
介護派遣から正社員になる5パターン|紹介予定派遣・直接雇用・転籍の使い分け
介護派遣から正社員になる5つの経路を厚労省データで比較。紹介予定派遣の移行率52.4%、時給→月給切替時の年収・福利厚生・退職金リセットの注意点まで、1年間の準備ロードマップ付きで解説。
Quick Diagnosis
全6問・動画ガイド付き
性格から、合う働き方をみつける。
介護の仕事を嫌いになる前に。施設タイプや転職サービスの選び方を、6つの質問と45秒の動画で整理できます。
この記事のポイント
介護派遣から正社員になる経路は、(1)紹介予定派遣 (2)派遣先からの直接雇用オファー (3)派遣終了後の自己応募 (4)派遣先での社員登用試験 (5)派遣を続けながら別法人へ正社員転職 の5パターンです。厚労省の令和5年度労働者派遣事業報告書では、紹介予定派遣で派遣された労働者の52.4%が直接雇用に至っています。時給制から月給制への切替は手取りが減るケースもあるため、賞与・退職金・有給を含む年収ベースでの比較が必須です。
目次
「派遣で介護現場を経験してきたけれど、そろそろ正社員として腰を据えたい」「ただ、今の派遣先がいいのか、別の法人で正社員を目指すべきか迷う」——派遣から正社員への切り替えを考えると、選択肢の整理が一気に難しくなります。
実は介護派遣から正社員になる方法は大きく分けて5パターンあり、それぞれ手続き・年収変動・派遣会社との関係・キャリアの伸びしろが大きく違います。同じ「直接雇用への切替」でも、紹介予定派遣で最初から正社員化を前提に始めるのか、一般派遣のあとで派遣先から声がかかるのかで、紹介手数料の扱い、退職金や有給の起算日、社会保険の切替手続きまで変わってきます。
この記事では介護派遣から正社員へ移行する5つの経路を、厚労省と介護労働安定センターの公的データを使いながら比較します。さらに切替時に年収を落とさないための交渉ポイント、1年間で準備すべきこと、避けるべき失敗パターンまで実務目線でまとめました。これから派遣の更新時期を迎える方、紹介予定派遣の求人を見て迷っている方の判断材料になれば幸いです。
介護派遣の現状|全派遣労働者の中で介護はどれくらい?
まず介護分野で派遣がどう位置づけられているかをデータで確認しておきましょう。厚生労働省「令和5年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」によると、全国の派遣労働者数は約212万人(無期雇用派遣 約84万人、有期雇用派遣 約127万人)で、派遣労働者の平均賃金(8時間換算)は16,190円と前年度比1.4%増となっています。
介護労働安定センター「令和5年度 介護労働実態調査」では、訪問介護員・介護職員として勤務する派遣労働者を雇用している事業所の存在が継続的に確認されており、特に小規模事業所ほど派遣・登録ヘルパーの活用比率が高い傾向があります。介護職員全体としては正規職員が約57%、非正規職員(パート・派遣含む)が約41%を占めるため、派遣はその一部ですが「正社員化への入口」として確実に機能している経路です。
紹介予定派遣からの直接雇用移行率は52.4%
派遣から正社員を目指すうえで最も重要な統計が、紹介予定派遣の直接雇用への移行率52.4%です(厚生労働省「令和5年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」)。約2人に1人は派遣期間(最長6か月)を経て直接雇用に移行している計算で、求人広告や人材紹介経由の通常応募に比べてミスマッチが起きにくいことを示しています。
ただし「直接雇用」には正社員・契約社員・パートタイマーが含まれるため、「正社員」だけに絞ると数字はもう少し下がります。独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査では、紹介予定派遣後に正社員となった派遣労働者の割合は約57%とされ、紹介予定派遣全体のうち「正社員になれる確率」はおおよそ30%前後と試算されることが多いです。
介護派遣から正社員になる5パターン
派遣から正社員への切替は、入口の選び方で難易度・年収・派遣会社との関係が大きく変わります。ここでは5つの代表パターンを、向いている人・注意点とセットで整理します。
パターン1:紹介予定派遣(最初から正社員化前提)
