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📑目次

  1. 01イントロ
  2. 02正社員ケアマネジャーの3つの勤務形態
  3. 03正社員ケアマネの1日のスケジュール
  4. 04月単位の業務サイクル|残業はいつ発生する?
  5. 05正社員ケアマネの年収・月収データ
  6. 06正社員 vs パート・派遣のリアル比較
  7. 07担当件数の実態|35件・44件・49件の3段階
  8. 08正社員ケアマネの残業実態
  9. 09正社員でケアマネをやるメリット
  10. 10正社員で続ける際の注意点
  11. 11正社員ケアマネのキャリアパス
  12. 12正社員求人を選ぶときの実務チェックリスト
  13. 13よくある質問(FAQ)
  14. 14参考資料
  15. 15まとめ
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正社員ケアマネジャーの働き方|担当件数・残業・年収の実像

正社員ケアマネジャーの働き方|担当件数・残業・年収の実像

正社員ケアマネジャーの仕事を、年収375,410円(厚労省R6調査)、担当44件、残業発生ポイント、主任→管理者キャリアまで一次ソースで解説。居宅・施設・地域包括の違いも整理。

ポイント

回答カプセル

正社員ケアマネジャー(介護支援専門員)の平均給与額は月額375,410円(厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」)で、賞与を含む年収は正職員男性 約437万円・女性 約395万円(賃金構造基本統計調査)です。居宅介護支援事業所の場合、1人あたりの担当件数は原則44件まで、ICT活用+事務職員配置で49件まで引き上げ可能ですが、件数が増えるほど書類業務と緊急対応が積み重なり、月初・月末に残業が集中しやすい構造です。正社員で続ける最大の利点は、主任介護支援専門員研修の受講要件(5年以上の実務経験)を満たして主任ケアマネ・管理者へ進める道筋にあります。

📑目次▾
  1. 01イントロ
  2. 02正社員ケアマネジャーの3つの勤務形態
  3. 03正社員ケアマネの1日のスケジュール
  4. 04月単位の業務サイクル|残業はいつ発生する?
  5. 05正社員ケアマネの年収・月収データ
  6. 06正社員 vs パート・派遣のリアル比較
  7. 07担当件数の実態|35件・44件・49件の3段階
  8. 08正社員ケアマネの残業実態
  9. 09正社員でケアマネをやるメリット
  10. 10正社員で続ける際の注意点
  11. 11正社員ケアマネのキャリアパス
  12. 12正社員求人を選ぶときの実務チェックリスト
  13. 13よくある質問(FAQ)
  14. 14参考資料
  15. 15まとめ

イントロ

ケアマネジャーは介護保険サービスの司令塔として、利用者の生活設計に深く関わる仕事です。一方で「ケアマネ=デスクワーク中心で残業が少ない」というイメージと、「担当件数の多さに追われて月末は徹夜」という現場の声には大きなギャップがあります。

このページでは、正社員(常勤)として働くケアマネジャーに絞って、年収・担当件数・1日のスケジュール・残業の実態・キャリアパスを、厚生労働省の一次データと2024年度介護報酬改定後のルールをもとに整理します。

パート・派遣ではなく「正社員でケアマネを続ける/目指す」方が、求人票の数字を読み解き、入職後のミスマッチを避けられるよう、居宅介護支援事業所・施設・地域包括支援センターという3つの主要な勤務先別の違いも併記しました。

正社員ケアマネジャーの3つの勤務形態

正社員ケアマネが働く現場は、大きく分けて居宅介護支援事業所・介護保険施設・地域包括支援センターの3つです。同じ「正社員ケアマネ」と呼ばれていても、担当する利用者数・業務の重心・求められるスキルが大きく異なります。

居宅介護支援事業所のケアマネ(居宅ケアマネ)

もっとも求人数が多いのが居宅介護支援事業所所属のケアマネです。在宅で生活する要介護者のケアプランを作成し、訪問介護・デイサービス・福祉用具レンタルなどの事業者と利用者をつなぎます。

