成年後見制度とは|法定後見と任意後見・申立ての流れ・費用と注意点
ご家族・ご利用者向け

成年後見制度とは|法定後見と任意後見・申立ての流れ・費用と注意点

成年後見制度を家族向けにやさしく解説。法定後見(後見・保佐・補助)と任意後見の違い、申立ての流れ、費用、後見人の権限と制限、相談先まで、法務省・裁判所・厚労省の公式情報をもとに整理します。

ポイント

成年後見制度の要約

成年後見制度とは、認知症・知的障害・精神障害などで判断能力が十分でなくなった方に代わり、後見人等が財産管理や契約などの手続きを支援する公的な制度です。すでに判断能力が低下している場合は法定後見(後見・保佐・補助の3類型)を家庭裁判所に申し立て、元気なうちに備える場合は任意後見を公正証書で契約しておきます。申立て費用は収入印紙800円・登記2,600円など数千円〜(鑑定が必要なら別途5万〜10万円程度)で、開始までおおむね1〜2か月が目安です。

目次

はじめに(家族が成年後見を考えるとき)

親が認知症と診断され、「銀行口座が凍結されて生活費を引き出せない」「施設の入所契約に親本人のサインが必要だと言われた」「自宅を売って施設費用に充てたいのに手続きが進まない」――こうした場面で初めて成年後見制度の名前を聞く家族は少なくありません。判断能力が低下した方は、契約や財産処分といった法律行為を自分だけで有効に行うことが難しくなり、家族であっても代わりに手続きをする法的な権限が当然にあるわけではないからです。

このページでは、介護を受けるご本人とそのご家族に向けて、成年後見制度の全体像を公式情報にもとづいてやさしく整理します。法定後見と任意後見の違い、後見・保佐・補助という3つの類型、家庭裁判所への申立ての流れ、かかる費用、後見人ができること・できないこと、そして迷ったときの相談先まで、順を追って解説します。専門用語はそのつど言いかえながら進めるので、制度を初めて調べる方も読み進められます。

成年後見制度とは|判断能力が低下した人を支える仕組み

制度の目的

成年後見制度は、認知症・知的障害・精神障害などの理由で判断能力が十分でなくなった方を保護・支援するための制度です。判断能力が低下すると、不動産や預貯金の管理、介護サービスや施設入所の契約、遺産分割の協議などを自分で適切に行うことが難しくなります。また、自分に不利益な契約でもよく分からないまま結んでしまい、悪質商法の被害にあうおそれもあります。こうした方の権利と財産を守るのが、この制度の役割です(法務省「成年後見制度Q&A」)。

2つの制度に分かれる

成年後見制度は、大きく「法定後見制度」「任意後見制度」の2つに分かれます。違いを一言でいうと、すでに判断能力が低下したあとに家庭裁判所が後見人を選ぶのが法定後見、まだ元気なうちに本人が将来の後見人を自分で選んで契約しておくのが任意後見です。

  • 法定後見:判断能力が不十分になった「あと」に、家族などが家庭裁判所へ申立てを行い、裁判所が成年後見人・保佐人・補助人を選任します。法定後見はさらに、判断能力の程度に応じて後見・保佐・補助の3類型に分かれます。
  • 任意後見:判断能力が十分にある「うち」に、本人が将来支援してほしい人(任意後見受任者)と、公正証書で任意後見契約を結んでおきます。実際に効力が生じるのは、判断能力が低下し、家庭裁判所が任意後見監督人を選任したときからです。

介護の場面でなぜ必要になるのか

介護の現場で後見が話題になるのは、多くが「お金」と「契約」の問題です。最高裁判所「成年後見関係事件の概況」では、申立ての主な動機として預貯金等の管理・解約が最も多く、次いで身上保護(介護や生活に関わる手続き)が挙げられています。本人名義の口座からの引き出しや定期預金の解約、施設入所契約、自宅の売却などは、家族であっても本人の代理権がなければ進められないことが多く、その代理権を公的に与える仕組みが成年後見なのです。

法定後見の3類型|後見・保佐・補助の違い

判断能力の程度で3つに分かれる

法定後見は、本人の判断能力がどの程度残っているかによって、判断能力の低下が重い順に「後見」「保佐」「補助」の3類型に分かれます。どの類型になるかは、医師の診断書や、必要に応じて行われる鑑定をもとに、家庭裁判所が判断します。類型が違うと、選ばれる支援者の呼び名も、与えられる権限の広さも変わります。

