
介護職の職務経歴書の書き方|採用担当者に刺さる書き方と例文
介護職の職務経歴書の書き方を例文付きで解説。未経験者・経験者別の書き方、施設形態別のアピールポイント、担当業務の具体的な記載例、採用率を上げるフォーマットまで。
この記事のポイント
介護職の職務経歴書は「どんな施設で」「どんな業務を」「何年経験したか」を具体的に書くのがポイント。施設名・形態・定員数・担当フロア・夜勤回数・取得資格を明記し、自己PRでは「認知症ケアの経験」「新人指導の実績」「レク企画力」など介護に直結するスキルをアピール。編年体式とキャリア式から自分に合った形式を選び、A4で1〜2枚にまとめましょう。
「職務経歴書って履歴書と何が違うの?」「介護の経験をどう書けばいい?」「未経験だけど何を書けばいいの?」——介護職の転職で、職務経歴書の書き方に悩む方は非常に多いです。
介護業界の転職では、履歴書の提出は必須でも職務経歴書は「任意」の施設が少なくありません。しかし、職務経歴書を提出するだけで他の応募者と差がつきます。採用担当者は「この人は本気で入職を考えている」と評価します。
履歴書が「プロフィール」なら、職務経歴書は「仕事の実績書」。あなたがどんな施設で、どんな業務を、どのくらい経験してきたかを具体的に伝えるための書類です。採用担当者は職務経歴書で「即戦力になるか」「うちの施設に合うか」を判断します。
この記事では、介護職の職務経歴書の基本フォーマット、編年体式とキャリア式の選び方、施設形態別・ケース別の記載例、自己PRのパターン別例文、採用担当者に刺さる書き方のコツ、NG例・よくある失敗、資格の正式名称一覧、体裁のルールまで、例文・見本付きで徹底解説します。
職務経歴書とは — 履歴書との違いを理解する
まず「職務経歴書」と「履歴書」の違いを明確にしておきましょう。この違いを理解していないと、的外れな内容を書いてしまうリスクがあります。
履歴書と職務経歴書の違い
| 項目 | 履歴書 | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 目的 | 基本情報(氏名・住所・学歴・職歴)の確認 | 仕事の実績・スキル・強みのアピール |
| 形式 | JIS規格の定型フォーマット | 自由形式(A4・1〜2枚) |
| 職歴の書き方 | 「入社」「退社」の事実だけ | 担当業務・実績・施設の規模まで詳細に |
| 自己PR | 数行程度(スペースが限られる) | 具体的なエピソード付きで200〜400字 |
| 写真 | 必要(3ヶ月以内に撮影したもの) | 不要 |
| 手書き/PC | 手書きが好まれる場合も | PC作成が推奨 |
| 提出の必要性 | ほぼ必須 | 任意の施設も多いが、出すと好印象 |
一言でまとめると、履歴書は「あなたの基本情報」、職務経歴書は「あなたの仕事の実力」を伝える書類です。
なぜ介護職にも職務経歴書が必要なのか
介護職の転職で職務経歴書が重要な理由は3つあります。
- 経験の「質」を伝えられる:履歴書の「特養3年勤務」だけでは、何を担当したか分からない。職務経歴書なら「認知症フロア10名を担当、夜勤月5回、新人指導2名、看取り3件」と具体的に伝えられる
- 即戦力をアピールできる:採用担当者は「この人を採用したらすぐに活躍できるか」を知りたい。職務経歴書があれば、面接前にスキルレベルを判断できるため、面接がスムーズに進む
- 他の応募者との差別化:職務経歴書を提出しない応募者が多い介護業界では、提出するだけで「この人は転職に真剣」「丁寧な仕事をする人」という好印象を与えられる
職務経歴書を作成する前の準備 — キャリアの棚卸し
いきなり書き始めるのではなく、まずこれまでのキャリアを棚卸ししましょう。紙やスマホのメモに以下の5つを書き出すだけで、職務経歴書がスムーズに書けるようになります。
- 勤務先リスト:施設名・法人名・施設形態・定員数・勤務期間を一覧にする
