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📑目次

  1. 01施設選びに関わる介護サービスの供給データ
  2. 02施設選びの3つの分岐|要介護度・予算・看取り対応
  3. 03公的施設の費用|特養・老健・介護医療院の月額相場と特徴
  4. 04民間施設の費用|介護付き有料・住宅型有料・サ高住・グループホーム
  5. 05月額費用比較表|7類型の月額・入居一時金・対象者を一覧化
  6. 06予算別の選び方|年金月額10万・15万・25万円のケース
  7. 07費用が足りないときの公的支援|負担限度額認定・高額介護サービス費・生活保護
  8. 08施設選びの進め方|見学から入居までの5ステップ・チェックリスト
  9. 09参考文献・出典
  10. 10まとめ|7類型を1本のハブで比較し、自分に合う施設へ進む
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老人ホーム・介護施設の費用相場|7類型を月額・初期費用・自己負担で完全比較
ご家族・ご利用者向け

老人ホーム・介護施設の費用相場|7類型を月額・初期費用・自己負担で完全比較

特養・老健・介護医療院・介護付き有料・住宅型有料・サ高住・グループホームの7類型を月額相場・入居一時金・対象者で完全比較。負担限度額認定や高額介護サービス費など公的支援も解説。

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この記事のポイント

老人ホーム・介護施設の費用は、公的施設(特養・老健・介護医療院)が月額8〜18万円・入居一時金なし、民間施設(介護付き有料・住宅型有料・サ高住・グループホーム)は月額10〜35万円・入居一時金0〜数千万円と幅があります。要介護度・所得・看取り対応の3軸で類型を絞り、負担限度額認定(最大第1段階で居住費0円・食費300円/日)と高額介護サービス費(住民税非課税世帯で月額上限24,600円)の併用可否を必ず確認することが、年金収入で支払える施設を見つける最短ルートです。

📑目次▾
  1. 01施設選びの3つの分岐|要介護度・予算・看取り対応
  2. 02公的施設の費用|特養・老健・介護医療院の月額相場と特徴
  3. 03民間施設の費用|介護付き有料・住宅型有料・サ高住・グループホーム
  4. 04月額費用比較表|7類型の月額・入居一時金・対象者を一覧化
  5. 05予算別の選び方|年金月額10万・15万・25万円のケース
  6. 06費用が足りないときの公的支援|負担限度額認定・高額介護サービス費・生活保護
  7. 07施設選びの進め方|見学から入居までの5ステップ・チェックリスト
  8. 08参考文献・出典
  9. 09施設選びに関わる介護サービスの供給データ
  10. 10まとめ|7類型を1本のハブで比較し、自分に合う施設へ進む

「親の介護で老人ホームを探し始めたが、特養と有料老人ホームの違いも、月額20万円と書かれている本当の中身も分からない」。施設の費用は、月額利用料・入居一時金・要介護度別の介護保険自己負担・食費・居住費・日用品費が複雑に絡み合い、表面の数字だけでは比較できません。

このページは、厚生労働省の資料と当サイトの個別解説8記事を一覧で結ぶ「介護施設費用のハブ」です。まず7類型の月額・入居一時金を一覧表で全体像をつかみ、公的施設3類型と民間施設4類型をそれぞれ詳細記事へ案内します。そのうえで、年金月額10万円・15万円・25万円のケース別に「払える施設はどこか」を提示し、負担限度額認定や高額介護サービス費といった公的支援の使いこなしまで、入居申込までに知っておくべき判断材料を一本道で確認できる構成にしました。

はじめて介護施設を比較する方は、上から順に読むことで「自分の親に合う施設タイプ」と「想定すべき月の支払額」が見えてきます。すでに候補が絞れている方は、目次から該当施設の詳細記事に直接進んでください。

施設選びの3つの分岐|要介護度・予算・看取り対応

7類型を一気に比較する前に、まず「自分(または家族)の状況がどの分岐に当てはまるか」を整理しておくと、候補が一気に2〜3類型に絞れます。介護施設選びで最初に確認すべき分岐は次の3つです。

分岐1:要介護度

要介護度は施設を絞り込む最初のフィルタです。特別養護老人ホーム(特養)と介護医療院は原則「要介護3以上」、グループホームは「要支援2または要介護1以上で認知症の診断」、介護老人保健施設(老健)は「要介護1以上で在宅復帰を目指す」、介護付き有料老人ホームは「要支援1〜要介護5まで幅広く」、サ高住・住宅型有料は「自立〜要介護まで幅広いが介護が重くなると追加対応が必要」と、入居条件が明確に分かれます。要介護2以下で公的施設を希望する場合、特養は原則申し込めずグループホームか老健が選択肢になります。

