
ケアマネに向いている人・向いていない人の特徴|診断チェックリストと適性ガイド
ケアマネジャー(介護支援専門員)に向いている人の特徴を、現役ケアマネの仕事内容と公的データから整理。向いていない人の傾向と対処法、適性診断、未経験から目指す方法まで網羅します。
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この記事のポイント
ケアマネジャー(介護支援専門員)に向いている人の核は「複数情報を整理して計画に落とす段取り力」「医師・看護師・家族など立場の異なる人と調整する仲介力」「制度改正・最新サービスを継続的に学ぶ情報感度」の3つです。逆に向いていないとされる「報告連絡相談が苦手」「事務作業に強いストレス」「マルチタスク不向き」も、所属先選び(居宅/施設/地域包括)と業務分担で大幅にカバーできます。本記事では、適性チェックリスト10項目と現役ケアマネの仕事内容、所属タイプ別の特徴、そして年収・キャリアパスの実態を組み合わせ、あなたの適性を具体的かつ多面的に見極められる詳細な構成になっています。
目次
「ケアマネに向いてるかな」「介護福祉士として何年か働いたけど次のキャリアはケアマネで良いのか」と検索してたどり着いた方は、すでに介護分野に経験があり、5年後・10年後のキャリアを真剣に考えている段階にいる方が多いはずです。ケアマネジャーは介護保険サービスのコーディネーター役として、利用者・家族・医療機関・介護事業所をつなぐ立ち位置で動く専門職。受験資格に実務経験5年が必要で、合格率も近年は20〜30%台で推移(第26回21.0%→第27回32.1%→第28回25.6%)しており決して低くないため、本気で目指す前に適性を見極めておく価値があります。
本記事では、現役ケアマネの仕事内容と求められる能力を踏まえて「向いている人の特徴」「向いていない人の特徴と対処法」を整理し、最後に簡易な適性チェックリストを置きます。読み終わる頃には「自分はケアマネを目指すべきか/違う方向のキャリアアップが良いか」が言語化できるはずです。
結論を先に言うと、現場介護とケアマネは求められるスキルがかなり違います。現場で活躍している人ほど「自分にできるのか」と慎重になりがちですが、現場経験は確実にケアマネ業務の土台になります。性格より「事務作業・調整業務へのストレス耐性」を冷静に見極めることが、判断のカギです。本記事はケアマネジャー協会・厚生労働省の公的データと現場知見を組み合わせて、定量的な根拠から適性を判断できるように設計しています。
ケアマネジャーの仕事と求められる3つの中核能力
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、要介護認定を受けた利用者に最適な介護サービスを組み合わせた「ケアプラン」を作成し、その実施をモニタリングする専門職です。所属先は居宅介護支援事業所(在宅利用者担当)と施設(施設利用者担当)に大別され、地域包括支援センター所属型もあります。
中核能力1:複数情報を整理して計画に落とす段取り力
1人のケアマネは居宅で44件前後(令和6年度改定の人員配置基準は利用者44名に1名)、施設で100名超の利用者を同時並行で担当します。各利用者の介護度・家族構成・経済状況・希望サービス・主治医意見書を頭の中で整理し、ケアプランに落とし込む段取り力が最も基本的な能力です。日々の予定管理、訪問計画、書類提出期限管理など、マルチタスク処理能力が問われます。
中核能力2:立場の異なる関係者を調整する仲介力
ケアマネの利害関係者は、利用者本人・家族・主治医・サービス事業所・行政・福祉用具業者と多岐にわたります。それぞれが希望や立場を持つ中、利用者の自立支援を中心に置きながら調整するハブ役を担います。「医師の意見」「家族の希望」「本人の意思」が食い違う場面で、誰の意見も否定せず最適解を導く仲介力が、現場で最も評価される能力です。
中核能力3:制度改正・最新サービスを継続的に学ぶ情報感度
介護保険制度は3年ごとに改正され、加算要件・利用上限・対象サービスが頻繁に変わります。ケアマネは利用者に「使える制度」を正確に案内する責任があり、知識のアップデートを怠ると不利益な計画になります。研修受講・専門誌購読・行政通知のチェックなど、学習習慣がそのまま支援の質に直結する職種です。
ケアマネに向いている人の7つの特徴
1. スケジュール管理が得意で締切を守れる