- 担当業務リスト:各施設で何を担当したか(身体介護・レク・記録・委員会・送迎等)を書き出す
- 実績・成果:数字で表せるもの(担当利用者数・夜勤回数・指導した新人の人数・改善した業務・在宅復帰率等)を洗い出す
- 取得資格:取得年月と正式名称を確認する。資格証を手元に用意
- 応募先の研究:応募先の施設形態・理念・求める人材像・力を入れている取り組みを調べ、自分の経験とマッチする部分を見つける
この準備に30分〜1時間かけるだけで、書く内容に困らなくなり、説得力のある職務経歴書が仕上がります。特に③の「実績・成果」は多くの人が書き漏らすポイントなので、意識的に洗い出しましょう。
職務経歴書の基本フォーマットと記載項目

介護職の職務経歴書に含める5つの項目
| 項目 | 書く内容 | ポイント | 文量の目安 |
|---|---|---|---|
| 1. 職務要約 | 経歴全体の要約 | 「介護業界で計◯年の経験があります」と冒頭に | 3〜5行(150〜200字) |
| 2. 職務経歴 | 勤務先ごとの詳細 | 施設名・形態・定員数・担当業務を具体的に | 1施設あたり10〜15行 |
| 3. 保有資格 | 取得済みの資格一覧 | 取得年月も記載。正式名称で | 箇条書き |
| 4. 自己PR | 強み・実績のアピール | 数字で示す(「利用者◯名を担当」等) | 200〜400字 |
| 5. 志望動機 | 応募先への意欲 | 履歴書と重複してもOK。より詳しく書く | 150〜300字 |
職務経歴の書き方 — 施設ごとに以下を明記
各勤務先について、以下の項目を漏れなく記載しましょう。これらが揃っていると、採用担当者が「どんな環境で働いてきたか」を正確にイメージできます。
- 法人名・施設名:正式名称で(社会福祉法人○○ 特別養護老人ホーム○○)
- 施設形態:特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・通所介護・訪問介護・認知症対応型共同生活介護等
- 定員数・利用者数:「定員100名(ユニット型10名×10ユニット)」「1日平均利用者25名」
- 従業員数:「介護職員30名、看護職員5名、リハビリ職3名」
- 勤務期間:「2020年4月〜2023年3月(3年)」
- 雇用形態:正社員・契約社員・パートタイム・派遣社員
- 配属先:「認知症フロア」「2階ユニット」「通所リハビリ」
- 担当業務:身体介護(食事・入浴・排泄・移乗)、生活援助、レク企画、記録作成、新人指導、委員会活動等
- 夜勤回数:「月4〜5回(2名体制)」
- 担当利用者数:「認知症フロア20名を担当」「1日8〜10件の訪問」
- 役職:ユニットリーダー・フロアリーダー・サービス提供責任者等
職務要約の書き方
職務要約は採用担当者が最初に読む部分であり、第一印象を左右します。以下の3つの要素を4〜5行にまとめましょう。
- 経験年数と施設形態:「介護業界で計5年、特養と老健で経験を積みました」
- 主な担当業務・実績:「認知症ケア・看取り・新人指導を担当」
- 保有資格:「2023年に介護福祉士を取得」
この3つが含まれていれば、採用担当者は「この先を読んでみよう」と思ってくれます。
編年体式 vs キャリア式 — 自分に合う形式の選び方
職務経歴書には大きく分けて「編年体式」と「キャリア式」の2つの形式があります。自分の経歴に合った形式を選ぶことで、強みを最大限にアピールできます。
編年体式(時系列)
職歴を古い順に時系列で並べる最も一般的な形式。採用担当者も読み慣れています。
- おすすめの人:転職回数が少ない人(1〜2回)、介護経験が浅い人、未経験者、キャリアの成長過程を見せたい人
- メリット:キャリアの流れが分かりやすい。「未経験→初任者研修→介護福祉士取得→リーダー」という成長ストーリーが伝わる
