介護のハタラクナカマ
記事一覧地域から探す働き方診断
介護のハタラクナカマ

介護職の転職に役立つ情報をお届けします。

運営:Selfem合同会社

最新記事

  • 埼玉県で働く介護職の給料・年収|全国比較・エリア別・施設別の実態
  • 介護福祉士が老健で働く|在宅復帰支援の要としての役割・給料・キャリア
  • ケアマネ×特定事業所加算|Ⅰ〜Ⅳ(A)の要件・単位数・年収への反映を読む

コンテンツ

  • 記事一覧
  • 地域から探す
  • 働き方診断

サイト情報

  • サイトについて
  • 会社概要

規約・ポリシー

  • 利用規約
  • プライバシーポリシー

© 2026 Selfem合同会社 All rights reserved.

📑目次

  1. 01ケアマネ法定研修の費用は「見えない高額コスト」
  2. 02ケアマネ法定研修の全体像|6種類の研修と受講タイミング
  3. 03各研修の費用相場と時間数|全国平均でいくらかかるか
  4. 04都道府県別の受講料|最大5万円超の地域差と独自分析
  5. 05事業所負担と自己負担|「全額自腹」は3人に1人
  6. 062026年更新制廃止の動向|費用負担はどう変わるのか
  7. 07補助金・給付金の活用|自己負担を半額以下にする方法
  8. 08費用負担を抑える5つの実践ポイント
  9. 09ケアマネ法定研修の費用に関するよくある質問
  10. 10参考文献・出典
  11. 11まとめ|法定研修費を味方につける働き方を
働き方診断を受ける
ケアマネ法定研修の費用|実務・更新・主任研修の相場と地域差・補助制度

ケアマネ法定研修の費用|実務・更新・主任研修の相場と地域差・補助制度

ケアマネの法定研修費用を研修種別・都道府県別に整理。実務研修5万7,565円・更新研修5万9,734円・主任ケアマネ研修4万7,031円の全国平均と、最大5万円超の地域差、東京都の4分の3補助、教育訓練給付金、2026年更新制廃止で変わる負担までを厚労省データで解説します。

ポイント

この記事のポイント

ケアマネ法定研修の全国平均受講料は、実務研修5万7,565円/更新研修(経験者・88時間)5万9,734円/主任ケアマネ研修4万7,031円です(厚生労働省・令和6年度調査)。都道府県差は実務で約5.5万円、更新で約5.2万円に達し、同じ資格でも住む地域で負担が大きく変わります。補助金や教育訓練給付金を使えば自己負担を4分の1〜半額まで圧縮可能で、2026年通常国会で成立が見込まれる更新制廃止後は費用の仕組みも変わる見通しです。

📑目次▾
  1. 01ケアマネ法定研修の費用は「見えない高額コスト」
  2. 02ケアマネ法定研修の全体像|6種類の研修と受講タイミング
  3. 03各研修の費用相場と時間数|全国平均でいくらかかるか
  4. 04都道府県別の受講料|最大5万円超の地域差と独自分析
  5. 05事業所負担と自己負担|「全額自腹」は3人に1人
  6. 062026年更新制廃止の動向|費用負担はどう変わるのか
  7. 07補助金・給付金の活用|自己負担を半額以下にする方法
  8. 08費用負担を抑える5つの実践ポイント
  9. 09ケアマネ法定研修の費用に関するよくある質問
  10. 10参考文献・出典
  11. 11まとめ|法定研修費を味方につける働き方を

ケアマネ法定研修の費用は「見えない高額コスト」

ケアマネジャー(介護支援専門員)として働き続けるには、試験合格後の実務研修だけでなく、5年ごとの更新研修、さらにキャリアアップを目指す主任ケアマネ研修と、複数の法定研修を受講する必要があります。いずれも受講料は数万円単位で、厚生労働省の調査でも受講料を「高い」「どちらかと言えば高い」と感じるケアマネが合計94.1%に上ることが明らかになっています。

しかも受講料は都道府県ごとに異なり、実務研修では最も高い千葉県と最も低い島根県で5万5,020円の差があります。同じ国家資格の取得・維持にここまで地域差が生まれる資格は稀で、「どの都道府県で働くか」が生涯のケアマネ関連コストを大きく左右するのが実態です。

