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介護医療院の仕事内容を徹底解説|医療依存度の高い利用者を支えるケアと働き方

介護医療院の仕事内容を徹底解説|医療依存度の高い利用者を支えるケアと働き方

介護医療院の仕事内容をI型・II型の違い、看護師との連携、看取りケア、1日の流れ、給与まで完全解説。医療ニーズの高い利用者を支える介護職の役割と転職に必要な知識を2026年最新情報でお届けします。

ポイント

この記事のポイント

介護医療院の介護職の仕事内容は、食事・入浴・排泄などの身体介護、看護師と連携した医療的ケアの補助、看取り(ターミナルケア)への対応が中心です。2018年に創設された介護医療院はI型(重度医療対応)とII型(安定期療養)の2類型があり、介護職員の平均月給は約33万円。医療依存度の高い利用者を支える専門性の高い職場です。

介護医療院とは?創設の背景と施設の特徴

介護医療院とは、長期にわたり療養が必要な要介護高齢者に対して、医療・介護・生活支援を一体的に提供する介護保険施設です。介護保険法第8条第29項に基づき、「療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話」を行うことを目的としています。

創設の経緯|なぜ介護医療院が必要になったのか

介護医療院が誕生したのは2018年(平成30年)4月です。それ以前、医療を必要とする要介護高齢者は「介護療養型医療施設(介護療養病床)」に入院していましたが、以下の問題が指摘されていました。

  • 医療保険の医療療養病床との区分があいまいで、制度上の整理が困難だった
  • 入院が長期化し、「病院」なのに実質的には「生活の場」となっている実態があった
  • 慢性疾患を抱えた高齢者の容体急変に対応できる「医療と介護の両立」を実現する施設が不足していた

こうした課題を解決するために介護保険法が改正され、介護療養型医療施設を廃止(2024年3月末で完全廃止)し、その受け皿として介護医療院が創設されました。厚生労働省は介護医療院を「医療の必要な要介護高齢者の長期療養・生活施設」と位置づけています(出典:厚生労働省「介護医療院について」)。

介護医療院の3つの大きな特徴

介護医療院が他の介護施設と大きく異なるのは、以下の3つの特徴を兼ね備えている点です。

  1. 医療機能:医師・看護師が常駐し、喀痰吸引・経管栄養・点滴・インスリン注射などの医療的ケアを日常的に提供
  2. 介護機能:食事・入浴・排泄などの身体介護、レクリエーション、機能訓練を実施
  3. 生活施設としての機能:入所者1人あたり8.0m²以上の療養室、談話室、食堂などを備え、プライバシーに配慮した居住空間を確保

つまり、「病院」と「介護施設」と「住まい」の3つの機能を1つの施設に統合したのが介護医療院です。看取り(ターミナルケア)にも対応しており、入所者にとっては「終の棲家」としても利用できる施設となっています。

介護医療院の施設数の推移

厚生労働省の「介護サービス施設・事業所調査」によると、介護医療院の施設数は創設以降、急速に増加しています。介護療養型医療施設からの転換が進んだことで、2024年時点では全国に約800施設以上が開設されています。今後も高齢化の進行と医療ニーズの高まりに伴い、施設数は増加傾向が続くと見込まれています。

I型・II型の違いを徹底比較|人員配置・利用者像・医療体制

介護医療院には「I型」と「II型」の2つの類型があり、それぞれ対象とする利用者像、人員配置基準、医療体制が異なります。介護職として働く場合、どちらの類型で働くかによって業務内容や求められるスキルが変わるため、違いを正確に理解しておくことが重要です。

I型介護医療院の特徴|介護療養病床相当

I型介護医療院は、介護療養病床(療養機能強化型A・B)に相当する人員配置基準を持つ施設です。

  • 主な利用者像:重篤な身体疾患を有する方、身体合併症のある認知症高齢者など、病状が急変するリスクの高い方
  • 医師配置:入所者48人に対し1名以上(施設で3名以上)、医師の宿直あり
  • 介護職員配置:入所者5人に対し1名以上
  • 対応可能な医療処置:人工呼吸器管理、中心静脈栄養、気管切開管理、酸素吸入など高度な医療処置

I型では夜間も医師が宿直しているため、急変時の対応が迅速に行えます。介護職員にとっては、より医療依存度の高い利用者のケアに携わることになり、医療知識やチーム連携のスキルが強く求められます。