労働者派遣法に基づく制度で、最長6か月の派遣期間後に派遣先と労働者の合意があれば直接雇用に切り替わる仕組みです。求人票の段階で「紹介予定派遣」と明示され、想定年収・想定職位・雇用形態(正社員/契約社員)が事前に開示されます。
- 向いている人:正社員化を確実に進めたい人、職場の雰囲気を体感してから決めたい人、ブランクや未経験で正社員の書類選考が通りにくい人
- 注意点:双方合意制のため100%正社員になれるわけではない。派遣期間中に派遣先・労働者どちらが断ってもよい
パターン2:一般派遣→派遣先からの直接雇用オファー
最初は通常の一般派遣として働き始め、派遣先が「この人に正社員として残ってほしい」と判断したタイミングで直接雇用のオファーが出るパターンです。労働者派遣法第33条は派遣終了後の直接雇用を派遣会社が制限することを禁じており、派遣期間が満了すれば派遣先と直接雇用契約を結べます。
- 向いている人:当初は短期で派遣を始めたが、職場と相性が良かった人
- 注意点:派遣会社との契約に「紹介手数料相当額」の取り決めがある場合、派遣先が手数料を派遣会社に支払うケースがある。労働者本人に金銭負担はないが、派遣会社との関係配慮は必要
パターン3:派遣終了後に自分で正社員応募
派遣契約が満了した後、派遣会社を離脱して同じ法人や別の法人に正社員として直接応募するパターンです。労働者派遣法は派遣終了後の雇用拘束を禁じているため、原則として労働者の自由意思で進められます。
- 向いている人:派遣で得た経験を活かしつつ、別の法人で条件交渉から正社員転職したい人
- 注意点:派遣会社のサポート(履歴書添削・面接対策)が使えなくなるため、ハローワークや介護専門の転職エージェントに切り替える必要がある
パターン4:派遣先での社員登用試験
派遣先の法人が「派遣社員→契約社員→正社員」の社員登用制度を設けているケースで、所定の勤続期間と評価を満たすと登用試験を受けられる仕組みです。社会福祉法人や大手介護グループに多く、登用基準(勤続年数、保有資格、上長評価)が就業規則に明文化されていることが特徴です。
- 向いている人:派遣先の法人理念・規模・福利厚生に魅力を感じており、長期キャリアを描きたい人
- 注意点:登用枠が年間数名と限定的な法人もある。事前に「直近3年の登用実績」を上長や派遣会社経由で確認するとよい
パターン5:派遣を続けながら別法人へ正社員転職
派遣を継続したまま転職活動を行い、内定が出たら派遣を満了→別法人で正社員として入社するパターンです。派遣中も社会保険・雇用保険に加入しているため、ブランクなく次の正社員へ移れます。
- 向いている人:今の派遣先には残りたくないが、収入を途切れさせずに正社員転職したい人
- 注意点:派遣の勤務シフトと面接日程の調整が必要。介護専門の転職サービスを併用すると効率的
5パターン比較表|手続き・年収変動・派遣会社との関係
5つの経路を「手続きのしやすさ」「年収変動リスク」「派遣会社との関係性」「キャリアの伸びしろ」で並べると違いが見えやすくなります。
| パターン | 手続き | 正社員到達率 | 年収変動リスク | 派遣会社との関係 |
|---|---|---|---|---|
| 1. 紹介予定派遣 | 制度として整備済み | 約30%(正社員のみ) | 低(事前開示) | 円満(手数料は派遣先負担) |
| 2. 直接雇用オファー | 派遣先からの提案ベース | 声がかかれば高い | 中(要交渉) | 要配慮(取り決め確認) |
| 3. 派遣終了後の自己応募 | 自分で全工程 | 応募者のスキル次第 | 離脱前提 | 淡白(再利用不可ではない) |
| 4. 社員登用試験 | 派遣先の制度に依存 | 枠が限定的 | 長期勤務が前提 | 円満(派遣会社の収益機会) |
| 5. 別法人への正社員転職 | 転職エージェント併用 | 条件交渉次第で高い | 満了で終了 | 円満(業務支障なし) |
「正社員になれる確率」と「キャリアの自由度」のトレードオフ
紹介予定派遣(パターン1)は最初から正社員化が前提のため安心感がありますが、派遣先の選択肢は派遣会社が提示する求人に限られます。逆に派遣終了後の自己応募(パターン3)や別法人転職(パターン5)は労力がかかる代わりに、年収・勤務地・施設タイプを自分で選び直せる自由度が高いです。