この記事では、実務研修・専門研修Ⅰ・Ⅱ・更新研修・主任ケアマネ研修・主任更新研修までの受講料相場と時間数、都道府県別の最新データ、事業所負担と自己負担のパターン、東京都をはじめとする補助制度・教育訓練給付金、そして2026年に議論が進む更新制廃止後の負担の変化まで、公的データをベースに整理します。ケアマネ資格の取得・維持・更新を迷っている方、転職を検討している方の判断材料になる構成でまとめました。

ケアマネ法定研修の全体像|6種類の研修と受講タイミング

ケアマネの法定研修は、介護保険法および施行規則に基づき都道府県知事が実施する研修の総称です。現行制度(2026年4月時点)では、以下の6種類が主要な研修として位置付けられています。

現行制度における6種類の法定研修

  • 実務研修(87時間):介護支援専門員実務研修受講試験に合格した人が、ケアマネとして登録する前に必ず受ける入り口の研修。講義・演習に加え、居宅介護支援事業所等での3日間の実習が含まれます。
  • 再研修(54時間):登録後にケアマネとして実務に就かずに有効期間が満了した人、または過去に有効期間を満了した人が資格を復活させる際に受ける研修。
  • 専門研修課程Ⅰ(56時間):実務経験を積んだケアマネが、1回目の更新前に受講する研修。アセスメント・ケアプラン作成の実践力強化が中心です。
  • 専門研修課程Ⅱ(32時間):専門研修Ⅰを修了し、実務経験3年以上で受講する研修。事例を通じた多職種連携や主任ケアマネへのステップ前の内容を扱います。
  • 更新研修(32時間/88時間):介護支援専門員証の有効期間(5年)を更新する際に必要な研修。2回目以降の更新者は32時間、初回で専門研修Ⅰ・Ⅱを受けていない人は88時間と時間数が分かれます。
  • 主任介護支援専門員研修(70時間)+主任更新研修(46時間):実務経験5年以上のケアマネがキャリアアップのために受ける研修。主任ケアマネは居宅介護支援事業所の管理者要件となり、地域包括支援センターでも必須の資格です。

自分がどの研修を受けるべきかの判断軸

簡単に整理すると、受講する研修は「実務経験の有無」と「前回までに受けた研修」で決まります。

  • 試験に合格したばかり → 実務研修(87時間)
  • 実務経験なしで5年経過 → 再研修(54時間)
  • 実務経験あり・1回目の更新 → 専門研修Ⅰ+Ⅱ(合計88時間)または更新研修(88時間)
  • 2回目以降の更新 → 更新研修(32時間)
  • キャリアアップ(管理職・地域包括) → 主任介護支援専門員研修(70時間)
  • 主任ケアマネの更新 → 主任更新研修(46時間)

ケアマネとして働き続ける限り、合格直後の実務研修から引退までに少なくとも3〜5種類の法定研修を受講することになります。費用も時間も相応にかかるため、事前にライフプランに組み込んでおくことが重要です。

各研修の費用相場と時間数|全国平均でいくらかかるか

厚生労働省が公表した令和6年度の法定研修受講料調査によると、全国平均の受講料は以下の通りです。ケアマネ人生を通じた累計負担の目安を把握しましょう。

法定研修別の全国平均受講料(令和6年度)

研修種別時間数全国平均受講料対象者
実務研修87時間57,565円試験合格者(登録前)
再研修54時間約36,000円前後実務未経験・失効者
専門研修課程Ⅰ56時間約35,000〜40,000円実務経験者・1回目更新前
専門研修課程Ⅱ32時間約23,000〜25,000円実務経験3年以上
更新研修(経験者・88時間)88時間59,734円初回更新・実務経験者
更新研修(32時間)32時間約25,000〜30,000円2回目以降の更新者
主任介護支援専門員研修70時間47,031円実務経験5年以上
主任更新研修46時間約35,000〜40,000円主任取得後5年経過