- デメリット:転職回数が多いと冗長になりやすい。古い経歴から始まるため直近のスキルが後半に来る
逆編年体式
直近の職歴を最初に書き、過去に遡る形式。最新の経験を強調したい場合に有効です。
- おすすめの人:直近の経験が最もアピールポイントになる人、即戦力をアピールしたい経験者、管理職経験がある人
- メリット:採用担当者が最も知りたい「今のスキル」が冒頭に来るため、インパクトが強い
キャリア式(分野別)
職歴を時系列ではなく、業務内容やスキル別にまとめる形式。例えば「身体介護の経験」「認知症ケアの経験」「マネジメントの経験」のように分野ごとにまとめます。
- おすすめの人:転職回数が多い人(3回以上)、様々な施設形態で経験がある人、特定のスキルを強調したい人
- メリット:転職回数が目立たない。スキルや専門性をアピールしやすい。ブランクも目立ちにくい
- デメリット:キャリアの時系列が分かりにくい。採用担当者が慣れていない場合がある
形式選びの早見表
| あなたの状況 | おすすめの形式 | 理由 |
|---|---|---|
| 転職1〜2回、同じ施設形態で経験 | 編年体式 | 成長の流れが一目瞭然 |
| 直近の経験が最も強い | 逆編年体式 | 即戦力アピールに最適 |
| 転職3回以上、異なる施設形態で経験 | キャリア式 | 転職回数より経験の幅を見せる |
| 未経験で異業種から転職 | 編年体式 | 前職スキルを介護に結びつけて説明 |
| ブランクがある | キャリア式 | ブランクが目立ちにくい |
| 管理職(リーダー・主任)経験あり | 逆編年体式 | 直近のマネジメント経験を前面に |
迷った場合は編年体式が無難です。介護業界の採用担当者が最も読み慣れている形式で、書く側も整理しやすいメリットがあります。
職務経歴書の記載例

実際の職務経歴書がどのように書かれるか、経験者と未経験者それぞれの記載例を見てみましょう。
職務要約の例(経験者)
介護業界で計5年の経験があります。特別養護老人ホームで3年、デイサービスで2年勤務し、身体介護全般・レクリエーション企画・新人職員の指導を担当してきました。2023年に介護福祉士を取得し、ユニットリーダーとして10名の入居者のケアマネジメントに携わりました。認知症ケアと多職種連携に強みがあり、利用者さま一人ひとりに寄り添った個別ケアを実践してまいりました。
職務経歴の例(特養勤務)
社会福祉法人○○会 特別養護老人ホーム○○園
勤務期間:2020年4月〜2023年3月(3年)
雇用形態:正社員
施設概要:ユニット型特養(定員80名、8ユニット)
配属:認知症フロア(10名)
従業員:介護職員25名、看護職員4名、リハビリ職2名【担当業務】
- 認知症フロア(10名)の日常介護全般(食事・入浴・排泄・移乗介助)
- 夜勤月4〜5回(2名体制)
- レクリエーションの企画・実施(月間プログラム作成)
- 介護記録の作成(タブレット入力・ほのぼのNEXT使用)
- 2022年よりユニットリーダーとして新人2名の指導を担当
- 看取り介護3件の経験あり(ご家族への看取りケアプランの説明も担当)
- 委員会活動:感染対策委員会(2年間)、レクリエーション委員会(1年間)
【実績】
- 担当フロアの不穏発生回数を前年比30%削減(環境調整・個別ケアの見直しにより)
- 新人OJTプログラムを作成し、2名を1年以内に独り立ちさせた
自己PRの例(経験者)
私の強みは「認知症ケアの実践力」と「チームマネジメント力」です。認知症フロアを3年間担当する中で、利用者の生活歴を丁寧に把握し、個別ケアプランに反映させることで、不穏の発生回数を約30%減少させました。パーソンセンタードケアの考え方を大切にし、利用者さまの「できること」に着目したケアを心がけています。
