
介ホ協、介護報酬12%引き上げを要請|「賃金を2030年までに全産業平均へ」厚労省に要望書
全国介護付きホーム協会(介ホ協)が2026年6月1日、厚生労働省に基本報酬の12%引き上げを要請。介護職の賃金を2030年までに全産業平均へ引き上げる目標を掲げた要望書の中身と、介護職のキャリアへの影響を解説します。
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この記事のポイント
一般社団法人全国介護付きホーム協会(介ホ協)は2026年6月1日、厚生労働省老健局に対し、介護の基本報酬を12%引き上げるよう求める要望書を提出しました。介護職員の賃金を2030年までに全産業平均の水準へ引き上げることを目標に掲げ、次期2027年度(令和9年度)の介護報酬改定での対応を求めた内容です。厚労省データでは介護職と全産業平均の月額賃金差はなお約8.3万円。読者である介護職にとっては、この要望が実現すれば賃金の底上げが加速する一方、財源論次第で改定の規模が左右されるため、自身のキャリア設計でも改定動向を注視する価値があります。
目次
解説動画
はじめに
「介護の仕事は社会に不可欠なのに、なぜ給料は他産業より低いままなのか」——介護現場で働く多くの人が抱く疑問に、業界団体が具体的な数字で答えを突きつけました。
2026年6月1日、全国で900を超える法人・3,000以上の介護付きホーム事業所が加盟する一般社団法人全国介護付きホーム協会(略称・介ホ協)が、厚生労働省に要望書を提出。その柱は「介護の基本報酬を12%引き上げる」という、これまでにない踏み込んだ要求でした。背景にあるのは、介護職と全産業平均の間でなお開き続ける賃金格差と、2030年という具体的な期限を設けた処遇改善の目標です。
2026年6月には処遇改善を中心とした臨時の報酬改定も始まります。賃上げに向けた動きが重なるこのタイミングで、業界団体があえて「基本報酬12%」という大きな数字を掲げた意味は小さくありません。当面の賃上げだけでは足りない、より構造的な底上げが要る——そうしたメッセージが込められているからです。
この要望は何を意味するのか。2026年6月に始まる臨時改定との違いは何か。そして現場で働く介護職にとって、自分のキャリアや待遇にどう跳ね返ってくるのか。要望書の中身を一次情報で確認したうえで、制度の文脈と読者への示唆まで掘り下げます。
介ホ協が求めた基本報酬12%引き上げの中身
基本報酬「12%引き上げ」を厚労省老健局に要請
介ホ協は2026年6月1日、厚生労働省老健局の黒田秀郎局長に対して要望書を提出しました。最大の柱は、介護サービスの基本報酬を12%引き上げるよう求めた点です。協会は、介護職員の処遇改善を急ぎ、その賃金水準を2030年までに全産業平均まで引き上げるためには、この規模の引き上げが「必要不可欠」だとしています。
ここで重要なのは、12%という数字が加算ではなく「基本報酬」に対する引き上げを指している点です。基本報酬はすべての介護サービスの土台となる単価であり、加算のように特定の取り組みをした事業所だけが得られるものではありません。土台そのものを引き上げることは、業界全体の賃金原資を底上げする効果が大きいと位置づけられています。逆にいえば、加算をいくら積み増しても、基本報酬という土台が薄いままでは経営の安定や安定的な賃上げにはつながりにくい、という現場の実感が背景にあります。
狙いは次期2027年度(令和9年度)報酬改定
この12%引き上げ要望は、来年度に向けた改定、すなわち次期2027年度(令和9年度)の介護報酬改定を見据えたものです。2026年6月に施行される処遇改善中心の臨時改定とは別の、より中期的な改定議論への布石という位置づけになります。臨時改定が「当面の賃上げ」を目的とした緊急的な措置であるのに対し、今回の要望は「制度の本体である基本報酬を構造的に引き上げる」ことを求めるものだという違いがあります。
