
LIFE移行作業の解説動画・操作マニュアルを公開|厚労省Vol.1504、7月31日までの作業完了が加算継続の条件
厚労省は5月22日、介護保険最新情報Vol.1504でLIFEの国保中央会への移行作業を解説する動画と操作マニュアルを公開。移行期間は5月11日〜7月31日で、期限までに作業を終えないとLIFE関連加算を継続算定できない。電子証明書ログインやバックアップファイル不要化など新システムの実務変更点を整理する。
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この記事のポイント
厚生労働省は2026年5月22日、介護保険最新情報Vol.1504を発出し、科学的介護情報システム(LIFE)の国民健康保険中央会への移行作業を解説する動画と操作マニュアルを公開しました。移行期間は5月11日から7月31日までで、この間に旧システムから新システムへの移行作業を終えなければ、科学的介護推進体制加算などLIFE関連加算を継続して算定できなくなります。新システムは電子証明書でのログインに切り替わり、バックアップファイルの受け渡しが不要になるなど運用が大きく変わります。LIFE関連加算を算定している現場の介護職にとっては、夏前のこの数週間が、加算収入を守るための大切な正念場になります。
目次
解説動画
科学的介護情報システム(LIFE)は、利用者の状態やケアの内容を入力すると、全国データと比較したフィードバックが返ってくる仕組みです。科学的介護推進体制加算をはじめとする多くの加算が、このLIFEへのデータ提出を算定要件にしています。日々の記録に加えてLIFE入力を担っている現場にとって、システムの仕様変更は加算収入と業務負担に直結する重大事です。
そのLIFEが2026年、運営主体を厚生労働省から国民健康保険中央会(国保中央会)へと移しました。5月11日から国保中央会による新システムの運用が始まり、各事業所・施設は旧システムから新システムへ自ら移行作業を行う必要があります。期限は7月31日。これを過ぎるとLIFE関連加算の継続算定に支障が出るため、放置できません。
厚労省は移行をスムーズに進めてもらうため、5月22日に介護保険最新情報Vol.1504を発出し、移行作業を解説する動画と操作マニュアルを公開しました。本記事では、公開された資料の中身、移行のスケジュール、新システムで何が変わるのかを一次資料に基づいて整理し、現場の入力担当者と管理者が「いつ・何を・どう確認すべきか」を実務目線でまとめます。あわせて、この移行が現場の業務負担や介護職のキャリアにどう関わってくるのかという視点もお伝えします。
公開された資料の中身|説明会動画と操作マニュアル
厚労省が公開した資料は「説明会動画」と「操作マニュアル」の2本立て
今回Vol.1504で案内されたのは、国保中央会が実施した「科学的介護情報システム(LIFE)第1回説明会」の動画と、移行作業の手順を示した操作マニュアルです。説明会動画は厚生労働省の公式YouTubeチャンネルに掲載され、システム移行の全体像、令和8年5月以降の加算対応、よくある問い合わせへの回答という3つの柱で構成されています。動画とあわせて、説明会資料「国保中央会LIFEへの移行について」(PDF)も厚労省の科学的介護のページからダウンロードできます。
操作マニュアルは、新システムのヘルプサイト(top.life-kkh.jp/help)で公開されています。移行作業の画面遷移を1ステップずつ図解しているため、実際に作業を担う管理ユーザーや操作職員は、動画で全体像をつかんでからマニュアルで手元の画面を確認する流れが想定されています。文章だけの通知では伝わりにくい画面操作を動画と図解で補うこの組み合わせは、ITに不慣れな職員が多い現場ほどありがたい配慮といえます。問い合わせ窓口(ヘルプデスク)は時期によって厚労省側と国保中央会側で分かれるため、いつ・どこに連絡すればよいかも資料で確認しておくと安心です。
新システムで変わる5つのポイント
説明会資料では、厚労省運用LIFEから国保中央会運用LIFEへの主な変更点として5つが挙げられています。すなわち、(1)バックアップファイルの授受が不要になったこと、(2)電子証明書を用いた認証でセキュリティが向上したこと、(3)端末認証用の一時パスコード認証が廃止されたこと、(4)LIFEのホームページのリンクから直接ログインできるようになったこと、(5)利用者情報の正確性を自動でチェックする機能が追加されたことの5点です。いずれも「より安全に、より手間なく」をねらった改修で、現場の使い勝手を底上げする内容になっています。
