高齢者の鼻血|正しい止め方と家庭での対応・抗凝固薬の注意・受診の目安
ご家族・ご利用者向け

高齢者の鼻血|正しい止め方と家庭での対応・抗凝固薬の注意・受診の目安

高齢のご家族の鼻血で慌てないために。座って下を向き小鼻を強くつまむ正しい止め方、上を向かない理由、抗凝固薬を飲む方の注意、止まらない・繰り返すときの受診目安を、耳鼻咽喉科学会やMSDマニュアルなど公的情報をもとに家族向けにやさしく解説します。

ポイント

この記事のポイント

高齢のご家族に鼻血が出たら、まずは慌てずに椅子へ座らせ、少し下(前)を向かせて、小鼻(鼻のふくらんだ柔らかい部分)を親指と人差し指で強くつまみ、そのまま5〜10分間、手を離さずに押さえ続けます。上を向かせるのは絶対に避けてください。鼻血の7〜8割は鼻の入り口近くからの出血で、この方法でほとんど止まります。血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を飲んでいる方は止まりにくいことがあり、20分以上止まらない・繰り返す・大量に出るときは耳鼻咽喉科やかかりつけ医に相談しましょう。

目次

「親の鼻が突然血だらけになった」「拭いても拭いても止まらず、どうしていいか分からない」。在宅で高齢の家族を介護していると、鼻血は意外とよく出くわす場面です。とくに高齢の方は、若い人と比べて鼻血が出やすく、止まりにくい背景を抱えていることが少なくありません。高血圧や動脈硬化で血管がもろくなっていたり、心臓病や脳梗塞の予防で血液をサラサラにする薬を飲んでいたり、冬の乾燥で鼻の粘膜が傷つきやすくなっていたりするためです。

このページでは、介護するご家族が落ち着いて対応できるよう、家庭でできる正しい止め方、やってはいけない俗説、薬を飲んでいる方の注意点、そして「これは受診したほうがよい」という見極めの目安までを、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会やMSDマニュアル家庭版などの公的な情報をもとに、できるだけやさしい言葉で整理しました。なお、本記事は一般的な情報提供であり、診断や治療を断定するものではありません。判断に迷うときは医療機関へご相談ください。

高齢者の鼻血はなぜ起きる?主な原因を整理

鼻の内側の粘膜にはたくさんの血管が集まっていて、薄くて傷つきやすい構造になっています。とくに鼻の穴を左右に分ける壁(鼻中隔)の入り口あたりにある「キーゼルバッハ部位」には血管が集中しており、鼻血の7〜8割はここからの出血だとされています(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)。鼻の入り口に近いため、指でつまんで圧迫すれば止まりやすいのが特徴です。

高齢の方の場合、若い世代に多い「鼻のいじりすぎ」だけでなく、体の状態や飲んでいる薬が背景になっていることがよくあります。主な原因を整理すると次のとおりです。

1. 高血圧・動脈硬化

血圧が高い状態が続くと血管に負担がかかり、動脈硬化で血管がもろくなります。高血圧そのものが直接の引き金になることは比較的少ないとされますが、いざ出血すると勢いが強く、止まりにくくなる傾向があります。とくに鼻の奥の太い血管(蝶口蓋動脈など)から出血する「後鼻出血」は、高齢で動脈硬化のある方に起こりやすく、家庭での圧迫では止めにくいため注意が必要です。

2. 血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)

心筋梗塞・脳梗塞の予防や心房細動の治療のために、血液を固まりにくくする薬を飲んでいる高齢の方は多くいます。代表的なものに、ワルファリン、アスピリン、クロピドグレル、リバーロキサバン、アピキサバンなどがあります(MSDマニュアル家庭版)。これらを服用していると鼻血が出やすく、また止まりにくくなります。ただし、自己判断で薬をやめるのは大変危険です(詳しくは後述します)。

3. 空気の乾燥

冬の暖房や乾燥した室内では、鼻の粘膜も乾いてひび割れしやすくなります。皮膚があかぎれを起こすのと同じように、乾いた粘膜は少しの刺激でも出血しやすくなります。

4. 鼻をいじる・強くかむなどの物理的刺激

かゆみや違和感から鼻の中をいじったり、鼻を強くかんだりすると、キーゼルバッハ部位の血管が傷ついて出血します。認知症のある方が無意識に鼻を触ってしまうケースもあります。

5. 全身の病気(肝臓・血液・腎臓の病気など)