ケアプランの提出期限・モニタリング訪問の月例実施・サービス担当者会議の招集など、ケアマネ業務は期限管理の連続です。手帳・カレンダーアプリで自分の業務を可視化し、約束した期限を守れる人が活躍します。
2. 聞き上手で相手の本音を引き出せる
利用者は希望をはっきり言わないことが多く、家族も建前と本音を使い分けます。表面的な要望ではなく「本当は何を望んでいるか」を引き出す傾聴力が、質の高いケアプランの土台になります。
3. 文書作成に苦手意識がない
ケアプラン、アセスメントシート、モニタリング記録、サービス担当者会議録など、書類作成業務が業務時間の3〜4割を占めます。「文章を書くのが苦ではない」「PCのタイピングに抵抗がない」人は適性があります。
4. 医療職と対等にコミュニケーションを取れる
主治医・訪問看護師・PT/OTなど医療専門職との連携が日常的に発生します。医療用語に拒否反応がなく、専門職にも率直に質問・意見できる人は、利用者にとって頼れるケアマネになれます。
5. 板挟みの状況でも冷静さを保てる
家族間の意見対立、サービス事業所と利用者の食い違い、行政方針との折り合いなど、板挟みになる場面は頻繁に発生します。感情的にならず、最終目標(利用者の自立支援)に立ち返って判断できる人が長く続きます。
6. 一人で動くことが苦にならない
居宅ケアマネは事業所を出て利用者宅・医療機関・サービス事業所を一人で訪問する仕事が中心です。一人で予定を組み、一人で移動し、一人で判断する場面が多いため、単独行動が好きな人に向きます。
7. 学習習慣がある(学び続けることが苦にならない)
介護保険制度の改正、新サービス、加算要件の変更など、知識のアップデートが半永久的に続きます。資格更新研修も5年ごとに受講が必須です。学ぶことを苦にしない、むしろ楽しめる人が向いています。
ケアマネに向いていない人の6つの特徴と対処法
「向いていない」とされる特徴も、対処法と所属先の選び方で十分にカバーできます。各特徴ごとに具体的アプローチを示します。
1. 事務作業・PC作業に強いストレスを感じる
業務時間の3〜4割が書類作成です。対処法:ICTケアプランシステム(カナミックなど)を導入している事業所を選ぶと、定型書類作成が大幅に時短されます。手書き運用がまだ残る事業所は避ける。
2. 報連相が苦手・自分の判断で動きたい
ケアマネは多職種連携が前提で、独断専行は事故につながります。対処法:主任ケアマネが在籍する事業所、定期カンファレンスを実施する事業所を選ぶと、報連相の型が組み込まれており苦手意識を埋められます。
3. 板挟みのストレスに弱い
家族間対立や医療職との意見相違は避けられません。対処法:地域包括支援センター所属より、施設ケアマネのほうが利害関係者が施設内で完結するため、板挟み頻度は低くなります。
4. マルチタスクが苦手・1つのことに集中したい
居宅で44件前後を並行担当するのは明確に向きません。対処法:施設ケアマネ(同じ施設内の入所者を集中担当)や、小規模多機能型居宅介護のケアマネ(少数の利用者と濃く関わる)が相対的に向きます。
5. 制度学習に興味が湧かない
これは致命的な弱点になりやすい項目です。対処法:独学では続かないなら、ケアマネ協会の研修や同期ネットワークに参加して「学ぶ環境」を外部に依存する設計に。それでも興味が持てない場合は、ケアマネより主任介護福祉士・サービス提供責任者など別キャリアの方が向くかもしれません。
6. 一人での移動・訪問が苦手(社交不安・運転不安)
居宅ケアマネは外出が多い仕事です。対処法:公共交通機関で訪問できる都市部の事業所を選ぶ、施設ケアマネに転向するなどの選択肢があります。社交不安が強い場合は、施設ケアマネで同じメンバーと安定的に働く環境を選ぶと負担が軽くなります。
ケアマネ受験・実務の実態データから見る適性
感覚論ではなく公的データから「向いている人=合格・定着している人」を逆算します。
受験者層と合格率の実態
ケアマネジャー試験(介護支援専門員実務研修受講試験)の合格率は近年20〜30%台で推移(第26回21.0%→第27回32.1%→第28回25.6%)しており、決して低くありません。受験資格は「特定の国家資格保有+実務5年(900日)以上」または「相談援助業務5年以上」が必要で、ハードルは高めです。受験者層は介護福祉士が約半数を占め、看護師・社会福祉士・PT/OTなど多職種が混在しています。
合格者に共通する3つの特徴
- 計画的な学習スケジュールを組める:合格者の多くは6ヶ月以上前から計画的に学習を始めています。短期集中型では合格率が下がる傾向
