高齢者の血便・便に血が混じる|原因と家庭での対応・受診の目安
ご家族・ご利用者向け

高齢者の血便・便に血が混じる|原因と家庭での対応・受診の目安

高齢の親や家族の便に血が混じったとき、家庭で何を観察し、いつ・何科を受診すべきか。鮮血と黒いタール便で出血部位が違うこと、大腸がん・大腸憩室出血・虚血性腸炎・抗凝固薬の影響など、痔と決めつけず注意したい点を介護する家族の視点でやさしく解説します。

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この記事のポイント

便に血が混じる「血便」は、出血している場所によって見え方が変わります。鮮やかな赤色(鮮血)は肛門や大腸の出口に近い部分からの出血が多く、痔のほか大腸がん・大腸憩室出血・虚血性腸炎などが原因になります。一方、黒くてドロドロしたタール状の便(黒色便)は、胃や十二指腸など上の方の消化管からの出血を示すサインで、より緊急性が高いことがあります。高齢の方では「痔だろう」と決めつけず、血便があれば一度は消化器内科への受診をおすすめします。大量の出血、黒いタール便、強い腹痛、顔色が悪い・ふらつくといった症状があるときは、すぐに受診や救急相談を検討してください。

目次

高齢の親や家族のおむつ、トイレの便、トイレットペーパーに血がついていると、ご家族は強い不安を感じるものです。「痔だろうか」「がんではないか」と心配になる一方で、本人は「たいしたことない」と言って受診をいやがることも少なくありません。

血便(便に血が混じる、便の表面に血がつく、便全体が赤い・黒い)は、消化管のどこかで出血が起きているサインです。原因の多くは痔などの良性のものですが、高齢の方では大腸がんや、命にかかわる大量出血を起こす病気が隠れていることもあります。だからこそ「痔だろう」と自己判断せず、家庭で何を観察し、いつ受診すればよいかを知っておくことが大切です。

このページでは、介護をするご家族の視点で、血便の見え方による原因のちがい、高齢者で特に注意したい病気、家庭での観察のポイント、受診の目安と何科にかかればよいかを、公的機関や学会の情報をもとにやさしく整理します。診断や治療を自己判断するためのものではなく、落ち着いて受診につなげるための手引きとしてお使いください。

血便とは|血の色でわかる出血部位のちがい

血便とは、消化管(口から肛門までの食べ物の通り道)のどこかで出血が起き、その血液が便に混じったり、便の表面についたり、便そのものの色を変えたりした状態をいいます。出血している場所が肛門に近いほど血の色は鮮やかな赤に、遠い(上の方の)ほど黒っぽく変化します。これは、血液が腸を通る間に消化液の影響を受けて色が変わるためです。便の色を観察すると、おおよその出血部位を推測する手がかりになります。

鮮やかな赤色(鮮血便)

鮮やかな赤色の血が便につく、便と混じる、トイレの水が赤くなる、紙に血がつくといった見え方です。肛門や大腸の出口に近い部分(直腸・S状結腸など)からの出血で多くみられます。痔が代表的な原因ですが、大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸ポリープ、大腸がんなどでも鮮血便がみられます(メディカルノート)。なお、上部消化管で非常に急速に大量の出血が起きたときにも鮮血が出ることがあります(MSDマニュアル家庭版)。

暗い赤色(暗赤色便)

鮮血と黒色便の中間のような、暗い赤色の便です。大腸の奥のほうで出血が起こり、腸を通過する間に少し時間が経った場合にみられることが多いとされます(メディカルノート)。

黒くてドロドロした便(黒色便・タール便)

黒くて光沢があり、ドロドロした便で、「タール便」とも呼ばれます。タールとは石炭を煮詰めたときにできる黒くてドロドロした液体のことで、便の見た目がこれに似ていることからこう呼ばれます(メディカルノート)。黒色便は、出血部位が食道・胃・小腸など上の方の消化管にある場合に多くみられ(MSDマニュアル家庭版)、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃がんなどが疑われます。血を吐く(吐血)をともなうこともあります。黒いタール便は上部消化管からのまとまった出血を示すことがあり、注意が必要です。

粘り気のある血便(粘血便)

血液だけでなく、ベタベタした粘液が混じった便です。イチゴジャムのようと表現されることもあり、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、感染性の腸炎などでみられます(メディカルノート)。