  • 担当:1人あたり原則44件未満(2024年度改定後)
  • 業務の重心:月1回以上のモニタリング訪問、サービス担当者会議、給付管理
  • 勤務スタイル:外出が多く直行直帰やハイブリッド勤務を取り入れる事業所も増加

介護保険施設のケアマネ(施設ケアマネ)

特別養護老人ホーム(特養)・介護老人保健施設(老健)・介護医療院・介護付き有料老人ホームなどに配置される計画作成担当者です。施設内の入所者全員のケアプランを作成し、介護職・看護職・機能訓練指導員と日常的に連携します。

  • 担当:入所者100名に1名以上の配置基準(特養・老健の場合)
  • 業務の重心:カンファレンス進行、介護記録のフィードバック、家族対応
  • 勤務スタイル:夜勤はないが土日勤務が発生することも

地域包括支援センターのケアマネ(包括職員)

市町村が設置する地域包括支援センターには、主任介護支援専門員・社会福祉士・保健師の3職種が配置されます。要支援者のケアプラン(介護予防ケアプラン)作成だけでなく、虐待対応・権利擁護・地域ケア会議の運営など、行政的な役割も担います。

  • 担当:要支援者を中心に多数(地域包括は1人あたり制限なし)
  • 業務の重心:総合相談、虐待対応、地域ケア会議、認知症初期集中支援
  • 勤務スタイル:公的機関に近く土日休み・カレンダー通りが多い

本記事では、求人ボリュームが最も大きい居宅ケアマネを軸に、施設・地域包括との違いを補足する形で解説します。

正社員ケアマネの1日のスケジュール

正社員ケアマネの勤務時間は9:00〜18:00(休憩1時間)/週40時間前後が一般的です。同じ正社員でも、居宅と特養では1日の動き方が大きく違います。

居宅ケアマネ(居宅介護支援事業所)の1日

時間業務内容
8:30〜9:00出社・メール/FAX確認、当日のスケジュール調整
9:00〜10:00事務所で書類整理・電話応対・サービス事業所からの問い合わせ対応
10:00〜12:00利用者宅を訪問(モニタリング1〜2件)/必要に応じて病院・包括へ立ち寄り
12:00〜13:00休憩(外出先で取ることも多い)
13:00〜15:00サービス担当者会議の進行、または2件目の訪問
15:00〜17:00事務所に戻りケアプラン作成、給付管理、支援経過の入力
17:00〜18:00翌日の準備、新規依頼の電話対応、退社

居宅ケアマネは「1日に1〜2件の訪問+事務作業」というリズムで、外出時間と内勤時間がほぼ半々というのが標準的です。直行直帰やハイブリッド勤務を導入する事業所も増えています。

施設ケアマネ(特養)の1日

時間業務内容
8:30〜9:00出勤・申し送り、夜勤帯の出来事を確認
9:00〜10:00居室ラウンド、入所者の体調・生活変化の確認
10:00〜12:00カンファレンス、家族面談、ケアプラン更新
13:00〜15:00新規入所者のアセスメント、退所先調整、医療機関連絡
15:00〜17:00介護職への計画共有、施設内会議、書類作成
17:00〜17:30引き継ぎ・退社

施設ケアマネは外出がほぼなく、施設内で完結する代わりに介護現場と密に連動します。入所者は最大100名前後を1人で担当しますが、状態変化が緩やかな分、書類更新の頻度は居宅より低めです。

月単位の業務サイクル|残業はいつ発生する?

ケアマネ業務は「月単位でルーティン化されている」のが特徴で、繁忙期と閑散期がほぼ毎月同じタイミングで巡ってきます。これは正社員として年単位で働くうえで、必ず把握しておきたい構造です。

