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介護職の手取り額はいくら?月収別・家族構成別のリアルな計算

介護職の手取り額はいくら?月収別・家族構成別のリアルな計算

介護職の手取り額を月収20万〜35万円の段階別にシミュレーション。独身・既婚・子持ちの家族構成別、社会保険料・税金の内訳、手取りを増やす5つの方法まで詳しく解説。

ポイント

この記事のポイント

介護職の手取りは額面月収の約75〜80%が目安。月収20万円なら手取り約16万円、25万円なら約20万円、30万円なら約23.5万円、35万円なら約27万円です。差し引かれるのは健康保険料(約5%)・厚生年金保険料(約9.15%)・雇用保険料(約0.6%)・所得税(累進課税)・住民税(約10%)。40歳以上はさらに介護保険料が加わります。資格別では介護福祉士で平均月収約34万円(手取り約25.5〜27.2万円)、ケアマネで約37.6万円(手取り約28.2〜30.1万円)。手取りを増やすには①介護福祉士の取得(月収+約7万円)②処遇改善加算Ⅰの施設選び(手取り+約2.4〜3.2万円/月)③iDeCo活用(年間約2.4〜4.8万円の節税)④ふるさと納税(実質的な生活費節約)の4つが効果的です。

「月収30万円って書いてあるけど、手取りはいくら?」——求人票の給与と実際に受け取る手取りには大きな差があります。一般的に手取りは額面の約75〜85%。つまり額面30万円でも手取りは22.5〜25.5万円程度です。

さらに介護職の給与は基本給だけでなく、処遇改善加算・夜勤手当・資格手当・扶養手当など多くの手当で構成されているため、給与明細の読み方を理解していないと「思ったより少ない」と感じるケースが少なくありません。

この記事では、介護職の手取り額を月収別・家族構成別・資格別・施設形態別に詳しくシミュレーション。給与明細の読み方から、手取りを増やす具体的な方法、ボーナスの手取り計算、40歳以上で増える介護保険料の影響まで、介護転職者が知っておくべき「お金のリアル」を徹底解説します。

月収別の手取りシミュレーション

月収別の手取りシミュレーションのイラスト

額面月収から差し引かれる主な項目と、手取りの目安です(独身・扶養なし・40歳未満の場合)。

月収別の手取り早見表

額面月収社会保険料所得税住民税手取り目安手取り率
18万円約2.6万円約2,500円約5,000円約14.7万円81.7%
20万円約2.9万円約3,000円約6,000円約16.2万円81.0%
23万円約3.3万円約4,000円約8,500円約18.5万円80.4%
25万円約3.6万円約5,000円約1万円約20万円80.0%
28万円約4.1万円約6,000円約1.2万円約22.1万円78.9%
30万円約4.4万円約7,000円約1.4万円約23.5万円78.3%
33万円約4.8万円約9,000円約1.6万円約25.7万円77.9%
35万円約5.1万円約1.1万円約1.8万円約27万円77.1%
38万円約5.5万円約1.4万円約2.1万円約29万円76.3%
40万円約5.8万円約1.6万円約2.3万円約30.3万円75.8%

※地域・扶養人数・加入する健保組合によって金額は変動します。上記はおおよその目安です。額面が高くなるほど手取り率は下がる(累進課税のため)傾向があります。

家族構成別の違い

配偶者や子どもがいる場合は扶養控除により所得税・住民税が減るため、同じ額面でも手取りが増えます。

家族構成額面25万円の手取り額面30万円の手取り額面35万円の手取り
独身約20.0万円約23.5万円約27.0万円
配偶者あり(扶養内)約20.6万円約24.3万円約27.8万円
配偶者+子ども1人約21.0万円約24.8万円約28.3万円
配偶者+子ども2人約21.3万円約25.2万円約28.7万円