ただし、便の色だけで原因の病気を確定することはできません。色はあくまで「どのあたりから出血していそうか」の目安であり、最終的な診断には医療機関での検査が必要です。

色だけで自己判断しないことが大切

便の色は「どのあたりから出血していそうか」のおおまかな手がかりにはなりますが、それだけで原因を確定することはできません。たとえば鮮血便だからといって必ず痔とは限らず、大腸の出口に近いがんや憩室出血でも鮮やかな赤い血が出ます。また、上部消化管から急に大量の出血が起きたときには黒色便ではなく赤い血が出ることもあります(MSDマニュアル家庭版)。さらに、鉄剤(貧血の薬)やイカ墨など一部の食べ物、ビスマス製剤などで便が黒くなることもあり、出血以外の理由で色が変わる場合もあります。判断に迷う色や見え方のときほど、自己判断せず医療機関で確かめることが安全です。

高齢者の血便で考えられる主な原因

血便の原因の多くは痔などの良性のものですが、高齢の方では次のような病気が背景にあることがあります。いずれも家庭で見分けることはできないため、「考えられる原因を知っておく」ことが、受診をためらわないことにつながります。

痔(痔核・裂肛)

もっとも身近な原因です。排便時に鮮やかな赤い血が紙につく、便の表面につく、ポタポタ落ちるといった出血がみられます。ただし「痔だと思っていたら大腸がんだった」というケースもあるため、痔の持病がある方でも、出血が続く・量が増える・便の様子が変わったときは自己判断せず受診することが大切です。

大腸がん・大腸ポリープ

高齢になるほど増える病気です。MSDマニュアル家庭版では、高齢者の軽度の消化管出血で最も一般的な原因は痔核と大腸がんとされています。早期では症状が乏しく、便潜血検査や血便がきっかけで見つかることがあります。便が細くなった、便秘と下痢を繰り返す、体重が減った、貧血を指摘されたといった変化があるときは特に注意が必要です。

大腸憩室出血

大腸の壁にできた袋状のくぼみ(憩室)の血管が傷ついて出血する病気です。日本人では高齢者の憩室保有率が20%に達するとされ、男性・高齢者・肥満の方、痛み止め(NSAIDs)やアスピリンを飲んでいる方に多いとされます(日本大腸肛門病学会)。腹痛をともなわず、突然まとまった量の赤い、または赤黒い血便が出るのが特徴です。多くは自然に止まりますが、再び出血することも少なくありません。

虚血性腸炎(虚血性大腸炎)

大腸に血液を送る血管の血流が一時的に低下し、腸の粘膜がダメージを受けて炎症を起こす病気です。突然の強い腹痛(左下腹部が多い)と下痢のあとに、鮮血を含む血便がみられるのが特徴です(日本大腸肛門病学会)。高血圧・糖尿病・脂質異常症など動脈硬化が進んだ高齢の方や、便秘がちな方に多いとされます。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍など上部消化管の出血

胃や十二指腸の潰瘍などから出血すると、血液が消化されて黒いタール便となって現れます。血を吐くこともあります。高齢の方は痛み止め(NSAIDs)を飲んでいることも多く、これが潰瘍や出血の一因になることがあります。

薬の影響(抗凝固薬・抗血小板薬・痛み止め)

心臓・脳血管の病気で血をさらさらにする薬(ワルファリンなどの抗凝固薬、アスピリンなどの抗血小板薬)や、痛み止め(NSAIDs)を飲んでいる高齢の方は少なくありません。MSDマニュアル家庭版では、これらの薬は消化管出血の原因や悪化要因になりうると説明されています。出血が止まりにくくなることもあるため、服用中の薬は受診時に必ず医師に伝えてください。なお、自己判断で薬をやめると、もとの病気(脳梗塞や心筋梗塞の予防など)のリスクが高まるため、中止の判断は必ず主治医に相談しましょう。

「いつもの痔」と決めつけないことが何より大切

血便で最も多い原因は痔ですが、ここに落とし穴があります。日本大腸肛門病学会も、赤い血を見ると「痔出血だろう」と安易に考えがちだが、血便の原因は多岐にわたるため自分だけで判断せず専門医に相談するよう注意を促しています。痔の持病がある方ほど「また痔だ」と受診を先延ばしにしやすく、その陰で進行した大腸がんが見つかることもあります。高齢の方は、(1)大腸がんが増える年代であること、(2)憩室出血や虚血性腸炎など高齢者に多い出血性の病気があること、(3)血をさらさらにする薬で出血しやすく止まりにくいこと、という三つの理由から、若い人以上に「血便を軽く見ない」姿勢が大切です。原因の特定は検査をしてはじめてできるものであり、家庭での見た目だけで「大丈夫」と結論づけることはできません。