協会を率いるのは代表理事の鷲見隆充氏(わしみ・たかみつ、SOMPOケア株式会社 代表取締役社長CEO)。介ホ協は2001年に任意団体として発足し、2011年に一般社団法人化。2025年3月末時点で931法人・3,271ホーム・定員約20.6万人を抱える、介護付き有料老人ホーム分野の主要団体です。その団体が公式に「12%」という具体的な数字を掲げたこと自体が、業界の危機感の強さを物語っています。漠然と「処遇改善を」と訴えるのではなく、目標年と目標水準、必要な引き上げ幅をセットで示した点に、今回の要望の特徴があります。
賃金以外の要望項目も多岐に
要望書には基本報酬の引き上げ以外にも、複数の項目が盛り込まれました。具体的には、生産性向上推進体制加算の見直しと補助金対象機器の拡大、職業紹介手数料の適正化、ハローワーク改革、外国人材の活躍支援、そしてカスタマーハラスメントや訴訟リスクへの対策などです。いずれも、賃上げ原資の確保と人材確保・定着を同時に進めるための要望といえます。
とりわけ職業紹介手数料の適正化やハローワーク改革は、採用コストの重さに苦しむ事業所の切実な声を反映したものです。人材紹介会社へ支払う高額な手数料が経営を圧迫し、本来は賃上げに回せるはずの原資を削っているという指摘は、業界で長く問題視されてきました。賃金そのものの引き上げと、採用にかかるコストの是正を同時に求めている点に、現場の経営実態を踏まえた要望書の現実味がにじみます。
広がる賃金格差——データで見る現状
介護職と全産業平均の差は月8.3万円
介ホ協が「12%」という規模を打ち出した根拠には、依然として大きい賃金格差があります。厚生労働省が社会保障審議会の介護給付費分科会に示した賃金構造基本統計調査ベースの資料によれば、2024年の全産業平均の月額賃金(賞与込み)は約38万6,000円。これに対して介護職は約30万3,000円で、その差は月8万3,000円にのぼります。単純に年額へ換算すれば、約100万円もの開きがあるということになります。
さらに見過ごせないのは、この格差が縮まるどころか広がっている点です。2023年は全産業平均が約36万9,000円、介護職が約30万円で差は6万9,000円でした。1年で格差が約1.4万円拡大した計算になります。全産業の賃上げが進む局面では、介護職の処遇改善が追いつかず、相対的な差がむしろ開きやすいという構造的な問題が浮かび上がります。賃上げの「絶対額」は増えていても、他産業がそれ以上のペースで上がれば、相対的な見劣りは解消されないのです。
2024年度改定の効果は統計に未反映
もっとも、これらの数値には注意点があります。厚労省は、2024年度の介護報酬改定による処遇改善分がこの統計にはまだ反映されていないと説明しています。つまり直近の賃上げ効果を織り込めば、現実の差はやや縮まる可能性があります。それでも、2030年までに全産業平均へ追いつくという目標から逆算すれば、現行ペースの上乗せだけでは到達が難しいというのが介ホ協の問題意識です。
加えて、賃金構造基本統計調査の「全産業平均」は毎年動く目標であることも見落とせません。仮に介護職の賃金が年3%上がっても、全産業平均が同じく3%上がれば差は埋まりません。2030年までに追いつくには、介護職の賃上げ率を全産業を上回る水準で継続させる必要があり、そのための原資をどこから確保するかが本質的な論点になります。基本報酬12%という要求は、この「上回るペース」を制度的に担保しようとする発想だといえます。
人材確保の前提としての賃金
賃金格差は採用・定着の問題に直結します。介護分野の有効求人倍率は他産業を大きく上回る水準が続いており、人手不足は慢性的です。賃金が他産業に見劣りする限り、人材の流出や採用難は解消しにくい——だからこそ協会は、加算による部分的な上乗せではなく、基本報酬そのものの引き上げという「土台の底上げ」を求めているわけです。
