自宅環境と本人の生活目標を共有することで、退院後早期に質の高いリハを開始できます。
  2. 「リハビリテーション実施計画書」を必ずもらう
    運営基準で、本人と家族に分かりやすく説明し交付することが事業所に義務づけられています。短期目標・長期目標・自主トレ指導の内容が記載されているので、家庭メニューはこの計画書に沿って実施します。
  3. 退院時のリハ実施計画書を介護側へ橋渡しする
    2024年改定で、医療機関のリハ実施計画書を訪問リハ・通所リハ事業所が入手することが義務化されました。退院サマリーや診療情報提供書と一緒に、リハの計画書も必ず受け取り、ケアマネジャー経由で介護側に渡しましょう。
  4. 3か月に1回のリハビリテーション会議に出席する
    本人・家族・PT/OT/ST・医師・ケアマネ・介護職が集まり、目標と内容を見直す会議です。家族が参加することで、生活面での課題や本人の意欲の変化を共有できます。
  5. 家庭での様子を「動画・写真」で記録して見せる
    訪問時の20分では見えない普段の動きを、スマホで撮影してPT/OT/STに見てもらうと、より具体的な指導が受けられます。歩き方・立ち上がり方・食事姿勢など、気になる場面を10〜30秒撮るのが目安です。
  6. 「自主トレを続けられない時」も正直に伝える
    家庭メニューが続かないのは本人の意欲低下・痛み・家族の負担など複数の理由があります。隠さず伝えることで、メニュー変更・回数調整・福祉用具の追加など具体的な対策につながります。
  7. 多職種連携を意識する
    リハ職だけでなく、訪問看護師・主治医・歯科・栄養士・薬剤師も連携の対象です。嚥下に不安があれば歯科衛生士による訪問口腔ケア、食事量が落ちていれば管理栄養士による栄養指導など、リハと一体で進めるサービスを担当ケアマネに相談しましょう。

介護保険のリハ系サービスと2024年改定の主な加算

家族視点で押さえておきたい、介護保険のリハ系サービスの基本単位と、2024年6月施行の改定で新設・見直された主な加算をまとめます(1単位=10円前後の地域単価)。

基本単位(2024年6月改定後)

サービス 改定前 改定後
訪問リハビリテーション費(要介護)307単位/回308単位/回
介護予防訪問リハビリテーション費(要支援)307単位/回298単位/回(▲9)
通所リハ・短期集中リハ実施加算(Ⅰ)258単位/日(新設)
通所リハ・短期集中リハ実施加算(Ⅱ)240単位/日200単位/日
認知症短期集中リハ実施加算(Ⅰ)240単位/日(新設)

家族が知っておきたい新設・見直し加算

  • 退院時共同指導加算(訪問リハ・新設): 退院前カンファレンスに訪問リハの医師・PT/OT/STが参加し、家族にも在宅でのリハ指導を行うと算定される加算。退院から最初の訪問リハで1回算定。
  • 口腔連携強化加算(訪問リハ・新設): 介護職員が口腔の状態を確認し、歯科専門職への情報提供につなげる体制を評価。口腔機能の低下が早期に発見されやすくなります。
  • リハビリテーションマネジメント加算の見直し: リハ・口腔・栄養を一体的に推進する観点から、情報を関係職種で共有しLIFEに提出する体制を新区分として評価。
  • みなし指定の見直し: 介護老人保健施設・介護医療院の開設許可があれば、訪問リハ事業所の指定があったものとみなされ、訪問リハの提供事業所が拡充されました。
  • 業務継続計画(BCP)未策定減算: 感染症・災害時の業務継続計画が未策定だと基本報酬が減算(2025年3月までの経過措置あり)。事業所選びの参考になります。

負担割合は所得に応じて1〜3割で、各加算も同じ割合で本人が負担します。詳細は担当ケアマネジャーに「うちの場合はいくらになるか」を試算してもらうと安心です。

訪問リハ・通所リハの利用開始までの流れ

初めて在宅でリハ系サービスを使う場合の標準的な手順を、家族視点で整理します。退院後すぐ動き出すパターンと、慢性期から新たに始めるパターンで多少前後しますが、おおむね以下の流れです。

  1. 担当ケアマネジャーに相談
    「歩く力が落ちてきた」「飲み込みが心配」「退院後にリハを続けたい」など、本人と家族の困りごとを伝えます。ケアマネが在宅リハ・通所リハの必要性を判断し、ケアプランへの位置づけを検討します。
  2. 主治医に意見を求める
    2024年改定でケアプラン作成時に意見を求める「主治の医師等」には入院中の医療機関の医師も含むことが明確化されました。退院前なら入院先の主治医、在宅なら訪問診療医・かかりつけ医に相談します。
  3. リハ事業所を選定
    ケアマネが地域の事業所候補を提示。同一法人で訪問リハ・通所リハの両方を提供している事業所は、計画書の整合性が取りやすいので候補として有力です。事業所選びでは、業務継続計画(BCP)の策定状況・利用者の口コミ・送迎エリアも確認しましょう。
  4. 事業所の医師・PT/OT/STによる初回診療・評価
    本人の心身機能、生活環境、家族の希望をヒアリングし、リハビリテーション実施計画書を作成します。家族の同席が推奨されます。
  5. 計画書の説明と同意・交付
    運営基準で、目標・内容・自主トレ指導を本人と家族にわかりやすく説明し交付することが義務づけられています。理解できない言葉があれば必ず質問しましょう。
  6. サービス開始
    訪問リハは事業所のPT/OT/STが自宅に到着。通所リハは送迎で初回利用。家庭メニュー(自主トレ)も同時にスタートします。
  7. 3か月ごとのリハビリテーション会議
    目標達成度を評価し、必要に応じて計画を見直します。家族から「最近の生活の変化」を共有することで、より生活に即した計画になります。