配偶者を扶養に入れるだけで月約6,000〜8,000円の手取り増。子ども1人追加で月約4,000〜5,000円の手取り増になります。家族構成が変わったら、速やかに職場に届け出ましょう。届出が遅れると控除が反映されず、手取りが増えるのが遅れます。

手取りの簡易計算式

転職活動中にざっくりと手取りを把握したい場合は、以下の計算式が便利です。

  • 独身・扶養なし:額面×0.78〜0.80 = 手取り目安
  • 配偶者+子どもあり:額面×0.80〜0.82 = 手取り目安
  • 40歳以上:上記から月約2,000〜3,000円を引く

例:介護福祉士、額面34万円、既婚・子ども1人の場合
34万円×0.81 = 約27.5万円(手取り目安)

資格別・施設形態別の手取りシミュレーション

介護職の手取りは保有資格と働く施設形態によって大きく変わります。厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」のデータをもとに、資格別・施設別の手取りをシミュレーションしました。

保有資格別の手取りシミュレーション

保有資格平均月収(額面)手取り目安(75〜80%)無資格との月収差
無資格約27.0万円約20.3〜21.6万円—
初任者研修(旧ヘルパー2級)約30.1万円約22.6〜24.1万円+約3.1万円
実務者研修約31.1万円約23.3〜24.9万円+約4.1万円
介護福祉士約34.0万円約25.5〜27.2万円+約7.0万円
ケアマネジャー約37.6万円約28.2〜30.1万円+約10.6万円

介護福祉士を取得するだけで無資格と比べて月収が約7万円、手取りで約5〜6万円アップします。年間では約60〜72万円の差。3年で実務経験を積んで介護福祉士を取得することが、手取りを増やす最も確実な方法です。

施設形態別の手取りシミュレーション

施設形態平均月収(額面)手取り目安特徴
特別養護老人ホーム約35.5万円約26.6〜28.4万円夜勤手当込み。最も高水準
介護老人保健施設約34.4万円約25.8〜27.5万円医療法人が多く安定
有料老人ホーム約33.0万円約24.8〜26.4万円大手法人は福利厚生が充実
グループホーム約30.5万円約22.9〜24.4万円小規模。夜勤手当は少なめ
デイサービス約28.5万円約21.4〜22.8万円夜勤なし。処遇改善加算は低め
訪問介護約31.5万円約23.6〜25.2万円処遇改善加算率は全サービス中最高

手取りだけ見ると特養が最も高いですが、夜勤なしで手取り22万円以上を得られるデイサービスや訪問介護も、ワークライフバランスを考えると魅力的な選択肢です。

勤続年数別の手取り推移

同じ法人で長く働くほど、基本給の昇給により手取りも上がります。

勤続年数平均月収(額面)手取り目安
1年目約29.9万円約22.4〜25.4万円
3年目約31.6万円約23.7〜26.9万円
5年目約33.1万円約24.8〜28.1万円
10年目約33.7万円約25.3〜28.6万円
15年目約35.9万円約26.9〜30.5万円
20年以上約38.3万円約28.7〜32.5万円

入職1年目は住民税がかからないケースが多いため、手取り率が高めになります。2年目から住民税の天引きが始まるため「給料が減った」と感じることがありますが、実際は住民税分が加わっただけです。

給与明細の読み方 — 何が引かれている?

給与明細の読み方のイラスト

介護職の給与明細は「支給」と「控除」の2つのパートに分かれています。それぞれの項目を正しく理解しましょう。

支給項目(額面を構成するもの)

支給項目内容相場
基本給毎月固定で支給される基本の給与16〜22万円
処遇改善手当処遇改善加算に基づく手当2〜4万円
資格手当介護福祉士・ケアマネ等の資格に対する手当5,000〜3万円
夜勤手当夜勤1回ごとに支給1回6,000〜8,000円
通勤手当交通費の実費支給(非課税)実費(月15万円まで非課税)
扶養手当配偶者・子どもがいる場合に支給5,000〜1.5万円
住宅手当家賃補助1〜3万円(支給ない施設も多い)
時間外手当残業代実績に応じて

