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訪問介護(ホームヘルパー)の給料・年収を徹底解説|正社員・パート・サ責の平均と収入アップ法

訪問介護(ホームヘルパー)の給料・年収を徹底解説|正社員・パート・サ責の平均と収入アップ法

訪問介護員(ホームヘルパー)の平均給料・年収を正社員・パート・サ責別に解説。令和6年度の最新データをもとに、資格別・地域別の給料比較や収入アップの方法を紹介します。

ポイント

この記事のポイント

訪問介護員(ホームヘルパー)の平均給料は月給約34.9万円(手当・一時金込み)、年収換算で約381〜420万円です(令和6年度介護従事者処遇状況等調査・賃金構造基本統計調査)。パート・登録ヘルパーの時給は1,400〜1,700円が相場で、介護施設のなかでも比較的高水準です。2026年6月の介護報酬臨時改定でさらなる賃上げが見込まれています。

訪問介護の仕事内容と給料の関係

訪問介護の給料を理解するためには、まず仕事内容と報酬の仕組みを知ることが重要です。訪問介護のサービスは大きく「身体介護」と「生活援助」に分かれ、それぞれ介護報酬の単価が異なるため、どのサービスを多く担当するかが給料に直接影響します。

身体介護と生活援助の違いと報酬単価

身体介護は、利用者の身体に直接触れて行う介護サービスです。食事介助、入浴介助、排泄介助、着替えの介助、体位変換、移乗・移動介助などが含まれます。一方、生活援助は、利用者が日常生活を送るうえで必要な家事を代行するサービスです。掃除、洗濯、調理、買い物代行などが該当します。

サービス区分時間介護報酬単価
身体介護20分以上30分未満2,670円
身体介護30分以上1時間未満3,870円
身体介護1時間以上1時間半未満5,670円
生活援助20分以上45分未満1,790円
生活援助45分以上2,200円

出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定」

身体介護は生活援助と比べて報酬単価が約1.5〜2倍です。事業所の収益に直結するため、身体介護を多く担当できるヘルパーは重宝され、時給が優遇されるケースもあります。パートや登録ヘルパーの求人では、「身体介護:時給1,800円、生活援助:時給1,400円」のようにサービス区分で時給を分けている事業所も少なくありません。

訪問件数と収入の関係

訪問介護員の1日あたりの訪問件数は、常勤の場合で平均4〜6件が一般的です。1件あたりの訪問時間は30分〜1時間が中心で、間に移動時間が入ります。

登録ヘルパーやパートの場合、収入は担当する訪問件数に比例します。身体介護を中心に1日5件担当できれば、生活援助のみで3件担当する場合と比べて日当に大きな差が生まれます。事業所によっては、一定の訪問件数を超えるとインセンティブ(件数手当)を支給しているところもあります。

訪問介護特有の「移動時間問題」

訪問介護で働くうえで必ず知っておくべきなのが、移動時間の取り扱いです。利用者宅から次の利用者宅への移動時間は、労働基準法上は「労働時間」に該当しますが、実態としてはこの時間に対する賃金が適切に支払われていないケースが一部で指摘されています。

厚生労働省は通達(平成16年8月27日基発第0827001号)で、訪問介護員の移動時間について「使用者の指揮監督下にある場合は労働時間である」との見解を示しています。具体的には、事業所から利用者宅への移動、利用者宅間の移動はいずれも原則として労働時間に含まれます。

転職や就職の際には、以下の点を必ず確認しましょう。

  • 移動時間に対して賃金が支払われるか
  • 移動手段(自転車・バイク・車・公共交通機関)と交通費の支給条件
  • 訪問間の待機時間(空き時間)の賃金支払い方針
  • 直行直帰が可能か、事業所への出勤が必要か

移動時間の扱いは、求人票の時給だけでは判断できない「実質時給」に大きく影響する重要なポイントです。移動時間を含めた実質時給で比較することで、本当に条件の良い事業所を見極めることができます。

訪問介護の平均給料・年収【正社員】

訪問介護員の平均給料・年収を表すイラスト

訪問介護事業所で働く常勤・正社員の介護職員の平均給料を、最新の公的データから確認しましょう。

月給・年収・手取りの目安

厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」によると、訪問介護事業所の常勤介護職員(月給制)の平均給与額は月額349,740円です。この金額には基本給のほか、各種手当や一時金(賞与の月割り分)が含まれています。