- 過去問演習を体系的に進める:直近5〜10年分の過去問を複数周する受験者の合格率が高い
- 制度改正の最新動向を追える:試験範囲が改正される年は、最新教材の選定と情報感度が合否を分けます
これらの特徴は、受験段階から「ケアマネ実務に必要な能力」と同じ素養を要求していることがわかります。学習プロセスそのものが適性チェックを兼ねており、合格できる人は実務でも適応できる確率が高いと考えられます。
実務後の離職率と定着している人の特徴
厚生労働省の調査によれば、ケアマネジャーの就労継続意向は介護現場よりも高く、平均勤続年数も長い傾向があります。一方で「業務量過多」「責任の重さ」「給与水準の頭打ち」を理由とした離職もあり、すべての人にとって適職とは言えません。長く続いている人に共通するのは「担当件数を適切に管理できる事業所選び」「主任ケアマネ等の上位資格取得によるキャリア継続」「ICT活用による業務効率化への前向きな姿勢」です。
独自視点:ケアマネを目指すか迷ったときの判断軸
「現場介護よりケアマネが向いているか」を判断する最もシンプルな問いは、「現場で利用者のケアに直接関わる時間と、書類を作成して関係者を調整する時間、どちらが充実すると感じるか」です。前者なら現場でユニットリーダー・サービス提供責任者・介護福祉士キャリアを伸ばす方が向きます。後者ならケアマネ受験を真剣に検討する価値があります。
居宅・施設・地域包括ケアマネ3パターンの適性比較
ケアマネの所属先は主に「居宅介護支援事業所」「施設(特養・老健等)」「地域包括支援センター」の3つに分かれ、それぞれ求められる適性と働き方が大きく異なります。自分に合う場所を選ぶことで、ケアマネとしての定着率と充実感が大きく変わります。
居宅介護支援事業所のケアマネ
在宅で生活する利用者(要介護1〜5)を担当し、月1回の訪問モニタリングとケアプラン更新を主業務とします。担当件数:原則44件(ケアプランデータ連携システムの活用と事務職員配置で最大49件まで減算なし)。業務スタイル:事業所を起点に利用者宅・医療機関・サービス事業所を一人で訪問し、自分の裁量で1日の予定を組む。向いている人:一人で動くのが好き、利用者宅で生活実態を見るのが好き、独立性高く動きたい人。注意点:担当件数の上限まで持つと書類業務が重く、ICT導入度で負担が大きく変わります。
施設ケアマネ
特養・老健・介護医療院などの入所施設で、入所者全員(特養なら100〜200名)の施設サービス計画を担当します。業務スタイル:施設内で完結し、現場介護職・看護師・PT/OTと常時連携。同じメンバーと毎日顔を合わせる安定環境。向いている人:板挟みのストレスを避けたい、同じチームで安定的に働きたい、現場介護との接点を残したい人。注意点:担当件数は居宅より多くなる場合があるが、計画更新の頻度が低く、移動時間がない分、業務効率が良い傾向。給与水準は施設の規模により差が大きいです。
地域包括支援センターのケアマネ
要支援1〜2の高齢者の介護予防ケアプラン作成と、地域全体の高齢者支援(虐待対応・成年後見・権利擁護)を担当します。業務スタイル:市町村委託の公的機関で、保健師・社会福祉士とチームを組む。地域行事や講演会など対外活動も多い。向いている人:地域コミュニティに関わるのが好き、行政との連携に抵抗がない、高齢者の権利擁護や予防領域に興味がある人。注意点:業務範囲が広く、ケアプラン以外の対応(虐待通報対応・困難事例対応)が頻発するため、ストレス耐性と多職種協働力が強く問われます。
3パターンの早見表
居宅は「独立性・専門性」を重視する人向け、施設は「安定性・チーム性」を重視する人向け、地域包括は「公的役割・予防領域」に興味がある人向けです。最初の所属で迷ったら、本記事の「向いている人の7特徴」「向いていない人の6特徴」のうち、自分が当てはまる項目から逆算して選ぶと失敗が少なくなります。
ケアマネ適性チェックリスト10項目
以下の10項目に対して、自分に当てはまる数を数えてみてください。ケアマネ実務で要求される能力に対応しています。
はい/いいえで回答
- カレンダー・手帳で自分の予定を管理できる
- 1日に複数の異なる業務を並行で進められる
- 文章を書くこと・PCで入力することが苦ではない
- 初対面の人にも自分から話しかけられる、もしくは相手の話を聞ける
- 医療用語・介護保険用語を学ぶことに興味がある
- 感情的にならず冷静に判断できる場面が多い