ポイント:求人票の「月給25〜30万円」は上記の合計(額面)です。基本給が低く手当で膨らませている場合、ボーナスが低くなる可能性があります(ボーナスは基本給ベースが多い)。

控除項目(差し引かれるもの)

控除項目内容負担割合の目安
健康保険料医療費の保険。協会けんぽまたは健保組合額面の約5%(労使折半)
厚生年金保険料将来の年金の積立額面の約9.15%(労使折半)
雇用保険料失業時の給付金の原資額面の約0.6%
介護保険料介護保険制度への拠出(40歳以上のみ)額面の約0.8%(労使折半)
所得税収入に応じた国税。年末調整で精算課税所得の5〜45%(累進課税)
住民税前年の所得に対する地方税。翌年6月から天引き一律約10%

40歳以上は要注意 — 介護保険料の負担

40歳になると介護保険料(第2号被保険者)が健康保険料に上乗せされます。額面30万円の場合、月約2,400円の追加負担。年間で約2.9万円の手取り減少になります。40歳の誕生月から突然手取りが減るため、事前に知っておきましょう。

処遇改善手当と手取りの関係

処遇改善手当は「額面月収」に含まれるため、手当が増えると社会保険料・税金も連動して増えます。しかし手取りベースでは確実にプラスです。

処遇改善手当社保・税金の増加分手取りの増加分
月2万円約4,000〜5,000円+約1.5〜1.6万円
月3万円約6,000〜7,500円+約2.3〜2.4万円
月4万円約8,000〜1万円+約3.0〜3.2万円

処遇改善加算Ⅰの施設を選ぶメリットは手取りベースでも変わりません。転職時には処遇改善加算の取得区分を必ず確認しましょう。

ボーナス(賞与)の手取りシミュレーション

ボーナスからも社会保険料と所得税が差し引かれます(住民税はボーナスからは控除されません)。ボーナスの手取りは額面の約75〜80%が目安です。

ボーナス額面別の手取り

ボーナス額面社会保険料所得税手取り目安
30万円約4.5万円約1.5万円約24万円
50万円約7.5万円約3万円約39.5万円
70万円約10.5万円約5万円約54.5万円
100万円約15万円約8万円約77万円

介護職のボーナス事情

介護職のボーナスは施設によって大きく異なります。

項目相場
平均年間ボーナス約55〜65万円(基本給の2〜3ヶ月分)
社会福祉法人3〜4ヶ月分が多い(安定)
株式会社(大手)2〜3ヶ月分が多い
株式会社(中小)1〜2ヶ月分 or なし

注意点:ボーナスは「基本給×◯ヶ月」で計算されることが多いため、基本給が低く手当で膨らませている施設はボーナスが少なくなります。求人票で「月給30万円・賞与3ヶ月」と書いてあっても、基本給が18万円なら年間ボーナスは54万円(手取り約43万円)。基本給が22万円なら66万円(手取り約53万円)と、年間で約10万円の差が出ます。

年収ベースの手取りシミュレーション

月収だけでなく、年収ベースで手取りを把握しておきましょう。

年収(額面)社保・税金の合計年間手取り月平均手取り
300万円約55〜60万円約240〜245万円約20〜20.4万円
350万円約68〜75万円約275〜282万円約22.9〜23.5万円
400万円約82〜90万円約310〜318万円約25.8〜26.5万円
450万円約98〜108万円約342〜352万円約28.5〜29.3万円
500万円約115〜127万円約373〜385万円約31.1〜32.1万円

介護職の平均年収は約400〜420万円(介護福祉士・勤続5年以上の場合)。手取りでは月約26万円前後になります。

手取りを増やす7つの方法

「同じ介護の仕事をしていても、手取りが全然違う」——これは珍しいことではありません。資格・施設選び・制度活用の3つの軸で、手取りを最大化する方法を解説します。

【資格で増やす】

1. 介護福祉士を取得する

資格手当で月1.5〜3万円アップ。さらに処遇改善加算のベースも上がるため、トータルで月約5〜7万円の差が出ます。手取りベースでは月約4〜5.6万円のプラス。3年で元が取れる最も効率的な投資です。