申請から利用開始までは通常2〜4週間が目安ですが、要介護認定がまだの場合は認定までさらに30日程度かかります。退院日が決まっている場合は、入院中から準備を始めるとスムーズです。

家族の在宅リハに関するよくある質問

Q. 訪問リハと訪問看護のリハビリの違いは?

訪問リハは病院・診療所・老健・介護医療院に併設された訪問リハビリテーション事業所から、医師の指示書に基づきPT/OT/STが訪問するサービスです。一方、訪問看護ステーションからPT/OT/STが訪問する場合は「訪問看護(リハ職)」として算定され、医療保険・介護保険の使い分けや単位数が異なります。週の合計回数の制限も別建てなので、どちらが使えるかはケアマネと相談してください。

Q. 家族が毎日リハを手伝うのは負担です。最低限なにをすれば?

無理に毎日「全メニュー」を行う必要はありません。家族指導でも「椅子からの立ち上がり10回×1日数回」「食事前のパタカラ体操」「日中に2〜3回トイレ歩行を促す」のように、生活動作の中に組み込める最小セットから始めることが推奨されます。介護うつ予防の観点からも、家族の体力と時間に合わせて続けられる範囲が正解です。

Q. 退院直後はどれくらいの頻度でリハを入れればいい?

2024年改定で退院後早期のリハを評価する短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)258単位/日(新設)が設けられ、退院から3か月以内に集中的にリハを行う体制が強化されました。一般的な目安は訪問リハ週2〜3回+通所リハ週1〜2回ですが、本人の体力と医師の指示で決まります。ケアプラン作成時にケアマネに相談しましょう。

Q. リハをやっても効果が出ません。続ける意味はありますか?

在宅期のリハは「改善」だけでなく「現状維持」「悪化の遅延」も重要な目標です。要介護高齢者の場合、何もしないと数週間で筋力が大きく落ちることが知られています。3か月単位で目標を見直すリハビリテーション会議で「歩行距離が維持できている」「介助量が増えていない」といった指標で評価してもらうと、続ける意義が見えやすくなります。

Q. 認知症の親にもリハビリは効きますか?

2024年改定で認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)240単位/日(新設)が創設され、認知症の方への通所リハがより明確に評価されるようになりました。認知機能や生活環境を踏まえ、応用的動作能力と社会適応能力を活かしたリハが提供されます。本人の興味(音楽・園芸・調理など)を取り入れたメニューに反応することも多いので、PT/OT/STに「何が好きか」を伝えるのが第一歩です。

Q. 家族の介助で本人が痛がります。どうすれば?

痛みは「無理な負荷」「関節可動域を超えた他動運動」「フォームの誤り」のいずれかが原因のことが多いです。必ず次の訪問リハ・通所リハで「家庭でこの動きをしたら痛がった」と伝え、介助方法を見直してもらってください。家族判断で続けると関節損傷や圧迫骨折につながる場合があります。

参考文献・出典

まとめ|3本柱を生活に組み込んで機能を守る

在宅でのリハビリテーションは、訪問リハ・通所リハ・家庭リハの3本柱を組み合わせて、生活の中で機能を維持・改善していく取り組みです。

  • 訪問リハは20分308単位/回(要介護)。住環境調整・家族指導まで含む個別性が強み
  • 通所リハは半日〜1日のデイケアで、機械を使った訓練と社会参加が両立
  • 家庭リハは口腔体操・上肢体操・椅子立ち上がり・歩行・ストレッチが代表メニュー。安全配慮と毎日の継続が鍵
  • 2024年改定で退院時共同指導加算・短期集中リハ加算(Ⅰ)・口腔連携強化加算など、家族にも関わる新加算が複数創設
  • 訪問・通所のPT/OT/STと作成する「リハビリテーション実施計画書」を起点に、3か月単位で見直す

家族だけで抱え込まず、担当ケアマネジャー・主治医・PT/OT/ST・訪問看護師など多職種の力を借りながら、本人の「やりたいこと」に向かって少しずつ進めるのが、続けられる在宅リハの第一歩です。家庭メニューを始める前には、必ず主治医と担当リハ専門職に内容を確認してから取り組んでください。

最後に大切な視点として、在宅リハは「本人の機能を上げること」と「家族の介護負担を下げること」の両輪で評価することを忘れないでください。例えば「椅子立ち上がりが安定する」ことは本人にとっての筋力維持であると同時に、家族にとっては移乗介助の負担減につながります。「口腔体操で誤嚥が減る」ことは本人の肺炎予防であり、夜間の吸引介助や急変対応の頻度を下げる効果もあります。本人と家族、両方の生活の質を守る視点でリハを位置づけると、3本柱を続けるモチベーションが保ちやすくなります。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護保険、施設選び、在宅介護など、介護を受ける方・ご家族が判断に迷いやすいテーマを、公的情報と実務上の確認ポイントに沿って解説しています。

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