- 「いつまでに何をする」という締切型の仕事が好き、もしくは苦にならない
- 分からないことを調べる習慣がある(書籍・ネット・専門家への質問)
- 一人で移動・訪問することが苦にならない
- 5年以上学び続けられる興味分野がある
結果の見方
- 8〜10個当てはまる:ケアマネ向きタイプ。受験準備に進む価値が十分にあります
- 5〜7個当てはまる:環境次第タイプ。施設ケアマネや小規模事業所などサポート手厚い環境を選べば活躍できます
- 0〜4個当てはまる:別キャリア検討推奨。現場ユニットリーダー、サービス提供責任者、生活相談員、介護施設管理職など、ケアマネ以外の上位職を検討する方が活きる可能性が高いです
適性をより精密に診断したい場合
このセルフ診断は簡易版です。施設別の働き方やキャリア選択肢を含めて自分に合う方向を見極めたい場合は、当サイトの介護の働き方診断を活用してみてください。
ケアマネを目指すための最短ロードマップ
STEP 1:実務経験を満たす(5年・900日)
介護福祉士・看護師・社会福祉士など指定資格を持って、相談援助業務または直接介護業務に5年(900日以上)従事する必要があります。介護福祉士なら現場勤務がそのままカウントされ、最短ルートとして一般的です。
STEP 2:受験対策(6ヶ月〜1年)
独学・通信講座・通学講座のいずれかで対策します。介護支援分野・保健医療福祉サービス分野の2分野構成で、過去問演習を中心に進めるのが王道です。働きながらの受験生が多いため、隙間時間に学べる通信講座が現実的な選択肢です。
STEP 3:合格→実務研修受講(87時間)
試験合格後、自治体の実務研修(87時間・約2〜3ヶ月)を受講して登録すると、ケアマネジャーとして稼働できます。
STEP 4:居宅 or 施設の所属を選ぶ
居宅介護支援事業所と施設のどちらに所属するかでキャリアが分かれます。居宅は独立性が高く専門性を深めやすく、施設は安定性と給与のバランスが取れます。最初の所属で迷ったら、ケアマネ経験者からのアドバイスを受けて選ぶのが現実的です。
STEP 5:5年後の主任ケアマネ取得を視野に
実務5年で主任ケアマネジャー受講資格が得られます。主任ケアマネは事業所の管理者要件として位置づけられており、年収面でも400〜600万円台が見えてきます。長期キャリアを描くなら、ケアマネ登録時点から主任を視野に入れた事業所選びをおすすめします。
ケアマネの向き不向きに関するよくある質問
Q介護福祉士として10年以上現場で働きましたが、ケアマネに向いていますか?
現場経験が長い人は、利用者の生活実態を肌で理解しているという強い武器を持っています。ただし、ケアマネ業務は書類作成と調整が中心になるため、現場での身体介助とは求められるスキルが変わります。本記事のチェックリストで5項目以上当てはまれば、適性は十分あります。
Q内向的でコミュニケーションが苦手ですが、ケアマネは無理ですか?
無理ではありません。ケアマネに必要なのは「相手の話を引き出す傾聴力」であり、自分から積極的に話す力ではありません。むしろ寡黙な聞き上手のケアマネが利用者から信頼されるケースは多いです。
Q事務作業が苦手ですがICT化が進めば大丈夫ですか?
カナミック等のICTケアプランシステムを導入している事業所では、定型書類の作成時間が大幅に短縮されます。ICT導入状況は事業所選びの重要な軸の一つにしてください。ただし完全にゼロにはならないため、最低限の文書作成耐性は必要です。
Qケアマネ試験はどれくらい難しいですか?
合格率は近年20〜30%台で推移(第26回21.0%→第27回32.1%→第28回25.6%)しており、決して易しい試験ではありません。働きながら6ヶ月以上の計画的学習が必要で、過去問演習を5周程度こなす受験者が合格しやすい傾向です。短期集中型では合格率が下がります。
Q主任ケアマネを目指す価値はありますか?
事業所管理者要件として位置づけられているため、長期キャリア・年収アップを狙うなら主任取得は強い武器になります。実務5年でケアマネ更新研修と並行して主任研修を受ける流れが一般的です。
Q居宅と施設、最初はどちらを選ぶべきですか?
独立性・専門性を伸ばしたいなら居宅、安定性・給与の見通しなら施設が向きます。マルチタスクが不安なら、まず施設で同じメンバーと安定的に経験を積み、慣れてから居宅に移るのも現実的なルートです。
Qケアマネに向いていないと感じたら、どんなキャリアがありますか?
