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📑目次

  1. 01どの在留資格が訪問系に従事できるのか
  2. 02受入事業者に課される5つの遵守事項
  3. 03解禁から1年弱で、どれだけ使われているか
  4. 04なぜ長く認められていなかったのか
  5. 05同行訪問の回数と期間を自施設でどう決めるか
  6. 06訪問系へ展開するための育成設計
  7. 07よくある質問
  8. 08参考資料・出典
  9. 09まとめ
外国人介護人材の訪問系サービス従事の要件と実務
介護職向け

外国人介護人材の訪問系サービス従事の要件と実務

技能実習生・特定技能外国人の訪問系サービスへの従事が2025年4月から一定の条件下で認められました。介護職員初任者研修の修了と実務経験1年以上が原則で、受入事業者には研修・同行OJT・キャリアアップ計画・相談窓口・ICT環境整備の5つの遵守事項が課されます。確認書の申請実績もあわせて解説。

ポイント

この記事のポイント

技能実習生と特定技能外国人の訪問系サービスへの従事は、2025年4月から一定の条件のもとで認められました(技能実習は4月1日、特定技能は4月21日施行)。前提となるのは介護職員初任者研修課程等の修了と、介護事業所等での実務経験1年以上(原則)です。受入事業者には研修の実施、一定期間の同行訪問等によるOJT、キャリアアップ計画の作成、ハラスメント防止の相談窓口設置、不測の事態への環境整備という5つの遵守事項が課されます。厚生労働省の資料では、確認書の発行件数は309法人・953名分(2026年2月13日時点)です。

📑目次▾
  1. 01どの在留資格が訪問系に従事できるのか
  2. 02受入事業者に課される5つの遵守事項
  3. 03解禁から1年弱で、どれだけ使われているか
  4. 04なぜ長く認められていなかったのか
  5. 05同行訪問の回数と期間を自施設でどう決めるか
  6. 06訪問系へ展開するための育成設計
  7. 07よくある質問
  8. 08参考資料・出典
  9. 09まとめ

訪問介護の人手不足は、介護分野のなかでも際立っています。従業員が不足していると答えた事業所の割合は訪問介護員で8割を超え、廃止に至る事業所の理由としてもヘルパー不足と高齢化が挙げられています。この状況を背景に、長く認められていなかった外国人介護人材の訪問系サービスへの従事が2025年4月から解禁されました。

ただし「解禁された」という一言で片付けられる制度ではありません。従事するには本人側の要件(資格と実務経験)があり、受入事業者側にも5つの遵守事項と届出の手続きが課されます。要件を満たさないまま訪問に出すことはできません。

この記事では厚生労働省の留意点通知とQ&Aを一次資料として、誰が従事できるのか、事業者は何を整えるのか、そして通知が具体的な数値を定めていない部分をどう判断すればよいのかを整理します。配置基準への算入は人員配置基準への算入ルール、制度全体の使い分けは外国人介護人材の受け入れガイドで解説しています。

どの在留資格が訪問系に従事できるのか

解禁前は、訪問系サービスに従事できるのは介護福祉士の資格を持つ在留資格「介護」とEPA介護福祉士のみでした。利用者の居宅で介護職が1対1でサービスを提供するという業務の特性を踏まえ、技能実習・特定技能・EPA介護福祉士候補者は認められていませんでした。

在留資格解禁前2025年4月以降
在留資格「介護」従事可(制限なし)変更なし
EPA介護福祉士従事可(受入機関に一定の留意を求める)変更なし
特定技能1号従事不可一定の条件下で従事可(2025年4月21日施行)
技能実習従事不可一定の条件下で従事可(2025年4月1日施行)
EPA介護福祉士候補者従事不可関係者との調整が済み次第、速やかに施行予定

対象となる訪問系サービス

通知は対象サービスを2つの区分に分けています。この区分を取り違えると、必要な手続きを丸ごと見落とすことになります。

1. 遵守事項・書面同意の対象になるサービス

通知「二」は、後述の遵守事項(通知の三以降)が求められる訪問系サービスを次の4つと定めています。

  • 訪問介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 夜間対応型訪問介護
  • 介護予防・日常生活支援総合事業(第一号訪問事業に限る)