2. ケアマネジャーを取得する

介護福祉士からさらにケアマネを取得すると、平均月収は約37.6万円に。手取りで約28〜30万円。介護職員と比べて年間で約30〜40万円の手取り増になります。

【施設選びで増やす】

3. 処遇改善加算Ⅰの施設で働く

処遇改善加算は取得区分によって加算率が大きく異なります。最も高い区分Ⅰの施設は月3〜4万円の処遇改善手当が支給され、手取りで+約2.4〜3.2万円。転職時には「処遇改善加算の取得区分は何ですか?」と必ず確認しましょう。

4. 夜勤回数を増やす

夜勤手当は1回6,000〜8,000円。月の夜勤回数を1回増やすだけで、手取りが月約5,000〜6,400円アップ。年間で約6〜7.7万円の差になります。体力に余裕がある場合は夜勤回数の増加を検討しましょう。

5. 基本給が高い施設を選ぶ

基本給が高い施設はボーナスも高くなるため、年収ベースでは大きな差が出ます。「月給は同じだけど基本給が違う」場合、基本給が高い方がボーナス分で年間10〜20万円以上の差が出ることも。

【制度活用で増やす】

6. iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用する

掛金が全額所得控除になるため、所得税と住民税が減って手取りが増えます。月1万円の積立で年間約2.4万円の節税、月2万円なら年間約4.8万円の節税効果。しかも将来の年金も貯まる一石二鳥の制度です。

7. ふるさと納税を活用する

実質2,000円の自己負担で住民税が控除され、返礼品(お米・肉・果物など)がもらえます。年収350万円・独身の場合、約3.4万円まで寄付可能。返礼品で食費を節約すれば、実質的に手取りが増えるのと同じ効果です。

手取りアップの効果まとめ

方法手取り増加額(年間)難易度
介護福祉士取得+約48〜67万円★★★(3年の実務経験が必要)
処遇改善加算Ⅰの施設へ転職+約29〜38万円★★(転職するだけ)
夜勤+1回/月+約6〜7.7万円★(シフト希望を出すだけ)
iDeCo(月2万円)+約4.8万円(節税分)★(口座開設のみ)
ふるさと納税+約3万円相当(返礼品)★(ネットで完結)

すべてを実行すれば、年間で90〜120万円以上の手取り増も不可能ではありません。

介護職の手取りは他業種と比べてどうなのか

「介護職は給料が安い」とよく言われますが、実際のところ他業種と比べてどの程度の差があるのでしょうか。手取りベースで比較してみましょう。

業種別の平均手取り比較

業種平均年収(額面)年間手取り目安月平均手取り
全産業平均約460万円約355〜370万円約29.6〜30.8万円
医療・福祉全体約400万円約310〜320万円約25.8〜26.7万円
介護職(介護福祉士)約408万円約316〜326万円約26.3〜27.2万円
介護職(無資格)約324万円約253〜260万円約21.1〜21.7万円
飲食サービス業約310万円約242〜248万円約20.2〜20.7万円
小売業約370万円約287〜296万円約23.9〜24.7万円
製造業約450万円約347〜360万円約28.9〜30.0万円
建設業約480万円約370〜384万円約30.8〜32.0万円

介護福祉士なら全産業平均に迫る水準

無資格の介護職は確かに他業種より低めですが、介護福祉士を持っていれば全産業平均との差は月3〜4万円程度にまで縮まっています。さらに2026年6月の臨時報酬改定(2.03%引き上げ)により、差はさらに縮小する見込みです。