項目金額
平均給与額(月給・常勤)349,740円
年収換算(×12ヶ月)約420万円
手取り目安(額面の75〜85%)約262,000〜297,000円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」

なお、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」では、訪問介護従事者の所定内給与額は月額約26.6万円、年間賞与は約37.2万円で、年収は約381万円と算出されています。調査方法の違いにより数値に差がありますが、いずれも近年の処遇改善施策により上昇傾向にあります。

過去5年間の年収推移

訪問介護員の給料は、処遇改善加算の拡充により過去5年間で着実に上昇しています。以下は厚生労働省「介護従事者処遇状況等調査」に基づく、訪問介護事業所の常勤介護職員の平均給与額の推移です。

年度平均給与額(月額)前年比
令和2年度(2020年)約306,760円―
令和3年度(2021年)約315,170円+約8,400円
令和4年度(2022年)約326,680円+約11,500円
令和5年度(2023年)約336,330円+約9,700円
令和6年度(2024年)349,740円+約13,400円

出典:厚生労働省「介護従事者処遇状況等調査結果」各年度版

5年間で月額約4.3万円、年間約52万円の増加となっています。特に令和6年度は処遇改善加算の一本化による効果もあり、過去最大の上昇幅を記録しました。

全産業平均との比較

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、全産業の平均年収は約460万円です。訪問介護員の年収(約381〜420万円)は全産業平均と比べて約40〜80万円低い水準にありますが、その差は年々縮小しています。2020年時点では全産業平均との差が約100万円以上あったことを考えると、処遇改善の効果は確実に表れています。

基本給と手当の内訳

訪問介護員の給料は「基本給」と「各種手当」で構成されています。主な手当には以下のようなものがあります。

  • 資格手当:介護福祉士で月5,000〜15,000円、実務者研修で月3,000〜10,000円が相場
  • 処遇改善手当:処遇改善加算の原資から支給。月15,000〜30,000円程度
  • 通勤手当:訪問先への移動が多いため、交通費支給の条件は要確認
  • 早朝・夜間割増:早朝(6〜8時)や夜間(18〜22時)は時給25%増が一般的

ボーナス(賞与)の相場

訪問介護事業所の賞与は年間約37〜43万円が相場です(令和6年賃金構造基本統計調査)。ただし、事業所の経営状況や規模によって大きく異なり、処遇改善加算を一時金として賞与に上乗せするケースもあります。賞与なしの事業所も一定数あるため、転職時には必ず確認しましょう。

パート・登録ヘルパーの給料・時給

訪問介護はパートや登録ヘルパーとして柔軟に働ける点が大きな魅力です。雇用形態・給与形態別の給料を見ていきましょう。

時給の相場

訪問介護事業所でパート・非常勤として働く場合の時給相場は以下のとおりです。

雇用形態平均給与額(月額)実質時給
時給制・常勤275,100円約1,500〜1,700円
時給制・非常勤93,960円約1,400〜1,660円
日給制・常勤244,520円―
日給制・非常勤111,820円―

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」

訪問介護の時給は、デイサービス(約1,200〜1,400円)やグループホーム(約1,100〜1,300円)と比べて200〜400円ほど高い水準です。求人ボックスの2026年3月集計では、ホームヘルパーの平均時給は1,947円というデータもあります。

訪問介護の時給が高い3つの理由

  1. 1人で判断・対応する責任の重さ:施設と違い、利用者宅では基本的に1人で介護を行います。緊急時の判断力や臨機応変な対応力が求められるため、その責任に見合った時給が設定されています。
  2. 資格要件がある:訪問介護員として働くには最低でも介護職員初任者研修の修了が必要です。無資格では従事できないため、資格保有者に見合った報酬が支払われます。
  3. 慢性的な人手不足:訪問介護事業所の有効求人倍率は他の介護サービスより高く、人材確保のために時給を高く設定している事業所が多くあります。

登録ヘルパーの実質時給に注意

登録ヘルパーとして働く場合、注意したいのが「実質時給」の考え方です。訪問介護では利用者宅への移動時間が発生しますが、移動時間中の賃金が支払われないケースもあります。