また、ユニットリーダーとして新人2名の指導を担当し、OJTプログラムを作成。2名とも1年以内に独り立ちし、現在もフロアの戦力として活躍しています。「チーム全体のケアの質を上げる」ことにやりがいを感じており、御施設でも経験を活かして即戦力として貢献したいと考えております。
職務要約の例(未経験者)
飲食業界で10年間、店長として店舗運営・スタッフマネジメント・顧客対応に従事してまいりました。お客様一人ひとりのニーズに応えるサービスを追求してきた経験は、介護の「利用者本位のケア」に直結すると考えています。2025年に介護職員初任者研修を修了し、介護業界への転職を志望しております。
未経験者の職務経歴書の書き方
異業種からの転職で介護経験がない場合は、前職のスキルを介護に結びつけるのがポイントです。
株式会社○○ 営業部
勤務期間:2015年4月〜2025年3月(10年)
雇用形態:正社員
事業内容:食品卸売業(従業員200名)【業務内容】
- 法人顧客への営業活動(年間200社以上を担当)
- 5名の営業チームのリーダーとしてメンバー指導・売上管理
- クレーム対応(月平均5件)
- 新規顧客開拓(年間30社の新規取引を獲得)
【介護に活かせるスキル】
- 顧客対応10年 → コミュニケーション力・傾聴力
- チームリーダー経験 → チームワーク・マネジメント力
- クレーム対応 → ストレス耐性・問題解決力
- 新規開拓営業 → 行動力・粘り強さ
施設形態別・ケース別の記載例
応募先の施設形態に合わせて、アピールすべきポイントは変わります。施設形態別とケース別の記載例を紹介します。
老健(介護老人保健施設)の記載例
医療法人○○ 介護老人保健施設○○
勤務期間:2021年4月〜2024年3月(3年)/正社員
施設概要:老健(定員100名、通所リハ定員30名)【担当業務】
- 入所フロア(25名)の日常介護全般
- リハビリ職(PT・OT)との連携によるADL維持・向上の支援
- 在宅復帰に向けた生活リハビリの実施
- 医師・看護師とのカンファレンス(月2回)への参加
- 在宅復帰率80%のフロアで退所支援を経験
デイサービスの記載例
株式会社○○ デイサービスセンター○○
勤務期間:2022年4月〜2025年3月(3年)/正社員
施設概要:通所介護(定員25名、1日平均利用者20名)【担当業務】
- 利用者の送迎(普通自動車・ハイエース)
- 入浴介助・食事介助・排泄介助
- レクリエーションの企画・運営(月間プログラム作成、季節行事の企画を担当)
- 機能訓練指導員と連携した個別機能訓練の補助
- 介護記録の作成(タブレット入力)
訪問介護の記載例
○○介護サービス株式会社 訪問介護事業所○○
勤務期間:2020年10月〜2024年9月(4年)/正社員(サービス提供責任者)
事業所概要:訪問介護(登録ヘルパー15名、利用者約50名)【担当業務】
- サービス提供責任者として訪問介護計画書の作成・管理
- ヘルパーのシフト調整・指導・同行訪問
- ケアマネジャーとの連携(サービス担当者会議への参加月4〜5回)
- 新規利用者のアセスメント・契約
- 身体介護・生活援助の直接サービス提供(週15件)
ケース別:ブランクがある場合
職務要約
介護業界で計5年の経験があります。特別養護老人ホームで3年、グループホームで2年勤務した後、出産・育児のため2年間離職しておりました。離職期間中に介護福祉士を取得し、現在は復職に向けて準備を進めています。子育てで培った観察力と忍耐力を活かし、利用者さま一人ひとりに寄り添うケアを提供したいと考えております。
ケース別:40代以上で未経験から転職
自己PR
20年間の接客業経験で培ったコミュニケーション力と、チームリーダーとして10名のスタッフを管理したマネジメント経験が強みです。介護職員初任者研修を修了し、介護の基礎知識を身につけました。前職では「お客様の立場に立ったサービス」を信条にしており、この姿勢は介護の「利用者本位のケア」に通じると考えています。年齢を重ねた今だからこそ、高齢者の方の気持ちに寄り添えると確信しています。