後見(成年後見人)

判断能力が「欠けているのが通常の状態」の方が対象です。多くの手続き・契約を自分ひとりで決めることが難しい段階で、選ばれた成年後見人は、原則として財産に関するすべての法律行為を本人に代わって行えます(代理権)。また、本人が自分で行った契約も、日用品の購入など日常生活に関する行為を除いて、後からほぼすべて取り消すことができます(取消権)。3類型のなかで、支援者の権限が最も広いのが後見です。

保佐(保佐人)

「重要な手続き・契約などをひとりで決めることが心配な方」が対象です。日常的なことはできても、借金・保証、不動産など重要な財産の売買、訴訟、相続の承認や放棄、遺産分割などの重要な行為(民法13条1項に挙げられた行為)には、保佐人の同意が必要になります(同意権・取消権)。代理権は、申立ての範囲内で家庭裁判所が定めた特定の行為についてのみ与えられます。

補助(補助人)

「重要な手続き・契約の中で、ひとりで決めることに心配がある方」が対象で、3類型のなかで最も判断能力が残っている段階です。同意権・取消権も代理権も、申立ての範囲内で家庭裁判所が定めた行為に限られます。補助を利用するには本人の同意が必要で、本人の意思を尊重する度合いが最も高い類型といえます。

共通する大切なルール

いずれの類型でも、後見人等は本人の利益になることのためだけに権限を使います。日用品の購入など日常生活に関する行為は、本人が自由にでき、取り消しの対象になりません。本人らしい暮らしを尊重することが、制度の前提になっています。

任意後見制度とは|元気なうちに自分で備える

本人が将来の後見人を自分で選ぶ

任意後見制度は、判断能力が十分にあるうちに、将来に備えて本人自らが信頼できる人(任意後見受任者)を選び、「判断能力が低下したら、どんなことを代わりにしてほしいか」をあらかじめ契約で決めておく制度です。誰に任せるか、何を任せるかを自分の意思で決められるのが、法定後見との一番の違いです。

必ず公正証書で契約する

任意後見契約は、公証人が作成する公正証書によって結ぶ必要があります。口約束や私的な書面では効力がありません。公正証書を作成すると、その内容が法務局に登記され、誰が任意後見人になる予定かが公的に記録されます。

効力が生じるのは監督人が選ばれてから

任意後見契約は、結んだだけではすぐに動き出しません。本人の判断能力が実際に不十分になったときに、本人・配偶者・四親等内の親族・任意後見受任者が家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立て、監督人が選ばれた時点で初めて契約の効力が生じます。任意後見では、この監督人がすべてのケースで必ず選任され、任意後見人の仕事を本人に代わってチェックします。

利用の形(将来型・移行型・即効型)

任意後見の使い方には、判断能力が低下したら開始する「将来型」、判断能力があるうちは別の財産管理契約で支援を受け、低下したら任意後見へ切り替える「移行型」、契約後すぐに開始する「即効型」があります。どの形が合うかは、本人の状態や希望によって変わるため、公証役場や専門職に相談しながら設計するのが一般的です。

法定後見と任意後見はどう違う?比較でわかる選び方

2つの制度を一覧で比較

法定後見と任意後見は、目的こそ同じでも、始まり方・後見人の決め方・権限の範囲が大きく異なります。下の表で違いを確認してください(法務省「成年後見制度Q&A」をもとに整理)。

法定後見任意後見
始めるタイミング判断能力が低下した「あと」判断能力が十分な「うち」に契約
後見人を選ぶのは家庭裁判所(候補者を推薦できるが裁判所が決定)本人が自分で選ぶ
手続き家庭裁判所に後見等開始の申立て公正証書で契約→低下後に監督人選任を申立て
申立てができる人本人・配偶者・四親等内の親族・検察官・市区町村長など本人・配偶者・四親等内の親族・任意後見受任者
後見人の権限法律で定めた範囲で代理・同意・取消ができる契約で定めた範囲の代理のみ(取消権はない)
監督人必要に応じて家庭裁判所が選任すべてのケースで必ず選任

