在宅看取りに訪問介護として関わるには|役割・1日の動き・医療職との分担

在宅看取りに訪問介護として関わるには|役割・1日の動き・医療職との分担

訪問介護員(ヘルパー)が在宅看取りで担う役割を、医療職との分担・ACP参加・1日の動き・急変時対応・死亡確認後の動き・自分自身のケアまで網羅。厚労省ガイドラインと国立がん研究センター連携手引きをもとに解説します。

ポイント

この記事のポイント

在宅看取りに訪問介護として関わるとは、医師・訪問看護師・ケアマネジャーと連携しながら、利用者の自宅で食事・排泄・清潔・コミュニケーションを支え、最期まで本人らしい生活を保つ仕事です。介護職は医療行為(点滴・注射・呼吸管理)はできませんが、毎日のケアの中で「いつもと違う」変化を最も早く察知できる職種であり、訪問看護師への第一報役を担います。在宅看取りは2025年で約17%に達し、訪問介護の役割はますます重要になっています(厚生労働省「人口動態統計」2025年)。

目次

「家族と過ごした自宅で最期を迎えたい」――そう望む高齢者が増える一方、在宅看取りの実現には医療と介護の緊密な連携が欠かせません。中でも訪問介護員(ヘルパー)は、看取り期に最も訪問頻度が高くなる職種のひとつ。利用者の食事や排泄、清潔保持を支えるだけでなく、家族の不安に寄り添い、わずかな身体の変化を医師や訪問看護師に伝える「最前線」の役割を担います。

本記事は、訪問介護員・サービス提供責任者・ケアマネジャー・ヘルパー転職を考えている方に向けて、在宅看取りに介護職としてどう関わるかを体系的にまとめたものです。厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」や、国立がん研究センター「在宅終末期ケアにおける介護専門職と訪問看護師との連携」などの一次資料をもとに、医療職との役割分担、ACP(人生会議)への参加、1日の具体的な動き、急変時の対応、死亡確認後の動き、そしてケアにあたる介護職自身の心のケアまで踏み込んで解説します。

在宅看取りの現状|なぜ訪問介護の役割が重要なのか

在宅看取りに介護職としてどう向き合うかを考えるうえで、まず日本の看取りの現状を押さえておきましょう。「住み慣れた自宅で最期を迎えたい」という意向は多くの調査で示されている一方、現実にそれが実現できる人は限られています。

自宅で最期を迎えたい人は約6割、実現できているのは約17%

厚生労働省「人生の最終段階における医療に関する意識調査」(令和4年度)では、「人生の最終段階を過ごしたい場所」として自宅を挙げた一般国民は約43.8%、医療従事者でも自宅を希望する声が一定数あります。最期を迎えたい場所として「自宅」を挙げる割合は、調査によっては50〜70%に達することもあり、自宅志向は根強いといえます。

一方、厚生労働省「人口動態統計」によれば、2024年の死亡場所の構成比は病院が約64.5%、自宅が約17.7%、介護老人保健施設・介護医療院などが約3.8%、特別養護老人ホームなど老人ホームが約13.5%です。10年前(2014年)の自宅死亡率は約12.8%でしたから、緩やかに上昇傾向にあるものの、希望と実態の間には依然として大きな乖離があります。

2040年に向けて在宅看取りはさらに拡大する

厚生労働省「在宅医療における急変時対応及び看取り・災害時等の支援体制について」(社会保障審議会医療部会資料)では、2040年頃に65歳以上人口がピークを迎え、年間死亡者数は約168万人に達すると推計されています。病院や施設のキャパシティだけでは受け切れず、地域包括ケアシステムの中で在宅医療と在宅介護を組み合わせて支える看取りが、今後の標準シナリオになりつつあります。

国は「在宅医療の体制構築に係る指針」で、(1)退院支援、(2)日常の療養支援、(3)急変時の対応、(4)看取り、の4つの機能を都道府県の医療計画に位置づけることを求めており、訪問介護はこのうち(2)日常の療養支援と、(3)(4)の補助的役割を中心に担います。

家族と本人が「在宅で看取れない」と感じる理由

厚生労働省「終末期医療に関する調査」では、自宅で最期まで療養することが困難な理由として、「症状が急変したときの対応に不安がある」「家族に負担がかかる」「介護してくれる家族がいない」が上位に挙がります。逆にいえば、これらの不安を訪問介護・訪問看護・ケアマネジャー・在宅医のチームでどれだけ取り除けるかが、在宅看取り成立のカギです。訪問介護員は、この不安を直接受け止める最前線の職種にほかなりません。

訪問介護員にとっての意義|キャリアと向き合うチャンス

看取りに携わる経験は、訪問介護員にとって精神的負荷が大きい一方、ケアの専門職としての成長機会でもあります。「最後にお風呂に入れてあげられた」「本人の好きな音楽を流せた」など、最期の数日に何ができるかを利用者・家族・チームで設計し、実行する過程は、介護職にしか提供できない価値です。X(旧Twitter)でも、「在宅看取りを多職種で支えた経験が自分のケア観を変えた」というベテラン介護職の声が多く見られます。