※ 実務研修・更新研修(経験者)・主任研修の全国平均は厚労省公表値。その他は複数都道府県の公表値から算出した目安です。

合格から主任取得までにかかる累計費用

一般的なキャリアパスに沿って累計コストを概算すると、以下のようになります。

  • ステップ1(合格直後):実務研修57,565円
  • ステップ2(5年目):専門研修Ⅰ約37,000円+専門研修Ⅱ約24,000円=約61,000円
  • ステップ3(10年目):更新研修32時間 約27,000円
  • ステップ4(キャリアアップ):主任ケアマネ研修47,031円
  • ステップ5(主任更新):主任更新研修 約37,000円

合計で約22万〜23万円が、1人のケアマネが資格取得から主任ケアマネの1回目の更新を終えるまでにかかる法定研修費用の概算です。ここにテキスト代(1研修あたり5,000〜10,000円)や交通費・宿泊費が加わると、生涯コストは30万円近くに達する計算になります。

時間数の重さも無視できない

費用と同じく重いのが研修時間です。実務研修87時間・更新研修(88時間)は約11日間の拘束となり、その間は業務から離脱せざるを得ません。主任研修70時間は12日前後、主任更新でも46時間(約7日間)が必要で、勤務しながら受講するには事業所の理解と勤務調整が不可欠です。

都道府県別の受講料|最大5万円超の地域差と独自分析

ケアマネ法定研修の費用は、都道府県ごとに実施団体が異なるため、受講料にも大きな差があります。厚労省が公表した令和6年度の調査では、以下のような格差が浮き彫りになりました。

都道府県別・受講料の最高額と最低額

研修種別最高額(都道府県)最低額(都道府県)差額
実務研修77,800円(千葉県)22,780円(島根県)55,020円
更新研修(経験者・初回)83,680円(京都府)31,200円(島根県)52,480円
主任ケアマネ研修62,000円前後(広島県)20,000円台(秋田県)約4万円

主要都道府県の受講料例(令和7年度)

都道府県実務研修更新研修(88h)主任研修
東京都44,600円58,300円52,600円
大阪府60,300円公表値による公表値による
愛知県公表値による公表値による67,000円
福岡県58,000円――
島根県22,780円31,200円―
千葉県77,800円――

【独自見解】なぜこれほどの地域差が生まれるのか

kaigonews編集部が厚労省公表データを分析したところ、受講料の地域差には以下のような要因が重なっています。

  • 受講者数の規模の違い:東京都・大阪府のように受講者が多い大都市圏は、固定費を多数の受講者で按分できるため1人あたり単価を抑えやすい。一方、受講者の少ない県はスケールメリットが効かず単価が上がる傾向があります。
  • 実施団体の違い:都道府県の社会福祉協議会や介護支援専門員協会、外郭団体、大学など実施主体が異なり、運営コストの考え方や委託料に差があります。
  • 会場形式とオンライン活用度:集合研修中心の県は会場費・講師旅費が受講料に転嫁されやすく、オンデマンド・オンラインを積極活用する県は費用を抑えやすい傾向があります。
  • 公的補助の有無:島根県のように全国最低水準の受講料の県は、都道府県予算による補助が受講料に反映されているケースが多く、逆に補助がない県では受益者負担が膨らみます。

「どの県で働くか」が生涯コストを決める

試算すると、千葉県と島根県では、実務研修+更新研修(88時間)の2つだけで約10万円以上の差が生じます。ここに専門研修Ⅰ・Ⅱ、主任ケアマネ研修、主任更新研修を加えれば、ケアマネ人生全体で15〜20万円の差になる可能性があります。同じ国家資格でありながら、住む都道府県でここまでコスト構造が変わるのは、介護業界で働く上で見落とされがちな視点です。転職を検討する際は、給料だけでなく「研修費用の地域差」も加味するとトータルの手取りが見えやすくなります。

事業所負担と自己負担|「全額自腹」は3人に1人

ケアマネ法定研修の費用を「誰が払うのか」は、勤務先の方針によって大きく異なります。厚労省が令和4年度に日本総合研究所に委託して行った調査(ケアマネ1,122人対象)では、次のような結果が出ています。

法定研修費用の負担実態(厚労省委託調査)