肝硬変など肝臓の病気では血液を固める「凝固因子」が作られにくくなり、白血病や血小板の減少といった血液の病気、腎不全などでも血が止まりにくくなります。これらが背景にある場合、じわじわとした出血が長く続くことがあります。

6. まれに腫瘍(できもの)

頻度は高くありませんが、鼻やその奥の副鼻腔にできた腫瘍が原因のこともあります。片方の鼻からだけ繰り返し出血する、血の混じった鼻汁が続くといった場合は、一度耳鼻咽喉科で調べてもらうと安心です。なお、原因の特定は検査をしてはじめて分かるものであり、症状だけで自己判断はせず、気になるときは受診してください。

正しい止め方|家庭での5ステップ

鼻血の多くは、正しい方法で押さえれば家庭で止められます。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会やMSDマニュアル家庭版が示す手順を、介護する側がそばで手伝う形にまとめました。落ち着いて、次の順番で進めましょう。

ステップ1:椅子に座らせ、少し下(前)を向かせる

まずは安心させながら、椅子やソファに座ってもらいます。頭の位置を心臓より高く保つことで、出血している部分にかかる血圧が下がり、止まりやすくなります。顔は天井ではなく、少しうつむき加減(前傾)にします。寝かせて上を向かせるのは避けてください。

ステップ2:小鼻を強くつまむ

小鼻(鼻のふくらんだ柔らかい部分)を、親指と人差し指でしっかりとつまみます。骨を感じる硬い部分(鼻の付け根)を押さえても止まりません。柔らかい部分を左右からはさんで、鼻の穴を閉じるように圧迫するのがコツです。介護する方がご本人の手の上から軽く支えてあげると、力が抜けにくくなります。

ステップ3:5〜10分、手を離さず押さえ続ける

つまんだまま、5〜10分間そのまま待ちます。MSDマニュアル家庭版では「一度も手を離さないことが重要」と強調されています。途中で「止まったかな」と確認のために離すと、せっかく固まりかけた血がまた流れ出てしまいます。時計を見ながら、最後まで根気よく押さえましょう。

ステップ4:のどに流れた血は飲み込まず、吐き出す

下を向いていても、多少の血がのどに回ることがあります。飲み込むと気持ち悪くなったり吐き気を起こしたりするため、口の中にたまった血はティッシュや洗面器に吐き出してもらいます。

ステップ5:座れない・寝たきりの方は「横向き」で

体力が落ちていて座っているのがつらい方や、寝たきりの方の場合は、出血している側を上にして横向きに寝かせます。このとき仰向け(上向き)には絶対にしないでください。仰向けで血がのどに流れると、誤嚥(ごえん)や窒息につながる恐れがあります(大正健康ナビ)。横向きにして、流れた血は口から出せるようにします。

こうした正しい手順で5〜10分押さえても止まらないときは、家庭での対応の限界かもしれません。次の「やってはいけない対応」と「受診の目安」も確認してください。

やってはいけない対応・よくある誤解

良かれと思ってやったことが、かえって鼻血を長引かせることがあります。公的な情報で「避けたほうがよい」とされている対応をまとめました。

上を向かせる・寝かせて顔を天井に向ける

最もよくある間違いです。上を向くと血液がのどに流れ込み、飲み込むと吐き気や嘔吐の原因になります。横になって上を向いた状態で吐くと、吐いたものが気道に入り窒息する危険もあります(大正健康ナビ・サワイ健康推進課)。必ず下(前)を向かせてください。

ティッシュや脱脂綿を奥まで詰め込む

浅く詰めると出血点を圧迫できず、深く詰めると粘膜を傷つけたり、抜くときにかさぶたをはがして再出血させたりします。基本は「詰める」より「小鼻をつまんで押さえる」です。

首の後ろをトントン叩く・鼻を冷やすだけで止めようとする

首を叩く、額や鼻を冷やすと止まるという言い伝えがありますが、科学的な裏づけはなく、それだけで止血できるわけではありません(サワイ健康推進課)。冷やす場合も圧迫の補助にとどめ、基本の圧迫を続けてください。

途中で何度も手を離して確認する

止まったか気になって何度も確認すると、固まりかけた血がはがれて再び出てきます。最低5分、できれば10分は離さないのが鉄則です。

自己判断で「血をサラサラにする薬」をやめる

鼻血が出たからといって、抗凝固薬や抗血小板薬を勝手に中止するのは大変危険です。脳梗塞や血栓症など、命に関わる副作用を招く恐れがあります(次のセクションで詳しく解説します)。