たとえば、1日3件の訪問(各1時間)で移動時間が計1.5時間の場合、拘束時間は4.5時間ですが、実働は3時間です。時給1,500円の場合、拘束時間ベースでは実質時給1,000円に下がる計算になります。

ただし、厚生労働省は移動時間も労働時間に含まれるとの見解を示しています。求人応募時には「移動時間の扱い」「訪問間の待機時間の賃金」を必ず確認しましょう。

サービス提供責任者(サ責)の給料

訪問介護事業所でキャリアアップを目指す場合、まず目標になるのがサービス提供責任者(サ責)です。サ責は訪問介護計画の作成やヘルパーの指導・管理を担う管理職ポジションで、一般のヘルパーより高い給料が期待できます。

サ責の平均給料

項目サービス提供責任者一般の訪問介護員差額
平均給与額(月給・常勤)約370,000〜390,000円約349,740円+約2〜4万円
年収目安約440〜470万円約420万円+約20〜50万円

サ責には通常、役職手当(月10,000〜30,000円)が支給されます。さらに介護福祉士の資格手当も加わるため、月収で2〜4万円、年収で30〜50万円のアップが見込めます。

サ責の具体的な業務内容と責任

サービス提供責任者は、訪問介護事業所の運営において中核的な役割を担います。主な業務内容は以下のとおりです。

  • 訪問介護計画書の作成:ケアマネジャーが作成するケアプランに基づき、具体的な訪問介護の内容・手順・注意点を記載した計画書を作成します
  • ヘルパーの指導・育成:新人ヘルパーへの同行訪問による指導、定期的な技術研修の企画・実施を行います
  • シフト管理・人員配置:利用者のサービススケジュールとヘルパーのシフトを調整し、適切な人員配置を行います
  • 利用者・家族との連絡調整:サービス内容の変更や利用者の状態変化について、家族やケアマネジャーとの情報共有を行います
  • サービス担当者会議への出席:ケアマネジャーが主催する会議に出席し、訪問介護の専門的な立場から意見を述べます

一般のヘルパーが「介護の実務」を中心に担当するのに対し、サ責は「介護の実務+マネジメント業務」を行うため、より幅広いスキルが求められます。その分、給料にも明確な差がつきます。

サ責になるための要件

サービス提供責任者になるには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

  • 介護福祉士の資格を保有していること
  • 実務者研修を修了していること
  • (経過措置)介護職員初任者研修修了+実務経験3年以上 ※段階的に廃止

訪問介護で給料アップを狙うなら、まず実務者研修を修了し、介護福祉士の取得を目指しながらサ責ポジションを狙うルートが王道です。

サ責からのさらなるキャリアパス

サ責になった後も、さらなるキャリアアップの道が開かれています。

  • 管理者(事業所長):訪問介護事業所全体の運営を統括するポジションです。経営管理や人事・採用にも関わり、年収は500〜600万円が目安となります。サ責との兼務も多く、管理者手当(月20,000〜50,000円)が加算されます
  • エリアマネージャー:大手法人では複数の事業所を統括するエリアマネージャー職があります。年収は500〜650万円程度で、マネジメントスキルが重視されます
  • 独立開業:介護福祉士の資格とサ責の経験を活かし、自ら訪問介護事業所を開設する道もあります。訪問介護は他の介護サービスと比べて初期投資が少なく(事務所の確保が主な費用)、開業のハードルが比較的低い業態です。経営が軌道に乗れば年収700万円以上も可能ですが、利用者の獲得や人材確保などの経営リスクも伴います
  • ケアマネジャーへの転身:介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得し、居宅介護支援事業所で働く選択肢もあります。ケアマネジャーの平均給与は月額約37万円で、訪問介護の現場経験は大きな強みとなります

条件別の給料比較【資格・勤続年数・地域】

訪問介護員の給料は、保有資格・勤続年数・働く地域によって大きく変わります。それぞれのデータを確認し、自分の現在地と目標を把握しましょう。

保有資格別の平均給料

訪問介護事業所で働く常勤介護職員の、資格別の平均給与額は以下のとおりです。

保有資格平均給与額(月額)無資格との差
介護福祉士約350,000円+約60,000円
実務者研修約327,000円+約37,000円
初任者研修約325,000円+約35,000円
無資格約290,000円―