  • 全額法人・事業所負担:51.2%
  • 一部法人負担(自己負担あり):13.7%
  • 全額自己負担(自腹):34.0%

つまり、およそ3人に1人のケアマネが受講料を全額自腹で負担している計算です。給与から10万円近い金額を支払うケースもあり、同調査では受講料を「高い」と感じる人が74.2%、「どちらかと言えば高い」が19.9%で、合計94.1%が費用負担を重く受け止めていることがわかります。

事業所負担にも3つのパターンがある

「事業所負担」と一口に言っても、実態は次のように分かれます。

  • パターンA:受講料を全額法人が直接支払う(最も手厚い)。大手法人・医療法人・社会福祉法人に多く、主任ケアマネ研修まで含めて補助する先進的な事業所もあります。
  • パターンB:一旦本人が立て替え、領収書提出で精算。中小事業所で多く、立替負担が数万円発生するため計画的な貯蓄が必要です。
  • パターンC:一部補助(例:上限3万円まで)。中小・独立系の居宅介護支援事業所で見られる方式で、超過分は自己負担となります。

独立系・小規模事業所は自腹リスクが高い

小規模な居宅介護支援事業所や独立型のケアマネ事業所では、1人のケアマネが長期研修に入ると業務が回らなくなる上、受講料補助の原資も確保しにくいため、自腹率が相対的に高くなる傾向があります。一方、特別養護老人ホームや介護老人保健施設など、施設ケアマネの職場は研修費用の全額負担に加えて、受講時の給与保障(出張扱い)も行うケースが多く見られます。

転職時には「法定研修費の扱い」を必ず確認

ケアマネの転職活動では、給料・夜勤・休日に目が向きがちですが、5年ごとに必ず発生する更新研修費用と、キャリアアップに伴う主任ケアマネ研修費用を誰が負担するのかは、実質的な待遇を左右する重要条件です。求人票や面接で、「法定研修の受講料・テキスト代・受講中の給与保障」を個別に確認することを推奨します。

2026年更新制廃止の動向|費用負担はどう変わるのか

ケアマネの費用負担に大きく関わるのが、2026年に本格化している更新制廃止の議論です。厚生労働省は2026年4月に介護保険法等の改正案を閣議決定し、現行の5年ごとの資格更新制を撤廃する方向で動き出しました。

改正案の主な内容(2026年4月時点)

  • 更新制の廃止:介護支援専門員証の5年ごとの更新制度を撤廃し、資格取得後は原則として無期限で有効とする。
  • 研修受講義務は継続:更新制を廃止しても資質向上の必要性から、法定研修の定期受講は法令上引き続き義務化。
  • 研修内容の柔軟化:オンデマンド化、分割受講、時間短縮、費用負担軽減などの見直しを検討。
  • 受講命令制度の導入:研修を受けないケアマネには都道府県知事が受講命令を発出でき、従わない場合は業務禁止となる可能性。
  • 施行時期:改正案成立後、政令で定める日(概ね2027年4月施行の見込み)。

費用負担はどう変わる見通しか

更新制廃止後も研修受講義務自体は残るため、費用がゼロになるわけではない点に注意が必要です。ただし、厚労省は以下の方向性を示しており、中長期的には負担軽減が期待されます。

  • 時間数の圧縮:現行で最大88時間の更新研修を、より短時間のモジュールに分割・整理する議論が進行中。
  • オンデマンド化:eラーニングを基本形とすれば会場費・講師旅費が圧縮され、受講料の引き下げ余地が生まれる。
  • 費用の国費・基金投入:都道府県の介護人材確保対策事業や補助金を拡充し、受講者負担を軽減する方向が議論されている。
  • 事業所負担のルール化:資質向上義務を事業所責任として位置付ける議論もあり、自腹率の低下が期待される。

施行までの過渡期に注意したいこと

2026年度中に更新期限を迎えるケアマネは、現行ルールに基づき従来通りの更新研修を受講する必要があります。また、改正法の施行日や研修制度の詳細は、成立後の省令・通知で順次明らかになる見込みです。自分の資格有効期間と改正のタイミングを照らし合わせ、無理に施行を待たず現行制度のもとで早めに研修計画を立てるのが安全です。特に主任ケアマネ研修は定員制で毎年満員になる地域も多いため、制度変更を理由に先送りすると、結果的にキャリアアップが遅れるリスクがあります。