ただし、(5)の利用者情報チェック機能は、利用者の資格を管理する保険者(市町村)が介護情報基盤に対応した後でないと使えません。機能としては用意されていても、地域によって使えるようになる時期に差が出る点は念頭に置いておきましょう。
なぜ今、移行作業が必要なのか
背景にあるのは、LIFEの運営主体が厚生労働省から公益社団法人国民健康保険中央会(国保中央会)へ移ったことです。令和8年4月に「介護情報基盤」が稼働を開始し、これに伴って令和8年5月11日からLIFEの運営が国保中央会へ移管されました。介護情報基盤は、利用者本人・市町村・介護事業所・医療機関などが利用者に関する情報を電子的に共有するための仕組みで、LIFEはその一部のデータを連携する位置づけになります。
運営移管にあたり、各事業所・施設は旧システム(厚労省運用LIFE)から新システム(国保中央会運用LIFE)へ、自らデータを移す作業を行わなければなりません。この作業を怠ると新システムでデータを登録・提出できず、科学的介護推進体制加算をはじめとするLIFE関連加算の算定が続けられなくなります。だからこそ厚労省は、現場が迷わず作業を終えられるよう動画とマニュアルを整備したわけです。
移行スケジュールと必要な3つの作業
移行期間は5月11日〜7月31日、旧システムは9月1日に停止
移行スケジュールは明確に区切られています。国保中央会運用LIFEが稼働した5月11日が移行作業の開始日で、7月31日が作業完了の期限です。この約2か月半のあいだに移行を終えれば、LIFE関連加算をそのまま継続して算定できます。さらに旧システム(厚労省運用LIFE)は9月1日に運用を終了し、それ以降はログインも参照もできなくなります。つまり夏のあいだに作業を済ませなければ、過去に提出したデータの確認すら難しくなる可能性があります。
注意したいのは、旧システムで移行操作を行った時点で、旧システムでのデータの登録・更新・削除ができなくなり、参照のみに切り替わる点です。新システムでの操作は、旧システムでの移行作業完了の「翌日以降」に行う必要があるため、月末ギリギリではなく余裕を持ったスケジュールが望まれます。たとえば7月分のデータ提出を控えている事業所が7月末に駆け込みで移行すると、新システムでの再登録が翌日以降にずれ込み、提出が間に合わないリスクが生じます。期限はあくまで「最終ライン」であり、実務上は6月〜7月前半のうちに移行を終える前提でスケジュールを引くのが現実的です。
移行に必要な3つの作業
厚労省・国保中央会が示す必要作業は大きく3つです。第一に、電子証明書(介護保険証明書または介護DX証明書)の取得とインストール。第二に、旧システムから新システムへのデータ移行操作。第三に、新システムでの管理ユーザー情報・操作職員情報・利用者情報の再登録です。
このうち電子証明書については、すでに電子請求受付システムでレセプト請求をしている、またはケアプランデータ連携システムを利用していて、かつ同じ端末でLIFEを使う予定なら、新規取得は不要です。逆にどちらにも該当しない、あるいは別端末を使う場合は、介護情報基盤ポータルサイトの「セットアップ手順書(電子証明書編)」に沿って取得・インストールが必要になります。事業所情報・様式情報・端末情報は自動で引き継がれますが、職員情報と利用者情報は個人情報のため手動での再登録または取り込みが必要になる点も、現場の作業量を見積もるうえで押さえておきたいところです。
作業の流れとしては、まず管理ユーザーが電子証明書をインストールした端末で旧システムにアクセスし、移行操作を実行します。移行が完了すると旧システムは参照のみになり、翌日以降に新システムへログインして移行されたデータを確認します。その後、管理ユーザー・操作職員のパスワードを再設定し、利用者情報を整えれば、新システムでの通常運用に戻れます。各ステップで電子証明書の選択を求められるため、どの端末にどの証明書が入っているかを事前に把握しておくことが、作業を止めないコツです。施設系のように利用者数が多い事業所では、利用者情報の確認・整備に想定以上の時間がかかることもあるため、入力担当者の通常業務と重ならない時期を選んで着手するとよいでしょう。
現場の入力担当者にとっての影響|加算継続と業務負担の両面から読む
「加算が止まる」リスクは経営だけでなく現場の評価にも直結する