厚生労働省「令和5年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によれば、紹介手数料の相場は想定年収の20〜35%とされており、人材紹介の30〜35%よりやや低めです。これは派遣期間中に派遣料金が発生していることが考慮されているためで、労働者本人の負担にはなりません。
切替時の年収比較|時給ベースから月給ベースに変わると何が起きるか
派遣から正社員に切り替えるときに最も悩むのが「時給ベースの収入と、正社員の月給+手当+賞与のどちらが得か」という問題です。介護労働安定センター「令和5年度 介護労働実態調査(介護労働者の就業実態と就業意識調査)」によれば、月給制労働者の平均月収は24万1,296円、時給制労働者の平均時給は1,219円でした。
シミュレーション:時給1,500円派遣 vs 月給24万円正社員
たとえば派遣時給1,500円で月160時間勤務すると、額面は1,500円×160時間=24万円。同じ24万円の月給正社員と比べると、表面上は変わりません。しかし違いが出るのは以下のポイントです。
- 賞与(ボーナス):派遣はゼロ/正社員は年2〜4か月分(介護福祉法人の平均で年2〜3か月程度)
- 処遇改善加算・特定処遇改善加算:正社員は配分が手厚いケースが多い
- 退職金:派遣はなし/正社員は退職金共済または法人規程あり
- 夜勤手当・資格手当:法人によっては正社員のみ満額支給
- 有給休暇の付与日数:勤続でカウントされるため、長期的に正社員が有利
年収ベースで見ると、派遣時給1,500円(年288万円)は、賞与込み月給24万円の正社員(年収約300〜330万円)に届かないケースが多くなります。一方、派遣時給1,700円以上を維持できる地域・施設では、賞与込み正社員と互角か上回るケースもあります。
時給→月給切替で「手取り」が下がる落とし穴
紹介予定派遣の経験者からよく聞くのが「月給制に切り替えたら手取りが下がった」という声です。これは社会保険料の計算方法が変わるためで、派遣時の時給制では「報酬月額」が変動しやすく標準報酬等級が低めに張り付いていたのが、月給制になると安定的な標準報酬で計算され、健康保険料・厚生年金保険料が増えることが原因です。
クラベル介護転職や介護求人パークの解説でも、紹介予定派遣の主要デメリットとして「月給への切替で手取りが減る可能性」が必ず挙げられています。切替前には必ず「年収ベースの比較」と「賞与・手当・退職金の確定額」を確認してから判断しましょう。
失敗しない介護派遣会社の選び方|紹介予定派遣に強い5つの条件
正社員化を見据えた介護派遣会社選びでは、単なる時給の高さよりも「紹介予定派遣の取扱実績」と「直接雇用後のフォロー体制」が決定的に重要です。以下の5条件を満たす派遣会社を優先的に検討しましょう。
条件1:紹介予定派遣の取扱求人数が一覧で確認できる
大手の介護派遣サービス(ベネッセキャリオス、ウィルオブ介護、かいご畑、レバウェル介護派遣、ナイス!介護など)は紹介予定派遣求人を別カテゴリで掲載しています。検索画面で「紹介予定派遣」のチェックボックスがあるか、求人票に想定年収・想定職位が明示されているかを確認しましょう。明示されていない派遣会社は実績が乏しい可能性があります。
条件2:派遣期間中の評価フィードバックがある
紹介予定派遣で直接雇用に進むかどうかは、派遣期間中の評価で決まります。派遣会社の担当者が3か月目・5か月目など節目で派遣先からのフィードバックを取得し、改善ポイントを本人に伝える仕組みがあると安心です。コーディネーター面談の頻度を契約前に確認しておきましょう。
条件3:直接雇用後のキャリア相談に応じてくれる
正社員化はゴールではなくスタートです。直接雇用後の昇給・資格取得・異動希望についても相談に乗ってくれる派遣会社を選びましょう。介護福祉士・ケアマネジャー受験対策講座を独自に提供している派遣会社(かいご畑など)は、長期キャリアの伴走者として有力です。
条件4:労働者派遣事業の許可番号が明示されている
派遣会社は厚生労働大臣の許可(労働者派遣事業許可、番号「派13-xxxxxx」形式)が必須です。公式サイトのフッターや会社概要ページに許可番号が記載されていない事業者は避けましょう。許可は3年ごとの更新制で、更新審査では事業実績や苦情対応が確認されます。