補助金・給付金の活用|自己負担を半額以下にする方法

法定研修の費用負担を軽減する手段として、自治体の補助制度と国の教育訓練給付制度の2本柱があります。使える制度を知らずに全額自腹で払ってしまうのは避けたいところです。

1. 東京都の受講料補助事業(先進事例)

東京都は2025年度から「介護支援専門員法定研修受講料補助事業」を開始し、受講料の4分の3(75%)を補助しています。具体的には以下のような自己負担額になります。

  • 更新研修(88時間):受講料58,300円 → 補助43,700円 → 自己負担14,600円
  • 主任ケアマネ研修:受講料52,600円 → 補助39,400円 → 自己負担13,200円
  • 実務研修:受講料44,600円 → 補助33,450円 → 自己負担11,150円(目安)

東京都の補助は事業所を経由して申請する仕組みで、都内で働くケアマネであれば対象になります。他都道府県でも独自補助を行う自治体が増えており、神奈川県・大阪府・愛知県などでも検討・試行が進んでいます。自分の勤務地または住所地の都道府県・政令市のサイトで「介護支援専門員 研修 補助」を検索し、最新情報を確認するのが基本です。

2. 教育訓練給付制度(ハローワーク経由)

厚労省が所管する教育訓練給付制度は、雇用保険の被保険者または離職後1年以内の人が対象で、法定研修の一部が指定講座となっています。

  • 一般教育訓練給付:受講料の20%(上限10万円)をハローワークから受給
  • 特定一般教育訓練給付:受講料の40〜50%(上限20〜25万円)を受給。令和6年10月以降は最大50%に拡充

東京都福祉保健財団が実施する実務研修・更新研修(88時間)・専門研修Ⅰなどは特定一般教育訓練給付の対象講座に指定されており、受講修了日の翌日から1カ月以内にハローワークへ申請することで、受講料の半額が戻ってきます。愛知県をはじめ、多くの都道府県で法定研修が給付対象となっています。

3. 処遇改善加算・特定処遇改善加算の活用

事業所側の仕組みとしては、介護職員処遇改善加算の対象範囲にケアマネは含まれない一方、研修費用の負担を通じた処遇改善は経営的に進められるケースが増えています。主任ケアマネ取得後は、特定事業所加算(Ⅰ)〜(Ⅳ)の要件クリアにつながり、事業所にとっても加算収入増のメリットがあるため、研修費用を法人負担とする動機付けが働きます。

4. 併用で自己負担を最小化

最も効率的なのは、自治体補助+教育訓練給付+事業所負担を組み合わせる方法です。たとえば東京都で更新研修(88時間)を受ける場合、都の補助で自己負担14,600円まで下がり、そこから教育訓練給付を受ければ実質的な負担はさらに数千円まで圧縮できる可能性があります(制度併給の可否は自治体ごとに異なるため要確認)。

費用負担を抑える5つの実践ポイント

法定研修の費用を少しでも抑えるために、ケアマネ自身と転職希望者ができる実践的なポイントを5つ整理します。

ポイント1:求人選びで「法定研修費の扱い」を確認する

転職活動時、求人票や面接で「法定研修の受講料・テキスト代・受講中の給与の扱い」を必ず確認しましょう。全額法人負担・立替払い・一部補助のいずれかで生涯コストは大きく変わります。特に主任ケアマネ取得を目指すなら、「主任研修費も法人負担するか」を事前確認すべきです。

ポイント2:就業先の都道府県と受講する都道府県を合わせる

原則として受講する都道府県は「登録地」または「勤務地」に限定されます。高額県から低額県への越境受講は基本的にできないため、住所変更・転職を検討する段階で受講料の地域差を織り込むのが得策です。

ポイント3:教育訓練給付の事前手続きを忘れない

教育訓練給付は受講修了後の申請ですが、受講開始時に給付対象講座であることを確認し、キャリアコンサルティングを受けるなどの要件を満たす必要があります。ハローワークで「雇用保険被保険者期間」の要件も確認しておきましょう。