サービス提供責任者(訪問介護)、生活相談員、施設管理職、福祉用具専門相談員、認定介護福祉士など、現場寄りのままキャリアアップする道が複数あります。ケアマネは介護キャリアの唯一の上位職ではありません。
参考文献・出典
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ケアマネの年収・キャリアパスの実態
適性判断と並んで重要なのが、ケアマネを目指した先のキャリアと年収の見通しです。介護福祉士のままで続けるか、ケアマネを取ってキャリアを切り替えるかを判断する材料として、現実的な数字を示します。
ケアマネの平均年収レンジ
厚生労働省の調査では、ケアマネジャー(介護支援専門員)の常勤平均給与は月額約35〜38万円で、年収換算420〜460万円程度が一般的な水準です。介護福祉士(現場介護員)の平均給与約32万円と比較すると、月額3〜6万円程度の上振れが見込めます。ただし夜勤手当がなくなるため、夜勤回数の多い介護職と比較すると、年収差はそれほど大きくならないケースもあります。
居宅 vs 施設 vs 地域包括の年収比較
- 居宅介護支援事業所:担当件数に応じた特定事業所加算次第。44件前後×加算ありで月額35〜40万円が目安
- 施設ケアマネ:施設規模・運営法人によるが、年収400〜480万円。社会福祉法人系は安定、有料老人ホーム系はインセンティブ次第で上振れ
- 地域包括支援センター:市町村委託のため自治体給与表に準拠。年収380〜450万円が目安で、安定性は高い
主任ケアマネ取得後のキャリア
実務5年で主任ケアマネジャー研修受講資格を得ると、年収は450〜600万円台に上がります。主任は事業所管理者要件として位置づけられているため、独立開業(居宅介護支援事業所の設立)や、複数事業所を統括する管理職ポジションへの道も開けます。
独自視点:ケアマネ受験前に考えておきたい3つの分岐
- 分岐1:年収アップの最短ルートか:夜勤を続けて介護福祉士のままで年収450万円を目指す道(夜勤多めの特養・有料)も現実的です。書類業務が嫌いならこちらの方が向く可能性が大きいでしょう
- 分岐2:独立志向があるか:将来的に居宅介護支援事業所を独立開業したいなら、主任ケアマネ取得が必須。受験段階からこのゴールを意識すると道筋がぶれません
- 分岐3:地域コミュニティでの役割を持ちたいか:地域包括支援センターは公的役割が強く、地域行事や講演会など対外活動が多い。「地域に貢献したい」という動機が強い人ならこちらが合います
まとめ|ケアマネ適性は性格より「業務スタイルとの相性」
ケアマネジャーに向いているかどうかは、性格的な絶対基準ではなく「ケアマネ業務(書類作成・調整・学習)が自分の業務スタイルに合うか」で決まります。本記事で整理した3つの中核能力(段取り力・仲介力・情報感度)と、7つの向いている特徴・6つの向いていない特徴と対処法を照らし合わせて、自分の適性を冷静に判断してください。
「向いていないかも」と感じた場合も、所属先(居宅/施設/地域包括)の選び方やICT環境次第で大きくカバーできます。逆に「自分はケアマネに向いていない」と早期に判断できれば、サービス提供責任者・生活相談員・施設管理職など別の上位キャリアに早く目を向けられます。介護キャリアの上位職はケアマネだけではない、という視点が大切です。
受験を本気で目指すなら、まず実務経験要件(5年・900日)の達成状況を確認し、過去問1回分を解いてみてください。「思ったより解ける」「興味を持って読める」と感じれば、次は計画的な学習設計に進めます。実際に試験範囲の教材に触れることが、もっとも信頼できる適性確認です。
本記事は「介護職に向いている人・向いていない人の特徴」のpillar記事と接続しており、ケアマネに進む前に介護現場全体の働き方を見直したい場合は、施設別の「向いている人」記事も参照してください。自分のキャリアを長く伸ばすためには、ケアマネ以前に自分の業務スタイルと相性の良い施設タイプ・働き方を見極めることが、後悔のないキャリア選択の出発点になります。
もう一つ強調しておきたいのは、ケアマネは「介護キャリアのゴール」ではなく「複数ある選択肢の一つ」であるということです。サービス提供責任者・施設管理職・福祉用具専門相談員・認定介護福祉士・社会福祉士・主任介護福祉士など、現場経験を活かす上位職は多数あります。本記事のチェックリストで適性が低いと出た場合は、消去法でケアマネを目指すのではなく、自分の強みが活きる別ルートを早めに検討する方が、結果的に充実したキャリアを築けます。最後に、ケアマネ受験を決めたら早めに通信講座やオンライン学習サービスを試して、自分に合った学習スタイルを見つけてください。学習を始めた時点で半分は決まると言われるほど、走り出しの設計が合否を左右します。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
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