条件5:複数の派遣会社に登録して比較する
同じ施設の求人でも、派遣会社によって時給設定が異なるケースは珍しくありません。これは派遣会社ごとに派遣料金(派遣先が払う金額)と派遣労働者への賃金配分(マージン率)が違うためです。労働者派遣法第23条第5項に基づき、各派遣会社はマージン率を公開していますので、登録前に確認しましょう。一般的に介護派遣のマージン率は25〜30%が目安です。
派遣会社選びでありがちな失敗
- 時給の高さだけで決める:紹介予定派遣に弱い派遣会社だと、結局自分で正社員転職することになる
- 担当者と一度も会わずに契約:オンライン面談だけだと派遣先の雰囲気情報が薄い
- マージン率を確認しない:40%超の派遣会社は労働者への還元率が低い可能性
正社員化までの1年間ロードマップ|資格・実績・人脈の3軸で準備する
派遣から正社員への切替は、思い立って3か月で完了するものではありません。年収を落とさず満足度の高い正社員化を実現するための、現実的な12か月ロードマップを示します。
0〜3か月:派遣として現場で結果を出す
最初の3か月は派遣としての評価を確立する期間です。出退勤の徹底、申し送りの精度、利用者への丁寧な対応など、基礎業務で「この人にずっといてほしい」と思わせることが最大の武器になります。介護労働安定センターの調査でも、派遣スタッフが直接雇用に進む際の判断材料として「勤怠の安定性」「コミュニケーション能力」が上位に挙げられています。
4〜6か月:資格取得・スキル習得に着手
初任者研修保持者は実務者研修、実務者研修保持者は介護福祉士の受験準備に入ります。介護福祉士の受験には実務経験3年以上と実務者研修修了が必要なため、派遣期間中もこの実務経験にカウントできます(同一事業所での連続勤務が要件)。資格手当・正社員登用のハードル両方を一気に下げる手段です。
7〜9か月:派遣先・派遣会社と正社員化の意思を共有
このタイミングで初めて「正社員として残る意思がある」ことを派遣会社の担当者経由で派遣先に伝えます。紹介予定派遣の場合は契約に組み込まれていますが、一般派遣の場合は派遣先の予算編成タイミング(多くの法人で年度末・上期末)に合わせるとスムーズです。
10〜12か月:年収交渉と契約条件の確認
正社員化の話が具体化したら、想定年収・賞与・退職金・夜勤回数・有給起算日を契約書ベースで確認します。特に有給休暇は派遣時代の起算日を引き継げるケースとリセットされるケースがあり、有給残日数の扱いを書面で確認するのが鉄則です。
並行して進めるべき「保険」の活動
派遣先での正社員化が確実でなくても、転職活動の準備は並行して進めるのが安全です。介護専門の転職エージェントに登録し、現職の派遣条件と他法人の正社員条件を比較しておけば、いざ交渉で不利な条件を提示されたときの離脱判断ができます。複数の選択肢を持つことが交渉力の源泉です。
派遣→正社員でやりがちな5つの失敗
派遣から正社員への切替で先輩たちが踏んだ典型的な落とし穴を、回避策とセットで紹介します。
失敗1:年収を「月額」だけで比較した
派遣時給1,800円(月160時間で月収28.8万円)から、月給25万円+賞与年2か月の正社員に切り替えたら、年収ベースでは350万円となりほぼ同等。しかし退職金共済・健康保険組合の付加給付・福利厚生まで含めると正社員が3〜5%上回るケースが多いです。月額だけで「下がる」と判断すると本当の経済価値を見誤ります。
失敗2:有給休暇の起算日リセットに気づかなかった
派遣で半年勤めて10日の有給を持っていたのに、正社員切替時に「入社日からカウント」となって6か月後まで有給ゼロ、というケースがあります。労働基準法第39条上は継続雇用とみなされるべきですが、運用は法人によって異なるため必ず契約書で確認しましょう。
失敗3:派遣先での悪い噂・人間関係を引きずる
派遣時代に「あの人とは合わない」と感じていた職員と、正社員になると今度は同僚として何年も働くことになります。派遣期間中の人間関係は、その施設で長期勤務するかを判断する重要な情報源です。
失敗4:紹介手数料トラブルで派遣会社と揉めた
派遣先から直接「うちで正社員にならない?」と声をかけられ、派遣会社を通さず転職してしまうと、派遣会社から派遣先に紹介手数料の請求が行く場合があります。労働者本人に法的責任はありませんが、派遣先の経理・人事に負担をかけるため、必ず派遣会社経由で進めましょう。