月初(1日〜10日)|実績入力と給付管理

  • 前月のサービス利用実績をシステムに入力
  • サービス事業者から届く実績報告と突合
  • 10日までに国保連へ給付管理票・サービス利用票(提供票)を伝送

10日が請求の締め切りであるため、毎月1日〜10日が最も残業が出やすい時期です。担当件数が多い事業所ほど、この時期に夜まで作業が集中します。

月中(11日〜20日)|訪問とモニタリング

  • 担当利用者宅へのモニタリング訪問(月1回以上が義務)
  • サービス担当者会議の開催
  • 新規依頼のアセスメント、ケアプラン作成

訪問とデスクワークが入り混じる期間です。利用者の状態変化に応じた緊急対応もこの時期に発生しやすく、困難事例を抱えるケアマネは突発残業が増えます。

月末(21日〜末日)|次月準備

  • 翌月のサービス利用票・提供票の作成と利用者・事業者への交付
  • 担当者会議資料の準備
  • 担当ケースのケアプラン見直し(要介護更新時など)

翌月のサービス開始に向けた書類業務が集中します。給付管理のルーティンと、認定更新が重なるケースが複数あると、月末も残業が発生しやすくなります。

正社員ケアマネとして長く働くコツは、この月次サイクルを意識して「月初・月末に休暇を入れない」「月中の隙間時間に書類を前倒しする」ことです。居宅介護支援事業所の管理者の中には、月初・月末の繁忙日にチーム内で書類作業を分担し、特定個人への偏りを防ぐ運用を取るところもあります。

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正社員ケアマネの年収・月収データ

正社員ケアマネの給与は、調査によって基準が異なるため、複数の一次ソースを並べて読むのが安全です。

厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」

処遇改善加算(旧加算)等を算定する事業所に勤務する常勤職員の給与を調査したものです。

  • 介護支援専門員(ケアマネジャー)の平均給与額:月額 375,410円
  • 介護職員(月額 約339,300円)より約3.6万円高い水準
  • 処遇改善加算等の取得状況や事業所規模で大きく上下する

「平均給与額」には基本給・諸手当・一時金(賞与)の月割り換算が含まれるため、賞与が手当として混在する点に注意が必要です。

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

こちらは「企業規模10人以上」を対象に正規・非正規の区分で集計されています。

区分月収賞与年収
正職員 男性30万5,700円70万2,900円437万1,300円
正職員 女性27万7,000円62万3,200円394万7,200円

男女差は約42万円ありますが、女性の比率が高い業種であるため、求人票では性別を問わず「年収400万円前後」がボリュームゾーンと考えるとよいでしょう。

勤務先別の年収レンジ(求人ボリュームから推定)

勤務先正社員年収レンジ(目安)特徴
居宅介護支援事業所360万〜450万円件数・特定事業所加算で差が出やすい
特別養護老人ホーム380万〜470万円処遇改善の恩恵を受けやすい
介護老人保健施設360万〜440万円支援相談員兼務で給与上振れも
介護付き有料老人ホーム400万〜500万円大手法人で年収レンジが広い
地域包括支援センター380万〜480万円主任ケアマネ手当が乗る

2026年6月|居宅介護支援に処遇改善2.1%相当の加算新設

従来、訪問介護や施設サービスにあった処遇改善加算が、居宅介護支援には適用されませんでした。2026年6月の臨時改定で居宅介護支援に2.1%相当の加算が新設される予定で、正社員ケアマネの給与にも反映されます。事業所単位での算定可否を求人面接時に確認しておくと、入職後の昇給幅を見通しやすくなります。

正社員 vs パート・派遣のリアル比較

同じケアマネ資格を持っていても、雇用形態によって年収・働き方・キャリアの選択肢が大きく変わります。

項目正社員(常勤)パート(非常勤)派遣
平均年収約400〜450万円約200〜300万円約350〜420万円
時給換算約2,100円1,500〜1,800円1,800〜2,300円
賞与2〜4ヶ月分が一般的原則なし/寸志程度派遣会社により異なる
退職金退職金共済等あり原則なし原則なし
担当件数原則35件以上(特定事業所加算事業所では45件未満)10〜20件程度15〜35件
主任ケアマネ研修受けやすい(実務経験5年でクリア)勤務日数次第で要件達成に時間派遣先が変わると経験継続性に難
管理者・独立への道◎△△

正社員を選ぶ意味

金銭面の差以上に大きいのは、主任介護支援専門員の受験要件である「5年以上かつ900日以上の実務経験」を満たしやすいこと、そして管理者ポストや法人内ローテーションで経験を積めることです。