分岐2:予算(年金+自己資金)

月額の支払い能力で見ると、年金収入のみ(月10〜15万円)の方は特養・老健・介護医療院といった公的施設、もしくは家賃の安いサ高住・住宅型有料が現実的な選択肢です。年金+預貯金で月25万円以上出せる場合は、介護付き有料老人ホームを含む全類型が候補になります。一時金についても「数百万円を出して月額を下げる」「一時金ゼロで月額を高めに払う」のどちらが家計に合うか、平均寿命までの想定総支払額で比較する視点が重要です。

分岐3:看取り対応・医療依存度

胃ろう・たん吸引・在宅酸素など医療処置が必要な方、または「最期まで同じ施設で過ごしたい」場合は介護医療院・看取り対応の特養・介護付き有料が候補。逆に「リハビリして自宅に戻りたい」のであれば老健、「認知症はあるが医療依存度は低く家庭的な生活がしたい」ならグループホームと、医療・看取りの軸で選択肢は大きく変わります。

この3軸で候補を絞ったうえで、次章以降の公的施設3類型・民間施設4類型の詳細記事に進んでください。

公的施設の費用|特養・老健・介護医療院の月額相場と特徴

公的施設(介護保険3施設)は入居一時金が一切不要で、月額利用料は介護保険の自己負担1〜3割+食費・居住費・日用品費で構成されます。低所得者向けの「負担限度額認定」が使えるため、年金収入のみの方でも入居しやすいのが最大の特徴です。ここでは3類型の役割と費用感を概観し、それぞれの詳細記事に案内します。

特別養護老人ホーム(特養)|終の棲家としての公的施設

特養は要介護3以上が原則で、月額相場は8〜15万円、入居一時金なし。看取り対応が標準で「終の棲家」として選ぶ家族が多い一方、人気施設では数十〜数百人の待機者がいて入居まで数か月〜数年かかるケースもあります。多床室か個室(ユニット型)かで月額が大きく変わり、住民税非課税世帯であれば負担限度額認定により月額5〜8万円まで抑えられる可能性があります。月額の内訳・所得別の負担限度額・追加費用の詳細は、特養(特別養護老人ホーム)の費用|月額・所得別負担限度額・追加費用の内訳を参照してください。

介護老人保健施設(老健)|在宅復帰のためのリハビリ施設

老健は在宅復帰を前提としたリハビリ施設で、原則3〜6か月の利用が想定されています。月額相場は8〜15万円、入居一時金なし。理学療法士・作業療法士・看護師が常駐し、医師も配置されるため医療面の安心感がありますが、長期入所はできず3か月ごとに退所判定があります。「特養の待機中の一時的な入所先」「退院後すぐに自宅に戻れないリハビリ期間」としての利用が中心です。費用の内訳と他施設との違いは老健(介護老人保健施設)の費用|在宅復帰前提のリハビリ施設の月額相場と内訳で詳しく解説しています。

介護医療院|医療と介護を一体で受ける公的施設

2018年に創設された介護医療院は、長期療養が必要な要介護者向けの公的施設です。胃ろう・たん吸引・経管栄養・看取りまで対応し、医師・看護師の配置基準が老健より手厚い点が特徴。月額相場は10〜18万円、入居一時金なし。医療依存度の高い方の受け皿として、療養病床から転換が進んでいます。所得別の自己負担と軽減策は介護医療院の費用は月額いくら?医療と介護を一体で受ける施設の自己負担と所得別の軽減策【2026年版】に詳述しました。

公的施設は「費用を抑えたい」「医療・看取りが必要」に強く、特養と介護医療院は要介護3以上が原則です。要介護2以下の場合は、次章の民間施設も併せて検討する必要があります。

民間施設の費用|介護付き有料・住宅型有料・サ高住・グループホーム

民間施設は入居一時金と月額の組み合わせが施設ごとに大きく異なるのが特徴。同じ「有料老人ホーム」でも、介護付きと住宅型では介護サービスの提供形態が違い、月額の見え方も別物になります。ここでは4類型の構造の違いと費用感、そして詳細記事へのリンクを整理します。