ポイント4:主任ケアマネ取得を早めに計画する

主任ケアマネ研修は定員制で、人気自治体では抽選になることもあります。実務経験5年を満たす直前から情報収集を始め、要件を満たした初年度に申し込むのが費用・機会損失の両面で有利です。先送りすると更新研修+主任研修の二重負担になるリスクもあります。

ポイント5:副次的コスト(交通費・宿泊費・テキスト代)を見落とさない

受講料以外に、テキスト代(1研修あたり5,000〜10,000円)、遠隔地からの交通費・宿泊費、受講中の収入減(自営・非常勤の場合)など、受講料の1〜2割程度の追加コストが発生します。事業所負担がある場合でもテキスト代は自己負担というケースが多いため、事前に確認しておきましょう。

ケアマネ法定研修の費用に関するよくある質問

Q1. 実務研修を受けないとケアマネとして働けませんか?

A. はい、実務研修の修了が介護支援専門員証の交付要件です。試験に合格しても、87時間の実務研修を修了して都道府県に登録申請をしなければ、ケアマネとして働くことはできません。全国平均で約5.7万円、低額の島根県で2.3万円、高額の千葉県で7.8万円が必要です。

Q2. 更新研修を受けなかったらどうなりますか?

A. 現行制度では、5年ごとの更新研修を受けないと介護支援専門員証が失効し、ケアマネとして業務を行えなくなります。再び働くためには再研修(54時間・約3.6万円)を受けて復活させる必要があります。2026年に更新制廃止が決まっても、研修受講義務自体は残るため、完全に免除されるわけではない点に注意が必要です。

Q3. 法定研修費を事業所に負担してもらうのは当たり前のことですか?

A. 厚労省の委託調査では全額事業所負担が51.2%、全額自己負担が34.0%で、「当たり前」とは言えない状況です。法人規模や事業所方針による差が大きく、転職時に必ず確認すべき条件の一つです。

Q4. 教育訓練給付を使うと受講料はどれくらい戻りますか?

A. 特定一般教育訓練給付の対象講座であれば、受講料の40〜50%(上限25万円)がハローワークから支給されます。令和6年10月以降に受講開始した場合は最大50%です。東京都福祉保健財団の実務研修・更新研修(88時間)・専門研修Ⅰなど、多くの都道府県の法定研修が給付対象に指定されています。

Q5. 主任ケアマネ研修は急いで受けた方が得ですか?

A. キャリアアップと費用の両面から考えると、実務経験5年の要件を満たした早い段階で申し込むのが有利です。主任ケアマネは居宅介護支援事業所の管理者要件となり、事業所の特定事業所加算の要件にも関係するため、取得するとケアマネ自身の給料アップや転職市場での評価向上にもつながります。

Q6. オンラインで受講できる研修はありますか?

A. 近年はeラーニングやオンライン研修を導入する都道府県が増えており、コロナ禍以降は東京都・大阪府・神奈川県など主要都市圏を中心に、講義部分のオンデマンド配信が一般的になりました。2026年の更新制廃止議論と合わせて、オンデマンド化がさらに進む見通しです。

Q7. 独立してケアマネ事業所を立ち上げたら、研修費用はどうなりますか?

A. 独立後は自分が経営者となるため、法定研修費は必要経費として計上できます。確定申告で経費計上すれば所得税・住民税が軽減され、実質的な負担は額面より軽くなります。ただし、立替払いの資金繰りが必要な点は変わらないため、法定研修時期を見越した資金計画が重要です。

参考文献・出典

  • [1]
    ケアマネ法定研修、全国の受講料公表 更新8万円超も 負担依然重く地域格差も 昨年度- 介護ニュースJoint(厚労省公表データを報道)

    令和6年度の全国平均受講料(実務57,565円/更新59,734円/主任47,031円)と都道府県別最高額・最低額

  • [2]
    介護支援専門員の資質向上に資する研修等のあり方に関する調査研究事業 報告書- 厚生労働省(令和4年度老人保健健康増進等事業)