介護職の役割と医療職との分担

在宅看取りはチーム戦です。医師、訪問看護師、訪問介護員、ケアマネジャー、薬剤師、リハ職、家族――それぞれが役割を分担しながら、利用者の最期を支えます。介護職が「自分は何をして、何をしないか」を正しく理解しておくことが、安全で質の高い看取りの土台になります。

多職種チームの構成と関係図

厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(2018年改訂)と、国立がん研究センター「在宅終末期ケアにおける介護専門職と訪問看護師との連携」(2018年)によれば、在宅看取りチームの基本構成は次の通りです。

  • 在宅医(かかりつけ医・訪問診療医):看取り時期の判断、急変時の指示、死亡確認、死亡診断書の作成
  • 訪問看護師:医療的ケア(痛み緩和、創処置、医療機器管理)、医師への橋渡し、24時間対応の中心
  • 訪問介護員(ヘルパー):身体介護・生活援助、変化の早期発見と訪問看護師への第一報
  • サービス提供責任者(サ責):訪問介護計画書の作成・修正、ヘルパーの指導・支援、家族・他職種との調整窓口
  • ケアマネジャー:ケアプラン全体の管理、家族支援、サービス担当者会議の主催
  • 薬剤師(在宅対応薬局):医療用麻薬を含む薬剤管理、服薬指導
  • 家族:意思決定の代弁、日常介護の中心、最期の看取り

このチームの特徴は、「医療職が常に在宅にいるわけではない」という点です。訪問看護の頻度が週2〜3回でも、訪問介護は1日複数回入ることがあります。だからこそ、介護職は「身体ケアの担い手」であると同時に、「医療職の目と耳の代わり」になります。

介護職ができること・できないこと(医療行為の整理)

介護保険法の運営基準と、厚生労働省「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)」(平成17年7月26日 医政発第0726005号)に基づけば、介護職員(無資格者・初任者研修修了者を含む)が医療行為に該当しない範囲で行えるのは、次のような行為です。

  • 体温・血圧・脈拍・SpO2の測定(自動測定器を使用、医師の指示の範囲)
  • 軽微な傷の処置(絆創膏の貼付など)
  • 市販の点眼薬の点眼介助
  • 軟膏の塗布(褥瘡処置を除く)
  • 湿布の貼付
  • 口腔ケア(重度の歯周疾患でない範囲)
  • 耳垢の除去(耳垢塞栓を除く)
  • 爪切り(重度の糖尿病・水虫等を除く)
  • 介護福祉士・認定特定行為業務従事者は、研修修了後に喀痰吸引・経管栄養(胃瘻・腸瘻・経鼻経管栄養)が可能(社会福祉士及び介護福祉士法 第48条の2 ほか)

逆に、看取り期に必要となるが介護職には絶対にできない医療行為は次のとおりです。

  • 注射(皮下・筋肉・静脈すべて)
  • 点滴の管理(輸液速度の調節・抜針)
  • 麻薬の投与判断・投与
  • 酸素吸入の流量調整(医師の指示なし)
  • 褥瘡の創処置(医療的判断を伴うもの)
  • 死亡の確認・死亡診断書の作成

看取り期は医療行為の比重が増えるため、訪問看護の頻度・タイミングをケアプランで前倒しに増やしていくのが原則です。介護職は「自分でやろう」と無理せず、訪問看護師にすぐ連絡できる体制を共有しておくことが大切です。

訪問介護員と訪問看護師の役割分担

国立がん研究センターの連携手引きでは、看取り期を「月単位」「週単位」「日単位」「看取り期」の4ステップに分け、各時期の訪問介護員と訪問看護師の役割を整理しています。重要なのは、両者が独立して動くのではなく、観察情報を共有し、ケアの方向性を一緒に決めていくことです。

時期訪問介護員の主な役割訪問看護師の主な役割
月単位食欲・水分量・ADL変化の観察、家族の希望や生活様式を看護師に伝達病状の見通しを介護員に共有、24時間連絡体制の確立
週単位清潔・排泄ケアの方法を症状に合わせて調整、嚥下状態の観察、心理的サポート苦痛緩和の方法を見直し、ケアプランの再調整を提案
日単位安楽な体位の工夫、家族の不安傾聴、わずかな変化の即時報告病状進行と診療計画を家族・介護員に説明、看取り場所の最終確認
看取り期呼吸・尿量・皮膚状態の観察、家族への声かけ、最期に向けた生活ケアの徹底蘇生処置の意向を再確認、医師との連絡、エンゼルケアの準備

サービス提供責任者(サ責)の特別な役割

看取りケースでは、サービス提供責任者(サ責)が「現場ヘルパーの精神的支柱」であり、「医療職とヘルパーの通訳」を兼ねます。サ責が行うべき業務は次の通りです。

  • 看取り対応可能なヘルパーの選定とシフト調整(経験・本人の希望を考慮)
  • 訪問介護計画書の頻繁な見直し(週単位・日単位での更新が必要なケースも多い)
  • ヘルパーへの事前ブリーフィング(病状・予後・本人と家族の意向・連絡先・蘇生方針)
  • サービス担当者会議への参加と、ヘルパーの観察情報のチームへのフィードバック
  • ヘルパーが訪問後に動揺・疲弊していないかの面談・フォロー