II型介護医療院の特徴|介護老人保健施設相当以上

II型介護医療院は、介護老人保健施設(老健)に相当する以上の人員配置基準を持つ施設です。

  • 主な利用者像:I型よりも比較的容体が安定している方。服薬管理や軽度の褥瘡処置、慢性疾患の経過観察が中心
  • 医師配置:入所者100人に対し1名以上(施設で1名以上)、医師の宿直なし
  • 介護職員配置:入所者6人に対し1名以上
  • サービス内容:日常的な医療管理、服薬管理、褥瘡処置、認知症ケアなどが中心

II型はI型に比べて人員配置基準が緩やかですが、医療と介護の両方を受けながら長期療養できる点はI型と同じです。看取り対応も可能で、終の棲家として利用できます。

I型・II型の人員配置基準比較表

職種I型II型
医師入所者48人に対し1名(施設で3名以上)入所者100人に対し1名(施設で1名以上)
薬剤師入所者150人に対し1名入所者300人に対し1名
看護職員入所者6人に対し1名入所者6人に対し1名
介護職員入所者5人に対し1名入所者6人に対し1名
リハビリ専門職適当数適当数
栄養士定員100人以上で1名定員100人以上で1名
介護支援専門員入所者100人に対し1名入所者100人に対し1名
放射線技師適当数適当数
医師の宿直ありなし

(出典:厚生労働省「介護医療院開設に向けたハンドブック」)

「医療機関併設型」と「併設型小規模」も知っておこう

I型・II型に加えて、介護医療院には以下のバリエーションもあります。

  • 医療機関併設型介護医療院:同一敷地内または隣接する病院・診療所と連携し、急変時に医師が速やかに対応できる体制を確保した施設
  • 併設型小規模介護医療院:病院・診療所に併設され、入所定員が19人以下の小規模施設

これらの施設では、併設される医療機関の職員が兼務できるため、一部の人員配置基準が緩和されるケースもあります。転職先を検討する際は、施設の類型や併設状況も確認しましょう。

介護医療院の介護職の具体的な仕事内容と1日の流れ

介護医療院で働く介護職員の仕事は、一般的な介護施設と共通する部分も多い一方で、医療依存度の高い利用者に対応する独自の業務が加わります。ここでは具体的な仕事内容を5つのカテゴリに分けて解説し、1日の流れの実例を紹介します。

1. 身体介護|日常生活全般のサポート

介護医療院の利用者は要介護度が高い方が多いため、身体介護の比重は大きくなります。

  • 食事介助:経口摂取が可能な方への配膳・食事介助のほか、嚥下機能に応じたミキサー食・きざみ食の対応。経管栄養の方の体位調整や口腔ケアも重要な業務
  • 排泄介助:おむつ交換、トイレ誘導、排泄パターンの記録。皮膚トラブル(褥瘡・おむつかぶれ)の早期発見も求められる
  • 入浴介助:一般浴のほか、機械浴(ストレッチャー浴・チェア浴)の対応。医療機器装着者の入浴時は看護師と連携し、機器の取り外し・再装着を確認
  • 移乗・移動介助:ベッドから車椅子への移乗、廊下の歩行介助。拘縮や麻痺のある利用者が多いため、適切なボディメカニクスの技術が必須
  • 着替え・整容介助:更衣介助、整髪、爪切り、口腔ケアなど、身だしなみを整える支援

2. 医療的ケアの補助|看護師との連携業務

介護医療院の特徴的な業務として、看護師の医療行為を補助する役割があります。介護職員が直接行える医療的ケアは限られていますが、チームの一員として以下の業務に関わります。

  • バイタルサイン測定の補助:体温・血圧・脈拍・SpO2の測定と記録。異常値を発見した際は速やかに看護師へ報告
  • 喀痰吸引・経管栄養:「認定特定行為業務従事者」の認定を受けた介護職員は、医師の指示のもと喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内)や経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養)を実施可能
  • 服薬確認の補助:看護師が準備した薬の配薬確認、服薬後の状態観察
  • 褥瘡予防:体位変換(2時間ごと)、エアマット管理、皮膚状態の観察と報告
  • 体調変化の観察と報告:顔色・食欲・排泄状況・意識レベルの変化を日常的に観察し、看護師や医師へ適切に報告(これが最も重要な役割の一つ)