失敗5:「正社員になれば全て解決」と思い込む
正社員化は雇用形態の変化に過ぎず、夜勤の負荷・人間関係・処遇改善加算の配分といった現場課題は変わりません。派遣だからこそ選べた「夜勤なし」「日勤のみ」といった条件を、正社員化で手放すケースもあります。雇用形態の変更で何が得られ、何を失うかを冷静にリストアップすることが大切です。
介護派遣→正社員に関するよくある質問
Q1. 紹介予定派遣で派遣先・派遣労働者どちらかが「やっぱり直接雇用はやめる」と言うことはできますか?
はい、できます。紹介予定派遣は双方合意制のため、派遣期間(最長6か月)中に派遣先・派遣労働者のどちらが断ってもペナルティはありません。ただし派遣会社のキャリアコンサルタントに早めに相談し、別の派遣先を紹介してもらうことが現実的な対応となります。
Q2. 派遣で働いた期間は、正社員化後の勤続年数にカウントされますか?
原則としてカウントされません。派遣会社との雇用関係と派遣先との直接雇用は別契約のため、退職金や有給休暇の起算日は直接雇用開始日からとなる法人が大半です。ただし社会福祉法人や大手介護グループの中には派遣期間を加味した独自規程を設けている場合もあるため、契約前に就業規則を確認しましょう。
Q3. 派遣中に介護福祉士の試験に合格しました。正社員化のタイミングで給与は上がりますか?
派遣会社との契約では時給アップ交渉が、正社員化後は介護福祉士手当(月額5,000〜15,000円が相場)の支給が一般的です。タイミングとしては正社員化の契約締結前に資格取得を伝え、想定年収に資格手当を含めてもらう交渉が最も効果的です。
Q4. 派遣会社が「直接雇用は禁止」と言ってきました。これは合法ですか?
違法の可能性が高いです。労働者派遣法第33条は派遣終了後の直接雇用を派遣会社が禁止することを明確に禁じています。ただし派遣期間中の引き抜きについては別途取り決めがある場合が多く、その場合は派遣会社経由で正規の手順を踏めば問題ありません。不当な制限を受けた場合は労働局の需給調整事業課に相談できます。
Q5. 派遣社員として働いた経験は、面接で正社員応募する際にプラスに評価されますか?
近年は明確にプラス評価されます。複数の現場を経験している、すぐに即戦力になる、定着率を見極めてから入社しているという理由で、派遣経験者を積極採用する介護法人が増えています。職務経歴書には派遣先名(守秘義務に配慮しつつ施設タイプ・規模)と担当業務を具体的に書きましょう。
Q6. パート→派遣→正社員というステップアップは現実的ですか?
非常に現実的なルートです。家庭事情でフルタイム正社員から離れた人が、まずパートで現場感を取り戻し、派遣で複数現場を経験して合う職場を見極め、最後に紹介予定派遣で正社員復帰、という3段階キャリアを選ぶ介護職は珍しくありません。介護業界は雇用形態の流動性が高く、年齢を問わず正社員化のチャンスがあります。
参考文献・出典
- [1]
- [2]
- [3]
- [4]
- [5]
まとめ:派遣→正社員は「準備のある人」だけが年収を上げて切り替えられる
介護派遣から正社員になる経路は (1)紹介予定派遣 (2)派遣先からの直接雇用オファー (3)派遣終了後の自己応募 (4)派遣先での社員登用試験 (5)別法人への正社員転職 の5パターンに整理できます。紹介予定派遣の直接雇用移行率は52.4%、うち正社員化に至るのは約30%という公的データを土台に、自分がどの経路で挑むかを選びましょう。
年収を落とさず切り替えるには、時給ベースではなく賞与・退職金・有給を含む年収ベースで比較すること、そして時給→月給切替時の社会保険料増額による「手取り減」を計算に入れることが不可欠です。さらに有給休暇の起算日リセット、紹介手数料トラブルといった落とし穴も事前に把握しておきましょう。
1年間のロードマップを描き、資格取得・現場実績・派遣会社担当者との信頼関係という3つの軸で準備すれば、派遣はあなたの正社員化を加速させる強力な戦略になります。まずは派遣会社のマージン率と紹介予定派遣の取扱実績を確認し、自分の働き方診断を受けるところから始めてみてください。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
続けて読む