看取り期に「ヘルパーが訪問するたびに状態が違う」「家族が泣き崩れて対応に困った」という事態は珍しくありません。サ責が現場のSOSを早く拾い、必要に応じて応援を出せるかが、事業所として在宅看取りに参加できるかどうかの分岐点です。

ACP(人生会議)への参加と意思決定支援

在宅看取りの質を決める要素のひとつが、ACP(Advance Care Planning:人生会議)です。最期まで本人らしい生活を送るために、本人・家族・医療・介護チームが繰り返し話し合うプロセスを指します。介護職もこの話し合いに参加することが、厚生労働省のガイドラインで明記されています。

ACP(人生会議)とは何か

厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(2018年改訂版)では、人生の最終段階の医療・ケアは、本人による意思決定を基本としつつ、医療・ケアチームと十分話し合い、合意形成を目指すことを原則としています。話し合いは1回で終わらず、本人の状態や心境の変化に応じて繰り返し行うことが求められます。これをACPと呼びます。

関連ページ:ACP(人生会議)とは|人生の最終段階の医療・ケアを話し合うプロセスを参照すると、ACPの全体像と書面化の手順が分かります。

介護職がACPに参加する3つの場面

「医療の話だから自分は関係ない」と思いがちですが、訪問介護員はACPで重要な役割を果たします。国立がん研究センター「在宅終末期ケアにおける介護専門職と訪問看護師との連携」が示す3つの参加場面は次の通りです。

  1. サービス担当者会議への参加:看取り方針が決まる場面では、サ責または担当ヘルパーがケアマネ・医師・訪問看護師と同席する。本人の生活習慣・嗜好・家族関係を最も詳しく知るのは介護職であり、医療側に伝える価値が大きい。
  2. 日々のケア中での「ふとした言葉」の収集:本人がヘルパーにだけ漏らす本音(「もう病院は嫌だ」「最期は家がいい」「子どもに迷惑かけたくない」など)を、許可を得たうえで看護師・ケアマネに共有する。これがACPの貴重な情報源になる。
  3. 家族の揺らぎへの寄り添い:家族は最後まで意思が揺れる。「やっぱり救急車を呼ぼうか」と動揺したとき、ヘルパーが冷静に話を聞き、不安を看護師・医師につなぐことで、本人の事前意思を守る支援になる。

リビングウィルとDNARの違い

看取り期には、本人の事前指示を文書化することがあります。介護職は文書作成を担当しませんが、内容を理解しておく必要があります。

  • リビングウィル:本人が自身の終末期医療について事前に意思表示する書面。延命治療の希望・拒否、緩和ケアの希望などを書く。リビングウィルとはを参照。
  • DNAR(Do Not Attempt Resuscitation):心肺停止時に蘇生処置(心マッサージ・気管挿管・人工呼吸など)を行わない旨の医師の指示。本人の意思に基づき、医師が記載する。
  • 事前指示書(アドバンス・ディレクティブ):意思決定能力を失った場合に備え、代理人を指名する文書も含む。

これらの書面の存在をヘルパーが知らずに「呼吸が止まった→119番」となるとトラブルになります。サ責経由で必ず情報を共有し、各ヘルパーが訪問前に把握しておきましょう。

意思決定支援で介護職が言ってはいけないこと

ACPの場で、介護職が踏み外しがちな言動があります。次の3つは厳禁です。

  • 「私だったら〜します」と自分の価値観を押しつける:本人の意思決定を歪める。聞き役に徹する。
  • 医療判断に踏み込む:「もう延命はやめたほうがいい」など、医師の領域に立ち入る発言は不可。質問は医師・看護師に振る。
  • 家族の意見だけを採用する:本人の意思が最優先。家族間で意見が割れたときは、サ責・ケアマネ・在宅医に情報を回す。

逆に、ヘルパーが安心して言えるのは「お話を聞かせてもらえてうれしいです」「ご本人がそうおっしゃっていたとサービス提供責任者にも伝えますね」といった言葉です。判断ではなく、つなぐ役割に徹することが介護職の専門性です。

在宅看取り期の1日の動き|訪問介護員の具体的なケア

看取り期に入った利用者宅に、訪問介護員はどんな1日の動きで関わるのでしょうか。ここではがん末期で「日単位」段階の利用者を想定し、サービス提供責任者・担当ヘルパー・訪問看護師の連携を含めて、典型的な1日の流れを示します。実際は利用者ごとにケアプランで詳細が異なりますが、共通する押さえどころを把握しておきましょう。

朝の訪問(7:00〜9:00頃)

朝の訪問は身体ケアと観察情報の引き継ぎが中心になります。

  • 玄関で家族に「夜はどうでしたか」と声をかけ、夜間の様子を聞く(睡眠・呼吸・苦痛の有無)
  • 挨拶しながら本人の表情・呼吸数・顔色をチェック
  • 訪問看護記録ノートで前日からの変化を確認
  • 口腔ケア(含嗽が難しければスポンジブラシで湿潤)
  • 清拭または部分浴(看護師の許可があれば全身清拭)、おむつ交換
  • 水分摂取の介助(嚥下評価に基づき、無理のない量)
  • 体位変換・除圧(褥瘡予防)
  • 記録:バイタル・尿量・水分摂取量・本人の発語・家族の様子
  • 退室前に家族に「○時頃にまた伺います」と次の訪問予定を伝える