3. レクリエーション・生活支援

介護医療院は「生活施設」としての機能も持つため、入所者の生活の質(QOL)を高める活動も介護職員の重要な仕事です。

  • レクリエーションの企画・実施:季節の行事、体操、音楽活動、手工芸など。医療機器を装着している方でも参加できるプログラムの工夫が求められる
  • 環境整備:ベッド周りの清掃、リネン交換、室温・湿度管理
  • 地域交流の支援:地域ボランティアとの交流イベント、家族の面会対応

4. 看取り(ターミナルケア)への対応

介護医療院は看取りに対応する施設であり、終末期ケアは介護職員にとっても大きな役割です。

  • 本人・家族の意思確認への協力:看取りに関する希望や不安を傾聴し、多職種カンファレンスで情報を共有
  • 安楽な環境づくり:痛みや不快感を最小限にする体位調整、居室環境の整備、家族が寄り添える空間の確保
  • 日常ケアの継続:食事・清拭・口腔ケアなど、最期まで尊厳のあるケアを提供
  • エンゼルケア:逝去後の身体の清拭・着替えなど、ご遺体への最終的なケア

看取りケアは精神的な負担が大きい業務ですが、「人生の最期に寄り添う」という介護職ならではのやりがいを感じる職員も多くいます。施設によってはグリーフケア(看取り後の職員のメンタルケア)の体制も整備されています。

5. 記録・申し送り・カンファレンス

  • 介護記録の作成:食事量・排泄回数・バイタル・特記事項を電子カルテやケア記録システムに入力
  • 申し送り:シフト交代時に利用者の状態変化を正確に引き継ぐ。医療情報も含むため、特養や老健よりも申し送り内容が専門的
  • 多職種カンファレンス:医師・看護師・リハビリ職・ケアマネジャーとの定期的なカンファレンスに参加し、ケアプランの見直しに意見を出す

介護医療院の1日の流れ(日勤の例)

時間業務内容
8:30出勤・夜勤者からの申し送り(利用者の夜間の様子、バイタル変化等)
9:00バイタル測定補助、体調チェック、排泄介助
10:00入浴介助(機械浴含む)、体位変換
11:30昼食準備、食事介助(嚥下状態の観察)
12:30口腔ケア、服薬確認補助、休憩
13:30レクリエーション、機能訓練補助
14:30おやつ提供、水分補給支援
15:00記録作成、排泄介助、体位変換
16:00多職種カンファレンス(必要時)
17:00夕食準備、食事介助
17:30夜勤者への申し送り・退勤

夜勤帯(17:00~翌9:00等)は、定時の巡回(見回り)、体位変換、おむつ交換、急変時の看護師への連絡が主な業務となります。I型では夜間も医師が宿直しているため、急変対応は比較的スムーズですが、II型では当直医がいないため、介護職員の的確な観察と報告がより重要になります。

介護医療院の介護職の給与・年収データ

介護医療院で働く介護職員の給与水準は、他の介護施設と比較してどの程度なのでしょうか。厚生労働省の公的データをもとに、最新の給与情報を解説します。

介護医療院の介護職員の平均給与

厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」によると、介護医療院で働く介護職員(常勤・月給)の平均給与額は以下の通りです。

  • 平均月給:約33万30円(基本給+手当+一時金の月割り含む)
  • 推定年収:約385万~400万円(賞与含む)

(出典:厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」)

介護職全体の平均月給が約33万8,000円であることと比較すると、介護医療院の介護職の給与はほぼ同水準です。ただし、施設の規模、地域(都市部・地方)、保有資格、夜勤回数によって大きく変動します。

施設タイプ別の給与比較

他の介護施設と比較した場合の介護医療院の給与水準は以下の通りです。

施設タイプ平均月給(常勤)特徴
介護医療院約33万円医療体制充実、夜勤あり
特別養護老人ホーム約35万円夜勤回数多め、処遇改善加算が高い
介護老人保健施設約33万5,000円リハビリ中心、在宅復帰目標
訪問介護約31万5,000円移動時間あり、登録ヘルパーも多い
グループホーム約29万5,000円小規模、夜勤は1人体制が多い

(出典:厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」をもとに編集部作成)