注目すべきは処遇改善の加速度です。2012年以降、介護職員の月給は処遇改善加算だけで約5〜6万円上昇。2025年12月からの3階建て賃上げ(最大月1.9万円)、2026年6月の臨時改定(2.03%引き上げ)と、他業種にはないペースで賃上げが続いています。

「実質手取り」で考えると差はさらに縮まる

介護職には以下の「隠れたメリット」があり、実質的な手取りは額面以上に恵まれている場合があります。

  • 食事補助:施設で提供される食事を300〜400円で利用可能(月5,000〜8,000円の食費節約)
  • 制服支給:スーツやオフィスカジュアルの購入費が不要(年間3〜5万円の節約)
  • 住宅手当・寮:一部の施設では寮完備で家賃負担ゼロ(月5〜8万円の節約)
  • 資格取得支援:受講料や受験料を施設が負担(10〜30万円の節約)
  • 夜勤手当:非正規雇用では珍しい定額手当。月4〜5回で2.4〜4万円

これらを加味すると、介護職の「実質手取り」は額面以上に競争力があると言えます。

都道府県別の手取り差

同じ介護福祉士でも、働く地域によって手取りは大きく異なります。

地域介護福祉士の平均月収(額面)手取り目安家賃相場(1K)
東京都約37万円約27.8〜29.6万円約7〜9万円
大阪府約35万円約26.3〜28.0万円約5〜7万円
愛知県約34万円約25.5〜27.2万円約4.5〜6万円
福岡県約31万円約23.3〜24.8万円約3.5〜5万円
北海道約30万円約22.5〜24.0万円約3〜4.5万円

東京は額面が高いですが家賃も高いため、手取りから家賃を引いた「可処分所得」で考えると地方の方が有利なケースもあります。2025年12月からの賃上げは全国一律のため、地方で働く介護職員ほど恩恵が大きいです。

生活費シミュレーション — 介護職の手取りで暮らせる?

「手取り20万円で生活できるのか?」——介護職への転職を検討する方が最も気になるポイントです。家族構成別に生活費をシミュレーションしてみましょう。

独身・一人暮らしの場合

項目地方(月額)都市部(月額)
家賃4.0万円7.0万円
食費3.0万円3.5万円
水道光熱費1.0万円1.2万円
通信費(スマホ)0.5万円0.5万円
交通費1.0万円(車維持費込み)0.5万円
日用品・衣服1.0万円1.5万円
保険・医療費0.5万円0.5万円
交際費・娯楽2.0万円2.5万円
貯蓄2.0万円1.0万円
合計15.0万円18.2万円

地方なら手取り16万円(額面約20万円)でも十分に生活可能。都市部では手取り20万円(額面約25万円)が目安です。介護福祉士を取得すれば手取り22〜27万円になるため、余裕を持った生活が送れます。

夫婦+子ども1人の場合

項目地方(月額)都市部(月額)
家賃(2LDK)5.5万円10.0万円
食費5.0万円6.0万円
水道光熱費1.5万円1.8万円
通信費1.0万円1.0万円
交通費1.5万円1.0万円
教育費2.0万円3.0万円
日用品・衣服1.5万円2.0万円
保険・医療費1.5万円1.5万円
交際費・娯楽1.5万円2.0万円
貯蓄2.0万円1.0万円
合計23.0万円29.3万円

家族3人の場合、地方なら手取り23万円(額面約29万円)、都市部なら手取り30万円(額面約38万円)が必要です。介護福祉士+夜勤ありなら十分に到達可能な水準。配偶者がパートで働く場合は月8〜10万円の上乗せがあるため、さらに余裕が生まれます。

手取りが厳しいと感じたら

生活費が手取りを上回りそうな場合、以下の対策を検討しましょう。

  • 住宅手当・寮ありの施設を選ぶ:家賃負担が大幅に減る
  • 地方への転職:生活コストが下がり、同じ手取りでも余裕が生まれる
  • 共働き:配偶者がパートで月8〜10万円を稼げば世帯手取りが大幅アップ
  • 固定費の見直し:格安スマホへの切り替え(月3,000〜5,000円節約)、保険の見直し
  • 自治体の支援制度:児童手当(1人月1〜1.5万円)、住居確保給付金など