日中の訪問(11:00〜13:00/14:00〜16:00頃)

日中は食事・排泄・清潔の中心的なケアが入ります。看取り期は経口摂取が難しくなるため、ケア内容は柔軟に変化します。

  • 食事介助(嚥下できる範囲、本人の好みを優先。アイスや好物を一口で十分なケースも多い)
  • 排泄ケア(尿量減少・便秘の確認、おむつ交換、陰部洗浄)
  • 体位変換・関節可動域維持
  • 家族の話を聞く時間を必ず確保(「お母さん、今日はうれしそうな顔をされていましたね」など)
  • 本人の好きな音楽・写真・テレビ番組などQOLを高める工夫
  • 訪問看護師と申し送り(電話・LINEワークス・連絡ノート)

夕方の訪問(17:00〜19:00頃)

夕方は夜間に向けた準備の時間です。家族の不安が高まりやすい時間帯でもあります。

  • 夕食介助(経口摂取が難しい場合は口腔ケアで終了)
  • 更衣・口腔ケア・整容
  • 就寝前の体位調整、褥瘡予防
  • 夜間の連絡先(24時間対応の訪問看護ステーション)の再確認
  • 家族に「気になる変化があればまず訪問看護に電話してください」と伝える
  • 記録の最終チェック、サ責への報告

夜間の対応(緊急訪問)

看取り期は夜間に状態変化が起きやすく、緊急訪問が発生します。介護保険サービスとしての夜間訪問対応は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護を導入しているケースのほか、訪問介護で「特定事業所加算」「緊急時訪問介護加算」を算定して対応します。事業所によっては当番制で深夜の電話対応・訪問を行います。

看取り期の身体ケアで特に注意すべき5つのポイント

厚生労働省「在宅での看取りに関する手引き」(全国国民健康保険診療施設協議会)と国立がん研究センターの連携手引きから、看取り期に介護職が特に丁寧に行うべきポイントを5つ挙げます。

  1. 口腔ケア:経口摂取が減ると口腔内が乾燥し、痛みや不快感の原因になる。スポンジブラシ・口腔保湿ジェルでこまめに湿らせる。
  2. 清潔保持:「お風呂に入りたい」は最期まで多くの本人が望む。看護師と相談し、シャワー浴・部分浴・清拭を選択する。最後の入浴を実現できたケースは家族の満足度が高い。
  3. 排泄ケア:尿量が著しく減るのは看取りが近いサイン。陰部洗浄を丁寧に行い、皮膚トラブルを防ぐ。
  4. 体位変換と褥瘡予防:寝返りが打てなくなるため、2〜3時間ごとの体位変換と除圧クッションの使用が必須。
  5. 声かけと環境調整:意識レベルが低下しても聴覚は最期まで残るとされる。「○○さん、来ましたよ」「気持ちいいですか」など普段通りの声かけを続ける。

家族との関わり方|介護負担への配慮

在宅看取りでは、家族の介護負担と心理的負担が大きな課題です。X(旧Twitter)でも「沢山の方が助けてくれるけれど、それでも何かが満たされなく感じている」という家族の声が見られます。介護職は次の3点を意識します。

  • 傾聴に徹する:解決しようとせず、「そうですよね」「お気持ちわかります」と受け止める
  • レスパイトケアの提案:家族の疲労が強いときは、ケアマネに相談しショートステイ・小規模多機能の利用を検討する
  • 家族の役割を残す:家族にしかできないこと(手を握る・好きな音楽をかける・思い出を話すなど)を大切に守る

急変時の対応|介護職が落ち着いて取るべき手順

看取り期は「いつか必ず急変が起きる」という前提でケアします。介護職にとって最も不安が大きい場面ですが、手順を事前に決めておけば落ち着いて動けます。X上の介護職の声でも「在宅看取りで119番を呼ぶか迷うのが一番のストレス」と語られています。

看取りが近いサインを見逃さない

国立がん研究センターの手引きでは、看取り期(日単位)に近づいたサインとして次が挙げられています。これらを訪問時に確認し、訪問看護師に伝えることがヘルパーの第一の仕事です。

  • 尿量の減少(おむつの濡れ方が大幅に減る)
  • ぜいぜいする呼吸音(死前喘鳴)が大きくなる
  • 身の置き所のなさや倦怠感を訴える
  • 発熱(特に38度を超えるもの)
  • 手足が冷たくなる、まだら模様(チアノーゼ)が出る
  • ほとんど飲んだり食べたりできなくなる
  • 口が渇き、痰がらみが増える
  • 意識レベルが低下し、声かけへの反応が鈍くなる

これらは「異常」ではなく自然な経過です。介護職が「119番を呼ぶ事態」と「自然経過として見守る場面」を区別できるよう、サ責は事前に病状予後を共有しておく必要があります。

急変時の連絡フロー(介護職が取るべき手順)