将来「居宅介護支援事業所を立ち上げたい」「地域包括の主任ケアマネになりたい」という目標がある人ほど、正社員でキャリアの厚みを作る価値が大きくなります。

あえてパート・派遣を選ぶ場面

  • 家族の介護や育児で勤務時間を選べる柔軟性を優先したい
  • 居宅介護支援事業所の管理者経験を経て独立準備中で、実働時間をセーブしたい
  • 地域包括や別法人で経験の幅を広げる目的で短期的に複数事業所を経験したい

ライフステージに応じて正社員⇄パートを行き来するケアマネは少なくなく、正社員に戻れる地盤を持っているかが中長期の年収カーブを左右します。

担当件数の実態|35件・44件・49件の3段階

居宅介護支援事業所のケアマネは、ケアプランの質を担保するために1人あたりの担当件数に上限が設定されています。2024年度介護報酬改定により、3段階の運用に変わりました。

運営基準上の「35件」

居宅介護支援事業の人員基準では、ケアマネ1人あたりの担当件数は35件を標準とすると定められています。これは「過剰な担当を持たせない」ための運営基準で、35件を越えても直ちに違反にはなりませんが、各都道府県の指導監査の目安として機能しています。

逓減制適用の「44件」

介護報酬では、担当件数が一定数を超えると1件あたりの単価が下がる「逓減制」が設けられています。2024年度改定後は、原則として居宅介護支援費(Ⅰ)の対象は44件まで。45件目以降は単価の低い居宅介護支援費(Ⅱ)が適用されます。

ICT・事務職員配置で「49件」まで対応可

2024年度改定により、ケアプランデータ連携システムの活用と事務職員の配置の両方を満たす事業所では、逓減制の適用開始が45件以上に緩和され、最大49件までを通常単価で受けられるようになりました。事務職員は同一法人内の常勤換算でも認められ、運用ハードルは下がっています。

特定事業所加算事業所での独自の取り扱い

居宅介護支援費の特定事業所加算(Ⅰ〜Ⅳ・A)を算定する事業所では、ケアマネ1人あたりの担当件数を介護支援専門員1人当たり45名未満(居宅介護支援費(Ⅱ)を算定している場合は50名未満)とする独自要件があります。逆に言えば、特定事業所加算を取っていない事業所は数値要件が緩い分、件数を抱え込みやすい構造です。

独自見解|「44件正社員」の構造的リスク

担当件数の上限が44〜49件まで引き上げられたことで、現場の正社員ケアマネは1人あたりの仕事量がじわじわ増えています。特定事業所加算を取っている事業所は、加算分が処遇に反映されやすい一方、加算なしの事業所では「件数だけ多くて給与が増えない」状態に陥りがちです。

求人を比較する際は、年収だけでなく「特定事業所加算の有無・区分」「事務職員の配置の有無」「ケアプランデータ連携システム導入の有無」を確認することで、入職後の業務負荷をある程度見積もることができます。

正社員ケアマネの残業実態

「残業がほとんどない人もいれば、毎日2時間以上残る人もいる」というのが、ケアマネ業界の実情です。残業の多寡は個人の効率だけでなく、事業所の体制と担当ケースの組み合わせで決まります。

残業が多くなりやすい4つのタイミング

  1. 月初の給付管理(1日〜10日):前月実績の入力・突合・国保連伝送が集中
  2. 月末の次月準備(25日〜末日):サービス利用票・提供票の作成と交付
  3. 困難事例対応:独居・認知症・虐待疑い・看取り期など緊急性が高い対応
  4. 新規受け入れ:医療機関や地域包括からの依頼が重なるとアセスメントが圧迫

残業を抑える事業所の特徴

  • 事務職員が配置され、給付管理と請求事務を分業
  • ケアプランデータ連携システムで事業所間のFAX調整を削減
  • 主任ケアマネが管理者を兼ね、困難事例の振り分けを行う
  • 直行直帰やハイブリッド勤務を導入し、移動時間を業務時間として確保