抗凝固薬・抗血小板薬を飲んでいる方の鼻血で気をつけること

高齢のご家族が、心房細動・脳梗塞・心筋梗塞などの治療や予防で「血液をサラサラにする薬」を飲んでいるケースはとても多くあります。代表的な薬には、ワルファリン、アスピリン、クロピドグレル、リバーロキサバン、アピキサバンなどがあります(MSDマニュアル家庭版)。これらを服用していると、鼻の粘膜が少し傷ついただけでも出血しやすく、いったん出ると止まりにくくなります。介護するご家族が知っておきたいポイントを整理します。

1. 止め方は同じ。まずは正しい圧迫を

薬を飲んでいても、最初の対応は変わりません。座らせて下を向かせ、小鼻を強くつまんで5〜10分しっかり押さえます。薬の影響があるぶん、健康な人より長めにかかることを見込んで、あせらず圧迫を続けましょう。

2. 圧迫だけでは止まりにくいことを念頭に

薬の影響による鼻血は、鼻の奥のほうから出ていることもあり、家庭の圧迫では止めきれない場合があります。20分ほど押さえても止まらないときは、無理をせず耳鼻咽喉科や救急外来へ。受診の際は「何という薬を、いつ、どのくらい飲んでいるか」を伝えられるようにしておくと、処置がスムーズです。お薬手帳を持参すると確実です。

3. 絶対に自己判断で薬をやめない

ここが最も大切な点です。鼻血が怖いからと抗凝固薬・抗血小板薬を勝手に中止すると、脳梗塞や血栓症といった命に関わる発作を招く恐れがあります。薬を止める・減らす・変えるといった判断は、必ず処方している主治医(かかりつけ医)に相談してください。鼻血を繰り返して困っている場合も、まずは「薬を変えられないか」をかかりつけ医に相談するのが正しい順番です。

4. 出血を「記録」しておくと相談しやすい

いつ・どちら側から・どのくらいの量が・何分で止まったかをメモしておくと、受診時に医師が状況を把握しやすくなります。歯ぐきからの出血やあざが増えた、便が黒いといった「ほかの場所の出血サイン」に気づいたら、それも合わせて伝えましょう。

止まりやすい鼻血・止まりにくい鼻血の見分け方

鼻血は、出血している場所によって「止まりやすさ」が大きく違います。家庭での対応を続けてよいか、早めに受診すべきかを判断する手がかりになります。

項目前鼻出血(多い・比較的安心)後鼻出血(少ない・要注意)
出血する場所鼻の入り口近く(キーゼルバッハ部位)鼻の奥の太い血管(蝶口蓋動脈など)
割合鼻血全体の約7〜8割残りの一部
出血量・勢い比較的少なく、勢いも穏やか量が多く、勢いが強いことがある
止まりやすさ正しい圧迫で5〜10分ほどで止まりやすい圧迫では止めにくく、医療処置が必要なことが多い
起こりやすい人子どもから大人まで幅広い高血圧・動脈硬化のある高齢者に多い

家庭でつまんで止まるのは、主に前鼻出血です。下を向いてしっかり圧迫しているのに、のどのほうへドクドクと血が流れてくる、タオルがすぐ真っ赤になるほど量が多い、といった場合は後鼻出血の可能性があり、自宅での対応が難しいサインです。早めに耳鼻咽喉科や救急外来を受診してください(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会・サワイ健康推進課)。

受診の目安|こんな鼻血は医療機関へ

多くの鼻血は家庭で止められますが、なかには医療機関での処置が必要な「危険な鼻血」もあります。公的な情報をもとに、受診を考える目安をまとめました。迷ったときは無理をせず、専門家に相談しましょう。

耳鼻咽喉科・かかりつけ医に相談したいケース

  • 正しい方法で20分ほど押さえても止まらない
  • 頻繁に繰り返す(目安として1週間に3回以上)
  • 片方の鼻からだけ繰り返し出る、血の混じった鼻汁が続く
  • 血液をサラサラにする薬を飲んでいて、止まりにくい
  • 高血圧・糖尿病・肝臓や血液の病気など、持病がある