厚生労働省「在宅医療における急変時対応及び看取り・災害時等の支援体制について」の整理を踏まえると、在宅看取りでの急変時連絡フローは次のようになります。

  1. STEP1:状態確認(深呼吸して落ち着く。呼吸・脈・意識・顔色・チアノーゼをチェック)
  2. STEP2:訪問看護ステーションに第一報(24時間対応の連絡先に電話。状況を簡潔に伝える)
  3. STEP3:家族への声かけ(「看護師さんに連絡しました。すぐに指示が来ます」と落ち着いた声で)
  4. STEP4:看護師の指示に従う(待機・体位調整・吸引依頼・救急要請の判断は医療職が行う)
  5. STEP5:医師への連絡(看護師経由)(看取り方針が共有されているケースでは、看取り訪問の段取りに入る)
  6. STEP6:記録(時刻・状態・対応・報告先を時系列で記録)
  7. STEP7:サ責への報告(事業所の連絡網に従って報告。次のヘルパーシフトの調整に必要)

「119番を呼ぶか」迷ったときの判断軸

看取り方針が共有されている場合、安易に救急車を呼ぶと本人の意思に反する救命処置(蘇生・気管挿管)が行われてしまうことがあります。介護職は次の判断軸を持っておきます。

  • 原則:訪問看護ステーションに電話。看護師が救急要請の要否を判断する
  • 例外:訪問看護に連絡がつかない、明らかに看取り方針外の事故(転倒・誤嚥窒息・出血など)は119番
  • 家族が動揺して救急車を呼ぼうとしたとき:「リビングウィルとDNARの内容を一度確認しましょう」と冷静に促し、訪問看護に連絡する。最終決定権は家族にあるが、本人の意思を思い出してもらう橋渡しは介護職にできる

厚生労働省「自宅や介護保険施設等における要介護高齢者の急変時対応の負担軽減の調査研究事業」(令和4年度老人保健健康増進等事業)でも、「キーパーソン以外の家族・親族が本人の意思を知らずに救急要請してしまうことがある」と課題が指摘されています。事前にDNARの内容を家族全員と共有することが、看取り期の介護を担う事業所の責任です。

呼吸停止に直面したときの介護職の動き

看取り方針が共有されている利用者で呼吸が止まった場合、介護職が取るべき動きは次の通りです。

  1. 慌てて心マッサージ・人工呼吸を始めない(DNARの確認)
  2. 時刻を記録(看護師・医師の死亡確認に必要)
  3. 訪問看護ステーションに連絡(看取り方針の場合、看護師が訪問してくれる)
  4. 家族に「ご臨終が近いようです。看護師さんに連絡しました」と落ち着いた声で伝える
  5. 家族と一緒に静かにそばにいる時間を作る
  6. 医師の到着・死亡確認を待つ

事前準備チェックリスト(事業所として)

在宅看取りに参加する訪問介護事業所は、急変時に備えて次の準備をしておきます。

  • 訪問看護ステーション・在宅医・家族・キーパーソンの24時間連絡先一覧
  • DNARの有無、リビングウィルの内容、救急搬送の意向(家族全員と共有済みか)
  • 緊急時の判断フローチャート(事業所の手順書)
  • サ責のオンコール体制
  • 新人ヘルパーへの事前ブリーフィング(必ず実施してから単独訪問)
  • 看取り対応マニュアルと、年1回以上の研修・シミュレーション

死亡確認後の動き|エンゼルケアと家族支援

死亡確認後も介護職の関わりは続きます。エンゼルケア(死後のケア)と家族支援は、看取りの一連の流れの最終ステップです。「ここまでがケア」と思える線引きを事業所内で持っておくと、介護職自身の心の整理もつきやすくなります。

死亡診断書の発行と医師の役割

医師法第20条により、死亡診断書を交付するのは医師の業務です。診療継続中の患者が、診療に係る傷病で死亡したことが予期できる場合は、受診後24時間を超えていても改めて死後診察を行ったうえで死亡診断書を発行できます(厚生労働省「医師法第20条ただし書の適切な運用について」平成24年8月31日 医政医発0831第1号)。

つまり、看取り方針が共有されている在宅看取りでは、夜間や早朝の死亡でも在宅医がそのまま死亡診断書を発行するのが一般的です。介護職が「警察を呼ばないと」と慌てる必要はありません。訪問看護師経由で在宅医に連絡し、訪問を待ちます。

エンゼルケア(死後の処置)の流れ

エンゼルケアは医療行為の一部(点滴抜去・カテーテル抜去など)を含むため、訪問看護師が中心となって行います。介護職は次のような形でサポートに入ります。

  1. 医師の死亡確認(在宅医が訪問し時刻を確定)
  2. 訪問看護師による医療機器類の取り外し(点滴・酸素・尿道カテーテル等)
  3. 清拭・更衣(看護師の指示のもとヘルパーも参加可能。本人の好きな服を着せることも多い)
  4. 整容(髪を整える、男性なら髭剃り、女性なら薄化粧)
  5. 口腔・鼻腔の処置(看護師が実施)
  6. 家族への声かけ(「きれいになりましたね」「ご一緒に手を合わせましょう」など)

介護職にできるのは、清拭・整容・着替えといった「介護の延長としてのケア」です。医療的な処置(カテーテル抜去・縫合・防腐処置など)は看護師・医師の領域であり、介護職は手を出しません。