2. 職場内研修を経て従事するサービス

訪問入浴介護と介護予防訪問入浴介護も従事が認められましたが、上記4サービスとは別の扱いです。複数人でサービスを提供すること、介護職員初任者研修課程の修了などが必ずしも求められていないことを踏まえ、受入事業者が適切な指導体制を確保したうえで、職場内で入浴等の実務研修を受講させて従事させる形になります。

なお障害福祉サービス等の訪問系サービスについては別の通知(令和7年3月31日付け社援発0331第41号ほか)で留意点が示されているため、そちらを参照します。

小規模多機能型居宅介護などの訪問を含む複合型サービスについては、通いや宿泊を通じて利用者や家族との関係性が日頃から構築されていること、従事に当たって初任者研修等の修了が要件となっていないことなどから、老人保健健康増進等事業の結果を踏まえて別途検討するとされています。訪問介護等と同じ枠組みで解禁されたわけではない点に注意が必要です。

本人側の要件

従事するには次の2つが前提になります。

  1. 介護職員初任者研修課程等の修了:日本人の訪問介護員と同じ資格要件です。無資格では従事できません
  2. 介護事業所等での実務経験1年以上(原則):施設系などで一定期間働いた経験が求められます

この2点は、受け入れてすぐに訪問に出せないことを意味します。施設系サービスで1年以上勤務しながら初任者研修を修了させる、という育成の順序が前提になっています。訪問介護事業所単独で運営している法人が外国人材を訪問に従事させようとする場合、実務経験を積む場をどう確保するかが最初の課題になります。

受入事業者に課される5つの遵守事項

受入事業者は利用者・家族へ事前に説明を行うとともに、次の5つを遵守することとされています。適切に履行できる体制・計画等を有することが従事を認める条件です。

① 訪問介護等の業務の基本事項等に関する研修の実施

訪問介護の基本、生活支援技術、利用者・家族等とのコミュニケーション、日本の生活様式などを含む研修です。Q&Aでは、この研修は介護職員初任者研修や技能実習の入国後講習とは別に、外国人介護人材が一人で問題なく訪問系サービスに従事できるようになるまでのOJT期間中に実施することが想定されています。研修の実施頻度や年間の実施回数は、利用者や本人の個々の状況により受入事業者が適切に判断します。法人内の複数事業所による合同開催や、外部機関の活用も認められています。

② 一定期間の同行訪問等による必要なOJT

サービス提供責任者や利用者を担当している先輩職員などが同行します。Q&Aは同行訪問の回数・期間・同行者について「細かく規定しない」と明記しています。利用者の状態像や周辺環境、本人のコミュニケーション能力や介護技術の状況等を踏まえ、受入事業者の管理者やサービス提供責任者等が適切に判断することとされています。

③ 業務内容等の説明とキャリアアップ計画の作成

訪問介護等における業務の内容等を丁寧に説明し、本人の意向等を確認しつつキャリアアップ計画を作成します。Q&Aでは、訪問介護への従事を希望する人に対しては「初任者研修を受けて訪問介護に従事する」といった道筋を示すことが想定されています。計画の様式や作成上の留意事項は別途通知で示されています。

④ ハラスメント防止のための相談窓口の設置等

訪問系は利用者の居宅で1対1になるため、施設系よりハラスメントのリスクが高い環境です。相談窓口の設置等の必要な措置が求められます。

⑤ 不測の事態への対応環境の整備

訪問先で不測の事態が発生した場合に適切な対応ができるよう、情報通信技術の活用を含めた必要な環境整備を行います。単独訪問中に判断に迷う場面で、すぐに相談できる連絡手段が実質的な要件になります。

国側の取り組み

国においても巡回訪問等の実施、母国語による相談窓口の設置、キャリアアップ支援に取り組むこととされています。受入事業者は巡回訪問等実施機関による巡回訪問時に、遵守事項を適切に実施したことが分かる資料の提出を求められる場合があります。