みなし残業(固定残業手当)の有無を確認

居宅介護支援事業所の正社員求人では、「月20時間分のみなし残業手当を含む」といった給与表記が散見されます。この場合、表面上の月給が高く見えても、実際の残業がそれを下回らないと「残業した分が反映されない」状態になります。求人票では「みなし残業の有無・時間数」「超過分の取り扱い」を必ずチェックしましょう。

ストレスチェックの観点

正社員ケアマネは利用者・家族・医療職・行政・介護職の間に立つ調整役で、感情労働が大きい職種です。残業時間そのものよりも、「持ち帰り業務がないか」「サ担会議の調整がスムーズか」「困難事例を1人で抱え込んでいないか」が、長く続けられるかを左右します。

正社員でケアマネをやるメリット

1. 主任ケアマネへの最短ルートを歩める

主任介護支援専門員研修の受講要件は専任のケアマネとして5年以上かつ900日以上の実務経験です。正社員のフルタイム勤務であれば、5年で要件をクリアできますが、パートだと「900日以上」の積み上げに時間がかかります。主任ケアマネ取得は、地域包括支援センターへの転職や、特定事業所加算(Ⅰ)算定事業所での管理者ポストにつながる重要な節目です。

2. 安定した収入と社会保険

賞与・退職金共済・健康保険・厚生年金など、正社員ならではの待遇は中長期で大きな金額差となります。年収400万円・勤続20年であれば、退職金だけで300〜500万円規模の差が生まれることも珍しくありません。

3. 法人内ローテーションでキャリアを広げられる

大手社会福祉法人や医療法人グループでは、居宅→特養施設ケアマネ→法人本部の地域連携室、といった異動を通じたキャリア形成が可能です。1つの現場に固定されない正社員は、法人内のさまざまなサービス類型を経験でき、独立や転職時の幅も広がります。

4. 教育・研修制度を会社負担で受けられる

更新研修・主任研修・専門研修などは費用が高額(合計10〜20万円規模)ですが、正社員には費用補助・受講中の出張扱いを認める法人が多く、自己負担を抑えながらスキルアップできます。

5. 困難事例を組織で抱えられる

正社員でチーム体制が組まれている事業所は、虐待対応・看取り・成年後見の手続きなど1人では抱えきれない困難事例を、管理者・主任ケアマネと連携して進められます。これは精神面の安全弁として大きな価値があります。

正社員で続ける際の注意点

1. 担当件数のじわじわ増加に対する対策

2024年度改定で逓減制が緩和され、ICT+事務員配置の事業所では1人49件まで対応可能になりました。経営側にとっては効率化、現場側にとっては負荷増です。「件数が増えても給与に反映される仕組みがあるか」を、面接時に必ず確認しておきましょう。

2. みなし残業手当の固定化

「月20時間のみなし残業込みで月給○○万円」という求人は珍しくありません。実残業がそれ以下であれば得ですが、月初・月末で40時間を超えるような繁忙月は持ち出しになります。みなし残業の上限・超過分の支給有無を雇用契約書で明文化しているかが判断材料です。

3. 兼務による業務集中

居宅介護支援事業所では、管理者がケアマネを兼ねるケースが多く、自分自身が将来管理者になる可能性も高いです。管理業務(人事・労務・売上管理・運営指導対応)を未経験のまま引き受けることになりやすく、研修や引き継ぎの体制を確認しておく必要があります。

4. 介護報酬改定で収入が変わるリスク

ケアマネの収入源である居宅介護支援費は、3年に1度の介護報酬改定で単価・要件が変わります。法人の経営方針により賞与・基本給に影響するため、改定年度(2027年度・2030年度など)の前後は人事制度の動向を注視しましょう。

5. 訪問移動・天候リスク

居宅ケアマネは1日に1〜2件、月平均30〜40回の訪問を行います。自家用車利用の事業所では、雪国や山間部で冬季の事故リスクが高く、社用車・公用バイクの整備状況を求人で確認することも重要です。