とりわけ若い世代が職業を選ぶ段階で、初任給や生涯賃金の見通しは大きな判断材料になります。やりがいや社会的意義だけでは人材を惹きつけ続けることは難しく、賃金水準が他産業と肩を並べることは、介護を「選ばれる職業」にするための前提条件でもあります。協会が2030年という期限を切ったのは、団塊世代がすべて後期高齢者となり介護需要がピークに近づく時期を見据え、それまでに人材確保の基盤を整える必要があるという危機感の表れと読み取れます。
処遇改善加算一本化との関係と、介護職キャリアへの示唆
2026年6月の臨時改定(+2.03%)との違いを整理する
ここで混同しやすいのが、2026年6月に施行される臨時改定との関係です。臨時改定は改定率+2.03%(うち処遇改善分+1.95%)で、介護職員には生産性向上の取り組み次第で最大月1.9万円程度の賃上げにつながる設計とされています。これは「処遇改善加算」を通じた賃上げが中心で、すでに動いている短期の施策です。
一方、介ホ協が今回求めた基本報酬の12%引き上げは、加算ではなく単価の土台そのものを底上げするもので、狙いは次期2027年度改定。つまり「臨時改定で当座の賃上げを進めつつ、それでも2030年の目標には足りないので、次の本改定で基本報酬を大幅に引き上げてほしい」という二段構えの主張だと読み解けます。短期の加算頼みでは限界がある、という現場感覚の裏返しでもあります。臨時改定はあくまで「つなぎ」であり、本丸は次期改定での基本報酬引き上げにある、という整理です。
独自見解:処遇改善加算「一本化」の先にある論点
2024年度改定では、複雑だった処遇改善関連の加算が「介護職員等処遇改善加算」へ一本化され、事業所の事務負担軽減と賃上げの確実な反映が図られました。しかし加算方式には構造的な限界があります。加算は要件を満たした事業所しか取得できず、算定率にばらつきが残るうえ、原則として介護職員の処遇改善に用途が縛られます。つまり「賃金の天井」を恒常的に押し上げる力は、加算よりも基本報酬の方が強いのです。
介ホ協が加算の上乗せではなく基本報酬12%という形で要求したのは、この限界を踏まえた選択といえます。加算一本化が「分配の仕組みの整理」だとすれば、基本報酬引き上げは「原資のパイそのものを大きくする」議論。両者は対立ではなく補完関係にあり、今後の改定論議は「一本化された加算をどう拡充するか」と「基本報酬をどこまで上げられるか」の二軸で進む可能性が高いとみられます。
また、加算は要件の達成状況によって事業所ごとに受け取れる額が変わるため、同じ職種・同じ経験年数でも勤務先によって賃金差が生まれやすいという課題があります。基本報酬が引き上げられれば、こうした事業所間のばらつきの影響を相対的に小さくし、業界全体の賃金水準を底上げする効果が期待できます。処遇改善を「加算で頑張る事業所だけが報われる仕組み」から「業界全体の標準的な水準を引き上げる仕組み」へと軸足を移す——今回の要望には、そうした方向性の転換を促す意味合いも読み取れます。
読者の介護職キャリアへの示唆
では、現場で働く介護職にとってこの動きはどう意味を持つのでしょうか。第一に、基本報酬が上がれば、加算の取得状況に左右されにくい安定した賃上げが期待できます。加算は事業所の取り組み次第で増減しますが、基本報酬は全事業所共通の土台。転職や職場選びの際、「加算をどれだけ取っているか」だけでなく「基本報酬の改定動向」も収入を左右する重要な要素になります。
第二に、生産性向上やDX、外国人材の受け入れが要望に並んでいることは、今後の現場で求められるスキルの方向性を示しています。介護ロボットやICTを使いこなせる人材、多様な背景の同僚と協働できる人材の価値は高まる見込みです。賃上げの行方を待つだけでなく、自分の市場価値を高める準備を並行して進めることが、これからのキャリア戦略では一段と重要になります。