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」

介護福祉士を取得することで、無資格と比べて年間約72万円の収入差が生まれます。訪問介護では初任者研修が最低要件ですが、そこから実務者研修→介護福祉士とステップアップすることで着実に収入が上がります。

勤続年数別の平均給料

勤続年数所定内給与額(月額)
0年(初任給)約227,000円
1〜4年約244,000円
5〜9年約251,000円
10〜14年約278,000円
15年以上約289,000円

出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

勤続15年以上では月額約28.9万円で、初任時と比較して月額約6.2万円、年間で約74万円のアップとなります。訪問介護では年齢よりも経験年数が重視される傾向があり、40代・50代からの転職でも勤続年数を重ねれば着実に昇給していきます。

年齢別の平均年収

年齢平均年収
20〜24歳約319万円
25〜29歳約328万円
30〜34歳約360万円
35〜39歳約352万円
40〜44歳約363万円
45〜49歳約369万円
50〜54歳約359万円
55〜59歳約370万円
60〜64歳約347万円

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

訪問介護員の年収は30代以降ほぼ横ばいで推移し、55〜59歳でピーク(約370万円)を迎えます。60代でも約347万円と大きな落ち込みはなく、長く安定して働き続けられる職種であることがわかります。

都道府県別の平均給料(上位・下位)

都道府県所定内給与額(月額)
滋賀県313,200円
千葉県308,500円
大分県290,500円
東京都283,300円
愛知県266,000円
全国平均251,300円

出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

意外にも東京都が1位ではなく、滋賀県や千葉県が上位に入っています。これは事業所ごとの処遇改善加算の取得状況や、人手不足の度合いによる給料水準の違いが影響しています。ただし、生活コストを考慮した実質的な手取りでは地方のほうが有利なケースも多くあります。

他の介護施設との給料比較

訪問介護の給料は、他の介護施設・事業所と比べてどの程度の水準なのでしょうか。サービス種類別の平均給与を比較します。

サービス種類別の平均給与(月給・常勤)

サービス種類平均給与額(月額)訪問介護との差
介護老人福祉施設(特養)361,860円+12,120円
特定施設入居者生活介護361,000円+11,260円
介護老人保健施設(老健)352,900円+3,160円
訪問介護事業所349,740円―
介護医療院330,030円−19,710円
通所リハビリテーション319,310円−30,430円
小規模多機能型居宅介護305,220円−44,520円
認知症対応型共同生活介護(GH)302,010円−47,730円
通所介護(デイサービス)294,440円−55,300円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」

訪問介護は介護業界の中で上位の給料水準

訪問介護事業所の給料は、9つの主要サービス種類のなかで4番目に位置しています。特養や老健には及ばないものの、デイサービスより月額約5.5万円、グループホームより約4.8万円高い水準です。

特養・老健の給料が高い主な理由は夜勤手当です。これらの入所施設では月4〜5回の夜勤があり、1回あたり5,000〜8,000円の夜勤手当が支給されます。一方、訪問介護は基本的に日勤中心のため夜勤手当がつかないにもかかわらず、高い給料水準を維持しています。

当サイトが厚労省データを分析したところ、時給換算では訪問介護が最も効率的な場合があります。特養は月額で約1.2万円高いですが、夜勤による拘束時間を考慮すると、時間あたりの単価は訪問介護のほうが高くなるケースもあります。日勤中心で高い時給を得たい方にとって、訪問介護は有力な選択肢です。

訪問介護の給料を上げる6つの方法

訪問介護の給料を上げる方法を表すイラスト

訪問介護で働きながら収入をアップさせるには、複数のアプローチがあります。すぐに実行できるものから中長期的な戦略まで、6つの方法を紹介します。

1. 介護福祉士などの上位資格を取得する

最も確実な収入アップ方法は資格取得です。初任者研修から実務者研修、介護福祉士へとステップアップすることで、資格手当の増加に加えて基本給も上がります。

初任者研修→介護福祉士で月額約6万円、年間約72万円の収入差があるため、3年の実務経験を積んだら介護福祉士試験に挑戦することを強くおすすめします。

2. サービス提供責任者にキャリアアップする

前述のとおり、サ責になれば役職手当(月1〜3万円)が加わります。介護福祉士または実務者研修の修了が要件となるため、資格取得と併せて目指しましょう。管理業務が増える分、介護のスキルだけでなくマネジメント力も身につきます。