給与に影響する主な要因

  • 夜勤手当:1回あたり5,000円~10,000円が相場。月4~5回の夜勤で2万~5万円の上乗せ
  • 資格手当:介護福祉士で月5,000円~15,000円、認定特定行為業務従事者(喀痰吸引等)で別途手当が付く施設もあり
  • 処遇改善加算:介護医療院も処遇改善加算の対象施設。加算率は最大14.0%で、月2万~3万円程度の上乗せが一般的
  • 地域差:都市部(東京・大阪・名古屋等)は地方より月2万~5万円程度高い傾向

2026年介護報酬改定の影響

2026年6月に施行される介護報酬の期中改定では、介護職員処遇改善加算のさらなる拡充が予定されています。具体的には基本給の引き上げ支援が盛り込まれる見通しで、介護医療院の介護職員の給与もベースアップが見込まれます。転職を検討する場合は、施設が処遇改善加算をどの区分で取得しているかを確認することが重要です。

当サイト独自分析|介護医療院の給与を「時給換算」で比較する

月給だけを見ると特養の方が高く見えますが、実際の労働時間と夜勤回数を考慮した「時給換算」で比較すると、景色が変わります。

特養は月平均4.5回程度の夜勤があり、夜勤1回で拘束時間が16時間に及ぶシフトが一般的です。一方、介護医療院は医師・看護師が常駐しているため、夜勤時の介護職員の判断負担が相対的に軽いというメリットがあります。また、I型では医師が宿直しているため、急変時に自分で判断を迫られるプレッシャーが特養より少ないのが特徴です。

給与額だけでなく、「夜勤の負担感」「医療スタッフのバックアップ体制」「精神的な安心感」も含めて総合的に評価することをおすすめします。

介護医療院と他施設の違い|特養・老健・療養型病院との比較

介護医療院への転職を検討するうえで、他の介護施設との違いを正確に理解することは欠かせません。ここでは特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、医療療養病床との違いを、介護職の視点から詳しく比較します。

4施設の基本比較表

比較項目介護医療院特別養護老人ホーム介護老人保健施設医療療養病床
根拠法介護保険法介護保険法介護保険法医療法
主な目的長期療養+生活支援日常生活の介護在宅復帰支援長期的な医療提供
入所対象要介護1~5(医療必要)原則要介護3~5要介護1~5医療の必要性が高い方
医師の配置常駐(I型は宿直あり)嘱託医(非常勤)常勤1名以上常勤(48:1)
看取り対応対応可能対応可能原則なし対応可能
入所期間長期(終身可能)長期(終身可能)原則3~6ヶ月長期
リハビリ維持目的が中心限定的充実(回復目的)維持目的
居室面積8.0m²以上/人10.65m²以上/人8.0m²以上/人6.4m²以上/人
生活施設としての配慮ありあり一部ありなし(病院)

特別養護老人ホーム(特養)との違い

特養との最大の違いは医療提供体制です。

  • 医療面:特養は嘱託医が定期的に訪問する体制で、夜間の医療対応は限定的。介護医療院は医師・看護師が常駐し、24時間医療ケアが可能
  • 利用者像:特養は「介護が必要だが医療依存度はそこまで高くない方」が中心。介護医療院は「医療的ケアが日常的に必要な方」が対象
  • 介護職の業務:特養では介護職が現場の中心だが、介護医療院では看護師との連携業務の比重が大きい。医療機器の取り扱いに関する知識も求められる

介護老人保健施設(老健)との違い

老健との最大の違いは施設の目的と入所期間です。

  • 目的:老健は在宅復帰を目指す中間施設。介護医療院は長期療養が前提で、在宅復帰を主目的としない
  • 入所期間:老健は3~6ヶ月が目安で回転率が高い。介護医療院は終身利用が可能
  • リハビリ:老健はPT・OT・STによるリハビリが充実(回復目的)。介護医療院のリハビリは現状維持が中心
  • 介護職の関わり方:老健では利用者の入れ替わりが多く「短期集中型のケア」が求められる。介護医療院では同じ利用者と長期的な関係を築くことができる

医療療養病床(病院)との違い

介護医療院はかつての介護療養病床の後継施設ですが、「病院」とは明確に異なります。

  • 根拠法:医療療養病床は医療法、介護医療院は介護保険法に基づく
  • 生活施設としての配慮:介護医療院は入所者1人あたり8.0m²以上の居室面積、談話室、レクリエーションスペースなど、生活の場としての環境整備が義務づけられている。病院にはこうした義務はない
  • 介護職の位置づけ:病院では看護補助者としての位置づけが強いが、介護医療院では介護の専門職としてケアプランに基づいた主体的なケアを行う