    ケアマネ1,122人対象の受講料負担実態調査。自腹34.0%、一部法人13.7%、全額法人51.2%

  • [3]
    介護支援専門員法定研修受講料補助事業- 東京都福祉局

    令和7年度からの受講料4分の3補助制度。対象研修・補助率・申請方法の詳細

  • [4]
    介護支援専門員(ケアマネジャー)の研修について- 千葉県

    千葉県の実務研修・更新研修・主任研修の受講料・時間数・スケジュール

  • [5]
    教育訓練給付制度の活用について(介護支援専門員法定研修)- 愛知県

    法定研修に対する教育訓練給付(特定一般/一般)の申請手順と給付率

  • [6]
    教育訓練給付制度(東京都福祉保健財団ケアマネジャー専用サイト)- 東京都福祉保健財団

    実務研修・更新研修・専門研修Ⅰの教育訓練給付対象講座情報。最大50%給付

  • [7]
    介護保険法等の一部を改正する法律案(2026年閣議決定)関連資料- 厚生労働省 社会保障審議会介護保険部会

    ケアマネ更新制廃止を含む制度見直しの方向性と研修制度の柔軟化に関する検討資料

まとめ|法定研修費を味方につける働き方を

ケアマネの法定研修費は、受講料だけで実務研修約5.7万円・更新研修約6万円・主任ケアマネ研修約4.7万円と、ケアマネ人生を通じて累計20〜30万円に達する見えない固定コストです。さらに都道府県差が5万円を超え、事業所負担の有無で自己負担率も大きく変わるため、「同じ国家資格でも働く場所・職場で手取りが変わる」状況が続いています。

一方で、2026年に動き出した更新制廃止の改正案、東京都を筆頭に広がる自治体補助、最大50%が戻ってくる教育訓練給付など、負担軽減の選択肢は確実に増えています。これらを最大限活用するには、自分の所属する都道府県の制度を把握し、事業所選びの段階から法定研修費の扱いを条件に組み込むことが重要です。

ケアマネ資格を取得した後、「どの職場でキャリアを積むか」「主任ケアマネを目指すか」は、給料だけでなく研修コストの負担構造によっても大きく左右されます。法定研修費を味方につけられる職場を選ぶことが、長く安定してケアマネとして活躍するための土台になります。

今の職場で法定研修費の扱いに不安がある方、主任ケアマネを目指せる環境に転職したい方は、まずはご自身のキャリア志向を整理することから始めましょう。働き方診断では、研修費・給与・キャリア形成の3軸であなたに合う職場の方向性をチェックできます。

💡

続けて読む

ケアマネ試験の受験資格【2026年版】対象資格と実務経験5年の条件を解説

2026/1/5

ケアマネ試験の受験資格【2026年版】対象資格と実務経験5年の条件を解説

ケアマネジャー試験の受験資格を徹底解説。介護福祉士・看護師など対象となる国家資格21種類、実務経験5年以上かつ900日以上の条件、2018年の制度変更で廃止された要件、実務経験日数の正しい数え方まで詳しく紹介します。

ケアマネ試験の内容と日程【2025年度】出題範囲・問題数・試験時間を解説

2026/1/5

ケアマネ試験の内容と日程【2025年度】出題範囲・問題数・試験時間を解説

ケアマネジャー試験(介護支援専門員実務研修受講試験)の内容と日程を詳しく解説。出題範囲は介護支援分野25問と保健医療福祉サービス分野35問の計60問、試験時間120分。合格基準や当日の持ち物、申込スケジュールも紹介します。

ケアマネ試験の合格率と難易度【2024年度は32.1%】推移と対策を解説

2026/1/5

ケアマネ試験の合格率と難易度【2024年度は32.1%】推移と対策を解説

ケアマネジャー試験の合格率推移を過去10年分のデータで解説。2024年度(第27回)は32.1%と20年ぶりの高水準を記録。介護福祉士や社会福祉士など他資格との難易度比較、合格率が低い理由、一発合格のポイントも紹介します。

ケアマネ試験の勉強法【独学合格】おすすめテキストと学習スケジュール

2026/1/5

ケアマネ試験の勉強法【独学合格】おすすめテキストと学習スケジュール

ケアマネジャー試験に独学で合格するための勉強法を徹底解説。おすすめテキスト・問題集の選び方、6ヶ月・3ヶ月の学習スケジュール例、効率的な暗記法、過去問の正しい使い方まで。働きながら一発合格を目指す方は必見です。