介護付き有料老人ホーム|介護サービス込みの定額型

「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設で、施設職員が介護サービスを提供し月額が定額化されるのが最大の特徴。介護保険の自己負担も要介護度別に月額固定なので家計の予測が立てやすい反面、月額相場は20〜35万円と高め、入居一時金も0〜数千万円と幅広い。終の棲家として看取りまで対応する施設が多く、医療連携も標準装備です。入居一時金の返還ルール(クーリングオフ・初期償却・償却期間)まで含めた費用構造は、介護付き有料老人ホームの費用|入居一時金・月額・返還金まで2026年最新ガイドで詳しく扱っています。

住宅型有料老人ホーム|介護は外部サービスを「組み合わせて」使う

住宅型は居住の場と介護サービスが分離されているのが特徴で、施設の月額(家賃+管理費+食費)に加え、訪問介護・通所介護を外部から個別契約する仕組みです。月額相場は15〜30万円、入居一時金0〜1000万円。介護保険の自己負担はサービス利用量に比例して変動するため、要介護度が上がるほど追加費用がかさみ「介護付きより高くつく」リスクもあります。外付け型の費用構造と上乗せリスクは、住宅型有料老人ホームの費用|介護保険サービス外付け型の費用構造と上乗せリスクを必ず確認してください。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)|賃貸+見守りの自由度

サ高住は高齢者向け賃貸住宅に「安否確認・生活相談」サービスが付いたもの。月額相場は12〜30万円、入居一時金は敷金20〜30万円程度が中心で、初期費用を抑えやすい類型です。介護が必要になれば住宅型と同様に外部の介護サービスを契約する形になり、自立〜要介護初期に向きます。家賃・共益費・介護サービス費の三層構造は、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の費用|家賃・共益費・介護サービス費の三層構造を完全解説で図解しています。

グループホーム|認知症の方の家庭的な共同生活

グループホームは認知症の診断がある要支援2・要介護1以上の方が、9名以下のユニットで家庭的な生活を送る地域密着型サービス。月額相場は10〜18万円、入居一時金0〜数十万円。認知症ケアの専門性が高く、住み慣れた地域で暮らし続けられる点がメリットですが、自治体(市区町村)の住民しか入居できない地域密着型である点に注意。地域差・月額の内訳はグループホームの費用|認知症対応型共同生活介護の月額・入居一時金・地域差をわかりやすく解説を参照してください。

民間4類型は「介護サービスが定額か変動か」「家賃と介護費が分離しているか」で大きく性格が分かれます。同じ月額20万円でも介護付きと住宅型では「将来の自己負担の上振れリスク」が全く異なるため、必ず構造の違いを理解したうえで個別記事に進んでください。

月額費用比較表|7類型の月額・入居一時金・対象者を一覧化

ここまで紹介した7類型を、月額相場・入居一時金・主な対象者・看取り対応の4軸で一覧化しました。施設選びの最初の絞り込みに、この表をブックマークして使ってください。

類型区分月額相場入居一時金主な対象者看取り
特別養護老人ホーム(特養)公的8〜15万円なし要介護3以上○
介護老人保健施設(老健)公的8〜15万円なし要介護1以上で在宅復帰目標△
介護医療院公的10〜18万円なし要介護1以上で長期療養が必要◎
介護付き有料老人ホーム民間20〜35万円0〜数千万円要支援1〜要介護5◎
住宅型有料老人ホーム民間15〜30万円0〜1000万円自立〜要介護(重度は要相談)○
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)民間12〜30万円敷金20〜30万円自立〜要介護初期△
グループホーム民間(地域密着)10〜18万円0〜数十万円認知症の要支援2・要介護1以上○

※看取り対応:◎標準対応、○施設による、△対応していない/限定的

表の読み方|数字に騙されないために

この一覧表で押さえるべきポイントは3つあります。

1つ目は、月額相場の「下限」と「上限」の差が大きい施設ほど、実際の支払額にばらつきが出ること。介護付き有料老人ホームは20〜35万円とレンジが広く、立地(都市部/地方)・居室の広さ・サービス内容で大きく変わります。

2つ目は、入居一時金は「平均値」と「中央値」で大きく違うこと。業界調査では介護付き有料老人ホームの一時金は平均574万円に対し中央値は275万円。一時金ゼロの施設も増えているので、平均値だけで判断しないようにしましょう。

