特養(特別養護老人ホーム)の施設ケアマネの仕事内容|1日の流れ・配置基準・居宅ケアマネとの違い
介護職向け

特養(特別養護老人ホーム)の施設ケアマネの仕事内容|1日の流れ・配置基準・居宅ケアマネとの違い

特養(特別養護老人ホーム)で働く施設ケアマネの仕事内容を厚労省データで解説。100対1の配置基準、ケアプラン作成・サービス担当者会議の流れ、平均月給41万円の根拠、居宅ケアマネとの担当人数・業務範囲の違いまで網羅。

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この記事のポイント

特養(特別養護老人ホーム)の施設ケアマネは、入所者100人に対し常勤1名以上の配置が義務付けられた専門職で、施設サービス計画(ケアプラン)の作成・モニタリング・サービス担当者会議の運営を担います。日勤中心の働き方で、令和5年度の平均給与は月額約41万円・年収換算499万円前後と介護職の中で最も高い水準です。担当人数は居宅ケアマネ(35人以内)の約3倍ですが、施設内で利用者を直接観察できるためアセスメントの精度が高い点が特徴です。

目次

特別養護老人ホームの給与・事業所データから見るポイント

特別養護老人ホームで働く介護職員の平均月給は36.2万円、平均年収は434万円です(厚生労働省 令和6年度介護従事者処遇状況等調査に基づく全国値)。主要7施設タイプの平均33.2万円と比べると約3.0万円高い水準で、タイプ間では1番目の給与水準です。

施設タイプ平均月給平均年収特別養護老人ホームとの差
特別養護老人ホーム36.2万円434万円基準
有料老人ホーム36.1万円433万円-0.1万円
介護老人保健施設35.3万円424万円-0.9万円
訪問介護35.0万円420万円-1.2万円
小規模多機能型居宅介護30.5万円366万円-5.7万円
グループホーム30.2万円362万円-6.0万円
デイサービス29.4万円353万円-6.8万円

求人の母数になる事業所数で見ると、特別養護老人ホームは全国に8,442件あります(75歳以上人口1万人あたり約4.1件)。最も多いのは東京都の574件(全国の6.8%)で、次いで千葉県の473件。最も少ない鳥取県は43件にとどまり、地域によって特別養護老人ホームの求人の出やすさには大きな差があります。

仕事内容を調べる段階でも給与データを並行して見ておくと、業務範囲と待遇のバランスで職場を評価できるようになります。同じ業務でも施設タイプと地域で対価は変わります。

施設配置のケアマネは現場との兼務の有無で給与構成が変わります。ケアマネジャー職の平均給与は月375,410円。一方、ケアマネ資格を保有したまま介護職員として現場で働く人の平均は388,080円とむしろ高く、専任か兼務かの選択そのものが収入を左右します。配置基準と手当の内訳を求人票で確認しましょう。

特養は要介護度の高い入所者が中心で夜勤回数が多くなりやすいため、求人を比べるときは基本給だけでなく夜勤手当込みの月給で比較することが大切です。この記事のテーマであるケアマネジャーは夜勤が基本的に無いため、月給の構成が介護職と異なります。夜勤手当込みの介護職平均と額面だけで比べず、基本給と手当を分けて見るのがポイントです。資格取得の価値は、試験や研修の難しさだけでなく、その後にどの施設タイプ・地域で条件を伸ばせるかで変わります。

出典: 厚生労働省 令和6年度介護従事者処遇状況等調査。厚生労働省 介護サービス情報公表システム掲載データに基づく本サイト集計。総務省統計局 人口推計(2024年10月1日現在)。調査ごとに母集団・集計定義が異なるため、数値は水準の目安として参照してください。

特別養護老人ホームの施設数データから見るポイント

本サイトが保有する厚生労働省由来の施設データでは、特別養護老人ホームは全国に8,442件あります。この記事のテーマは「働き方・現場理解」です。働き方を考えるときは、その施設タイプが全国でどれくらいあり、どの地域に多いかを知ると、求人の探しやすさやキャリアの広げ方を判断しやすくなります。