転職者向け|施設選びのポイント

「どの施設が自分に合っているか」を判断するための目安をまとめます。

  • 医療知識を身につけたい → 介護医療院(特にI型)
  • 利用者と長く関わりたい → 介護医療院 or 特養
  • リハビリに関わりたい → 老健
  • 夜間の医療バックアップが欲しい → 介護医療院I型
  • 高収入を重視 → 特養(夜勤回数が多い分、月給が高い傾向)

介護医療院で働くメリット・デメリットと向いている人

介護医療院は他の介護施設にはない独自の特徴を持つ職場です。転職を検討するうえで知っておくべきメリットとデメリット、そして向いている人の特徴を整理します。

介護医療院で働く5つのメリット

1. 医療知識・スキルが自然に身につく

医師・看護師が常駐する環境で日常的に医療的ケアに関わるため、バイタルサインの読み取り、疾患の基礎知識、医療機器の取り扱いなど、他の介護施設では得にくいスキルが身につきます。認定特定行為業務従事者の研修を受ければ、喀痰吸引や経管栄養も実施でき、キャリアの幅が広がります。

2. 夜間の医療バックアップ体制が安心

特養やグループホームでは夜間に介護職員だけで対応するケースが多く、急変時の判断に大きなプレッシャーがかかります。介護医療院(特にI型)では夜間も医師が宿直し、看護師も配置されているため、急変時に自分だけで判断する必要がなく、精神的な安心感があります。

3. 看取りケアの経験を積める

介護医療院は看取り対応が前提の施設であるため、ターミナルケアの実践経験を積むことができます。「人生の最期に寄り添う」というケアの本質に向き合える職場であり、介護観を深める貴重な経験になります。

4. 利用者と長期的な関係を築ける

老健のように数ヶ月で退所する施設と異なり、介護医療院は長期入所が前提です。同じ利用者と数年にわたって関わることができるため、一人ひとりの生活歴や好みを深く理解したきめ細かなケアが可能です。

5. 多職種連携の実践力が身につく

医師・看護師・薬剤師・PT・OT・ST・栄養士・ケアマネジャーなど、多様な専門職と日常的に連携する環境は、チームケアの実践力を高めます。この経験はケアマネジャーへのキャリアアップ時にも大きなアドバンテージになります。

介護医療院で働く3つのデメリット

1. 身体的・精神的な負担が大きい

利用者の要介護度が高く、全介助が必要なケースが多いため、腰痛など身体への負担は大きくなります。また、看取りケアに定期的に関わることで、精神的な疲弊(バーンアウト)のリスクもあります。

2. 医療的な知識の習得が求められる

「介護だけやりたい」という方にとっては、医療機器や疾患の知識を学ぶ負担がデメリットになる場合があります。常に新しい医療知識をアップデートする姿勢が求められます。

3. 多職種連携の難しさ

多くの専門職が関わるため、意見の対立や役割の境界があいまいになることもあります。特に看護職との関係構築に苦労する介護職員は少なくありません。「介護は看護の補助」ではなく「対等な専門職」として主張できるコミュニケーション力が必要です。

介護医療院に向いている人チェックリスト

以下に当てはまる項目が多い方は、介護医療院での勤務に適性があると考えられます。

  • 医療的な知識やスキルを身につけたい
  • 看護師や医師と連携して働くことに抵抗がない
  • 利用者と長期的な関係を築くケアスタイルが好き
  • 看取りケアに関心があり、人生の最期に寄り添いたい
  • 夜勤時の急変対応に不安があり、医療スタッフのバックアップが欲しい
  • 将来ケアマネジャーや認定特定行為業務従事者を目指している
  • 体力に自信があり、全介助の身体介護に対応できる

介護医療院に向いていない可能性がある人

  • 「介護だけ」に専念したい(医療連携に関心がない)
  • 看取りケアに精神的な抵抗が強い
  • 在宅復帰を支援する「回復型」のケアに関わりたい(→ 老健向き)
  • 多職種との連携やコミュニケーションが苦手

介護医療院で働くために必要な資格・スキル

介護医療院で介護職員として働くために必要な資格要件と、キャリアアップに役立つ資格・スキルを解説します。

必須資格|無資格でも働ける?