3. 身体介護の比率を増やす

訪問介護のサービスは「身体介護」と「生活援助」に大別されます。身体介護のほうが介護報酬の単価が高く(30分以上1時間未満で3,870円 vs 生活援助45分以上2,200円)、事業所の収益に直結するため、身体介護ができるヘルパーは重宝されます。

身体介護のスキルを磨いて担当件数を増やすことで、時給アップや正社員登用につながるケースもあります。

4. 早朝・夜間の訪問を担当する

早朝(6〜8時)や夜間(18〜22時)の訪問は、労働基準法の規定に加えて事業所独自の割増を設けていることが多く、通常の25〜50%増しの時給になるケースがあります。生活リズムに支障がなければ、早朝や夜間帯の訪問を積極的に引き受けることで収入アップが可能です。

5. 処遇改善加算の取得率が高い事業所を選ぶ

訪問介護事業所の処遇改善加算の取得状況は事業所によって異なります。加算率が高い事業所ほど職員への還元額も大きくなるため、転職時には「処遇改善加算の取得状況(加算I〜IVのどれか)」を必ず確認しましょう。

加算Iを取得している事業所と未取得の事業所では、月額で2〜3万円の差が出ることもあります。

6. より好条件の事業所に転職する

同じ訪問介護でも、事業所の規模や運営法人によって給料には大きな差があります。大手法人が運営する事業所は、福利厚生や昇給制度が整っている傾向にあります。

転職を検討する際は、以下のポイントを比較しましょう。

  • 基本給と手当の内訳
  • 賞与の支給実績(過去3年分)
  • 処遇改善加算の加算区分
  • 移動時間の賃金支払い方針
  • 資格取得支援制度の有無
  • 正社員登用制度の有無

2026年の賃上げ動向と今後の見通し

訪問介護員の給料は、2024年以降の処遇改善施策によって上昇ペースが加速しています。2026年の最新動向と今後の見通しを確認しましょう。

2026年6月の介護報酬臨時改定

2026年6月には介護報酬の臨時改定が実施される予定です。改定率はプラス2.03%で、介護職員1人あたり最大月額19,000円(6.3%)の賃上げが見込まれています(厚生労働省発表)。

この改定により、訪問介護事業所の常勤職員の平均給与は月額約36〜37万円、年収で約430〜440万円に達する可能性があります。

処遇改善加算の一本化が追い風に

2024年6月から介護職員処遇改善加算が「一本化」され、従来の3つの加算(処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ等支援加算)が統合されました。これにより、事業所の事務負担が軽減され、加算の取得率が向上しています。

加算取得率の向上は、そのまま職員の給料アップにつながるため、訪問介護員にとっては追い風となっています。

訪問介護の経営環境と給料への影響

一方で、訪問介護事業所は2024年の介護報酬改定で基本報酬が引き下げられた影響を受けており、経営が厳しい事業所も増えています。介護労働安定センターの調査では、訪問介護事業所の離職率は他のサービス種類より高い傾向にあります。

このため、給料水準を維持・向上させている「体力のある事業所」とそうでない事業所の二極化が進んでいます。転職先を選ぶ際は、事業所の経営状況や処遇改善への取り組みをしっかり確認することが重要です。

2040年に向けた長期見通し

厚生労働省の推計では、2040年度には介護職員が約69万人不足するとされています。訪問介護は特に人手不足が深刻な分野であり、今後も人材確保のための処遇改善は続くと見込まれます。長期的には訪問介護員の給料は上昇基調が継続すると考えられます。

訪問介護の給料に関するよくある質問

Q. 訪問介護の時給が高いのはなぜですか?

A. 主に3つの理由があります。①利用者宅で1人で対応する責任の重さ、②初任者研修以上の資格が必須であること、③慢性的な人手不足により採用競争が激しいことです。特に身体介護は介護報酬の単価が高く、事業所の収益に直結するため時給にも反映されます。