自己PRの書き方 — パターン別例文
自己PRは職務経歴書の中で最も自由度が高く、差がつく項目です。応募先が求める人材像に合わせて、自分の強みをアピールしましょう。
パターン1:認知症ケアの専門性をアピール
私の強みは認知症ケアの実践力です。グループホームで3年間、認知症の利用者9名を担当しました。利用者一人ひとりの生活歴・趣味・好みを詳細に把握し、パーソンセンタードケアを実践。不穏時には原因を分析し、環境調整や声かけの工夫で対応。結果として不穏の発生頻度が約3割減少しました。認知症介護実践者研修を修了しており、エビデンスに基づいたケアを提供できます。
パターン2:マネジメント・新人指導力をアピール
ユニットリーダーとして2年間、10名のスタッフのマネジメントを担当しました。新人3名のOJTプログラムを作成・実施し、全員が6ヶ月以内に独り立ち。スタッフ間のコミュニケーション改善のため週1回のミニカンファレンスを導入し、情報共有の漏れを削減しました。チーム全体のケアの質を底上げすることにやりがいを感じています。
パターン3:レクリエーション企画力をアピール
デイサービスで2年間、レクリエーションの企画・運営を担当しました。月間プログラムの作成に加え、季節行事(お花見・夏祭り・クリスマス会等)の企画・準備・当日の進行を一手に担いました。利用者アンケートで「レクが楽しみで通っている」という回答が70%を超え、稼働率向上にも貢献。利用者の笑顔を引き出す企画力と実行力が私の強みです。
パターン4:未経験・異業種からの転職
前職の飲食業で8年間、店長として30名のスタッフマネジメントと顧客対応を担当しました。「お客様の満足」を最優先に考え、一人ひとりのニーズに応えるサービスを追求してきた姿勢は、介護の「利用者本位のケア」に直結すると考えています。介護職員初任者研修を修了し、基礎的な介護技術を習得済みです。前職で培ったコミュニケーション力・チームワーク力・ストレス耐性を活かし、利用者さまと信頼関係を築ける介護職員を目指します。
自己PRを書く3つのコツ
- 「強み+根拠+成果」の3段構造で書く:「認知症ケアが得意です」だけでなく「3年間の経験で不穏を3割減少させた」と根拠と成果を添える
- 応募先に合わせてカスタマイズ:特養に応募するなら看取り・夜勤経験を、デイならレク・送迎経験を強調
- 200〜400字にまとめる:長すぎると読まれない。短すぎるとアピール不足
採用担当者に刺さる7つのコツ
採用担当者が「この人に会いたい」と思う職務経歴書にするための7つのコツを紹介します。
1. 数字で実績を示す
「利用者20名を担当」「夜勤月5回」「新人2名の指導」「不穏の発生率30%減」——抽象的な「多くの」「様々な」より具体的な数字が圧倒的に説得力を持ちます。採用担当者は「この人が来たら、うちでも同じレベルの仕事をしてくれるだろう」と具体的にイメージできます。数字が思い浮かばない場合は「担当利用者数」「夜勤回数」「勤続年数」だけでも十分です。
2. 施設形態と定員数を書く
採用担当者は「どの規模の施設で経験したか」を非常に重視します。同じ「特養3年」でも、「従来型100床」と「ユニット型30床」では求められるスキルが違います。「特養勤務」だけでなく「ユニット型特養(定員80名、8ユニット)」と書くことで、あなたの経験の質が正確に伝わります。
3. 「介護に活かせるスキル」を明記
異業種経験者は、前職スキルと介護業務の接点を具体的に説明します。「営業10年→コミュニケーション力」だけでなく「法人顧客200社への対応で培った傾聴力と提案力は、利用者やご家族への説明・対応に直結する」と踏み込んで書くと説得力が増します。
4. A4で1〜2枚に収める
採用担当者は多数の書類を読みます。3枚以上は読んでもらえないリスクが高いです。直近の経歴を詳しく、古い経歴は簡潔に。10年以上前の経歴は「社名・期間・施設形態」の1行にまとめてOKです。