「取消権の有無」が大きな分かれ目

実務上とくに重要なのが取消権です。法定後見の後見人等は、本人が結んでしまった不利益な契約を後から取り消せますが、任意後見人には取消権がありません。そのため、悪質商法など本人がだまされて契約してしまうリスクに備えたい場合は、法定後見のほうが守りが厚くなります。任意後見でその場面に対応するには、原則として法定後見へ移行する必要があります。

うちはどちらを使うべきか

判断の目安はシンプルです。すでに判断能力が低下していて、いま困っているのであれば、選べるのは法定後見です。まだ元気で、将来に備えて自分の希望を反映したいのであれば、任意後見を検討します。「親が認知症と診断されたあとで任意後見を結びたい」というご相談がよくありますが、任意後見は判断能力があるうちでなければ契約できないため、その場合は法定後見が選択肢になります。

法定後見の申立ての流れ|申立てから開始まで

どこに申し立てるか

法定後見は、本人の住所地(住民登録のある場所)を管轄する家庭裁判所に申し立てます。申立てができるのは、本人・配偶者・四親等内の親族・成年後見人等・任意後見人・検察官・市区町村長などです。身寄りがない場合などには、市区町村長が申立てを行うこともあります。

ステップで見る申立ての流れ

  1. 書類の準備:申立書、本人の戸籍謄本・住民票、医師の診断書(成年後見用)、本人の財産がわかる資料(預貯金通帳の写し、不動産の資料など)、後見人候補者に関する書類などをそろえます。申立書の書式は家庭裁判所のサイトからダウンロードできます。
  2. 家庭裁判所へ申立て:必要書類と費用を添えて提出します。
  3. 面接・調査:家庭裁判所の調査官などが、申立人や後見人候補者、本人と面接し、事情や本人の意向を確認します。
  4. 鑑定(必要な場合):後見・保佐では、本人の判断能力について医師による鑑定が原則必要とされる場合があります(補助では原則不要)。実際には鑑定が行われないケースも多くあります。
  5. 親族への意向照会:必要に応じて、ほかの親族に後見人候補者などについての意向が確認されます。
  6. 審判・後見人の選任:要件を満たしていれば、家庭裁判所が後見開始等の審判を行い、後見人等を選任します。候補者を推薦できますが、最終的に誰を選ぶかは裁判所の裁量です。
  7. 登記:審判が確定すると、家庭裁判所から法務局へ登記が嘱託され、誰が後見人かが公的に記録されます。
  8. 支援の開始:登記後、後見人等による財産管理や手続きの支援が始まります。

どのくらい時間がかかるか

申立てから開始までは、ケースによりますがおおむね1〜2か月程度が一つの目安です。鑑定が必要になる場合や、書類の追加が求められる場合は、さらに時間がかかることがあります。急いで口座解約や施設契約をしたい事情があっても、後見人が選任されるまでは代理できないため、早めの準備が大切です。

任意後見を開始するときの流れ

任意後見の場合は、(1)本人と受任者で話し合って契約内容を決め、(2)公証役場で任意後見契約を公正証書として作成し、(3)判断能力が低下したときに家庭裁判所へ任意後見監督人の選任を申し立て、(4)監督人が選ばれて契約の効力が生じる、という流れになります。

成年後見制度にかかる費用|申立て・鑑定・報酬

法定後見の申立てにかかる費用

家庭裁判所に法定後見を申し立てる際の基本的な費用は、次のとおりです(裁判所・厚生労働省「成年後見はやわかり」より)。

項目金額の目安
申立手数料(収入印紙)800円
登記手数料(収入印紙)2,600円
郵便切手数千円程度(裁判所により異なる)
診断書の作成料医療機関により異なる
戸籍謄本・住民票などの取得費実費

申立て自体の費用は、数千円〜とそれほど高額ではありません。保佐・補助で代理権や同意権の付与もあわせて申し立てる場合は、収入印紙が追加で必要になります。

鑑定費用

後見・保佐では、本人の判断能力を確認するため、家庭裁判所が医師による鑑定を求めることがあります。鑑定費用は申立人が負担し、金額は事案により異なりますが、おおむね10万円以下とされています。実際には鑑定が行われずに済むケースも多くあります。

後見人への報酬

後見人が選任されたあとは、その仕事に対する報酬が本人の財産から支払われることがあります。報酬額は家庭裁判所が、本人の財産や後見の事務内容を踏まえて決定します。親族が後見人になった場合は報酬を受け取らないケースもありますが、弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門職が選ばれた場合は、月額数万円程度の報酬が継続的に発生するのが一般的です。後見は本人が亡くなるまで続くことが多いため、報酬は長期的な負担になりうる点を理解しておきましょう。