解禁から1年弱で、どれだけ使われているか

制度が認められたことと、実際に使われていることは別です。厚生労働省の資料では、訪問系サービスへの従事に係る確認書の実績が公表されています。

区分件数(2026年2月13日時点)
確認書の発行件数309法人・953名分
申請件数(発行件数を含む)559法人・1,714名分

数字の読み方

施行は2025年4月です。約10か月で申請が559法人・1,714名分、うち発行済みが309法人・953名分という水準になります。

  • 申請と発行の差:申請1,714名分のうち発行済みは953名分で、約56%です。残りは審査中か、要件を満たすための準備段階にあると考えられます。申請すれば自動的に認められるわけではありません
  • 1法人あたりの人数:発行件数を法人数で割ると、1法人あたり約3.1名です。1人だけ従事させるケースより、複数人まとめて申請する法人が多い傾向が読み取れます
  • 全体に対する比率:介護分野の特定技能1号は2025年12月末時点で6万7,871人です。訪問系の確認書発行が953名分(技能実習を含む)という規模は、外国人介護人材全体のごく一部にとどまります

解禁されたとはいえ、本人側に初任者研修の修了と実務経験1年以上が求められ、事業者側に5つの遵守事項と届出が課されるため、要件を満たすまでに時間がかかります。訪問介護の人手不足の即時的な解決策として機能する段階には至っていません。

先行するメリットはあるか

逆に言えば、まだ大半の訪問介護事業所が着手していない領域です。施設系サービスを併設していて実務経験を積む場がある法人であれば、初任者研修の受講支援とセットで設計すれば要件を満たせます。地域別の受け入れ状況は特定技能「介護」の浸透度 都道府県ランキングで試算しており、浸透度が高い県では訪問系への展開も先に進む可能性があります。

解禁時点のニュースもあわせて

解禁が決まった当時の経緯と、同時期の制度動向(介護技能評価試験・介護日本語評価試験の受験料改定、介護福祉士国家試験における外国人受験者の増加など)は特定技能「介護」訪問系サービスへ解禁、4月21日から運用で速報として扱っています。この記事は解禁後の実務要件を整理するもので、役割が異なります。

なぜ長く認められていなかったのか

解禁の経緯を押さえておくと、遵守事項が何を防ごうとしているのかが理解しやすくなります。

1対1という業務特性

従前、技能実習・特定技能・EPA介護福祉士候補者が訪問系に従事できなかった理由は、厚生労働省の資料で「利用者の居宅において、介護職が1対1で介護サービスを提供するという業務内容の特性を踏まえ」と説明されています。施設系であれば周囲に他の職員がいて、判断に迷えば相談でき、異変があれば気づいてもらえます。訪問系ではそれがありません。

先行するEPA介護福祉士の運用が参考にされた

訪問系への従事が既に認められていたEPA介護福祉士について、国際厚生事業団や受入機関等への聴取が行われ、次のような取り組みが確認されています。

  • 緊急事態発生時の対応マニュアルの作成と研修の実施
  • 正確かつスムーズに適切な記録作成ができるよう、チェックシート方式による簡略化や文字の色分けによる優先順位・緊急度の区別等の工夫
  • 数回程度または一定期間のサービス提供責任者等による同行訪問等の必要なOJTの実施

今回の遵守事項は、この運用実績をベースに組み立てられています。②の同行訪問、⑤の不測の事態への対応環境の整備は、EPA介護福祉士で既に行われていた工夫を制度化したものと読めます。記録作成の工夫としてチェックシートや色分けが挙がっている点は、そのまま実務のヒントになります。

受入事業者側が必要と考えていた要件

検討過程では、受入事業者へのアンケートも行われています。訪問介護において外国人介護人材を受け入れるうえで必要と考える要件として挙げられていたのは、次のような項目です。

  • 利用者と問題なく意思疎通を行うだけの会話力を有すること
  • サービス提供に係る記録を作成する能力を有すること
  • 生活習慣などについて一定の知識を有すること
  • 介護職員初任者研修課程修了者にのみ訪問を認めること
  • 介護施設等において一定の実務経験年数がある職員にのみ訪問を認めること
  • 事前に利用者に説明し同意を得ること
  • 法人全体・事業所内のバックアップ体制を整えておくこと