5. 応募先に合わせてカスタマイズ
応募先が特養なら特養での経験を詳しく、デイならレク経験を強調。同じ職務経歴書を全施設に使い回すのは避けましょう。自己PRと志望動機だけでも応募先ごとに書き直すと、「この施設のことを調べて応募してくれた」と好印象になります。
6. 「できること」だけでなく「やりたいこと」も書く
「認知症ケアの専門性をさらに高めたい」「管理職として施設運営に携わりたい」「看取りケアに本格的に取り組みたい」など、キャリアビジョンを示すと将来性を感じてもらえます。「うちで長く働いてくれそう」と思ってもらうことが採用の決め手になることも多いです。
7. 第三者にチェックしてもらう
自分では気づかない誤字脱字・分かりにくい表現を指摘してもらいましょう。家族や友人に読んでもらう、ハローワークの相談員に添削してもらう、転職エージェントのアドバイザーに見てもらうなどの方法があります。「内容は良いのに誤字で落とされた」という事態は避けたいところです。
NG例・よくある失敗
採用担当者が「これはダメだ」と感じる職務経歴書のNG例を知っておきましょう。一つでも当てはまると書類選考で落とされるリスクがあります。
内容のNG
| NG例 | なぜダメなのか | 改善策 |
|---|---|---|
| 「介護業務全般」とだけ書く | 何を担当したか全く伝わらない | 「食事・入浴・排泄介助、認知症フロア10名担当、夜勤月5回」と具体的に |
| 施設名を略称で書く | 「特養」「サ高住」は正式名称ではない | 「特別養護老人ホーム○○」「サービス付き高齢者向け住宅○○」 |
| 退職理由にネガティブな内容 | 前職の悪口は絶対NG | 「キャリアアップのため」「より専門的な環境を求めて」 |
| 自己PRがない | 最大のアピール機会を逃している | 200〜400字で強み・実績を「強み+根拠+成果」の構造で記載 |
| 数字が一切ない | 「多くの」「様々な」は説得力がない | 「利用者20名」「夜勤月5回」「新人3名指導」と数字で示す |
| 資格名が略称 | 正式名称で書かないと信用度が下がる | 「介護支援専門員」「介護職員初任者研修修了」 |
| 応募先全てに同じ内容 | 「使い回し感」が出て熱意が伝わらない | 自己PR・志望動機は応募先ごとにカスタマイズ |
体裁のNG
| NG例 | なぜダメなのか | 改善策 |
|---|---|---|
| 3枚以上になっている | 長すぎて読んでもらえない | A4で1〜2枚に収める。古い経歴は簡潔に |
| 誤字脱字がある | 「注意力がない人」と判断される | 第三者にチェックしてもらう。音読して確認 |
| フォントがバラバラ | 読みにくく、雑な印象を与える | 明朝体で統一。見出しのみゴシック体もOK |
| 余白がなく詰め込みすぎ | 圧迫感があり読む気をなくす | 余白は上25〜30mm、左右・下20〜25mm |
| 日付の西暦と和暦が混在 | 統一感がなく雑な印象 | どちらかに統一する |
最も多いNG:「何も考えずにテンプレをコピペ」
ネットのテンプレートをそのままコピーして、自分の経歴に合わせない職務経歴書は採用担当者にすぐバレます。「他の応募者と全く同じ文章だった」というケースも実際にあります。テンプレートは「構成の参考」として使い、中身は必ず自分の経験に基づいて書くことが鉄則です。
介護系資格の正式名称一覧
職務経歴書に資格を記載する際は、必ず正式名称で書きましょう。略称は減点対象です。
| 略称・通称 | 正式名称 | 記載例 |
|---|---|---|
| 介護福祉士 | 介護福祉士 | 2023年3月 介護福祉士 取得 |
| ケアマネ | 介護支援専門員 | 2025年10月 介護支援専門員 取得 |
| 初任者研修 | 介護職員初任者研修 | 2020年6月 介護職員初任者研修 修了 |