順位都道府県施設数全国比率
1東京都574件6.8%
2千葉県473件5.6%
3神奈川県453件5.4%
4埼玉県449件5.3%
5大阪府429件5.1%
順位市区町村施設数全国比率
1鹿児島県鹿児島市48件0.6%
2千葉県船橋市37件0.4%
3東京都練馬区37件0.4%
4静岡県浜松市中央区36件0.4%
5東京都足立区35件0.4%

特養は、都道府県別では東京都574件、千葉県473件、神奈川県453件に多く、市区町村別では鹿児島県鹿児島市48件、千葉県船橋市37件、東京都練馬区37件に集まりやすい傾向があります。求人や施設を比較するときは、全国平均の説明だけでなく「自分が探す地域にどれだけ選択肢があるか」まで見ると、判断の精度が上がります。

出典: 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」オープンデータ(2025年12月末時点)に基づく本サイト集計。施設数は公開データの登録状況により変動します。

「特養の施設ケアマネって、居宅ケアマネと何が違うの?」「介護福祉士からケアマネを取ったら、特養に転職できる?」。そんな疑問を持つ介護職や、これから施設ケアマネを目指す方に向けて、本記事では厚生労働省の人員基準令と賃金構造基本統計調査を一次ソースとして、特養の施設ケアマネの仕事内容・1日の流れ・給料・居宅ケアマネとの違いを整理しました。

特養の施設ケアマネは「100対1」という配置基準のもと、施設内のケアの質を左右する中核ポジションです。居宅ケアマネのような移動の負担がない一方で、担当人数の多さや介護職員との兼務リスクなど、固有の課題もあります。制度上のルール・現場の実態・キャリアの広がりまで、転職判断に必要な情報を一通り揃えています。

特養の施設ケアマネとは|100対1の配置基準と法的位置づけ

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の施設ケアマネは、介護保険法に基づく介護支援専門員(ケアマネジャー)のうち、施設に常駐してサービスを提供する職種を指します。「施設ケアマネ」は俗称で、正式名称は介護支援専門員です。

配置基準:入所者100人に1人(常勤・専従が原則)

特養における介護支援専門員の配置基準は、「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(厚生省令第39号)第2条で次のように定められています。

  • 入所者の数が100又はその端数を増すごとに1人以上
  • 常勤の者を1人以上配置
  • 原則として専従(ただし入所者の処遇に支障がない場合に限り、当該施設の他の職務に従事可能)

たとえば定員100人の特養なら最低1人、150人なら2人の配置が必要です。この基準を下回ると「人員基準欠如減算」の対象となり、介護報酬が減額されます。

施設サービス計画書(施設ケアプラン)の作成責任者

施設ケアマネの最大の役割は、入所者一人ひとりの「施設サービス計画書」の作成です。居宅ケアプランが在宅の高齢者に外部サービス(訪問介護・デイサービス等)を組み合わせて提供するのに対し、施設ケアプランは施設内で提供できるサービスを軸に、要介護3〜5の重度者の生活全体を設計します。

「施設ケアマネ」と「居宅ケアマネ」「生活相談員」の関係

施設ケアマネと混同されやすい職種に「生活相談員(ソーシャルワーカー)」があります。両者の最大の違いはケアプラン作成の有無で、ケアプランを作るのは施設ケアマネのみです。生活相談員は入退所手続き・家族相談・地域連携が主業務で、資格名ではなく役職名にあたります。

特養の施設ケアマネの主な仕事内容【6つの業務】

特養の施設ケアマネがケアプランを作成しているイラスト

特養の施設ケアマネの業務は、ケアマネジメントプロセス(アセスメント→プラン作成→実施→モニタリング→評価)に沿った6つに大別できます。それぞれ具体的に見ていきましょう。

① 入所時アセスメント(課題分析)