2026年以降の手取り見通し

2026年6月の臨時報酬改定(2.03%引き上げ)により、介護職員の額面月収はさらに約1万円上昇する見込みです。手取りベースでは月約8,000円のプラス。年間で約9.6万円の手取り増加が期待できます。

さらに政府は「他産業と遜色ない賃金水準」を目標に掲げており、2040年に向けて継続的な賃上げが見込まれています。介護福祉士を取得し、処遇改善加算Ⅰの施設で働けば、5年後・10年後には全産業平均を超える手取りも現実的です。

パート・扶養内で働く場合の手取りシミュレーション

介護職はパートや扶養内で働く方も多いです。パートの場合は「年収の壁」を理解しておくことが、手取りを最大化するカギになります。

年収の壁と手取りへの影響

年収の壁何が起こるか手取りへの影響
100万円の壁住民税が発生年間約5,000〜1万円の負担
103万円の壁所得税が発生年間数千円〜の負担
106万円の壁社会保険に加入(従業員51人以上の企業)年間約15〜20万円の負担(手取りが大幅減)
130万円の壁社会保険に加入(全企業共通)年間約20〜25万円の負担
150万円の壁配偶者特別控除が段階的に減少配偶者の手取りが減少
201万円の壁配偶者特別控除がゼロに完全に扶養から外れる

パート介護職の手取りシミュレーション

時給1,200円で週3〜5日働いた場合の手取りを比較します。

働き方年収(額面)社保・税金年間手取り月平均手取り
週3日×6時間約112万円約2万円(住民税・所得税のみ)約110万円約9.2万円
週4日×5時間約125万円約3万円約122万円約10.2万円
週4日×6時間(130万円超)約150万円約25〜30万円約120〜125万円約10.0〜10.4万円
週5日×6時間約187万円約32〜40万円約147〜155万円約12.3〜12.9万円
週5日×8時間(フルタイム)約250万円約48〜55万円約195〜202万円約16.3〜16.8万円

注目ポイント:年収125万円(手取り約122万円)と年収150万円(手取り約120〜125万円)では、25万円多く稼いでも手取りがほぼ変わらない「逆転現象」が起こります。これが「130万円の壁」の問題です。

扶養内か壁を超えるか — 判断基準

  • 扶養内がおすすめ:子育て中で勤務時間を制限したい方、配偶者の収入が十分にある方
  • 壁を超えるのがおすすめ:将来的に正社員を目指す方(社保加入で将来の年金が増える)、年収170万円以上を目指せる方(この水準を超えれば手取りも確実に増加)

年収170万円以上なら、社保加入後でも扶養内(130万円)より手取りが確実に上回ります。パートから正社員登用を目指すなら、壁を超えてしっかり稼ぐ方が長期的には有利です。

介護職パートの時給の目安

資格時給の相場処遇改善手当込み
無資格1,000〜1,200円1,050〜1,300円
初任者研修1,100〜1,350円1,150〜1,450円
介護福祉士1,200〜1,500円1,300〜1,600円
ケアマネ1,400〜1,700円1,500〜1,800円

介護福祉士を持っていれば時給1,300〜1,600円。扶養内(年収130万円以内)でも月約10.8万円の手取りが得られ、配偶者の扶養手当も受け取れるため、世帯としての手取りを最大化できます。