すぐに受診・救急を考えるケース

  • 出血量が非常に多い(タオルがすぐ真っ赤になる、勢いよくドクドク出る)
  • 下を向いて圧迫しているのに、のどへ大量に血が流れてくる
  • 鼻血に加えて発熱がある(感染症や血液の病気の可能性)
  • 顔や頭を強く打った後に出た鼻血
  • 歯ぐきなど鼻以外からも出血している、あざが急に増えた
  • 意識がもうろうとする、顔色が悪い、ぐったりしている

上を向かない・小鼻を圧迫するという基本を守っても止まらないときは、後鼻出血や薬・病気の影響が考えられ、家庭での対応には限界があります。なお、ここに挙げたのはあくまで一般的な目安です。原因の診断は検査をしてはじめて分かるため、症状だけで「大丈夫」「大したことない」と自己判断せず、不安なときは医療機関へご相談ください。判断に迷う場合の相談先は、最後のまとめでご案内します。

在宅介護の視点|年代別の原因の違いと「観察記録」のすすめ

ここでは、公的情報を当サイトの視点で整理し、在宅で介護するご家族が実際に役立てやすい形にまとめます。

年代によって「鼻血の主な原因」は変わる

同じ鼻血でも、背景は世代でかなり異なります。複数の公的情報を整理すると、おおよそ次のように分けられます。

世代主な原因家庭での見方
子ども鼻いじり・アレルギー性鼻炎などの物理的刺激多くは前鼻出血で、圧迫で止まりやすい
成人鼻中隔の弯曲・乾燥・物理的刺激繰り返す場合は一度受診を
高齢者高血圧・動脈硬化、抗凝固薬/抗血小板薬、乾燥、全身の病気止まりにくい・後鼻出血のリスクがあり要注意

つまり、子どもの鼻血と同じ感覚で「すぐ止まるだろう」と構えていると、高齢の方では対応が後手に回ることがあります。「高齢者の鼻血は、若い人より止まりにくい前提で備える」というのが、在宅介護での実践的な心構えです(大正健康ナビ・サワイ健康推進課をもとに整理)。

家庭でできる「鼻血の観察記録」テンプレート

鼻血を繰り返す方の場合、受診時に医師が原因を絞り込みやすくなるよう、家庭で簡単な記録を残しておくことをおすすめします。スマートフォンのメモや日めくりカレンダーに、次の項目を書き留めるだけで十分です。

  • 日時:いつ出たか(朝・入浴後・就寝中など状況も)
  • 左右:どちら側の鼻からか(片側が続くなら受診の手がかり)
  • 量と止まるまでの時間:何分の圧迫で止まったか
  • そのときの様子:血圧の値、鼻をいじっていたか、薬を飲んでいるか
  • ほかの出血サイン:歯ぐきの出血、あざ、黒い便などの有無

こうした記録は、抗凝固薬を飲んでいる方では特に有用です。「最近こちら側ばかり」「圧迫しても止まりにくくなってきた」といった変化に、ご家族が早く気づけるからです。受診時にお薬手帳と一緒に見せれば、医師との情報共有がぐっとスムーズになります。これは特別な道具のいらない、在宅介護ならではの強みを生かした備えです。

鼻血が止まった後・繰り返さないための予防

鼻血が止まっても、しばらくは出血した部分が刺激に弱い状態が続きます。再出血を防ぐために、止まった直後と日ごろの予防のポイントを押さえておきましょう。

止まった直後に避けたいこと

  • 入浴で長湯をする:体が温まると血流が増え、再出血しやすくなります。当日はシャワーで軽く済ませると安心です。
  • 激しい運動・力仕事:血圧が上がり再び出血することがあります。重い物を持つのも控えめに。
  • 飲酒:アルコールは血管を広げるため、しばらくは控えましょう。
  • 強く鼻をかむ・鼻をいじる:固まりかけたかさぶたがはがれます。やさしく扱ってください。

繰り返さないための日ごろの工夫

  • 部屋の乾燥を防ぐ:加湿器を使い、冬場は特に湿度を保ちます。乾燥は鼻血の大きな誘因です。
  • 鼻の入り口を保湿する:炎症やできものがなければ、白色ワセリンを綿棒で鼻の入り口にごく薄く塗るのも乾燥予防になります(粘膜を傷つけないよう、入り口付近にやさしく)。
  • 血圧・血糖の管理を続ける:高血圧や糖尿病は鼻血の出やすさ・止まりにくさに関わります。処方された薬や生活習慣の管理を主治医の指示どおり続けましょう。
  • 鼻を触るクセへの配慮:認知症などで無意識に鼻を触ってしまう方には、爪を短く整える、こまめに保湿するなどで刺激を減らす工夫が役立ちます。
  • 薬は自己判断で変えない:抗凝固薬・抗血小板薬は、繰り返す鼻血が気になっても勝手にやめず、かかりつけ医に相談を。

よくある質問

鼻血が出たとき、上を向いてはいけないのはなぜですか?