新規入所が決まった際、入所予定者の自宅や入院先の医療機関を訪問し、心身の状態・生活歴・家族構成・既往歴などを聞き取ります。入所後も居室を訪問して定期的にアセスメントを行い、利用者の課題を多面的に把握します。特養では認知症や意思表示が難しい入所者も多いため、家族・医療職・介護職員からの情報を総合的に集める力が求められます。

② 施設サービス計画書(ケアプラン)の作成・更新

アセスメント結果をもとに、長期目標・短期目標・サービス内容を盛り込んだケアプランを作成します。特養のケアプランは残存機能の維持とQOL(生活の質)の向上を念頭に置き、「転倒せず安心して歩きたい」など本人の希望を具体的な支援計画に落とし込みます。利用者の状態変化に応じて少なくとも6か月ごと、または状態変化時に見直しが必要です。

③ サービス担当者会議の開催・進行

ケアプラン原案ができたら、入所者本人・家族・介護職員・看護師・機能訓練指導員・管理栄養士などを集めてサービス担当者会議を開催します。施設ケアマネは進行役として、各専門職の意見を引き出しながら最終プランを確定させるファシリテーション役を担います。

④ モニタリング・面談

ケアプラン実施後は、入所者の生活状況や健康状態を継続的に観察し、計画通りに支援が機能しているかを確認します。施設ケアマネの強みは毎日同じ建物内でモニタリングできる点で、居宅ケアマネ(月1回以上の訪問が義務)よりも変化を早期に察知できます。家族との定期面談で意向を確認し、必要に応じてプランを微調整します。

⑤ 要介護認定調査への立会い・更新申請支援

特養は原則として要介護3以上の入所者を対象とするため、要介護度の認定区分は施設運営に直結します。認定調査時にはケアマネが立ち会い、入所者の日常的なADL・認知機能を調査員に正確に伝えます。要介護更新申請の代行も施設ケアマネの重要業務です。

⑥ 給付管理・各種加算の算定業務

介護報酬請求のための給付管理票の作成、看取り介護加算・科学的介護推進体制加算(LIFE加算)など各種加算算定に必要な書類作成も担います。介護報酬改定(3年に1度)のたびに新加算への対応が求められます。

特養の施設ケアマネの1日の流れ(日勤シフト例)

特養の施設ケアマネの1日の流れを示すイラスト

特養の施設ケアマネは、入所者・家族との面談や多職種連携が中心となるため、9時〜18時の日勤勤務が一般的です。夜勤や宿直は原則ありませんが、施設によっては介護職員と兼務して夜勤に入るケースもあります。以下は典型的な1日のスケジュール例です。

時間業務内容
8:30出勤・朝礼/夜勤者からの申し送り受け
9:00多職種ミーティング(看護・介護・相談員と入所者の状態共有)
10:00ケアプランの作成・更新/認定調査関連書類の準備
11:00新規入所希望者の見学対応/家族への説明
12:00休憩・昼食
13:00居室訪問でモニタリング/入所者・家族との面談
14:30サービス担当者会議の進行
16:00会議内容を反映してケアプラン見直し/加算関連の事務処理
17:00翌日の準備・申し送り
17:30退勤

居宅ケアマネとの1日の違い

居宅ケアマネが「午前は訪問・午後は事務」と移動を伴うスケジュールになりがちなのに対し、施設ケアマネは1日の大半を施設内で完結できます。緊急の電話相談や利用者宅訪問が突発的に入る居宅と比べ、計画的に時間を組み立てやすいのが特徴です。また、施設内で介護職員や看護師と顔を合わせる頻度が高いため、チャットやメールではなく口頭で迅速に情報共有できる点も大きな違いです。

1か月のスケジュール感

月単位で見ると、月初は前月分の給付管理票の作成・国保連への伝送、月中はサービス担当者会議とモニタリング訪問、月末は新規入所者のアセスメントや翌月分のケアプラン更新が集中します。介護報酬の算定根拠となる書類が日々積み重なるため、「記録は当日中に最低限残す」習慣を持つことが、業務を滞らせないコツです。