| 実務者研修 | 介護福祉士実務者研修 | 2022年3月 介護福祉士実務者研修 修了 |
| ヘルパー2級 | 訪問介護員養成研修2級課程 | 2015年4月 訪問介護員養成研修2級課程 修了 |
| 社会福祉士 | 社会福祉士 | 2024年3月 社会福祉士 取得 |
| 普通免許 | 普通自動車第一種運転免許 | 2010年8月 普通自動車第一種運転免許 取得 |
| 認知症ケア専門士 | 認知症ケア専門士 | 2024年12月 認知症ケア専門士 取得 |
| 福祉住環境コーディネーター | 福祉住環境コーディネーター検定試験◯級 | 2023年7月 福祉住環境コーディネーター検定試験2級 合格 |
「取得」「修了」「合格」の使い分け
- 「取得」:国家資格・公的資格(介護福祉士、社会福祉士、運転免許など)
- 「修了」:研修(初任者研修、実務者研修、喀痰吸引等研修など)
- 「合格」:民間検定(福祉住環境コーディネーターなど)
間違えると「この人は資格制度を理解していないのでは」と思われるリスクがあります。
体裁・レイアウトのルール
内容が良くても、見た目が読みにくければ評価は下がります。体裁のルールを押さえましょう。
基本ルール
| 項目 | 推奨 |
|---|---|
| 用紙サイズ | A4 |
| 枚数 | 1〜2枚(多くても3枚まで) |
| 作成方法 | PC作成が推奨(Word or Googleドキュメント) |
| フォント | 明朝体 10.5〜11pt(タイトルは12pt) |
| 余白 | 上25〜30mm、左右・下20〜25mm |
| 1行の文字数 | 40字前後 |
| 1文の長さ | 2行以内に収める |
| 日付の表記 | 西暦 or 和暦で統一(混在はNG) |
見やすさを上げるコツ
- 見出しを太字にする:「職務要約」「職務経歴」「保有資格」「自己PR」の見出しを太字+やや大きめのフォントに
- 箇条書きを活用する:担当業務は箇条書きの方が読みやすい。長文は避ける
- 表を使う:施設情報(法人名・施設形態・定員数・勤務期間)は表にまとめると一目で分かる
- 行間を適度に空ける:詰め込みすぎると読みにくい。セクション間に1行分の空白を入れる
手書きの場合
PC作成が推奨ですが、手書きが求められる場合は以下に注意。
- 黒のボールペンで丁寧に書く(消せるボールペンはNG)
- 修正液・修正テープは使わない(書き直す)
- 下書きをしてから清書する
よくある質問
Q. 介護職でも職務経歴書は必要ですか?
A. 必須ではない施設もありますが、提出すると好印象です。「この人は本気で入職を考えている」と評価されます。特に経験者は必ず用意しましょう。未経験者でも、前職のスキルをアピールする良い機会になります。職務経歴書を出さない応募者が多い介護業界では、提出するだけで差別化になります。
Q. パート勤務の経歴も書くべきですか?
A. 介護の経験であれば必ず書きましょう。パートでも「身体介護◯年の経験」は立派なキャリアです。雇用形態は正直に「パートタイム」と記載し、担当業務は正社員と同じように具体的に書きます。週3日勤務でも3年続けていれば「3年の介護経験」です。
Q. 転職回数が多く、職務経歴書が長くなります
A. 直近3〜5年の経歴を詳しく、それ以前は簡潔にまとめましょう。古い経歴は「社名・期間・施設形態」の1行で十分です。キャリア式フォーマットを選べば、転職回数ではなくスキル・経験を軸にまとめられるため、転職回数が目立ちにくくなります。
Q. 手書きとPCどちらで作成すべき?
A. PC作成が推奨です。WordやGoogleドキュメントで作成すると、レイアウトが整い読みやすくなります。修正も容易で、応募先ごとにカスタマイズしやすいメリットもあります。手書きを指定された場合のみ手書きで作成しましょう。フォントは明朝体の10.5〜11ptが標準です。