最終的な制度設計は、このうち初任者研修の修了と実務経験、事前説明、バックアップ体制を要件として取り込んだ形になっています。会話力と記録作成能力は数値で要件化されていませんが、同行訪問のチェックシート項目に組み込まれています。現場が必要と考えていたことが、事業者の判断に委ねる形で残されたと言えます。

同行訪問の回数と期間を自施設でどう決めるか

遵守事項のうち最も判断が難しいのは②の同行訪問によるOJTです。ここは人材の実務経験によって扱いが二分されるので、まずどちらに当たるかを確認します。

実務経験1年以上が原則。この場合は期間の定めがない

原則どおり実務経験1年以上の人材を従事させる場合、通知とQ&Aは回数・期間・同行者を細かく規定しておらず、受入事業者の判断に委ねています。裁量がある一方、根拠を説明できる形にしておく必要があります。

実務経験1年未満で従事させる場合は期間が明示されている

受入事業所の判断で、例外的に実務経験1年未満の人材を訪問系サービスに従事させることもできます。ただしその場合、通知は日本語能力試験N2相当など在留資格に求められる水準より高い日本語能力を持つ人材に限定したうえで、同行訪問の期間を利用者ごとに次のとおり定めています。

その利用者へのサービス提供頻度同行訪問の期間
週1回半年
週2回3か月
週3回以上2か月

通知は「それ以上の同行訪問期間の短縮は認めない」と明記しており、2か月を下回る運用はできません。週1回のケースに限り、利用者・家族の同意が得られる場合は同行訪問を3か月に短縮したうえで、見守りカメラの活用など情報通信技術によって常時事業所とやりとりできる状態にする対応が認められます。

つまり「回数・期間の規定はない」と言えるのは実務経験1年以上のケースに限られます。ここを取り違えると、例外運用のつもりが要件未達になります。

Q&Aが示す判断方法

Q&Aでは、同行訪問の際に目標等を設定し、チェックシートを活用して達成状況を把握し、フィードバックを通じたやりとりを踏まえて判断することが考えられるとされています。チェックシートの参考例も別紙で示されています。挙げられている確認項目は次のとおりです。

  • サービス内容の手順を理解しているか
  • サービス内容を実施できているか
  • 緊急体制・連携を理解しているか
  • 記録・報告ができているか
  • 他職種と連携できているか
  • 利用者とコミュニケーションがとれているか
  • アセスメント記録により、利用者の状態像や周辺環境等を理解しているか

期間ではなく到達度で切る

この7項目を見ると、単独訪問の可否を決める実質的な分岐点は手順の実施能力ではなく、緊急時対応と記録・報告にあることが分かります。介助技術は同行を重ねれば習得が進みますが、緊急体制の理解や記録作成は日本語能力に依存し、習得のスピードが人によって大きく異なります。

そのため「同行10回で単独へ」といった回数基準より、項目ごとの到達を確認して移行するほうが制度の趣旨に合います。利用者ごとに状態像も住環境も異なるため、担当する利用者が変わるたびに数回の同行を挟む運用にしている事業所もあります。

記録として残すもの

Q&Aでは、巡回訪問等実施機関から求められた場合に速やかに提出できるよう、遵守事項を適切に実施したことが分かる資料を用意しておくこととされています。具体的に挙げられているのは次のような資料です。

  • チェックシート
  • 実施日の外国人および同行訪問した者のシフト表
  • 訪問記録
  • 勤務管理に関する記録

届出時に必要な書類

訪問系サービスへの従事に当たっては、事業所ごとに巡回訪問等実施機関への提出書類が定められています。確認できる書類として挙げられているのは次のとおりです。

書類内容
訪問系サービスの要件に係る報告書記載内容の履行状況が確認できる書類を添付
キャリアアップ計画遵守事項③に対応
実務経験1年以上であることが分かる書類本人側の要件の証明
利用者・家族への説明書の写し事前説明の実施記録
初任者研修等の修了状況が確認できる書類本人側の資格要件の証明