3つ目は、看取り対応の有無は介護が重度化したときの転居リスクに直結すること。サ高住・老健は終身利用が前提ではないため、看取りまで同じ施設で過ごしたい場合は最初の候補から外すのが安全です。

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関連する主な介護用語

介護医療院入居一時金グループホーム看取り高額介護サービス費有料老人ホーム特別養護老人ホーム要支援

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予算別の選び方|年金月額10万・15万・25万円のケース

厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、老齢年金の平均受給額は厚生年金で約14.6万円、国民年金で約5.6万円。実際には月額10万円台前半の年金で施設を探すケースが最も多いのが現実です。ここでは年金月額の3パターンで「現実的に検討できる施設」を整理します。

ケース1:年金月額10万円|公的施設+負担限度額認定が必須

年金月額10万円(国民年金のみに近い水準)の場合、月額の上限はおおむね10万円程度。この水準で支払えるのは、住民税非課税世帯として負担限度額認定(第2段階)を受けた特養の多床室がほぼ唯一の選択肢です。第2段階では居住費370円/日(多床室)・食費390円/日まで軽減されるため、月額5〜8万円台に収まります。介護付き有料・住宅型有料・サ高住は家賃部分だけで予算を超えるため、現実的ではありません。預貯金が乏しい場合は、生活保護受給と組み合わせた特養入所も視野に入ります。

ケース2:年金月額15万円|公的施設+安価な民間施設まで

年金月額15万円(厚生年金の平均に近い水準)の場合、選択肢が一気に広がります。特養(ユニット型個室・負担限度額認定なし)、老健、介護医療院、地方の安価なサ高住・グループホームまでが現実的な候補に。月額15万円で生活費が出ないので、年金から13万〜14万円を施設費に充て、預貯金から日用品・医療費を補う設計が一般的です。介護付き有料・住宅型有料は、入居一時金を多めに払う「月額圧縮型」のプランなら手が届く施設も出てきます。

ケース3:年金月額25万円以上|全類型が候補に

年金月額25万円以上(厚生年金の上位層)または預貯金が潤沢な場合、全7類型が候補になります。介護付き有料の中位グレード(月額25〜30万円)まで無理なく支払え、看取りまで安心して任せられる施設を選べます。この層では「費用の上限」より「医療連携・看取りの質・立地」で施設を選ぶ意思決定が中心になり、入居一時金を払って月額を下げる方式が経済的に有利になるケースも多いため、平均寿命までの総支払額シミュレーションが重要です。

「年金だけで入れる老人ホーム」「お金がないときの選択肢」については、特集記事として年金だけで入れる老人ホームはある?お金がないときの選択肢|生活保護・負担限度額認定・特養の使い方で詳しく解説しているので、ケース1・2の方は必ず確認してください。

費用が足りないときの公的支援|負担限度額認定・高額介護サービス費・生活保護

「介護施設の費用が年金や預貯金で足りない」という不安に対し、日本の介護保険制度は低所得者向けの軽減策を複数用意しています。知らずに自費で全額支払い続けるのは大きな損失。3つの主要制度を必ず確認してください。

負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)|居住費・食費の軽減

介護保険3施設(特養・老健・介護医療院)に入所する低所得者を対象に、居住費と食費の自己負担に上限が設けられる制度です。第1〜第3段階の3区分があり、第1段階(生活保護受給者など)は居住費0円・食費300円/日、第2段階(住民税非課税世帯で年金収入80万円以下)は居住費370円/日(多床室)・食費390円/日まで軽減されます。第4段階(住民税課税世帯)は対象外で、有料老人ホームやサ高住など民間施設も対象外です。市区町村への申請が必要なので、特養入所が決まったら必ず手続きしてください。

高額介護サービス費|月額自己負担に上限

介護保険の自己負担額が一定の上限を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。住民税非課税世帯は月額上限24,600円(世帯)、住民税課税世帯は月額44,400円、課税所得380万円以上で93,000円、課税所得690万円以上で140,100円と所得別に4段階。施設サービス費の1〜3割負担が高くなる方ほど恩恵が大きく、要介護5の方は申請を忘れないようにしましょう。

生活保護|預貯金が尽きたときの最終セーフティネット

年金収入と預貯金で生活費・施設費を賄えない場合、生活保護を申請できます。生活保護受給者は負担限度額認定の第1段階が自動適用され、特養・老健・介護医療院では自己負担がほぼゼロに。さらに介護扶助で介護サービスの自己負担分も公費負担となります。施設選びの段階で生活保護の可能性が見えてきたら、入所予定施設のソーシャルワーカーや市区町村の福祉事務所に早めに相談を。