第三に、今回のような業界団体の要望や報酬改定の議論は、自分の働く環境が今後どう変わるかを先読みする手がかりになります。報酬改定は数年単位で現場の待遇や人員体制を左右するため、ニュースとして流し読みするのではなく、「自分の勤務先がこの改定でどう影響を受けるか」という視点で捉えると、転職や資格取得のタイミングを判断する材料になります。制度の大きな流れを把握しておくことは、長く働き続けるうえでの確かな武器になるはずです。
今後の波及——財源論・春闘・利用者への影響
財源論という最大のハードル
基本報酬12%引き上げという要望が、そのまま実現する保証はありません。介護報酬は税と保険料、利用者負担で賄われており、基本報酬を一律に大きく引き上げれば、保険料負担や利用者の自己負担、国・自治体の財政に直接跳ね返ります。とりわけ高齢化で給付費が膨らみ続けるなか、12%という規模の財源をどう確保するかは、改定論議の最大の焦点になるでしょう。
過去の改定率を振り返れば、プラス改定であっても全体で数%程度にとどまることが多く、基本報酬単独で2桁の引き上げは異例の要求です。要望がそのまま通るというより、改定論議の「上限値」を引き上げ、議論の起点を高める役割を果たすとみるのが現実的でしょう。交渉ごととして高めの数字を示し、最終的な着地点を少しでも引き上げる——そうした戦略的な意味合いも含んでいると考えられます。
他団体・春闘との連動
賃金格差の是正を求める声は介ホ協だけのものではありません。全産業で賃上げが進む春闘の流れが続けば、相対的に介護職の遅れが際立ち、業界横断で処遇改善を求める圧力が強まります。複数の事業者団体が同じ方向で要望を重ねれば、次期改定の議論に影響を与える可能性があります。介ホ協が「2030年」という期限と「全産業平均」という明確な到達点を示したことは、業界全体の目標を可視化する意味でも注目されます。
近年は介護分野の他団体からも、全産業との賃金差是正を求める声が繰り返し上がっています。介護付きホームという特定領域の団体が口火を切る形で具体的な数値目標を提示したことは、今後ほかの団体の要望や審議会での議論にも波及していく可能性があります。バラバラだった要望が「2030年・全産業平均」という共通のものさしに収れんしていけば、政策決定の場でも無視しづらいテーマになっていくでしょう。
現場と利用者・家族への波及
基本報酬の引き上げは、働き手だけでなく利用者・家族にも関わります。報酬が上がれば事業所の経営は安定し、人材確保が進んでサービスの質や安全性の向上につながる一方、利用者負担や保険料の上昇という形で跳ね返る面もあります。介護を「支える側」と「受ける側」の双方にとって、報酬改定の行方は生活に直結するテーマです。今回の要望は、その綱引きの口火を切るものと位置づけられます。
とりわけ介護付き有料老人ホームのように、職員体制が手厚いサービスでは人件費が経営の根幹を占めます。基本報酬が据え置かれたまま賃上げだけが求められれば、事業所は経営を圧迫され、結果として人員配置やサービスの質を維持できなくなるおそれもあります。だからこそ「賃上げの原資となる報酬の引き上げ」とセットで議論する必要がある、というのが協会の主張の核心です。利用者・家族にとっても、安定した介護を受け続けられるかどうかは、この報酬の行方と無縁ではありません。
この要望をめぐるよくある疑問
Q. 基本報酬の12%引き上げは、いつ実現するのですか?
今回の要望はあくまで業界団体から厚生労働省への「要望」であり、現時点で実現が決まったものではありません。介ホ協が見据えているのは次期2027年度(令和9年度)の介護報酬改定です。報酬改定は社会保障審議会の介護給付費分科会での議論を経て、最終的に国が改定率を決定します。要望がそのまま反映されるとは限らず、財源論や他団体の意見も踏まえて改定率が固まっていきます。2026年6月の臨時改定とは別物である点に注意が必要です。要望が出されたという事実は、次期改定に向けた議論の出発点として重要な意味を持ちますが、最終的な改定率や施行時期は今後の審議会での議論の積み重ねによって決まっていきます。改定の具体像が見えてくるのは、分科会での議論が本格化する数年先になる見通しです。