葬儀社が来るまでのご家族のサポート

葬儀社の到着まで2〜3時間かかることもあります。この間、家族は呆然としていることが多く、介護職の存在が支えになります。

  • 無理に話しかけず、家族のペースを尊重する
  • お茶を淹れる、室温を整えるなど環境調整に徹する
  • 「○○さんの好きだった音楽をかけましょうか」など、お別れの時間を過ごす提案
  • 葬儀社・親族への連絡が必要なら、家族の代わりにメモを取る手伝いをする
  • 「これからどうしたらいいか分からない」と聞かれた場合は、ケアマネ・サ責に連絡し対応を引き継ぐ

退室のタイミングと最後の挨拶

長く関わったヘルパーほど、退室のタイミングに迷います。原則は次の通りです。

  • 葬儀社が到着し、ご遺体を引き取る段取りに入った段階
  • 家族から「ありがとうございました」と区切りをいただいた段階
  • サ責から「次の予定があるので戻ってきてください」と連絡があった段階

退室時は深く一礼し、「○○さんをお世話できて光栄でした」「いつでもご連絡ください」と一言添えると、家族の心に長く残ります。

事業所として行うべき事後対応

看取り後、事業所として行うべき事後対応は次の通りです。

  • 訪問介護記録の最終確定と保管(介護保険法上、5年間保存)
  • 請求関連の処理(ケアマネ・国保連への報告)
  • サービス提供責任者によるケース振り返り会議(多職種を含む形が望ましい)
  • 関わったヘルパー全員へのデブリーフィング(後述)
  • 家族へのお手紙(任意。「お悔やみ」と「これまでのお礼」)

看取り後の事務処理は煩雑ですが、ここを丁寧にやることで事業所の看取り力が次のケースに引き継がれていきます。

看取りに関わる介護職自身のケア

看取りに関わる介護職自身の心のケア(セルフケア)は、最も語られにくく、最も見落とされがちなテーマです。X上の介護職の声でも「看取りの後はしばらく寝つけない」「家に帰っても利用者さんの顔がよぎる」という告白が多く投稿されています。本人と家族を支えた介護職を、誰が支えるのか。事業所と本人自身の両方からの取り組みが必要です。

「グリーフケア」と「コンパッション・ファティーグ」

厚生労働省が委託する日本ホスピス緩和ケア研究振興財団などの資料では、援助者が抱える心理的な負荷を次の概念で説明しています。

  • グリーフ(悲嘆):愛着のあった人を失った悲しみ。プロのケアラーも体験する
  • コンパッション・ファティーグ(共感疲労):他者の苦痛に寄り添うことで蓄積する疲労。バーンアウトとは異なる
  • セカンダリ・トラウマティック・ストレス:他者のトラウマを聞くことで自身に生じる二次的トラウマ反応

看取り後に「気分が落ち込む」「仕事に集中できない」「眠れない」といった反応が出るのは、専門職としても自然なことです。「自分は弱い」と責めずに、ケアを受ける対象に切り替えることが大切です。

ヘルパー個人のセルフケア5つの方法

看取りに関わる訪問介護員が、自分自身を守るために実践できる方法を5つ紹介します。

  1. 感情を言葉にする:日記・SNS(個人情報に触れない範囲)・信頼できる同僚との会話で感情を吐き出す。蓋をしない。
  2. 身体を動かす・自然に触れる:仕事帰りに5分歩く、休日に公園に行くなど、身体感覚を取り戻す行動を意識的に入れる。
  3. 儀式を持つ:自分なりに「お別れ」の儀式を持つ(手を合わせる・花を買う・利用者の好きだった食べ物を食べるなど)。
  4. 専門家に相談する:眠れない・食欲がない状態が2週間以上続いたら産業医・かかりつけ医・心療内科に相談。我慢しない。
  5. 「次のケース」と切り分ける:休みを取る、別の利用者宅に向かう前に深呼吸するなど、感情のリセットを意識する。

事業所として行うべきデブリーフィング

看取りケースが終わった後、事業所が行うべき重要な仕事がデブリーフィング(振り返り)です。次の3点を意識します。

  • 関わったヘルパー全員に時間を取る:単発で訪問したヘルパーも含め、全員から話を聴く
  • 「良かったこと」と「つらかったこと」を両方話す:ポジティブな振り返りだけだと感情が処理されない
  • 「なぜそうしたか」を責めない:判断の妥当性を評価する場ではなく、感情を吐き出して整える場として運営する

看取り経験を「個人の負担」で終わらせず、「事業所の財産」に変える仕組みが、長く働き続けられる訪問介護事業所の条件です。

「自分には在宅看取りは無理」と思った人へ

看取り経験は人それぞれ感じ方が違います。「自分には合わない」「気持ちの整理ができない」と感じる介護職もいます。これは弱さではなく適性の話です。

サ責は、ヘルパーごとに看取り対応の希望(積極的に関わりたい/関わりたくない/状況による)を把握しておきましょう。希望に応じてシフトを組むことで、職員の離職を防ぎ、結果的に事業所全体で看取り対応力を保てます。

看取りを通じて得られる介護職としての成長

看取りは精神的負荷が大きい仕事ですが、関わったヘルパーは口を揃えて「ケア観が変わった」「介護職を続けてきてよかった」と語ります。X上のベテラン介護職の投稿でも、「在宅看取りを多職種で支えた経験が自分のケア観を変えた」「家族から『ありがとう』と言われた瞬間、この仕事を選んでよかったと心から思った」という声が多く見られます。