介護医療院の介護職員として働くために、特定の資格は法律上必須ではありません。ただし、2021年度から義務化された以下の要件があります。

  • 認知症介護基礎研修:無資格の介護職員は入職後に「認知症介護基礎研修」の受講が義務づけられています(eラーニングで受講可能、約6時間)
  • 例外:介護福祉士、実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者などの有資格者は受講免除

つまり実質的には無資格・未経験でも応募は可能ですが、医療依存度の高い利用者に対応するため、有資格者が優遇される傾向にあります。

取得しておくと有利な資格

資格メリット取得方法
介護職員初任者研修介護の基礎知識を体系的に学べる。未経験者の最初のステップ通学+通信(約130時間)
介護福祉士実務者研修介護福祉士国家試験の受験要件。医療的ケア(喀痰吸引等)の基礎も学べる通学+通信(約450時間)
介護福祉士国家資格。資格手当(月5,000~15,000円)が付くほか、チームリーダーへの道が開ける実務経験3年+実務者研修+国家試験
認定特定行為業務従事者喀痰吸引・経管栄養を介護職員として実施できる。介護医療院では特に重宝される都道府県の研修(50時間の講義+実地研修)
介護支援専門員(ケアマネ)ケアプラン作成の専門職。介護医療院での多職種連携経験が活きる実務経験5年以上+試験+研修

介護医療院で特に求められるスキル

  • 医療知識の基礎:バイタルサインの正常値・異常値、主な疾患(脳血管疾患、心疾患、糖尿病、認知症等)の基礎知識
  • 観察力と報告力:利用者の微細な変化を見逃さず、看護師や医師に的確に報告する「SBAR」(Situation-Background-Assessment-Recommendation)などのコミュニケーションスキル
  • 感染対策の知識:医療施設に準じた感染対策(標準予防策、手指衛生、PPE着脱)の実践力
  • 精神的なレジリエンス:看取りケアに定期的に関わるため、自分自身のメンタルヘルスを管理する力
  • 多職種コミュニケーション力:医師・看護師・リハビリ職など異なる専門職と対等に意見交換できる力

キャリアパスの例

介護医療院でのキャリアアップのステップを以下に示します。

  1. 入職1~2年目:基本的な身体介護を習得。認知症介護基礎研修を修了
  2. 3年目~:介護福祉士国家試験を受験。認定特定行為業務従事者の研修を受講
  3. 5年目~:フロアリーダー・ユニットリーダーとして後輩指導。ケアマネジャー試験の受験資格を取得
  4. 7年目以降:介護支援専門員として施設内のケアプラン作成、または主任介護職員として施設運営に参画

介護医療院で得られる医療知識と多職種連携の経験は、どの介護施設に転職しても高く評価される汎用的なスキルです。

介護医療院の仕事に関するよくある質問

Q1. 介護医療院で介護職員が行える医療行為はどこまでですか?

介護職員が直接行える医療行為は法律で厳しく制限されています。体温測定、血圧測定、SpO2測定などのバイタルサイン測定は「医療行為に該当しない」と整理されており、介護職員が実施できます。また、軟膏の塗布(褥瘡の処置を除く)、湿布の貼付、点眼薬の点眼、一包化された薬の内服介助なども実施可能です。

一方、喀痰吸引と経管栄養については、「認定特定行為業務従事者」の認定を受けた介護職員のみが、医師の指示のもとで実施できます。それ以外の医療行為(注射、点滴の管理、酸素投与の調整等)は看護師の業務であり、介護職員は実施できません。

Q2. 介護医療院の夜勤体制はどうなっていますか?

介護医療院の夜勤は、看護職員と介護職員が共に配置される体制が基本です。I型では医師の宿直が義務づけられているため、夜間に利用者の容体が急変しても医師がすぐに対応できます。II型では医師の宿直義務はありませんが、オンコール体制で対応する施設が大半です。

夜勤の回数は月4~5回が一般的で、16時間の2交代制を採用する施設が多い傾向にあります。夜勤手当は1回5,000円~10,000円程度が相場です。

Q3. 未経験・無資格でも介護医療院に転職できますか?

法的には無資格・未経験でも介護医療院で働くことは可能です。ただし、医療依存度の高い利用者に対応する施設であるため、求人では「介護福祉士」「実務者研修修了者」などの有資格者を優遇する施設が多いのが実情です。

未経験から挑戦する場合は、介護職員初任者研修を事前に取得するか、「資格取得支援制度」のある施設を選ぶことをおすすめします。入職後は認知症介護基礎研修の受講が義務づけられています。

Q4. 介護医療院と老健で迷っています。どちらが良いですか?