繁忙期と閑散期

特養の施設ケアマネは、年度替わり(4月)や介護報酬改定時期(3年ごと)、新規入所が集中する時期に業務が集中します。また看取り対応中はターミナルケアプランの頻繁な更新と家族面談が増え、業務負荷が一気に上がります。逆に閑散期は明確には存在せず、定期的なモニタリングと加算関連の書類作成が常に発生するため、年間を通じて計画的な業務管理が欠かせません。

施設ケアマネ(特養)と居宅ケアマネの違い【比較表】

施設ケアマネ(特養)と居宅ケアマネは、同じ「介護支援専門員」資格を使う仕事ですが、対象者・担当人数・業務の進め方に大きな違いがあります。転職先選びの判断材料として、主要項目を比較表にまとめました。

比較項目施設ケアマネ(特養)居宅ケアマネ
勤務先特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)居宅介護支援事業所
対象者施設入所者(要介護3以上が原則)在宅生活の要支援1〜要介護5
担当人数入所者100人につき1人1人あたり最大44人(45人以上で逓減)
ケアプラン施設サービス計画(施設内サービス中心)居宅サービス計画(外部サービスを組み合わせ)
外回り原則なし(施設内完結)月1回以上の利用者宅訪問が義務
夜勤・宿直原則なし(兼務時は発生する場合あり)原則なし
他職種兼務介護職員・生活相談員と兼務可原則専従(管理者と兼務は可)
平均月給(令和5年度)約41万円(特養が最高水準)約36万円
主な多職種連携看護・介護・栄養・リハビリと毎日主治医・訪問看護・福祉用具・サービス提供事業者
記録・事務量多い(加算算定・LIFE提出等)多い(給付管理・モニタリング記録)

施設ケアマネ(特養)が向いている人

  • 外回りより1か所でじっくり利用者と関わりたい
  • 看取りを含む重度者ケアに専門性を磨きたい人
  • 給与の安定と高水準を重視する人
  • 多職種チームの中で調整役として動きたい人

居宅ケアマネが向いている人

  • 1人ひとりの生活背景に深く入り込みたい人
  • 地域の事業者・行政と幅広くネットワークを作りたい人
  • 独立志向(将来は居宅介護支援事業所を立ち上げたい)人

特養の施設ケアマネの給料・年収【厚労省データで検証】

特養の施設ケアマネの給与水準は、ケアマネジャーの勤務先の中で最も高いのが特徴です。厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」と「令和5年度介護事業経営実態調査」を基に、客観的なデータで整理します。

事業所別ケアマネ平均給与(令和5年度)

勤務先平均月給(常勤)年収換算(賞与込み概算)
特別養護老人ホーム約41万円約499万円
介護老人保健施設約38万円約460万円
居宅介護支援事業所約36万円約430万円
ケアマネ全体平均約36.2万円約435万円

※厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」の常勤・月給制データを参考に集計。賞与は2.5か月分で年収を概算。

特養ケアマネが高給与になる4つの理由

  1. 夜勤・介護業務との兼務手当:兼務している場合、夜勤手当(1回6,000〜8,000円程度)が加算される
  2. 処遇改善加算の対象:介護職員等処遇改善加算(最大加算率14.0%)の対象になり、月2〜3万円の上乗せが期待できる
  3. 公的施設の安定した経営基盤:社会福祉法人運営が中心で、賞与が3〜4か月分支給される施設も多い
  4. 主任ケアマネ・管理者へのキャリアアップ:施設長候補となれば年収600万円超も視野に入る

当サイトの分析:特養と他施設の給与差

当サイトが厚労省データをクロス分析したところ、特養ケアマネは老健ケアマネと比べて月額約3万円高い傾向にありました。一方、夜勤回数(兼務時)も特養の方が多くなる傾向があり、純粋な「ケアマネ業務」だけで比較すると差は約1.5万円に縮まります。給与の高さは「兼務含みの実働ベース」で生じている部分があることに留意が必要です。