Q. 写真は必要ですか?
A. 職務経歴書に写真は不要です。写真が必要なのは履歴書のみです。
Q. ブランク期間はどう書けばいい?
A. 正直に書きましょう。「出産・育児のため離職(2年間)」「資格取得の勉強に充てた」など、ブランクの理由を簡潔に記載します。ブランク中に介護福祉士を取得した、介護施設でボランティアに参加した、家族の介護をしていたなどの活動があれば必ず書きましょう。何もしていなかった場合でも「ブランク期間に介護業界への転職を決意し、初任者研修を修了しました」と前向きにまとめます。
Q. 志望動機は職務経歴書にも書くべき?
A. 書くことをおすすめします。履歴書の志望動機欄はスペースが限られているため、職務経歴書でより詳しく書くことで、入職への意欲を強くアピールできます。特に「前職の経験をどう活かしたいか」「なぜこの施設を選んだか」を具体的に書くと効果的です。
Q. テンプレートをそのまま使ってもいい?
A. テンプレートは構成の参考にしましょう。ただし、中身を自分の経験に合わせずにコピペすると、採用担当者にバレます。テンプレートの構成は活用しつつ、内容は必ずオリジナルで書いてください。特に自己PRと志望動機は毎回書き下ろすのが鉄則です。
Q. 短期間(3ヶ月未満)で辞めた職場も書くべき?
A. 原則として書くべきです。書かないと「経歴詐称」と見なされるリスクがあります。ただし、詳細を書く必要はありません。「株式会社○○ 有料老人ホーム○○(2024年1月〜3月・3ヶ月)」と事実のみ簡潔に記載し、退職理由は「事前の説明と実際の業務にミスマッチがあったため」とポジティブに言い換えましょう。
Q. 応募先ごとに職務経歴書を書き直す必要がある?
A. 理想的には応募先ごとにカスタマイズすべきです。全体の構成は同じでも、自己PRと志望動機を応募先の求める人材像に合わせて微調整するだけで、書類選考の通過率が大きく変わります。特養に応募するなら夜勤・看取り経験を強調し、デイに応募するならレク企画・送迎経験を強調しましょう。
参考文献・出典
- [1]
転職先の施設タイプに合わせて職務経歴書を書くなら、まず働き方診断で自分に合った施設を見つけましょう。特養・老健・デイ・訪問介護など、あなたの経験やスキルが活きる施設が3分で見つかります。診断は無料です。
まとめ
この記事のポイントまとめ
| テーマ | ポイント |
|---|---|
| 履歴書との違い | 履歴書は基本情報、職務経歴書は仕事の実績書。提出は任意でも出すだけで差別化に |
| 基本フォーマット | 職務要約→職務経歴→保有資格→自己PR→志望動機の5項目 |
| 形式選び | 転職少なめ→編年体式、転職多め→キャリア式、迷ったら編年体式 |
| 具体性が命 | 施設名・形態・定員数・担当業務・夜勤回数を数字で明記 |
| 自己PR | 強み+根拠+成果の3段構造。200〜400字。応募先に合わせてカスタマイズ |
| NG例 | 「介護業務全般」は禁止。略称NG。3枚以上NG。テンプレコピペNG |
| 資格 | 正式名称で記載。「取得」「修了」「合格」を正しく使い分け |
| 体裁 | A4で1〜2枚、PC作成推奨、明朝体10.5〜11pt、箇条書き活用 |
「具体的に書く」が全ての基本
介護職の職務経歴書は「具体性」が命です。「どんな施設で」「どんな利用者を」「どんな業務を」「何年間」経験したかを、数字を交えて具体的に書くことで、採用担当者に「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえます。
未経験者は前職のスキルを介護に結びつけ、経験者は認知症ケア・看取り・新人指導・リーダー経験などの実績を堂々とアピールしましょう。応募先ごとに自己PRと志望動機をカスタマイズすることで、書類選考の通過率は格段に上がります。
職務経歴書を丁寧に作成すること自体が「仕事に真剣な人」「丁寧にケアができる人」というメッセージになります。「書類作成は面倒」と感じるかもしれませんが、この1〜2枚の書類が、あなたの介護キャリアの次の扉を開く鍵になります。まずはキャリアの棚卸しから始めてみてください。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
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