特定技能外国人を受け入れる事業者は、あわせて介護分野における特定技能協議会の申請システムで各種申請手続きが必要になります。

訪問系へ展開するための育成設計

要件を満たすまでに時間がかかる以上、訪問系への従事は「今いる人材をどう育てるか」の設計問題になります。採用してから訪問に出るまでの流れを逆算します。

ステップ1:施設系または通所系で実務経験を積む

実務経験1年以上が原則であるため、まず経験を積む場が必要です。特養・老健・グループホーム・デイサービスなど、訪問以外のサービスを併設している法人は自法人内で完結できます。訪問介護のみを運営している法人は、この段階で選択肢が限られます。

この期間は配置基準への算入が可能です。特定技能1号なら就労と同時に、技能実習なら6か月経過または事業者判断で算入できるため、実務経験を積む期間が人員体制上の空白になるわけではありません。

ステップ2:介護職員初任者研修を修了させる

初任者研修は130時間のカリキュラムで、通学と通信を組み合わせた形式が一般的です。外国人材が受講する際の実務上の論点は次のとおりです。

  • 日本語での受講と修了評価:講義の理解と筆記の修了評価があります。介護の専門用語は日常会話とは別に学習が必要なため、業務と並行した語彙学習が前提になります
  • 受講費用の負担:法人が負担するケースが多く、都道府県の環境整備事業で資格取得支援が補助対象になっている場合があります(兵庫県は特定技能外国人の資格取得支援に上限30万円・補助率2/3など)。詳細は受け入れで使える助成金で解説しています
  • シフトとの調整:通学日を確保する必要があるため、勤務表への織り込みが必要です

ステップ3:キャリアアップ計画を作成し、届出を行う

遵守事項③のキャリアアップ計画は、あらかじめ本人に業務内容を説明し意向を確認したうえで作成します。「初任者研修を受けて訪問介護に従事する」という道筋を示すことが想定されているため、実際にはステップ2の前段階から本人と共有しておくほうが自然です。届出時には実務経験と初任者研修修了を証明する書類、利用者・家族への説明書の写しを添えます。

ステップ4:研修と同行訪問

訪問介護の基本、生活支援技術、利用者・家族等とのコミュニケーション、日本の生活様式などを含む研修を実施し、同行訪問でOJTを行います。研修は法人内の複数事業所による合同開催や外部機関の活用も認められているため、単独では実施が難しい規模の事業所でも組み立てられます。

採用時点で伝えておくこと

訪問系への従事は本人にとってもキャリアの選択です。1対1でサービスを提供する環境は、施設系とは働き方が大きく異なります。移動を伴い、判断を1人で行う場面が増えます。遵守事項③が「業務内容等について丁寧に説明を行い、その意向等を確認しつつ」計画を作成することを求めているのは、この違いを踏まえたものです。採用の段階で訪問系への展開を想定しているなら、その見通しを最初に共有しておくほうが、後の意向確認が形式的にならずに済みます。

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よくある質問

Q. 特定技能で採用してすぐに訪問介護に従事させられますか

できません。介護職員初任者研修課程等の修了と、介護事業所等での実務経験1年以上が原則として求められます。施設系サービスなどで経験を積みながら初任者研修を修了させる期間が必要です。

Q. 実務経験1年は母国での経験も含まれますか

要件は「介護事業所等での実務経験」とされており、確認書類として実務経験1年以上であることが分かる書類の提出が求められます。国内の介護事業所での勤務実績を示す運用が前提です。個別の判断は巡回訪問等実施機関または厚生労働省の窓口に確認してください。

Q. 同行訪問は何回すればよいのですか

実務経験1年以上の原則を満たす人材については、回数や期間の一律の規定はありません。Q&Aは「要件にある以上の内容については細かく規定しない」としており、利用者の状態像や周辺環境、本人のコミュニケーション能力や介護技術の状況等を踏まえて、管理者やサービス提供責任者等が判断することとされています。チェックシートで到達度を確認する方法が示されています。

ただし実務経験が1年に満たない人材を例外的に従事させる場合は、通知が期間を明示しています。日本語能力試験N2相当など在留資格に求められる水準より高い日本語能力を持つことを前提に、利用者ごとに週1回のサービス提供なら同行訪問を半年、週2回なら3か月、週3回以上なら2か月行うこととされ、通知は「それ以上の同行訪問期間の短縮は認めない」と明記しています。週1回のケースに限り、利用者・家族の同意が得られる場合は同行訪問3か月に短縮したうえで、見守りカメラの活用など情報通信技術で常時事業所とやりとりできるようにする対応も認められます。