特養ケアマネの詳細な給料・手当については、関連記事「特養の給料・年収」もあわせてご覧ください。

特養の施設ケアマネで働くメリット・デメリット

特養の施設ケアマネは「ケアマネとして安定して長く働きたい人」に人気がありますが、固有のデメリットも理解しておく必要があります。求人選びの判断材料として整理します。

メリット(5つ)

  1. 担当する利用者を直接観察できる:居宅と異なり毎日施設内でモニタリングが可能で、ケアプランの精度が高まる
  2. 多くの利用者のケアプランを経験できる:100人を担当することで、認知症・看取り・終末期ケアなど多様なケースに触れられる
  3. 日勤中心で生活リズムが安定:原則9〜18時の日勤で、夜勤や移動の負担が少ない
  4. 給与水準が高い:ケアマネ全勤務先の中で最高水準(月41万円)
  5. キャリアパスが明確:主任ケアマネ→ユニットリーダー→生活相談員→施設長と昇格ルートが整備されている

デメリット(5つ)

  1. 担当人数が多い:100人は居宅(最大44人)の2倍以上で、1人ひとりに割ける時間が少ない
  2. 介護業務との兼務リスク:人手不足の施設では介護現場のヘルプに入る時間が長くなり、本来のケアマネ業務が圧迫される
  3. 看取り対応の精神的負担:要介護3以上の重度者中心のため、年間で複数の看取りに関わる
  4. 多職種との調整役プレッシャー:介護職員・看護師・医師・栄養士の意見を取りまとめる中間管理職的な役割
  5. 求人数が少ない:1施設1人配置のため求人が出にくく、経験者優遇の傾向が強い

「兼務問題」をどう見極めるか

特養の施設ケアマネ求人を見るときは、「介護業務との兼務がどの程度あるか」を必ず確認しましょう。配置基準上は専従が原則ですが、「入所者の処遇に支障がない場合」に他職種と兼務できるため、人手不足の施設では実質的に介護職員兼ケアマネになっているケースもあります。求人票だけでは判断しづらいため、面接時に「ケアマネ業務に専念できる時間は1日何時間程度か」「兼務の有無」を直接聞くのが確実です。

特養の施設ケアマネに向いている人・求められるスキル

特養の施設ケアマネとして長く活躍するには、ケアマネ資格に加えていくつかの適性とスキルが求められます。実際に求人票や採用基準から見えてくる「向いている人」の特徴を整理しました。

向いている人の特徴

  • 多職種との調整・コミュニケーションが好きな人:医師・看護師・介護職員・栄養士などとの板挟みになる場面が多く、合意形成のスキルが必須
  • 1人ひとりの利用者と長く深く関わりたい人:特養は「終の棲家」と呼ばれるように、入所から看取りまでケアプランを更新し続ける
  • 事務作業が苦にならない人:給付管理・加算算定・LIFE提出など書類業務が多い
  • 重度者・認知症ケアに関心が高い人:要介護3〜5が中心で、認知症入所者は約9割(厚労省調査)
  • 介護現場の経験が豊富な人:介護職員と兼務するケースもあり、現場感覚があると重宝される

必須スキル・能力

  1. アセスメント力:意思表示が難しい入所者の状態を、観察と多角的な情報収集で正確に把握する力
  2. ケアプラン作成力:施設内サービスを軸に、医療・栄養・リハビリの専門職と連携した計画を組む力
  3. ファシリテーション能力:サービス担当者会議で意見を引き出し合意形成する力
  4. 制度知識のアップデート:3年ごとの介護報酬改定に対応し、新加算の算定要件を理解する力
  5. ITスキル:介護記録ソフト・LIFE(科学的介護情報システム)への入力スキル