2026/1/3
介護職正社員の働き方ガイド|メリット・デメリットと給与
介護職正社員の働き方を徹底解説。平均月給約22〜25万円の給与相場、早番・日勤・遅番・夜勤のシフト別1日の流れ、賞与・退職金など充実の福利厚生、パート・派遣との待遇比較、未経験から正社員になる4つの方法まで詳しく紹介します。

2026/5/1
正社員ケアマネジャーの働き方|担当件数・残業・年収の実像【2026年版】
正社員ケアマネジャーの仕事を、年収375,410円(厚労省R6調査)、担当44件、残業発生ポイント、主任→管理者キャリアまで一次ソースで解説。居宅・施設・地域包括の違いも整理。

2026/5/1
老健の正社員として働く|在宅復帰支援に向き合う毎日と年収のリアル
老健(介護老人保健施設)の正社員のリアルな働き方を解説。常勤介護職の月給35.2万円・年収423万円の根拠、超強化型・強化型・基本型の類型別給与差、PT・OT・STと連携した在宅復帰支援、夜勤4〜5回のシフト実態、主任から介護長へのキャリアパスまで、厚労省の最新データに基づき紹介します。
このテーマを深掘り
関連トピック

正社員ケアマネジャーの働き方|担当件数・残業・年収の実像【2026年版】

老健の正社員として働く|在宅復帰支援に向き合う毎日と年収のリアル

デイサービスの正社員で働く|夜勤なしで月給28万円台の現場と昇進ルート

訪問介護の正社員はどう働く?月収・1日のリアル・登録ヘルパーとの違い

介護福祉士×正社員で働く|給料・ボーナス・キャリアパスと求人選び【2026年版】

正社員の処遇改善加算はいくら?月額目安・計算方法・パートとの違いを解説【2026年版】

介護正社員の給料・年収はいくら?手取り・ボーナス・昇給の実態

介護正社員はきつい?大変なこと・辞めたくなる理由と対処法

介護正社員に向いている人の特徴7選|適性チェックリスト付き

介護職正社員のボーナス・賞与|平均額と支給条件【2026年最新】
ご家族・ご利用者の視点
同じテーマをご家族・ご利用者の方の視点から書いた記事。視野を広げるためのヒントとして。
慢性腎臓病・透析の親を在宅で支える|食事制限・通院・経済支援と介護保険
高齢の親が慢性腎臓病・透析になったら家族はどう支えるか。透析療法3種類の選び方、食事制限とサルコペニア対策、通院送迎の負担軽減、特定疾病療養受療証や自立支援医療の経済支援、介護保険との併用、ACP(透析中止判断)まで医療専門家監修で解説。
介護後のグリーフケア|看取り・施設入居後の喪失感と自分の人生の立て直し方
長年の介護を終えた家族が直面する介護ロス・燃え尽き・予期悲嘆・複雑性悲嘆の正体と、死別後の心と体の変化、専門相談先(精神科・グリーフカウンセラー・よりそいホットライン)、家族会・遺族会、看取り後の事務手続き、人生再構築までを在宅介護のはじめ方ピラー視点で解説します。