その他の軽減策|医療費控除・社会福祉法人軽減制度

確定申告で医療費控除が使えるケース(介護保険3施設の利用料の一部が対象)や、社会福祉法人が運営する特養で住民税非課税世帯向けに自己負担を軽減する社会福祉法人等利用者負担軽減制度もあります。市区町村ごとに使える制度が異なるため、地域包括支援センターで「うちの場合は何が使えるか」を相談するのが確実です。

施設選びの進め方|見学から入居までの5ステップ・チェックリスト

候補施設が絞れたら、実際の申込みから入居までを5ステップで進めます。介護施設の入居は人生で何度も経験するものではないので、各ステップで確認すべきポイントを事前に整理しておくと判断ミスを減らせます。

ステップ1:地域包括支援センター・ケアマネジャーに相談

地域包括支援センター(市区町村が設置する高齢者の総合相談窓口)に連絡し、本人の状況と希望条件を伝えます。すでに要介護認定を受けてケアマネジャーがついている場合は、まずケアマネに相談を。施設探しの代行はしてくれませんが、地域の施設情報・空き状況・地元の評判を教えてもらえる貴重な情報源です。

ステップ2:候補施設のリストアップ(2〜3類型・5〜10施設)

候補は2〜3類型・合計5〜10施設に絞るのが現実的。例えば「特養2件+介護付き有料3件+住宅型有料2件」のように、本命と保険を含めてバランスよく選びましょう。WAM NET(独立行政法人福祉医療機構の介護事業所検索)や自治体の施設一覧で基本情報を集め、月額・入居一時金・空き状況をスプレッドシートで管理すると比較が楽になります。

ステップ3:見学(最低3施設・できれば本人同行)

必ず複数施設を見学し、できれば本人も連れて行きます。チェックポイントは以下の通り。

  • 清潔感(廊下・トイレ・浴室・居室のニオイ)
  • 入居者の表情・職員の声かけ
  • レクリエーション・リハビリの実施状況
  • 食事(試食できれば最良)
  • 夜間の職員配置と医療体制
  • 看取り対応の有無と過去の実績
  • 追加費用が発生する項目(理美容・嗜好品・通院送迎など)

ステップ4:費用シミュレーションと家族会議

見学で得た情報をもとに、5年・10年の総支払額シミュレーションを作成。介護度の上昇による加算、看取り期の医療費なども想定に入れます。最終決定は本人+配偶者+子ども全員で行うのが鉄則。「兄弟の片方が決めて、あとから不満が出る」事態を避けるためにも、家族会議で合意形成を必ず行ってください。

ステップ5:申込・契約・入居

申込書を提出し、施設側の面談・健康診断書の提出を経て契約に進みます。契約書では「重要事項説明書」「利用契約書」「入居時保証金(一時金)の返還条件」を必ず確認。クーリングオフ(90日以内であれば一時金全額返還)の条件も契約書に明記されているかチェックしましょう。入居日が決まったら、住民票の移動・郵便物の転送・主治医への連絡などの実務を進めます。

参考文献・出典

  • [1]
    サービスにかかる利用料|介護サービス情報公表システム- 厚生労働省

    高額介護サービス費の月額自己負担上限(15,000円〜140,100円)、補足給付の4段階区分、要介護5多床室の自己負担構造を公的に解説

  • [2]
    高額介護サービス費の負担限度額が見直されます- 厚生労働省

    高額介護サービス費の所得別上限額の変遷と現行制度の根拠資料

  • [3]
    有料老人ホームの類型(別表)- 厚生労働省 老健局

    介護付き有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護)と住宅型有料老人ホームの公的な類型定義

  • [4]
    高齢者向け住まいを選ぼうとされている方へ(ガイドブック)- 厚生労働省

    有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅の費用構造(入居一時金・月額利用料)と支払い方法の公式ガイドブック

  • [5]
    介護保険最新情報 Vol.1390(介護保険料等における基準額の調整)- 厚生労働省 老健局 介護保険計画課

    2025年6月発出の最新通知。介護保険施設の居住費・食費基準額の改定情報

  • [6]
    介護事業所・生活関連情報検索(WAM NET)- 独立行政法人 福祉医療機構(WAM NET)

    全国の介護施設の所在地・空き状況・料金情報を検索できる公的データベース

関連する公的データ(本文の補足)