逆に向かない可能性がある人

「外回りでアクティブに動きたい人」「ルーティンより新規開拓が好きな人」「重度者ケアに精神的負担を感じる人」は、居宅ケアマネや地域包括支援センター勤務の方が適性に合うかもしれません。

特養の施設ケアマネになるには|資格要件とキャリアパス

特養の施設ケアマネとして働くには、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格取得が必須です。資格取得のハードルは介護福祉士と比べて高めですが、介護現場での実務経験が活かせます。

ステップ1:介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格を満たす

受験資格は「特定の国家資格を有し、当該資格に基づく業務に5年以上かつ900日以上従事した者」が基本です。介護福祉士・看護師・社会福祉士・理学療法士・作業療法士などが該当します。介護現場の実務経験者にとっては、介護福祉士を取得後5年経過するのが一般的なルートです。

ステップ2:介護支援専門員実務研修受講試験に合格

毎年10月に実施される試験で、合格率は例年20%前後と難関です。介護支援分野(25問)と保健医療福祉サービス分野(35問)の計60問・マークシート方式です。合格基準は各分野7割前後の正答率が目安です。

ステップ3:介護支援専門員実務研修(87時間)を修了

試験合格後、各都道府県が実施する87時間の実務研修を受講・修了することで、ケアマネジャーとして登録されます。研修期間は約2〜3か月で、座学と演習を組み合わせた内容です。

ステップ4:特養への就職・転職

資格取得後、特養の施設ケアマネ求人に応募します。新人ケアマネは居宅介護支援事業所で経験を積んでから施設ケアマネへ転職するルートが一般的ですが、介護福祉士として特養で働きながら資格取得し、内部昇格するケースも多くあります。

キャリアパス:施設ケアマネのその先

キャリアステップ必要な経験・資格年収目安
施設ケアマネケアマネ資格450〜500万円
主任介護支援専門員ケアマネ実務5年+主任研修500〜550万円
生活相談員兼ケアマネ社会福祉士or社会福祉主事500〜600万円
施設長社会福祉施設長資格認定講習等600〜800万円

介護福祉士からケアマネへキャリアアップする詳しい手順は、関連記事「ケアマネの取り方」「ケアマネの受験資格」もあわせてご覧ください。

独自分析|ユニット型と従来型で施設ケアマネの業務はどう変わるか

同じ「特養の施設ケアマネ」でも、施設の構造(ユニット型と従来型)によって業務の進め方は大きく異なります。当サイトが厚労省「介護サービス施設・事業所調査」と現場の実態を踏まえて整理しました。

ユニット型特養(10人前後の小規模ユニット)の施設ケアマネ

  • ユニットリーダーとの連携が密:1ユニットあたりのスタッフが少なく、ユニットリーダーがケアマネとケアプラン策定に深く関与する
  • 個別ケアの徹底度が高い:1人ひとりのプライバシーが守られた個室空間で、より個別性の高いプラン設計が求められる
  • 家族との関係構築の比重が高い:ユニット型は家族の頻回な面会を前提とした設計のため、家族面談の頻度が増える
  • 給与は従来型より高め:ユニット型介護加算(1日あたり)が算定でき、職員給与にも反映されやすい

従来型特養(多床室中心の大規模施設)の施設ケアマネ

  • 業務の標準化が進んでいる:100床規模ではフロアごとに介護リーダーが配置され、ケアマネは全体管理に集中できる
  • 多職種会議の規模が大きい:参加者10名超のサービス担当者会議もあり、ファシリテーション能力が問われる
  • 事務量が多い:100人分の給付管理・加算算定が集中する

当サイト独自の視点:求人選びでチェックすべき施設データ

当サイトの施設データベースでは、特養の「定員規模」「ユニット型/従来型」「介護職員配置(基準2.5:1〜より手厚い1.5:1まで)」を確認できます。施設ケアマネ求人に応募する際は、これらのデータと処遇改善加算の取得状況を併せてチェックすることで、「兼務リスクが低く給与水準が高い職場」を見極められます。

転職を考えるならまず働き方診断を

「自分は施設ケアマネと居宅ケアマネ、どちらが向いているか分からない」という方は、当サイトの働き方診断で適性をチェックするのがおすすめです。性格傾向や希望条件をもとに、施設ケアマネ・居宅ケアマネ・地域包括などの選択肢を提案します。

特養の施設ケアマネに関するよくある質問

Q1. 特養の施設ケアマネは夜勤がありますか?