家庭での観察ポイント|受診前に確認しておくこと

受診の前に、家庭で次の点を観察してメモしておくと、診察がスムーズになり、医師が原因や緊急度を判断しやすくなります。介護をするご家族が代わりに伝えられるよう、できる範囲で確認しておきましょう。本人がいやがらない範囲で行い、無理に便を採取する必要はありません。

1. 血の色と便の様子

鮮やかな赤か、暗い赤か、黒いタール状か。便の表面につくのか、便と混ざっているのか、トイレの水が赤くなるのか、紙につく程度か。スマートフォンで写真を撮っておくと、診察時に伝わりやすくなります。

2. 量と回数・いつから

少量(紙につく程度)か、便器が赤く染まるほどか。1回だけか、何度も繰り返しているか。いつから続いているか。出血量が多い、繰り返すときほど早めの受診が必要です。

3. ともなう症状

腹痛(場所・強さ)、下痢や便秘、吐き気・嘔吐、血を吐いていないか、発熱があるか。特に、顔色が悪い、ぼんやりする、立ち上がるとふらつく、冷や汗をかくといった全身の症状は、出血量が多いサインのことがあり要注意です。

4. 服用している薬

血をさらさらにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)、痛み止め(NSAIDs)を飲んでいないか。お薬手帳を用意しておくと確実です。

5. これまでの病気・健診結果

痔の持病、過去の大腸ポリープや大腸がん、便潜血検査の結果、最近の体重の変化など。家族に大腸がんの人がいるかどうかも、医師が知りたい情報です。

これらをメモやお薬手帳にまとめておけば、本人がうまく説明できない場合でも、ご家族が代わりに正確に伝えられます。

受診の目安|いつ・何科にかかればよいか

血便があったとき、まず受診を考える診療科は消化器内科です。肛門からの出血のように見えても、実際には大腸の奥からの出血であることもあるため、症状だけで判断せず消化器内科で診てもらうのが基本です。肛門の痛みが強く痔が疑われる場合は、肛門科(肛門外科)も選択肢になります。血便が1回だけでも、大腸がんなどの最初のサインである可能性があるため、「一度きりだから様子を見る」のではなく受診を検討してください。

すぐに受診・救急相談を検討したいとき

次のような場合は、夜間や休日でも早めの受診や救急相談(迷ったときは「#7119」などの電話相談も活用)を検討してください。

  • 黒くてドロドロしたタール便が出た、血を吐いた
  • 便器が真っ赤になるほど大量に出血している、何度も繰り返している
  • 強い腹痛をともなう
  • 顔色が悪い、ぼんやりする、立ちくらみ・ふらつき、冷や汗、意識がもうろうとする(出血量が多いサインのことがあります)

MSDマニュアル家庭版では、重い出血では脈が速くなり血圧が下がる、手足が冷たく湿る、進行すると錯乱や強い血圧低下(ショック)が起こることがあるとされています。こうした全身症状は、ためらわず救急を考えるべきサインです。

数日以内に受診したいとき

  • 少量でも血便が繰り返す、数日続いている
  • 40歳以上で初めて血便が出た(痔が疑わしくても大腸の評価を検討)
  • 便が細くなった、便秘と下痢を繰り返す、体重が減った、貧血を指摘された

落ち着いて受診を検討したいとき

  • 排便時に紙に少量つく程度で、痔の持病があり、これまでと同じ様子の出血

ただしこの場合も「いつもの痔」と決めつけず、出血が続く・変化したときは受診しましょう。判断に迷うときは、軽く見ずに医療機関へ相談するのが安全です。

受診すると何を調べるの?|検査の流れ

受診すると、出血の原因や場所を調べるために、症状や見え方に応じて次のような検査が行われます。検査の内容は医師が判断しますので、ここでは「だいたいこんな流れ」という目安として紹介します。

問診・診察

いつから、どんな色・量の血便が、どのくらいの頻度で出ているか、腹痛などの症状、服用中の薬、過去の病気などを確認します。家庭で観察したメモやお薬手帳が役立ちます。肛門からの出血が疑われる場合は、肛門の診察が行われることもあります。