求人票の「月給」を見る際の注意点

求人票の給与情報は額面(総支給額)で記載されていますが、注意すべきポイントがいくつかあります。

1. 「月給」と「月収」の違い

表記意味手取りの計算方法
月給基本給+固定手当(毎月必ず支給される)月給×0.75〜0.80
月収月給+変動手当(残業代・夜勤手当など)月収×0.75〜0.80

求人票に「月収30万円」と書いてあっても、夜勤5回分の手当込みの場合があります。夜勤に入れない月は月収が下がるため、「月給」ベースで計算しておくのが安全です。

2. 「月給25〜35万円」のような幅がある場合

給与に幅がある求人は、下限が未経験・無資格、上限が介護福祉士・経験10年以上の場合が多いです。自分の条件に当てはめると実際にはどの程度になるか、面接時に確認しましょう。

3. 基本給と手当のバランスをチェック

「月給30万円」でも内訳によってボーナスに大きな差が出ます。

パターン基本給手当合計月給ボーナス(3ヶ月分の場合)年収
A施設22万円8万円30万円66万円426万円
B施設17万円13万円30万円51万円411万円

月給は同じ30万円でも、基本給の差で年収が15万円も違います。ボーナスの算定基準が「基本給」か「月給」かも必ず確認しましょう。

4. 処遇改善手当が「込み」か「別」か

処遇改善手当が月給に含まれている求人と、「月給25万円+処遇改善手当3万円」のように別途記載している求人があります。「込み」の場合、処遇改善手当がなくなれば月給が下がるリスクがあるため、確認が必要です。

5. 試用期間中の給与を確認する

試用期間(通常3〜6ヶ月)中は本採用後より給与が低い施設もあります。「試用期間中は月給−2万円」のように記載されている場合、試用期間中の手取りはさらに低くなることを想定しておきましょう。

よくある質問

Q. 額面と手取りの差はどのくらいですか?

A. 一般的に額面の約20〜25%が控除され、手取りは額面の75〜80%になります。月収30万円なら手取り約23〜24万円が目安です。ただし扶養家族の有無、40歳以上かどうか、住んでいる地域の健康保険料率によっても変わります。

Q. 夜勤手当は手取りにどう影響しますか?

A. 夜勤手当も額面に含まれるため社会保険料・税金の対象ですが、手取りベースでは確実にプラスです。夜勤手当1回8,000円×月5回=4万円のうち、手取りは約3.2万円になります。年間では約38万円の手取り増です。

Q. 1年目の住民税はかかりませんか?

A. 住民税は「前年の所得」に対してかかるため、前年に収入がなければ入職1年目は住民税ゼロです。2年目の6月から天引きが始まるため、「1年目より手取りが減った」と感じることがありますが、これは住民税分が加わっただけ。給与が下がったわけではありません。

Q. 処遇改善手当は手取りにどう影響しますか?

A. 処遇改善手当は額面に含まれるため社会保険料・税金も増えますが、手取りベースでは確実にプラスです。月3万円の処遇改善手当なら、手取りは約2.3〜2.4万円増えます。処遇改善加算Ⅰの施設を選ぶことが手取りアップの近道です。

Q. 40歳になると手取りが減ると聞きましたが?

A. 40歳になると「介護保険料(第2号被保険者)」が健康保険料に上乗せされます。額面30万円の場合、月約2,400円の追加負担。年間で約2.9万円の手取り減少になります。40歳の誕生月から変わるため、事前に把握しておきましょう。

Q. 求人票の給与は額面ですか?手取りですか?

A. 求人票に記載されている給与はすべて額面(総支給額)です。「月給25万円」と書いてあっても、実際の手取りは約19〜20万円になります。面接時に「手取りはいくらくらいになりますか?」と質問しても失礼ではないので、確認することをおすすめします。

Q. パートの場合の手取りはどう計算しますか?

A. パートの場合、年収が106万円未満(従業員51人以上の企業では)なら社会保険の加入義務がなく、所得税も非課税の範囲内であれば、額面≒手取りに近くなります。ただし年収が106万円を超えると社会保険料が発生し、手取りが一時的に減る「壁」があります。扶養内で働くか、壁を超えてしっかり稼ぐかは、ライフプランに合わせて判断しましょう。