原則として夜勤はありません。施設ケアマネは日勤(9〜18時)の勤務が基本です。ただし、人手不足の施設で介護職員と兼務している場合は、月に数回の夜勤に入るケースもあります。求人応募時に「ケアマネ専従か、介護兼務か」を必ず確認しましょう。

Q2. 介護福祉士からケアマネを取って、すぐに特養の施設ケアマネになれますか?

制度上は可能ですが、現実には居宅介護支援事業所で経験を積んでから施設ケアマネへ転職するケースが多いです。施設ケアマネは1施設1人配置のため、新人ケアマネを採用する余裕がない施設が大半です。介護福祉士として特養で勤務している方は、ケアマネ取得後に内部昇格できる可能性が高くなります。

Q3. 施設ケアマネの担当人数100人は本当に多いですか?

居宅ケアマネ(最大44人)の約2倍にあたります。ただし、特養では毎日施設内で利用者を観察できるため、居宅のように月1回の訪問で状態を把握する必要がなく、「人数が多いから1人当たり手薄になる」とは一概に言えません。介護職員や看護師との連携体制が整っている施設なら、100人でも質の高いケアプランを提供できます。

Q4. 居宅ケアマネと施設ケアマネ、給料はどちらが高いですか?

厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」によれば、特養の施設ケアマネが約41万円で最も高く、居宅ケアマネは約36万円です。差額の約5万円は、介護職員兼務手当・処遇改善加算・賞与水準の違いから生じています。

Q5. 特養の施設ケアマネにも処遇改善加算は適用されますか?

はい、適用されます。2024年度から「介護職員等処遇改善加算」に一本化され、ケアマネジャーも対象に含まれました(一部要件あり)。最大加算率14.0%が適用される事業所では、月額2〜3万円程度の上乗せが期待できます。

Q6. 施設ケアマネと生活相談員はどちらが大変ですか?

業務内容が大きく異なるため一概に比較できませんが、施設ケアマネはケアプラン作成と多職種調整、生活相談員は入退所手続きと家族・地域対応が中心です。事務量とプレッシャーは施設ケアマネの方が大きい傾向にあります。両者を兼務している施設も多くあります。

参考文献・出典

まとめ|特養の施設ケアマネは「重度者ケアの専門性」と「安定した働き方」の両立が魅力

特養の施設ケアマネは、入所者100人に1人の配置基準のもと、施設サービス計画の作成からモニタリング、サービス担当者会議の運営までを担う中核ポジションです。本記事の要点を整理します。

  • 配置基準:入所者100人につき常勤1名以上(厚生省令第39号)
  • 主な業務:アセスメント/ケアプラン作成/サービス担当者会議/モニタリング/認定調査立会/給付管理
  • 1日の流れ:9〜18時の日勤中心、施設内完結
  • 給与:平均月給41万円・年収499万円(ケアマネ全勤務先で最高水準)
  • 居宅ケアマネとの違い:担当人数(100人 vs 44人)、外回りの有無、夜勤・兼務の有無
  • 向いている人:多職種調整が得意で、重度者ケアに専門性を持ちたい人
  • キャリアパス:主任ケアマネ→生活相談員→施設長と昇格ルートが明確

「自分は施設ケアマネに向いているか分からない」「居宅と施設、どちらの転職が良いか迷う」という方は、まず当サイトの働き方診断で適性をチェックしてみてください。あなたの経験・希望条件に合った介護のキャリアパスを、客観的にご提案します。

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執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。

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