Q. 「基本報酬」と「処遇改善加算」は何が違うのですか?
基本報酬は、介護サービスを提供したときに事業所が受け取る基本的な単価です。すべての事業所が対象となる「土台」の部分にあたります。一方、処遇改善加算は、職員の賃金改善などの要件を満たした事業所だけが上乗せで受け取れる仕組みです。加算は使い道が職員の処遇改善に限られ、要件を満たさなければ受け取れません。基本報酬を引き上げると、加算の取得状況にかかわらず業界全体の収入の底上げにつながるため、より大きな効果が期待されると説明されています。
Q. なぜ「2030年」が目標年なのですか?
協会は要望書のなかで、介護職の賃金を2030年までに全産業平均まで引き上げるべきだとしています。2030年前後は、団塊世代がすべて後期高齢者となり、介護ニーズがさらに高まる時期にあたります。需要がピークに向かうこの時期までに、賃金を他産業並みに引き上げて人材を確保しておく必要がある——そうした人材政策上の危機感が、目標年の設定の背景にあるとみられます。
Q. 介護職として、今からできる備えはありますか?
制度の行方は不確実ですが、自分の市場価値を高めておくことは確実な備えになります。介護福祉士などの資格取得、生産性向上につながるICT・介護ロボットの活用スキル、多様な人材と協働する力は、いずれも要望書で重視されている方向性と重なります。報酬改定を待つだけでなく、こうしたスキルを磨いておくことが、賃上げの恩恵を受けやすい立場につながります。働き方や勤務先の選択肢を広げておくことも、変化に強いキャリアを築く一歩です。制度の追い風が来たときに、その恩恵を最大限に受けられる立場にいられるよう、日々の研鑽を積み重ねておくことが大切です。
参考資料
- [1]介護報酬、12%の引き上げを要請 介護職の賃金を2030年までに全産業平均へ=介ホ協- 介護ニュースJoint(2026年6月1日)
- [2]全国介護付きホーム協会とは(組織概要・会員数)- 一般社団法人全国介護付きホーム協会
- [3]代表理事挨拶- 一般社団法人全国介護付きホーム協会
- [4]令和8年度介護報酬改定について- 厚生労働省
- [5]令和6年度介護従事者処遇状況等調査の概要- 厚生労働省
- [6]賃金構造基本統計調査- 厚生労働省
まとめ
全国介護付きホーム協会(介ホ協)が2026年6月1日に厚労省へ提出した要望書は、介護の基本報酬を12%引き上げ、介護職の賃金を2030年までに全産業平均へ追いつかせるという明確な目標を掲げました。背景には、月8.3万円にのぼり、なお広がる賃金格差があります。2026年6月の臨時改定で進む処遇改善加算中心の賃上げと、基本報酬の底上げを求める今回の要望は、短期と中期の二段構えで現場の処遇を引き上げようとする動きとして読み解けます。
要望書には基本報酬の引き上げだけでなく、生産性向上推進体制加算の見直し、職業紹介手数料の適正化、外国人材の活躍支援なども盛り込まれました。これらは賃上げの原資を確保し、人材を確保・定着させるための一連のパッケージといえます。介護を「選ばれる職業」にするためには、賃金水準の引き上げと採用コストの是正、現場の負担軽減を同時に進める必要がある——そうした問題意識が要望全体を貫いています。
実現には財源論という大きな壁があり、要望がそのまま通るとは限りません。それでも、介護職にとっては「加算の取得状況」だけでなく「基本報酬の改定動向」が今後の収入を左右する重要な指標になります。生産性向上やDX、多様な人材との協働といったスキルの価値も高まるなか、制度の行方を待つだけでなく、自分の働き方とキャリアを能動的に見直す好機ともいえるでしょう。あなたにとって、納得できる待遇と働き方とは何でしょうか。報酬改定の大きな流れを理解したうえで、自分に合った職場や働き方を選ぶ視点を持つことが、これからの介護職には欠かせません。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
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