Q. 訪問介護は施設勤務より給料が低いですか?

A. 月額ベースでは特養や老健のほうが1〜2万円高い傾向にあります。ただし、施設の給料が高い主な要因は夜勤手当(月4〜5回で2〜4万円)です。夜勤がない訪問介護で月額約35万円は、時給換算では業界トップクラスの水準と言えます。

Q. 訪問介護のパートで月にいくら稼げますか?

A. 時給1,500円で1日4時間・週3日働いた場合、月収は約72,000円です。1日6時間・週5日なら月収約180,000円になります。早朝・夜間帯の訪問を増やしたり、身体介護の比率を上げることでさらに収入を増やすことも可能です。

Q. 登録ヘルパーと正社員ではどちらが稼げますか?

A. 月収ベースでは正社員(約35万円)が圧倒的に高くなります。ただし、登録ヘルパーは時給自体が高く(1,500〜1,700円)、扶養の範囲内で効率よく働きたい方には適しています。フルタイムで稼ぎたいなら正社員、柔軟性を重視するなら登録ヘルパーがおすすめです。

Q. 訪問介護で年収500万円は可能ですか?

A. サービス提供責任者や管理者になり、介護福祉士の資格手当と役職手当を合わせれば、年収450〜500万円に到達することは十分可能です。さらに、複数事業所を統括する管理者や法人の幹部クラスであれば年収500万円以上も現実的です。

Q. 訪問介護の給料は今後も上がりますか?

A. 上昇傾向は続くと見られています。2026年6月の介護報酬臨時改定では最大月額19,000円の賃上げが予定されており、2040年に向けて約69万人の介護人材不足が見込まれるなか、処遇改善施策は今後も継続・強化される方針です。過去5年間で月額約4.3万円上昇した実績もあり、中長期的な賃上げトレンドは続く見通しです。

Q. 訪問介護の給料に男女差はありますか?

A. 厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、訪問介護従事者の給与に男女間の大きな差はありません。訪問介護は女性の比率が高い職種(約8割)ですが、同じ資格・経験であれば男女で給与差が生じにくい職種です。男性の訪問介護員は身体介護の需要(特に体格の大きい利用者の介助)が高く、活躍の場が広がっています。

参考文献・出典

  • [1]
    令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果- 厚生労働省

    訪問介護事業所の平均給与額・サービス種類別比較データ

  • [2]
    令和6年賃金構造基本統計調査- 厚生労働省

    訪問介護従事者の年齢別・勤続年数別・都道府県別の給与データ

  • [3]
    令和5年度介護労働実態調査- 介護労働安定センター

    訪問介護事業所の離職率・労働条件に関する調査

  • [4]
    介護人材確保に向けた取組について- 厚生労働省

    処遇改善加算制度の概要・2040年の介護人材需給推計

まとめ

訪問介護員(ホームヘルパー)の給料は、常勤・正社員で月額約35万円、年収約381〜420万円です。介護施設のなかでは上位の給料水準で、パートの時給も1,400〜1,700円と比較的高い水準にあります。

給料アップのポイントをまとめると以下のとおりです。

  • 介護福祉士を取得すれば、無資格と比べて年間約72万円の収入差
  • サービス提供責任者になれば月額2〜4万円のアップ
  • 身体介護の担当や早朝・夜間帯の勤務で時給アップ
  • 処遇改善加算の取得率が高い事業所を選ぶことが重要

2026年6月の介護報酬臨時改定では最大月額19,000円の賃上げが見込まれるなど、訪問介護員の処遇は改善傾向にあります。日勤中心で自分のペースで働きたい方、人と向き合う仕事にやりがいを感じる方にとって、訪問介護は給料面でも魅力的な選択肢です。

💡

あわせて読みたい

訪問介護のメリット・デメリット

訪問介護のメリット

1. 利用者と1対1でじっくり向き合える

施設介護では複数の利用者を同時にケアしますが、訪問介護は1対1。一人ひとりに寄り添った丁寧なケアができます。「〇〇さんのために」という意識で働けるのが魅力です。

2. 夜勤がない

訪問介護は基本的に日勤のみ。夜勤による生活リズムの乱れがなく、体への負担が少ないです。夜勤が苦手な方、家庭との両立を重視する方に人気があります。

3. 自分のペースで働ける

特に登録ヘルパーは、働く時間を自分で決められます。子どもが学校に行っている間だけ、週3日だけなど、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。