任意後見にかかる費用

任意後見は、契約時に公正証書作成手数料(基本11,000円)、登記嘱託手数料1,400円、登記印紙2,600円などがかかります。実際に効力を生じさせる際の任意後見監督人選任の申立てでは、収入印紙800円・登記印紙1,400円・郵便切手の実費などが必要です。監督人や任意後見人への報酬も、別途発生することがあります。

費用の助成

申立て費用や後見人報酬の支払いが難しい場合、自治体による費用助成(成年後見制度利用支援事業など)の対象となることがあります。住んでいる市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談してみましょう。

後見人ができること・できないこと(権限と制限)

後見人ができること

成年後見人等は、本人の利益を守るために、主に次のような支援を行います。

  • 財産管理:預貯金の管理、年金や入所費用の収支管理、不動産の管理など。本人名義の口座の入出金や定期預金の解約も、権限の範囲で行えます。
  • 身上保護:介護サービスや施設入所の契約、医療や入院に関する契約手続きなど、本人の生活・療養に関わる手続き。
  • 取消し(法定後見のみ):本人が結んでしまった不利益な契約を、日常生活に関する行為を除いて取り消す。

後見人でもできないこと

権限には明確な限界があります。家族が「これもやってもらえる」と誤解しやすい部分なので、しっかり押さえておきましょう。

  • 本人のためにならない財産処分:後見人は本人の利益のためだけに権限を使います。相続税対策の生前贈与や、本人の財産を減らす積極的な資産運用などは、原則として認められません。
  • 結婚・離婚・養子縁組などの身分行為:これらは本人だけが決められることで、後見人が代理することはできません。
  • 医療行為への同意:手術などの医的侵襲への同意は、後見人の権限には含まれないと考えられています。
  • 日常的な世話や見守りそのもの:後見はあくまで法律行為の支援であり、介護や家事を後見人が行う制度ではありません。

始めると原則やめられない

もう一つ重要なのが、後見はいったん始まると、本人が亡くなるか判断能力が回復するまで原則として続くという点です。「特定の手続きが終わったから後見をやめたい」ということは基本的にできません。専門職が後見人になった場合は報酬も継続するため、利用は長い目で考える必要があります。この点を知らずに申し立てて後悔するケースもあるため、メリットと負担の両面を理解したうえで判断することが大切です。

データで見る「いま誰が後見人になっているか」

後見人の8割超は親族以外の専門職

「後見人は家族がなるもの」というイメージを持つ方は多いのですが、実際の統計はかなり違います。最高裁判所「成年後見関係事件の概況(令和7年版・2026年3月公表)」によると、選任された成年後見人等のうち親族が選ばれたのは約16.4%にとどまり、弁護士・司法書士・社会福祉士などの親族以外が約83.6%を占めています。前年(親族約17.1%)からも親族の割合はやや下がっています。つまり、家族が「自分が後見人になるつもり」で申し立てても、裁判所の判断で専門職が選ばれることは十分にありうる、ということです。

そもそも親族を候補者にする申立てが少ない

注目したいのは、申立ての段階で親族を後見人候補者として記載しているケースが全体の約19.7%しかない点です(令和7年版)。親族が選ばれにくいというより、「最初から専門職に任せたい」と考えて申し立てる家族が多い実態がうかがえます。財産管理の責任や家庭裁判所への定期報告など、後見人の負担が小さくないことが背景にあると考えられます。

申立人と動機の傾向

同統計では、申立人は本人が最も多く約24.8%、次いで市区町村長が約23.7%、本人の子が約18.5%となっています。身寄りのない高齢者などのために市区町村長が申し立てるケースが、本人申立てに次ぐ規模になっている点は、単身高齢世帯が増える社会を映しています。また、開始の原因では認知症が約61.3%と最も多く、申立ての動機は預貯金等の管理・解約が最多でした。