ここからは、この移行が現場で働く介護職にとって何を意味するのかを実務目線で掘り下げます。まず押さえたいのは、移行作業の遅れが「加算の中断」という形で事業所収入を直撃するという点です。科学的介護推進体制加算やADL維持等加算、褥瘡マネジメント加算、自立支援促進加算など、LIFEへのデータ提出を要件とする加算は多岐にわたります。これらは月単位で算定されるため、7月中に移行が終わらなければ8月分の算定に影響しかねません。処遇改善加算のように賃金原資に直結する加算ではないものの、加算収入の途切れは事業所の体力をじわじわ削り、めぐりめぐって賞与原資や人員配置の判断に響きます。
そして見落とされがちなのが、移行作業が「誰の仕事になるのか」という問題です。LIFE入力は多くの現場で特定の職員——記録に強い中堅介護職や生活相談員、施設ケアマネ——に集中しがちです。今回の移行では電子証明書のインストールやデータの再登録といった、通常の入力とは毛色の違うIT寄りの作業が発生します。日々の介護記録に追われるなかでこの追加タスクをこなすのは、担当者にとって相応の負担です。担当者ひとりに丸投げすると、その人が休んだ瞬間に作業が止まりかねません。移行作業の進捗を事業所全体で共有し、管理者が「いつまでに何を終える」というマイルストーンを引いてあげることが、現場の心理的負担を減らすうえでも重要になります。
新システムは中長期的には入力担当者を楽にする可能性がある
一方で、新システムの仕様変更は現場の負担を減らす方向に働く面もあります。最大のポイントはバックアップファイルの授受が不要になったことです。旧システムでは、管理ユーザーと別の端末を使う操作職員に利用者情報を表示するために、USBメモリなどでバックアップファイルをやり取りする必要がありました。新システムでは利用者情報をサーバー上に保持するため、複数端末でも情報が自動反映されます。タブレットで記録し、ステーションのPCで確認するといった複数端末運用をしている事業所では、この変更だけでも日常の手間が目に見えて減るはずです。
加えて、一時パスコード認証や起動アイコンの取得が不要になり、LIFEのホームページから直接ログインできるようになりました。利用者情報の誤りを自動検出する機能も追加され、誤登録によるデータ差し戻しの手戻りが減ると見込まれます。つまり今回の移行は、一時的な作業負担と引き換えに、入力担当者の日常業務を軽くするアップデートでもあるのです。移行を「やらされ仕事」ととらえるか、現場の記録環境を見直す機会ととらえるかで、夏以降のLIFE運用の負担感は変わってきます。せっかくの機会ですから、誰がどの端末でどう入力しているかを棚卸しし、ムダな二重入力や紙とシステムの行き来がないかを見直すと、移行後の運用がより軽やかになります。
移行の先にある波及|介護情報基盤・データ共有とキャリアへの示唆
介護情報基盤との連携が「科学的介護」を次の段階へ進める
今回の移管は単なる運営主体の変更にとどまりません。LIFEが国保中央会の介護情報基盤と接続されたことで、これまで事業所ごとに閉じていた利用者データが、市町村や医療機関との情報共有のレールに乗る土台ができました。利用者情報の正確性を自動チェックする新機能も、保険者(市町村)が介護情報基盤に対応した後に利用可能になります。短期的にはログインや入力の使い勝手の話ですが、中長期では「介護データを多職種・地域で共有してケアの質を高める」という政策の本丸へとつながっていく動きです。
科学的介護はもともと、エビデンスに基づくPDCAケアを全国規模で回すことを目指してきました。今回の基盤統合は、その理念を制度インフラとして固める一歩といえます。LIFE関連加算の算定要件は今後の介護報酬改定でさらに細分化・高度化する可能性が高く、データ提出は「やればもらえる加算」から「ケアの標準装備」へと位置づけが変わっていくと見るのが自然です。
ICTスキルがキャリアの差別化要因になる時代へ
この流れは、現場で働く介護職のキャリアにも影響します。電子証明書の管理、データ移行、LIFEフィードバックの読み解きといった業務は、これまで「できる人がやる」属人的なタスクでした。しかし介護DXが制度の前提になるほど、こうしたICT・データ活用のスキルを持つ職員の価値は高まります。記録ソフトやLIFEを使いこなし、フィードバックをケアプランの見直しに活かせる人材は、生産性向上推進体制加算の取得やリーダー登用の場面でも評価されやすくなるでしょう。
転職市場の視点でも同じことがいえます。求人票には現れにくい要素ですが、LIFEや介護記録ソフトの運用経験は、面接で語れる具体的な強みになります。これからの介護職にとって「ICTに強いこと」は、夜勤可否や資格と並ぶ、自分の働き方の選択肢を広げる武器になりつつあります。今回の移行を、自分のスキルの棚卸しと次のキャリアを考えるきっかけにする視点も持っておきたいところです。