4. 移動時間がリフレッシュになる

訪問先への移動中は、気持ちの切り替えができます。施設のように常に利用者と一緒にいるわけではないので、精神的なゆとりを保ちやすいです。

5. 人間関係のストレスが少ない

施設のようにチームで働くわけではないので、職場の人間関係に悩まされにくいです。苦手な同僚と毎日顔を合わせる必要がありません。

6. スキルアップしやすい

調理、掃除、身体介護など幅広い業務を一人でこなすため、総合的な介護スキルが身につきます。

訪問介護のデメリット

1. 一人で判断・対応する責任

現場では自分一人。困ったときにすぐ相談できる同僚がいません。緊急時の判断力や、一人で対応できるスキルが求められます。

2. 天候に左右される

雨の日も雪の日も、訪問は休めません。自転車やバイクでの移動が多いため、悪天候時は大変です。

3. 移動の負担

1日に何件も訪問するため、移動時間がかさみます。夏の暑さ、冬の寒さの中での移動は体力的にきついこともあります。

4. 利用者宅の環境差

訪問先によって環境は様々。清潔な家もあれば、そうでない家もあります。介護しにくい間取りや、エアコンがない部屋もあります。

5. 利用者・家族との相性

1対1だからこそ、相性が合わないとストレスになります。理不尽な要求や、ハラスメントに遭うケースもゼロではありません。

6. 給与が不安定(登録ヘルパーの場合)

登録ヘルパーは、利用者のキャンセルや入院で収入が減ることがあります。安定を求めるなら正社員がおすすめです。

訪問介護の1日の流れ

訪問介護員の1日は、雇用形態によって大きく異なります。ここでは「常勤(正社員)」と「登録ヘルパー(パート)」それぞれの典型的な1日を紹介します。

常勤ヘルパーの1日(例)

時間業務内容
8:30事業所に出勤、朝礼・申し送り確認
9:001件目訪問(Aさん宅):身体介護(入浴介助)60分
10:15移動(自転車15分)
10:302件目訪問(Bさん宅):生活援助(掃除・洗濯)45分
11:30移動(自転車10分)
11:453件目訪問(Cさん宅):身体介護(食事介助)30分
12:30事業所に戻り昼休憩(60分)
13:304件目訪問(Dさん宅):生活援助(調理・買い物)60分
14:45移動
15:005件目訪問(Eさん宅):身体介護(排泄介助・体位変換)30分
15:45移動
16:006件目訪問(Fさん宅):生活援助(掃除)45分
17:00事業所に戻り、記録作成・報告
17:30退勤

ポイント:1日の訪問件数は5〜7件程度。移動時間も含めてスケジュールが組まれます。

登録ヘルパー(パート)の1日(例)

時間業務内容
9:00自宅から直行で1件目訪問(Aさん宅):身体介護 60分
10:15移動
10:302件目訪問(Bさん宅):生活援助 45分
11:30午前の業務終了、自宅へ
(空き時間)家事、プライベート
16:00自宅から3件目訪問(Cさん宅):身体介護 30分
16:45業務終了、直帰

ポイント:登録ヘルパーは事業所に出勤せず、直行直帰が基本。空き時間を自由に使えるのがメリットです。

1回あたりのサービス時間

  • 身体介護:20分、30分、45分、60分、90分など
  • 生活援助:20分、45分が多い
  • 通院等乗降介助:往復で1〜2時間程度

のの働き方

のでは、様々な働き方が可能です。

勤務形態の選択肢

  • 日勤のみ:の中には日勤帯のみで働ける施設もあります
  • シフト制:早番・日勤・遅番・夜勤のローテーションが基本
  • パート・アルバイト:週2〜3日から働ける柔軟な雇用形態

で働く環境

エリアのでは、資格取得支援制度や研修制度が充実している施設が多くあります。での経験を積みながら、キャリアアップを目指すことができます。

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介護職の給料・年収|施設別・資格別の平均と給料アップ方法【2026年】

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公開日: 2026年4月4日最終更新: 2026年4月4日

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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