上を向くと血液がのどに流れ込み、飲み込むと吐き気や嘔吐の原因になります。横になって上を向いた状態で吐くと、吐いたものが気道に入って窒息する危険もあります。鼻血が出たら、少し下(前)を向いて小鼻を圧迫するのが正しい方法です。

何分くらい押さえれば止まりますか?

鼻の入り口近くからの出血(前鼻出血)であれば、正しく圧迫すれば5〜10分ほどで止まることがほとんどです。途中で手を離すと再出血しやすいので、最後まで離さず押さえ続けてください。

血液をサラサラにする薬を飲んでいます。鼻血が出たら薬をやめたほうがよいですか?

自己判断で中止するのは避けてください。抗凝固薬・抗血小板薬を勝手にやめると、脳梗塞や血栓症など命に関わる発作を招く恐れがあります。止め方は通常と同じく小鼻の圧迫で対応し、止まりにくい場合や繰り返す場合は、処方している主治医(かかりつけ医)に相談しましょう。

高齢の親が寝たきりです。座れない場合はどうすればよいですか?

出血している側を上にして、横向きに寝かせてください。仰向け(上向き)にすると血がのどに流れて誤嚥や窒息の恐れがあるため、絶対に避けます。横向きにし、口にたまった血は飲み込まず吐き出してもらいます。

どのくらいで病院に行くべきですか?

正しく20分ほど押さえても止まらない、量が非常に多い、のどへ大量に流れる、繰り返す(週3回以上が目安)、発熱を伴う、ほかの場所からも出血する、といった場合は耳鼻咽喉科や救急外来を受診してください。判断に迷うときは、救急安心センター(#7119)に電話で相談する方法もあります。

市販の鼻血用スプレーや綿球を使ってもよいですか?

まずは小鼻をつまんで圧迫するのが基本です。ティッシュや綿球を奥まで詰め込むと、抜くときに再出血したり粘膜を傷つけたりすることがあります。使う場合も浅く当てる程度にとどめ、圧迫を優先してください。繰り返す鼻血や止まりにくい鼻血は、市販品に頼らず受診をおすすめします。

参考文献・出典

迷ったときの相談先|まとめ

高齢のご家族の鼻血は、まず「慌てないこと」が何よりの対応です。椅子に座らせて少し下を向かせ、小鼻を強くつまんで5〜10分、手を離さずに押さえる。上を向かせない。この基本を守れば、多くの鼻血は家庭で止められます。座れない方や寝たきりの方は、出血側を上にした横向きで対応し、仰向けは避けましょう。

血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を飲んでいる方は止まりにくいことがありますが、自己判断で薬をやめるのは禁物です。止まりにくい・繰り返すときは、薬を変えられないかも含めてかかりつけ医に相談してください。

そのうえで、判断に迷ったときの相談先を覚えておくと安心です。

  • 耳鼻咽喉科:止まらない鼻血、繰り返す鼻血、後鼻出血が疑われる場合の専門の窓口です。出血部位の確認や止血処置、原因の検査を行ってくれます。
  • かかりつけ医:抗凝固薬・抗血小板薬や持病の管理をしている主治医。薬の調整や、繰り返す鼻血の背景にある病気の相談はまずここへ。お薬手帳を持参しましょう。
  • 救急安心センター(#7119):「救急車を呼ぶべき?病院へ行くべき?」と迷ったときに、看護師などの専門家へ電話で相談できる窓口です(地域により対応状況が異なります)。緊急性が高ければ119番へ案内されます。
  • 119番:大量出血で意識がもうろうとする、ぐったりしているなど、命に関わると感じたときはためらわず通報を。

本記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を断定するものではありません。気になる症状があるとき、自宅での対応で不安なときは、自己判断せず医療機関や上記の相談先を頼ってください。落ち着いて備えておくことが、ご本人にとってもご家族にとっても、いちばんの安心につながります。

監修者

介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム

医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)

看護師介護福祉士ケアマネジャー

訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護保険、施設選び、在宅介護など、介護を受ける方・ご家族が判断に迷いやすいテーマを、公的情報と実務上の確認ポイントに沿って解説しています。

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