便潜血検査

便に目に見えない血が混じっていないかを調べる検査で、大腸がん検診でも使われます。手軽な一方、出血のない大腸がんを見逃すこともあり、逆に痔などでも陽性になることがあるため、結果だけで診断は確定しません。陽性の場合は大腸内視鏡などの精密検査がすすめられます。

血液検査

出血による貧血の有無や程度、炎症の有無などを調べます。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

肛門から細いカメラを入れて大腸の中を直接観察する検査です。出血の原因(ポリープ・がん・憩室・炎症など)を見つけられるだけでなく、その場で組織を採取して調べたり、出血を止める処置(止血)を行えたりします。血便の原因を確かめるうえで中心となる検査です。

胃カメラ(上部消化管内視鏡)・CTなど

黒いタール便や吐血があり、胃や十二指腸からの出血が疑われる場合は胃カメラが行われます。大量出血で内視鏡だけでは出血部位がわかりにくいときは、CTや血管造影などで調べることもあります。

検査というと不安に感じるかもしれませんが、近年は鎮静剤を使って苦痛を抑えた内視鏡を行う医療機関も増えています。気になる点は受診時に相談してみましょう。

高齢者ならではの注意点|介護の場面で気づくために

高齢の方の血便には、若い人とは違ったむずかしさがあります。介護をするご家族が知っておきたい注意点を整理します。

  • 「痔だろう」と決めつけない。痔の持病があっても、その裏に大腸がんなど別の病気が隠れていることがあります。日本大腸肛門病学会も「痔出血だろうと安易に考えず、自分だけで判断せず専門医に相談を」と注意を促しています。
  • 症状が出にくいことがある。高齢の方は痛みや不調を感じにくかったり、うまく訴えられなかったりすることがあります。便やおむつの様子は、ご家族が気づいてあげられる大切なサインです。
  • 少しの出血でも貧血が進みやすい。もともと貧血ぎみだったり、慢性的に少量の出血が続いたりすると、気づかないうちに貧血が進むことがあります。顔色の悪さ、だるさ、息切れ、ふらつきにも気を配りましょう。
  • 薬の影響を見落とさない。血をさらさらにする薬や痛み止めを飲んでいると、出血しやすく、止まりにくくなることがあります。受診時には必ず服用中の薬を伝えてください。
  • 脱水や全身状態の変化に注意。下痢や出血が続くと脱水になりやすく、もともとの持病が悪化することもあります。水分がとれているか、元気があるかも見ておきましょう。

血便は、本人より先にご家族が気づくことが多い症状です。「いつもと違う」と感じたら、それを医師に伝えることが早期発見につながります。

やってはいけないこと・受診時に伝えるとよいこと

家庭でやってはいけないこと・避けたいこと

  • 「痔だから大丈夫」と自己判断して放置する。とくに高齢の方や、これまでと様子が違う出血のときは様子見をしない。
  • 自己判断で薬を中止する。血をさらさらにする薬や痛み止めを、医師に相談せず自分でやめると、脳梗塞・心筋梗塞などのリスクが高まることがあります。中止の判断は必ず主治医に相談を。
  • 市販の下痢止めや痛み止めでごまかす。原因がわからないまま薬で症状を抑えると、受診が遅れたり、かえって悪化したりすることがあります。
  • 大量出血・タール便・全身症状があるのに様子を見る。これらは緊急のサインのことがあり、ためらわず受診・救急相談を。

受診のときに伝えるとよいこと

  • 血便の色・量・回数・いつから(写真があれば見せる)
  • 腹痛・発熱・吐き気・吐血など、ともなう症状
  • 顔色・ふらつき・だるさなど全身の様子
  • 服用中の薬(お薬手帳を持参)
  • 痔・大腸ポリープ・大腸がんなどの既往、家族の大腸がんの有無
  • 最近の体重変化、便の太さや排便習慣の変化

これらをご家族が代わりに整理して伝えるだけでも、医師の判断は大きく助けられます。

よくある質問

Q. 血便が1回だけで、その後は出ません。受診しなくても大丈夫ですか?

A. 1回だけでも、大腸がんなどの最初のサインである可能性は否定できません。とくに高齢の方や40歳以上で初めて血便が出た場合は、痔が疑わしくても一度は消化器内科で相談することがすすめられます。様子を見るかどうかも含めて、医師に判断してもらうのが安全です。