介護の視点からの読み解き

この数字から、介護を担う家族が準備すべきことが見えてきます。第一に、後見人=家族とは限らないため、専門職が選ばれた場合の報酬負担をあらかじめ想定しておくこと。第二に、申立ての動機の多くが「預貯金の管理」と「施設入所などの身上保護」であることから、口座凍結や施設契約で実際に困る前に、家族で財産の状況を把握し、必要なら早めに相談先につながっておくことです。認知症が進んでからでは任意後見は選べず、選択肢が法定後見に絞られてしまう点も、早めの検討が重要な理由です。

※統計値は最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況―令和7年版」(2026年3月公表)に基づきます。割合は四捨五入のため合計が100%にならない場合があります。

成年後見制度のよくある質問

Q. 家族なら成年後見の手続きをしなくても親のお金を動かせますか?

判断能力が低下した本人の預貯金は、たとえ家族でも自由に引き出せないのが原則です。金融機関が口座を凍結すると、生活費や施設費用の引き出し、定期預金の解約などが難しくなります。本人に代わって正式に手続きするには、成年後見制度による代理権が必要になる場面が多くあります。

Q. 認知症と診断された後でも任意後見は使えますか?

任意後見は、判断能力が十分にあるうちに契約しておく制度です。すでに判断能力が低下している場合は任意後見契約を新たに結ぶことはできず、選択肢は法定後見になります。元気なうちに備えたい場合に任意後見、低下後に支援が必要になった場合に法定後見、と整理すると分かりやすいです。

Q. 後見人は必ず家族が選ばれますか?

いいえ。家庭裁判所が事案に応じて適任者を選ぶため、候補者として親族を推薦しても、弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門職が選ばれることがあります。最高裁の統計では、選ばれた後見人等の8割超が親族以外です。

Q. 一度始めたら途中でやめられますか?

後見は、原則として本人が亡くなるか判断能力が回復するまで続きます。「特定の手続きが終わったから終了したい」といった理由でやめることは基本的にできません。長く続く制度であることを理解したうえで利用を検討しましょう。

Q. 費用が払えない場合はどうすればよいですか?

申立て費用や後見人報酬の支払いが難しい場合、自治体の成年後見制度利用支援事業などによる助成を受けられることがあります。お住まいの市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談してください。

Q. 後見人は介護や入院の医療同意もできますか?

介護サービスや施設入所の契約手続きは後見人の業務に含まれますが、手術などの医療行為への同意は後見人の権限には含まれないと考えられています。実際の場面では、医療機関や家族とよく相談しながら進めることになります。

参考文献・出典

まとめと相談先|迷ったら早めに専門窓口へ

この記事のポイント

成年後見制度は、判断能力が低下した方の財産と権利を守るための公的な仕組みです。すでに判断能力が低下している場合は法定後見(後見・保佐・補助)を家庭裁判所に申し立て、元気なうちに備えたい場合は任意後見を公正証書で契約しておきます。申立て費用自体は数千円〜と高額ではありませんが、鑑定費用や専門職への報酬が長期的に発生しうること、いったん始めると原則やめられないこと、後見人は家族とは限らないことを理解したうえで検討することが大切です。とくに認知症が進むと任意後見は選べなくなるため、判断に迷う段階で早めに相談先につながることをおすすめします。

どこに相談すればよいか

ご家族だけで抱え込まず、次の窓口を活用してください。

  • 家庭裁判所(後見センター・後見係):申立ての手続きや必要書類、書式の入手について案内が受けられます。本人の住所地を管轄する家庭裁判所が窓口です。
  • 地域包括支援センター:高齢者の総合相談窓口です。後見が必要かどうかの見極め、費用助成(成年後見制度利用支援事業)、介護サービスとあわせた相談ができます。まずここに相談するのが分かりやすい第一歩です。
  • 市区町村の高齢福祉・福祉の窓口、社会福祉協議会(成年後見センター):申立て支援や費用助成、市民後見人などの情報を得られます。
  • 弁護士・司法書士などの専門職、公証役場:申立て書類の作成代行や、任意後見契約(公正証書)の作成について相談できます。

制度は複雑に見えますが、相談窓口は身近にあります。「口座が動かせない」「施設契約で困っている」といった具体的な悩みを持って、まずは地域包括支援センターや家庭裁判所に問い合わせてみてください。

監修者

介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム

医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)

看護師介護福祉士ケアマネジャー

訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護保険、施設選び、在宅介護など、介護を受ける方・ご家族が判断に迷いやすいテーマを、公的情報と実務上の確認ポイントに沿って解説しています。

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