正社員ケアマネのキャリアパス

ケアマネ資格取得後、正社員として5年・10年と働き続けると、年収だけでなく役職と業務領域が大きく変わります。

STEP1(1〜3年目)|担当ケースを安定化させる

  • 年収レンジ:350〜400万円
  • 担当件数:20〜30件からスタートし、徐々にフルケース(35〜44件)へ
  • 目標:給付管理を1人で完結できる、サ担会議を進行できる

STEP2(4〜6年目)|主任ケアマネ受講要件をクリア

  • 年収レンジ:400〜450万円
  • 専任ケアマネとして5年以上+900日以上の実務経験を達成
  • 目標:主任介護支援専門員研修を受講・修了。資格手当(5,000〜20,000円/月)が付くケース多数

STEP3(7〜10年目)|管理者・地域包括への登用

  • 年収レンジ:450〜550万円
  • 居宅介護支援事業所の管理者、または地域包括支援センターの主任ケアマネ
  • 目標:特定事業所加算(Ⅰ)算定事業所の管理者として、加算手当を含む処遇向上

STEP4(11年目以降)|独立・統括

  • 年収レンジ:500〜800万円(独立時は事業所収益次第)
  • 居宅介護支援事業所の独立開業、または法人内の介護事業統括ポジション
  • 目標:自分の方針で事業所運営、地域連携の主導、後進育成

独立については、居宅介護支援は常勤ケアマネ1人+管理者兼務で開業可能な小資本ビジネスである一方、利用者を集めるまでに6〜12ヶ月の運転資金が必要です。社内独立支援制度(のれん分け)を持つ法人もあるので、長期キャリアを描く正社員は法人選びの段階から意識しておくとよいでしょう。

正社員求人を選ぶときの実務チェックリスト

同じ「正社員ケアマネ」の求人でも、年収・担当件数・残業の出方には大きな差があります。応募前に押さえておきたいポイントを整理しました。

給与・賞与の見方

  • 月給に「主任ケアマネ手当」「資格手当」が含まれているか
  • みなし残業手当の時間数と、超過分の追加支給ルール
  • 賞与は「年○ヶ月分」か「業績連動」か
  • 処遇改善加算・特定事業所加算の事業所配分ルール

業務体制の見方

  • 事業所のケアマネ人数(常勤2.8人/事業所が全国平均)
  • 事務職員が配置されているか(49件まで対応可能になる条件)
  • ケアプランデータ連携システムの導入有無
  • 主任ケアマネが管理者として在籍しているか(特定事業所加算の要件)

働き方・休暇の見方

  • 直行直帰の可否、ハイブリッド勤務の運用
  • オンコール・夜間緊急対応の頻度(特定事業所加算事業所では24時間連絡体制が必須)
  • 有給休暇の取得率、夏季・年末年始の休暇
  • 育児・介護休業の利用実績

キャリア支援の見方

  • 主任ケアマネ研修・更新研修の費用負担
  • 研修受講中の出勤扱い・代休
  • 法人内ローテーション、施設ケアマネ・地域包括への異動可否
  • 独立支援制度(のれん分け、出資制度)

判断のしかた

3〜5社を比較し、「年収」「担当件数の上限」「特定事業所加算の有無」「事務職員配置」の4軸でスコア化すると、求人票の見栄えに惑わされにくくなります。給与だけが高い求人は件数過多や残業前提のことも多く、長期で働くなら業務体制とキャリア支援を同等以上に重視するのが賢明です。

よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

Q. 正社員ケアマネの年収はいくらですか?

A. 厚労省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」によると、介護支援専門員の月額平均給与は375,410円で、年収換算では約450万円前後です。賃金構造基本統計調査では正職員男性 約437万円・女性 約395万円となっており、求人ボリュームゾーンは年収400万円前後です。

Q. 居宅ケアマネと施設ケアマネ、正社員ならどちらが稼げますか?

A. 求人ボリュームから見ると、介護付き有料老人ホームや特養(年収400〜500万円)の方が居宅介護支援事業所(360〜450万円)より高めですが、特定事業所加算(Ⅰ)を取る居宅事業所では加算分が処遇に反映され、施設より高くなることもあります。