もう一段先を見れば、介護データの蓄積と共有が進むことで、ケアの成果が見えやすくなる時代が近づいています。これまで「丁寧に介護している」という実感は、なかなか数字で示しにくいものでした。LIFEのフィードバックを通じて利用者のADLや栄養状態の改善が可視化されれば、現場の頑張りがエビデンスとして評価される場面が増えます。それは、利用者・家族に対してケアの質を説明する材料になると同時に、介護職という仕事の専門性を社会に示す根拠にもなります。移行という目先の作業の先に、こうした前向きな変化が控えていることも知っておくと、夏の作業へのモチベーションが少し変わってくるはずです。
移行でつまずかないための実務チェックポイント
移行作業でつまずきやすいポイントを先回りで確認する
説明会動画の「よくあるお問い合わせ」でも触れられているとおり、移行作業には事前に押さえておくと安心なポイントがいくつかあります。最初の関門は電子証明書です。すでに電子請求受付システムでレセプト請求をしている、またはケアプランデータ連携システムを使っていて、同じ端末でLIFEを開く予定の事業所なら、証明書は共通で使えるため再インストールは不要です。逆に、LIFE専用に別のPCやタブレットを使っている場合は、その端末ごとに証明書をインストールする必要があります。複数拠点・複数端末で運用している大規模法人ほど、どの端末に証明書が入っているかを早めに棚卸ししておくと、月末の駆け込み作業を避けられます。
次に注意したいのが、旧システムで移行操作を実行すると、その瞬間から旧システムは「参照のみ」に切り替わるという仕様です。移行前に登録したかったデータがあれば、操作を実行する前に旧システム側で済ませておく必要があります。また、新システムでの再登録作業は旧システムでの移行完了の翌日以降になるため、「今日移行して今日から新システムでフル入力」とはいきません。月末提出に間に合わせたい加算がある場合は、提出期限から逆算して数日の余裕を見込んだスケジュールを組むのが安全です。
管理者と入力担当者で「役割分担」を決めておく
移行作業は、事業所管理者(管理ユーザー)が起点となって進めます。管理ユーザーが先に新システムにログインして管理ユーザー情報を再登録し、その後で操作職員が自分のログイン情報を初期化・再設定するという順序です。日々のLIFE入力を操作職員に任せている事業所では、「管理者が証明書とデータ移行を担当し、入力担当者は再登録と動作確認を担う」といった役割分担をあらかじめ決めておくと、作業が滞りません。
そして移行が終わったら、過去に提出したデータが正しく引き継がれているか、フィードバック票が従来どおり閲覧できるかを必ず確認しましょう。LIFEのフィードバックは、利用者のADLや栄養状態の推移を全国データと比較してケアの見直しに使う、科学的介護の心臓部です。ここが見られなくなると、せっかくの加算がデータ提出のためだけの「作業」に逆戻りしてしまいます。移行を機に、フィードバックをカンファレンスやケアプラン更新にどう活かすかをチームで再確認しておくと、夏以降のLIFE運用がぐっと前向きなものになります。
参考文献・出典
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まとめ
厚生労働省が介護保険最新情報Vol.1504で公開した解説動画と操作マニュアルは、LIFEの国保中央会への移管にあたり、現場が迷わず移行作業を終えられるよう用意されたものです。移行期間は5月11日から7月31日まで。この期限までに電子証明書の準備・データ移行・利用者情報の再登録を済ませなければ、科学的介護推進体制加算をはじめとするLIFE関連加算を継続して算定できなくなります。旧システムは9月1日に停止するため、夏前のこの数週間が文字どおりの正念場です。期限を「最終ライン」と考え、実務上は6月から7月前半のうちに移行を終えておく心づもりでいると、月末の提出に慌てずに済みます。
もっとも、バックアップファイルの授受が不要になり、ログインも簡素化された新システムは、移行さえ乗り切れば日々の入力をむしろ楽にしてくれます。そしてLIFEと介護情報基盤の接続は、データを多職種・地域で共有する「科学的介護」の本格運用へとつながっていきます。LIFEや介護記録ソフトを使いこなせるスキルは、これからの介護職にとってキャリアの選択肢を広げる確かな武器です。この移行を、自分の働き方や強みを見つめ直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
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