「最期まで本人らしくいられた」を実感できる仕事は、医療・介護のなかでも限られます。訪問介護員はその数少ない職種のひとつです。看取り経験を重ねたヘルパーは、サービス提供責任者・ケアマネジャー・看取り研修講師などへのキャリアパスも開けます。負荷とやりがいを両方受け止めながら、自分のペースで看取りに向き合う姿勢が大切です。

よくある質問

Q. 訪問介護員(無資格・初任者研修修了者)でも在宅看取りに関わってよいのですか?

関わって構いません。介護保険法上、看取りに必要な身体介護・生活援助は無資格者から介護福祉士まで全員が提供できる業務です。ただし、医療行為(喀痰吸引・経管栄養を除く)はどの資格でも行えません。実務上は、看取り対応経験のあるヘルパーから指導を受け、サ責のブリーフィングを必ず受けてから単独訪問するのが原則です。

Q. 訪問介護で看取り介護加算は算定できますか?

訪問介護の介護報酬には「看取り介護加算」という名称の加算はありません(看取り介護加算が算定できるのは特養・GH・特定施設・小多機の一部)。ただし、看取り期は訪問頻度が増えるため、訪問介護では「特定事業所加算」「緊急時訪問介護加算」「初回加算」などを組み合わせて報酬を確保します。詳細は看取り介護加算とはターミナルケア加算とはを参照してください。

Q. 在宅看取りの最中に利用者が亡くなったら、ヘルパーは警察を呼ぶ必要がありますか?看取り方針が共有されているケースで在宅医が継続診療している場合、警察を呼ぶ必要はありません。訪問看護ステーションに連絡し、訪問看護師経由で在宅医に連絡を入れます。在宅医が訪問して死亡確認・死亡診断書の発行を行います。事故・自殺・他殺・原因不明死などの場合は警察への通報が必要ですが、訪問看護・在宅医の判断に委ねます。

Q. 看取り期に介護職ができる「医療行為に近いケア」はどこまでですか?

厚生労働省「医師法第17条等の解釈について(通知)」(平成17年7月26日 医政発第0726005号)に基づき、体温・血圧測定、軽微な傷の処置、軟膏塗布、湿布貼付、市販点眼薬の介助などは医療行為に該当しないとされ、ヘルパーが行えます。介護福祉士・認定特定行為業務従事者は研修修了後に喀痰吸引と経管栄養が可能です。注射・点滴管理・麻薬投与・酸素流量調整は不可。判断に迷ったら必ず訪問看護師に確認してください。

Q. 家族が動揺して救急車を呼ぼうとしたとき、ヘルパーはどう対応すべきですか?

強く止めるのではなく、「リビングウィルとDNARの内容を一度確認しましょう」「訪問看護師に電話して指示を仰ぎましょう」と冷静に促します。最終決定権は家族にありますが、本人の事前意思を思い出してもらう橋渡し役は介護職にできます。事前にDNARが共有されていない場合は、サ責から在宅医・ケアマネにフィードバックし、家族全員での再確認の場を設けてもらいましょう。

Q. ヘルパーが看取り後に強い喪失感や不眠に苦しんでいます。事業所はどうすべきですか?

事業所はデブリーフィング(振り返り)を必ず実施してください。「ポジティブな振り返り」だけでなく、「つらかったこと」を吐き出す場を設けます。症状が2週間以上続く場合は産業医・心療内科への相談を促し、必要に応じて勤務調整を行います。看取りが続くケースでは、シフトの組み方で1人のヘルパーに看取りが集中しないように配慮することも大切です。

Q. 在宅看取りに参加するために、ヘルパーが取っておくとよい研修や資格はありますか?

必須資格はありませんが、次のような研修・資格はキャリアアップにつながります。介護福祉士(看取りケアの実践能力)、認知症介護実践者研修、喀痰吸引等研修(特定行為)、ターミナルケア・看取りケア研修(自治体・職能団体・事業者団体が実施)、グリーフケアアドバイザー資格、緩和ケア入門研修。詳細は介護福祉士が訪問介護で働くサービス提供責任者とはも参考になります。

Q. 在宅看取りに対応している訪問介護事業所はどう探せばよいですか?

ケアマネジャーに依頼する、地域の在宅医療連携拠点(地域包括支援センター)に相談する、特定事業所加算(II)以上を算定している事業所を選ぶ、訪問看護ステーションと密に連携している事業所を選ぶ、などの方法があります。看取り対応経験の有無、24時間連絡体制の有無、緊急時訪問介護加算の算定状況がチェックポイントです。

参考文献・出典

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まとめ|介護職にしか担えない最期の役割

在宅看取りは、医療・介護・家族が一体となって本人の最期を支える総合芸術のような営みです。中でも訪問介護員(ヘルパー)は、医師・訪問看護師よりも訪問頻度が高く、利用者の生活と身体の変化を最も近くで見守る存在です。「医療行為はできないが、いつもと違うを最も早く察知できる」――この立ち位置こそが介護職の専門性であり、在宅看取りチームでの不可欠な役割です。