Q. 担当件数が44件は本当にこなせますか?

A. 月1回以上の定期訪問が義務であるため、月22営業日で44件を訪問するには「1日2件」のペースが必要です。事務職員の配置とICTシステムを導入していない事業所で44件を抱えると、月初・月末の残業が増える傾向にあります。

Q. 主任ケアマネになるとどれくらい年収が上がりますか?

A. 主任ケアマネ手当として月5,000〜20,000円が一般的で、年間6〜24万円のアップ。地域包括支援センターや特定事業所加算(Ⅰ)算定事業所の管理者になると、ベースアップと管理職手当が加わって500万円超えも視野に入ります。

Q. みなし残業のあるケアマネ求人は避けるべきですか?

A. みなし残業自体が悪いわけではありません。月15〜20時間以内であれば実残業より高めに設定されている可能性もあります。重要なのは「超過分の追加支給があるか」「実残業時間と乖離していないか」を雇用契約書で確認することです。

Q. 派遣ケアマネから正社員に切り替えるメリットは?

A. 賞与・退職金・主任研修受講要件の達成しやすさ・管理者ポストへの登用といった、中長期的なキャリアの広がりです。家庭事情で短期的に派遣・パートを選ぶ場合でも、5〜10年単位で見ると正社員の累計年収が大きく上回るケースが多く見られます。

Q. 2026年6月の処遇改善加算新設で、いくら給与が上がりますか?

A. 居宅介護支援に新設される加算は2.1%相当で、事業所の介護報酬収入に乗算される形です。事業所が職員配分ルールをどう設計するかで個人の上昇幅は変わりますが、月数千円〜1万円程度の上振れが一つの目安です。

参考資料

  • [1]
    第127回社会保障審議会介護保険部会 議事録(2025年10月27日)- 厚生労働省

    ケアマネジャー資格取得要件の見直し(実務経験5→3年、診療放射線技師等の追加)に関する正式な提案資料・議事録

  • [2]
    令和6年賃金構造基本統計調査(職種別)- 厚生労働省

    診療放射線技師(平均年収549.8万円)と介護支援専門員(平均年収429.6万円)の年齢別・規模別の賃金データ

  • [3]
    令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果- 厚生労働省

    介護支援専門員の施設タイプ別平均給与額(特養41.6万円、老健40.4万円等)の元データ

  • [4]
    診療放射線技師国家試験受験資格の認定について- 厚生労働省

    診療放射線技師の資格制度・国家試験に関する公式ガイドライン

  • [5]
    公益社団法人 日本診療放射線技師会- 日本診療放射線技師会

    診療放射線技師の現状・将来需要・初任給調査などの一次資料を公開する職能団体

  • [6]
    ケアマネ資格制度の抜本的改革へ 取得要件の見直し・更新制廃止を提案- PT-OT-ST.NET

    第127回介護保険部会の改革案について、医療系専門職の視点から論点を整理した解説記事

  • [7]
    ケアマネの資格取得要件を緩和 厚労省方針 必要な実務経験年数を5年から3年に- 介護ニュースJoint

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まとめ|正社員でケアマネを続ける戦略

正社員ケアマネは、月給37.5万円・年収400万円前後という安定した給与水準と、主任介護支援専門員・管理者・地域包括職員・独立開業という幅広いキャリアパスを両立できる職種です。

一方、2024年度の介護報酬改定で1人あたりの担当件数の上限が引き上げられたことで、「件数過多なのに給与が連動していない」事業所も存在します。求人を選ぶ際は年収・担当件数・特定事業所加算の有無・事務職員配置・ICT活用の5点を必ず確認しましょう。

2026年6月には居宅介護支援に処遇改善2.1%相当の加算が新設される予定で、ケアマネの待遇改善は次のフェーズに入ります。今ある求人だけで判断せず、3〜5年後の制度変化と自分のキャリアを重ね合わせて、長く続けられる事業所を選んでください。

ケアマネジャーとして「自分に合った働き方」を整理したい方は、まず働き方診断で現在の優先順位を可視化することから始めてみましょう。

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公開日: 2026年5月1日最終更新: 2026年5月1日

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。

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