Q. 黒い便が出ました。これも血便ですか?

A. 黒くてドロドロした「タール便」は、胃や十二指腸など上の方の消化管からの出血が消化されて黒くなったものの可能性があります。鉄剤や一部の食べ物で黒くなることもありますが、判断がむずかしいため、タール便や吐血があるときは早めに消化器内科を受診してください。

Q. 痔の持病があります。今回も痔だと思ってよいですか?

A. 痔があっても、別の病気が隠れていることがあります。これまでと出血の様子が違う、量が増えた、続く、腹痛や体重減少などをともなうときは、自己判断せず受診しましょう。

Q. 血をさらさらにする薬を飲んでいます。血便が出たら薬をやめるべきですか?

A. 自己判断で中止しないでください。中止すると脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが高まることがあります。血便があったことと服用中の薬を医師に伝え、続けるかどうかは医師に判断してもらいましょう。

Q. 受診のとき、便を持っていったほうがよいですか?

A. 無理に便を採取する必要はありません。便や出血の様子をスマートフォンで撮った写真があれば、色や量が伝わりやすく役立ちます。お薬手帳も忘れずに持参しましょう。

Q. 高齢の親が血便を受診したがりません。どう説得すればよいですか?

A. 「痔だろうから大丈夫」と本人が言っても、血便は大腸がんなど重い病気の最初のサインのことがあり、検査をしてはじめて原因がわかることを伝えましょう。「念のため一度だけ調べてもらおう」「写真を見せて相談するだけでも」と、受診のハードルを下げる声かけが有効です。タール便・大量出血・腹痛・ふらつきなどがあるときは緊急性が高いため、説得を待たずに医療機関や救急に相談してください。

Q. 便潜血検査が陽性でした。すぐ受診すべきですか?

A. 便潜血が陽性の場合は、目に見えない出血がある可能性があり、大腸内視鏡などの精密検査がすすめられます。陽性でも必ずがんというわけではありませんが、放置せず消化器内科や検診の案内に従って精密検査を受けてください。「痔があるから陽性なのだろう」と自己判断で精密検査を見送らないことが大切です。

参考文献・出典

  • [1]
    消化管出血- MSDマニュアル家庭版

    黒色便は食道・胃・小腸からの出血、血便は大腸からの出血が多いこと、高齢者の出血原因、アスピリン・NSAIDs・抗凝固薬がリスクになること、大量失血時の症状

  • [2]
    大腸憩室出血・虚血性腸炎|市民のみなさまへ- 日本大腸肛門病学会

    大腸憩室出血(腹痛をともなわない突然の血便・自然止血率約75%・再出血率約40%・高齢者の憩室保有率20%)と虚血性腸炎の特徴、痔と決めつけない注意

  • [3]
    血便の原因は? 痔?癌?それとも…?- 国立長寿医療研究センター

    高齢者の血便で注意すべき大腸憩室出血・虚血性腸炎、痔と安易に判断せず専門医へ相談すること

  • [4]
    血便の症状- メディカルノート

    鮮血便・暗赤色便・黒色便(タール便)・粘血便の色と出血部位・原因疾患の対応、タール便の名称の由来

  • [5]
    憩室疾患(憩室出血、憩室炎)- 兵庫医科大学病院

    大腸憩室出血は腹痛・発熱をともなわず突然の血便で発症すること、検査・治療・再発しやすさ

まとめ

便に血が混じる血便は、消化管のどこかで出血しているサインです。鮮やかな赤色は肛門や大腸の出口に近い部分からの出血が多く、痔のほか大腸がん・大腸憩室出血・虚血性腸炎などが、黒いタール便は胃や十二指腸など上の方の消化管からの出血が疑われます。高齢の方では「痔だろう」と決めつけず、血便があれば一度は消化器内科への受診を検討しましょう。

家庭では、血の色・量・回数・いつから・腹痛や全身症状の有無・服用中の薬を観察してメモしておくと、受診がスムーズになります。黒いタール便、大量出血、強い腹痛、顔色が悪い・ふらつくといった症状があるときは、ためらわず早めの受診や救急相談を。介護をするご家族の「いつもと違う」という気づきが、重い病気の早期発見につながります。不安なときは自己判断せず、医療機関に相談してください。

監修者

介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム

医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)

看護師介護福祉士ケアマネジャー

訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護保険、施設選び、在宅介護など、介護を受ける方・ご家族が判断に迷いやすいテーマを、公的情報と実務上の確認ポイントに沿って解説しています。

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