Q. 介護職で手取り30万円は可能ですか?

A. 可能です。介護福祉士を取得し、特養で夜勤月5回+処遇改善加算Ⅰの施設で働けば、額面月収は約38〜40万円。手取りで約30〜32万円になります。ケアマネや管理者であれば夜勤なしでも手取り30万円は十分に射程圏内です。

参考文献・出典

  • [1]
    令和6年度介護従事者処遮状況等調査結果- 厚生労働省

    介護職員の資格別・施設形態別・勤続年数別の平均給与額データ

  • [2]
    社会保険料の計算方法(標準報酬月額表)- 日本年金機構

    厚生年金保険料の等級表と計算方法

  • [3]
    令和6年度保険料額表- 全国健康保険協会(協会けんぽ)

    都道府県別の健康保険料率と介護保険料率

  • [4]
    所得税の税率- 国税庁

    累進課税の税率表と計算方法

手取りを増やす最も確実な方法は、処遇改善加算Ⅰを取得している施設への転職です。同じ介護福祉士でも、施設の加算区分が違うだけで年間30万円以上の手取り差が出ることも珍しくありません。さらに基本給の高さ、夜勤手当の金額、住宅手当の有無なども手取りに大きく影響します。

働き方診断では、処遇改善加算の充実した施設、夜勤手当が高い施設、基本給が高くボーナスが充実した施設、住宅手当や寮のある施設など、あなたの希望条件に合った施設を探せます。「手取り25万円以上」「夜勤なしで手取り20万円以上」「扶養内パートで月10万円」など、あなたの理想の手取りを実現できる働き方を見つけましょう。診断は3分で完了、無料で何度でも利用できます。

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まとめ

この記事のポイントまとめ

テーマポイント
手取りの計算額面の約75〜80%。月収30万円→手取り約23〜24万円。簡易計算は額面×0.78
差し引かれるもの健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税・住民税。40歳以上は介護保険料も追加
資格の効果介護福祉士で月収+約7万円(手取り+約5〜6万円)。ケアマネでさらに+約3.6万円
施設選び特養が最高水準。処遇改善加算Ⅰの施設が手取りアップの鍵。基本給が高い施設はボーナスも多い
ボーナス基本給ベースで計算。基本給が高い施設の方がボーナスも多い。手取りは額面の約75〜80%
パート・扶養内年収の壁に注意。130万円超で社保加入。170万円以上なら壁を超える方が有利
他業種との比較介護福祉士なら全産業平均との差は月3〜4万円。処遇改善で差は縮小中
生活費独身・地方なら手取り16万円で生活可能。家族3人・都市部は手取り30万円が目安
手取りアップ資格取得+施設選び+iDeCo・ふるさと納税で年間90〜120万円増も可能
求人票の注意点記載は全て額面。月給と月収の違い、基本給と手当のバランス、処遇改善手当の扱いを確認

手取りは「自分でコントロールできる」

介護職の手取りは「どこで」「どの資格で」「どの制度を活用して」働くかで大きく変わります。額面月収が同じ30万円でも、処遇改善加算の区分、基本給の割合、夜勤回数、iDeCoの活用有無によって、年間の手取りで50万円以上の差が出ることも珍しくありません。

「介護職は給料が安い」と言われた時代は終わりつつあります。2026年の臨時報酬改定で月約1万円の賃上げが実現し、今後も「他産業と遜色ない賃金水準」を目指した処遇改善が続く見込みです。介護福祉士を取得し、処遇改善加算Ⅰの施設で働き、iDeCoやふるさと納税を活用すれば、手取り月25〜30万円は十分に現実的な目標です。

求人票の「月給」を鵜呑みにせず、手取りベースで生活設計を立てることが大切です。この記事のシミュレーションを参考に、あなたの希望する生活に必要な手取りを逆算し、それを実現できる施設・資格・制度の組み合わせを見つけてください。

公開日: 2026年3月21日最終更新: 2026年3月21日

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。

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