施設選びに関わる介護サービスの供給データ

施設選びでは、費用や入居条件の前に「候補になる施設タイプが地域にどれだけあるか」で選択肢の幅が決まります。施設タイプごとの供給には、公的施設と民間施設で正反対の地域差があります。本サイトが集計した厚生労働省由来のデータでは、特別養護老人ホームの事業所は全国に8,442件、75歳以上人口1万人あたりでは4.1件です。

サービス種別全国事業所数75歳以上1万人あたり最も供給が厚い県最も薄い県
特別養護老人ホーム8,442件4.1件島根県(6.8件)愛知県(2.7件)
有料老人ホーム4,462件2.1件東京都(4.4件)富山県(0.3件)
介護老人保健施設4,089件2.0件鳥取県(5.0件)東京都(1.0件)
グループホーム14,297件6.9件長崎県(14.2件)東京都(3.8件)

特別養護老人ホームの供給密度は、最も厚い島根県(75歳以上1万人あたり6.8件)と最も薄い愛知県(同2.7件)で約2.5倍の開きがあります。特養や老健などの公的施設は地方で手厚く、有料老人ホームは都市部に集中する傾向がはっきり出ています。住んでいる地域でどのタイプの供給が厚いかによって、現実的に狙える施設の種類と待機期間が変わります。

施設費用の比較では月額利用料だけでなく、入居一時金の償却条件と、要介護度が上がったときの加算の増え方まで見て総額で比べることが大切です。地域包括支援センターには「地域の特養の待機状況」を、民間施設は紹介センター任せにせず複数見学して「人員配置と夜間体制」を自分の目で確認しましょう。

出典: 厚生労働省 介護サービス情報公表システム掲載データに基づく本サイト集計(事業所数)、総務省統計局 人口推計(2024年10月1日現在)。事業所数は公開データの登録状況により変動します。

まとめ|7類型を1本のハブで比較し、自分に合う施設へ進む

老人ホーム・介護施設の費用は、「公的か民間か」「介護サービスが定額か変動か」「看取り対応の有無」の3軸で性格が大きく変わります。本記事の比較表で7類型の全体像をつかんだら、次は要介護度・予算・看取りの3つの分岐で候補を2〜3類型に絞り、それぞれの個別記事で詳細な費用構造を確認するのが最短ルートです。

もう一度、目的別の入り口を整理しておきます。

  • 公的施設で費用を抑えたい:特養(特別養護老人ホーム)の費用 / 老健の費用 / 介護医療院の費用
  • 民間施設で定額制を選びたい:介護付き有料老人ホームの費用
  • 外付け介護で自由度を重視したい:住宅型有料老人ホームの費用 / サ高住の費用
  • 認知症対応の家庭的な共同生活がいい:グループホームの費用
  • 年金だけで支払える施設を探している:年金だけで入れる老人ホーム

負担限度額認定・高額介護サービス費・生活保護といった公的支援は、申請しないと受けられない制度です。住民税非課税世帯の方は特に、市区町村への申請を後回しにせず、地域包括支援センターやケアマネジャーに早めに相談してください。

本記事と8本の個別記事を組み合わせれば、「自分の家族が払える施設はどこか」「費用の上振れリスクはどこにあるか」が必ず見えてきます。施設探しは家族の人生を左右する大きな決断です。情報を集めるところから一緒に、納得して進めていきましょう。

医療・健康情報に関する免責事項

本記事は、介護現場で働く方および介護職への転職を検討される方に向けた一般的な情報提供を目的としており、 個別の症状に対する医学的な診断・治療を行うものではありません。

ご本人・ご家族の症状やケア方法について判断が必要な場合は、必ず医師・看護師・薬剤師・言語聴覚士・理学療法士・作業療法士等の有資格者にご相談ください。 介護保険サービスの利用判断についてはケアマネジャー、行政手続きについては各市区町村の窓口にお問い合わせください。

掲載情報は公開時点の各種公的資料・業界資料に基づき作成していますが、最新の制度・診療ガイドライン等と異なる場合があります。

公開日: 2026年5月13日最終更新: 2026年6月12日

監修者

介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム

医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)

看護師介護福祉士ケアマネジャー

訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護保険、施設選び、在宅介護など、介護を受ける方・ご家族が判断に迷いやすいテーマを、公的情報と実務上の確認ポイントに沿って解説しています。

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