Q. 小規模多機能型居宅介護の訪問も対象ですか

今回の解禁対象には含まれていません。通いや宿泊を通じて利用者や家族との関係性が日頃から構築されていること、従事に当たって初任者研修等の修了が要件となっていないことなどから、別途検討するとされています。

Q. 利用者や家族への説明は必須ですか

必須です。しかも口頭では足りません。通知「四②」は、外国人介護人材が利用者の居宅に訪問する可能性がある場合、利用者・家族に対して書面を交付して説明し、その書面に署名を求めることとしています。書面には、外国人介護人材が訪問する場合があること、その人材が実務経験の要件を満たしていること、情報通信技術の機器を使用しながら業務を行う場合があること、不安があるときに連絡できる事業所の連絡先を記載します。様式は通知の別添として国が用意しています。Q&Aは、署名された書面の写しを利用者・家族にも交付するよう求めています。届出の際には説明書の写しの提出が必要です。詳しい進め方は利用者・家族への説明と同意の実務で扱っています。

Q. 夜間対応型訪問介護でも従事できますか

対象サービスに含まれています。ただし夜間の単独訪問は緊急時対応の判断が求められる場面が増えるため、遵守事項⑤の情報通信技術を含む環境整備と、⑤に対応する連絡体制の実効性がより重要になります。

参考資料・出典

  • [1]
    外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について

    改正の概要と通知等の一覧

  • [2]
    訪問系サービス従事における留意点について Q&A

    同行訪問の判断方法・チェックシート・提出書類

  • [3]
    外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について(報告)

    社会保障審議会介護保険部会 第118回資料

  • [4]
    外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について

    遵守事項5項目・施行日・確認書の発行件数

  • [5]
    外国人介護人材の受入れについて

    在留資格別の受け入れ要件

まとめ

技能実習生と特定技能外国人の訪問系サービスへの従事は2025年4月に解禁されましたが、無条件ではありません。本人側は介護職員初任者研修課程等の修了と介護事業所等での実務経験1年以上(原則)、事業者側は研修の実施、同行訪問等によるOJT、キャリアアップ計画の作成、ハラスメント防止の相談窓口設置、不測の事態への環境整備という5つの遵守事項が求められます。

とくに実務経験1年以上という要件は、訪問介護事業所単独では満たしにくい条件です。施設系サービスで経験を積む場を用意できるかが、実際に訪問へ展開できるかの分岐点になります。

同行訪問の回数や期間について通知は数値を定めておらず、事業者の判断に委ねられています。Q&Aが示すチェックシートの7項目を見ると、単独訪問の可否を左右するのは介助技術より緊急時対応の理解と記録・報告の能力です。期間で機械的に区切るのではなく、項目ごとの到達を確認して移行する運用が制度の趣旨に沿います。

確認書の発行は309法人・953名分(2026年2月13日時点)で、外国人介護人材全体からするとまだ小さな規模です。要件を満たすまでに時間がかかる制度である一方、着手している事業所が少ない領域でもあります。訪問系への展開を考えるなら、初任者研修の受講支援と実務経験を積む配置を、受け入れの当初から設計に含めておく必要があります。

医療・健康情報に関する免責事項

本記事は、介護現場で働く方および介護職への転職を検討される方に向けた一般的な情報提供を目的としており、 個別の症状に対する医学的な診断・治療を行うものではありません。

ご本人・ご家族の症状やケア方法について判断が必要な場合は、必ず医師・看護師・薬剤師・言語聴覚士・理学療法士・作業療法士等の有資格者にご相談ください。 介護保険サービスの利用判断についてはケアマネジャー、行政手続きについては各市区町村の窓口にお問い合わせください。

掲載情報は公開時点の各種公的資料・業界資料に基づき作成していますが、最新の制度・診療ガイドライン等と異なる場合があります。

公開日: 2026年8月8日最終更新: 2026年8月13日

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。

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