両施設は目的が異なるため、自分が目指す介護スタイルで選ぶのがベストです。

  • 介護医療院が向いている人:医療知識を深めたい、利用者と長期的に関わりたい、看取りケアに関心がある
  • 老健が向いている人:在宅復帰を支援する「回復型」のケアに関わりたい、リハビリ職と連携したい、利用者の変化や成長を実感したい

キャリアの観点では、介護医療院で得られる医療知識と多職種連携の経験は、将来ケアマネジャーや管理職を目指す際に大きなアドバンテージになります。

Q5. 介護医療院での看取りケアに不安があります。サポート体制はありますか?

多くの介護医療院では、看取りケアに関する研修制度やカンファレンスの機会が整備されています。具体的には、看取りに関する倫理研修、ターミナルケアの技術研修、看取り後のデブリーフィング(振り返り)ミーティングなどを定期的に実施する施設が増えています。

また、看取りケアによる精神的負担に対してグリーフケア(看取り後の職員のメンタルケア)の体制を整えている施設もあります。転職先を選ぶ際は、看取りに関する研修制度とメンタルヘルスサポートの有無を確認するとよいでしょう。

Q6. 介護医療院の求人を探すコツはありますか?

介護医療院は2018年創設の比較的新しい施設類型であるため、施設数自体がまだ限られています。求人を効率的に探すポイントは以下の通りです。

  • 施設名で検索:「介護医療院」というキーワードで求人サイトを検索
  • 旧介護療養型医療施設から転換した施設を狙う:母体が病院であることが多く、福利厚生や研修制度が充実している傾向
  • I型・II型の確認:求人票でI型かII型かを確認し、自分が希望する医療体制に合った施設を選ぶ
  • 処遇改善加算の区分:加算IVを取得している施設は給与水準が高い傾向

参考文献・出典

  • [1]
    介護医療院について- 厚生労働省

    介護医療院の制度概要、創設の背景、基本方針に関する公式ページ

  • [2]
    介護医療院開設に向けたハンドブック- 厚生労働省

    介護医療院のI型・II型の人員配置基準、設備基準、運営基準の詳細

  • [3]
    令和5年度介護従事者処遇状況等調査- 厚生労働省

    介護職員の施設類型別平均給与額、処遇改善加算の算定状況

  • [4]
    介護医療院(社保審-介護給付費分科会 資料)- 厚生労働省

    介護医療院の100床あたり常勤換算職員数、サービス提供実態等に関する調査データ

  • [5]
    介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成30年厚生省令第5号)- 厚生労働省

    介護医療院の法的根拠となる省令。人員配置基準の法的要件

まとめ|介護医療院は「医療×介護×看取り」の専門性を磨ける職場

介護医療院は2018年に創設された比較的新しい施設類型ですが、医療・介護・生活支援を一体的に提供するという他にはない特徴を持つ職場です。

この記事のポイント

  • 仕事内容:身体介護に加え、看護師と連携した医療的ケアの補助、看取り(ターミナルケア)対応が主な業務。特養や老健にはない「医療連携業務」が大きな特徴
  • I型・II型の違い:I型は重度の医療依存者対応(医師宿直あり・介護職員5:1配置)、II型は比較的安定した方の長期療養(医師宿直なし・介護職員6:1配置)
  • 給与水準:平均月給約33万円で介護職全体とほぼ同水準。夜勤手当・資格手当・処遇改善加算で上乗せが可能
  • 他施設との違い:特養より医療体制が充実、老健より長期入所が可能、病院より生活施設としての配慮がある
  • 向いている人:医療知識を身につけたい人、利用者と長期的に関わりたい人、看取りケアに関心がある人

介護医療院は高齢化と医療ニーズの高まりに伴い、今後さらに施設数が増加していく見込みです。2026年の介護報酬改定で処遇改善加算が拡充されれば、給与面での魅力もさらに高まるでしょう。

「医療依存度の高い利用者を支えたい」「介護職としての専門性を高めたい」と考える方にとって、介護医療院はキャリアの幅を大きく広げてくれる職場です。転職を検討する際は、I型・II型の違い、処遇改善加算の取得状況、看取りに関する研修制度などを事前に確認し、自分に合った施設を選びましょう。

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公開日: 2026年4月10日最終更新: 2026年4月10日

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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