ケアマネジャーの仕事内容とは?1日の流れ・やりがい・大変なことを解説

2026/1/5

ケアマネジャーの仕事内容とは?1日の流れ・やりがい・大変なことを解説

ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事内容を詳しく解説。ケアプラン作成、利用者・家族との面談、サービス事業所との連携調整など主要業務を紹介。1日のスケジュール例、やりがい、大変なことまでわかります。

ケアマネ法定研修の費用|実務・更新・主任研修の相場と都道府県別の差
  1. ホーム
  2. 記事一覧
  3. ケアマネ法定研修の費用|実務・更新・主任研修の相場と都道府県別の差
公開日: 2026年4月24日最終更新: 2026年4月24日

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。

📢NEW2026/4/24家事支援の国家資格、2027年秋に第1回試験|政府、保険外サービスで介護離職の歯止めへ→
📰

最新の介護業界ニュース

すべて見る →
家事支援の国家資格、2027年秋に第1回試験|政府、保険外サービスで介護離職の歯止めへ

2026/4/24

家事支援の国家資格、2027年秋に第1回試験|政府、保険外サービスで介護離職の歯止めへ

政府は2026年4月22日の日本成長戦略会議で、家事支援サービスの国家資格(技能検定)を新設する方針を決定。2027年秋に第1回試験を実施し、介護保険外サービスの品質担保と年間約11万人の介護離職抑止を狙う。制度の全体像と介護業界への影響を解説。

LIFE関連加算、未算定の50.0%が「算定したいができない」|厚労省調査、実務負担の壁が依然最大

2026/4/24

LIFE関連加算、未算定の50.0%が「算定したいができない」|厚労省調査、実務負担の壁が依然最大

厚労省の昨年度LIFE実態調査で、未算定事業所の50.0%が「算定したいが課題あり算定できていない」と回答。アセスメント・入力負担が壁となる現状、2026年5月のLIFE移管、2027年度改定の再編議論まで整理します。

介護予防支援の指定、居宅の16.3%のみ|三菱総研調査で判明、71.1%が「報酬が低い」

2026/4/23

介護予防支援の指定、居宅の16.3%のみ|三菱総研調査で判明、71.1%が「報酬が低い」

厚労省委託の三菱総合研究所調査で、2024年度改定で直接指定が可能になった介護予防支援を、居宅介護支援事業所の16.3%しか受けていないことが判明。指定後の課題は「報酬が低い」71.1%。制度設計と2027年改定への示唆を解説。

過疎地の介護維持へ新スキーム|2026年4月法案決定 「特定地域」で人員基準緩和・訪問介護に定額報酬導入

2026/4/23

過疎地の介護維持へ新スキーム|2026年4月法案決定 「特定地域」で人員基準緩和・訪問介護に定額報酬導入

政府は2026年4月3日、介護保険法等改正案を閣議決定。中山間・人口減少地域を対象に「特定地域サービス」を新設し、人員基準の緩和と訪問介護の定額報酬選択制を2027年度から導入する。制度の全体像と現場への影響を整理した。

ケアマネの処遇改善、41.9%の居宅が「行っていない」|厚労省委託調査で判明・大規模は62.4%が「法人方針」

2026/4/22

ケアマネの処遇改善、41.9%の居宅が「行っていない」|厚労省委託調査で判明・大規模は62.4%が「法人方針」

厚労省委託の三菱総合研究所調査で、居宅介護支援事業所の41.9%がケアマネ処遇改善を「行っていない」と判明。基本報酬が引き上げられたにもかかわらず、大規模の62.4%が「法人の方針」と回答。2027年度改定議論への影響を解説。

LIFE、5月11日から国保中央会の新システムへ移管|厚労省がQ&A公表、7月末までに移行必須

2026/4/22

LIFE、5月11日から国保中央会の新システムへ移管|厚労省がQ&A公表、7月末までに移行必須

厚労省は4月21日、介護保険最新情報Vol.1495でLIFEの国保中央会移管に伴うQ&Aを公表。新システム稼働は5月11日午前9時、旧システム新規申請は4月22日19時で締切、移行期限は7月31日。電子証明書取得と利用者情報再登録が必要。