本記事では、(1)在宅看取りの現状、(2)介護職の役割と医療職との分担、(3)ACPへの参加と意思決定支援、(4)1日の動き、(5)急変時対応、(6)死亡確認後のエンゼルケアと家族支援、(7)介護職自身のセルフケア、を体系的に整理してきました。実際の現場では、利用者ごとに状況が異なり、事業所のリソースも限られています。それでも、本記事で紹介した厚生労働省ガイドラインや国立がん研究センターの連携手引きの考え方を共有しておけば、新人ヘルパーから経験豊富なサ責まで、同じ言葉で看取りを語り合えるはずです。

最後に、看取りに関わる介護職自身のケアを忘れないでください。利用者と家族を支えたあなたを支える仕組みが、事業所内・職能団体・地域包括ケアの中にあります。一人で抱え込まず、サ責・同僚・産業医に話す、振り返りの場を持つ、必要なら専門家に相談する。看取りを続けるためには、自分を守る習慣も専門性のひとつです。「最期まで本人らしく」「最期まで自分らしく」――その両方を実現する仕事として、訪問介護の仕事と向き合っていきましょう。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。

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訪問介護のメリット・デメリット

訪問介護のメリット

1. 利用者と1対1でじっくり向き合える

施設介護では複数の利用者を同時にケアしますが、訪問介護は1対1。一人ひとりに寄り添った丁寧なケアができます。「〇〇さんのために」という意識で働けるのが魅力です。

2. 夜勤がない

訪問介護は基本的に日勤のみ。夜勤による生活リズムの乱れがなく、体への負担が少ないです。夜勤が苦手な方、家庭との両立を重視する方に人気があります。

3. 自分のペースで働ける

特に登録ヘルパーは、働く時間を自分で決められます。子どもが学校に行っている間だけ、週3日だけなど、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。

4. 移動時間がリフレッシュになる

訪問先への移動中は、気持ちの切り替えができます。施設のように常に利用者と一緒にいるわけではないので、精神的なゆとりを保ちやすいです。

5. 人間関係のストレスが少ない

施設のようにチームで働くわけではないので、職場の人間関係に悩まされにくいです。苦手な同僚と毎日顔を合わせる必要がありません。

6. スキルアップしやすい

調理、掃除、身体介護など幅広い業務を一人でこなすため、総合的な介護スキルが身につきます。

訪問介護のデメリット

1. 一人で判断・対応する責任

現場では自分一人。困ったときにすぐ相談できる同僚がいません。緊急時の判断力や、一人で対応できるスキルが求められます。

2. 天候に左右される

雨の日も雪の日も、訪問は休めません。自転車やバイクでの移動が多いため、悪天候時は大変です。

3. 移動の負担

1日に何件も訪問するため、移動時間がかさみます。夏の暑さ、冬の寒さの中での移動は体力的にきついこともあります。

4. 利用者宅の環境差

訪問先によって環境は様々。清潔な家もあれば、そうでない家もあります。介護しにくい間取りや、エアコンがない部屋もあります。

5. 利用者・家族との相性

1対1だからこそ、相性が合わないとストレスになります。理不尽な要求や、ハラスメントに遭うケースもゼロではありません。

6. 給与が不安定(登録ヘルパーの場合)

登録ヘルパーは、利用者のキャンセルや入院で収入が減ることがあります。安定を求めるなら正社員がおすすめです。

訪問介護の1日の流れ

訪問介護員の1日は、雇用形態によって大きく異なります。ここでは「常勤(正社員)」と「登録ヘルパー(パート)」それぞれの典型的な1日を紹介します。

常勤ヘルパーの1日(例)

時間業務内容
8:30事業所に出勤、朝礼・申し送り確認
9:001件目訪問(Aさん宅):身体介護(入浴介助)60分
10:15移動(自転車15分)
10:302件目訪問(Bさん宅):生活援助(掃除・洗濯)45分
11:30移動(自転車10分)
11:453件目訪問(Cさん宅):身体介護(食事介助)30分
12:30事業所に戻り昼休憩(60分)
13:304件目訪問(Dさん宅):生活援助(調理・買い物)60分
14:45移動
15:005件目訪問(Eさん宅):身体介護(排泄介助・体位変換)30分
15:45移動
16:006件目訪問(Fさん宅):生活援助(掃除)45分
17:00事業所に戻り、記録作成・報告
17:30退勤

ポイント:1日の訪問件数は5〜7件程度。移動時間も含めてスケジュールが組まれます。

登録ヘルパー(パート)の1日(例)

時間業務内容
9:00自宅から直行で1件目訪問(Aさん宅):身体介護 60分
10:15移動
10:302件目訪問(Bさん宅):生活援助 45分
11:30午前の業務終了、自宅へ
(空き時間)家事、プライベート
16:00自宅から3件目訪問(Cさん宅):身体介護 30分
16:45業務終了、直帰

ポイント:登録ヘルパーは事業所に出勤せず、直行直帰が基本。空き時間を自由に使えるのがメリットです。

1回あたりのサービス時間

  • 身体介護:20分、30分、45分、60分、90分など
  • 生活援助:20分、45分が多い
  • 通院等乗降介助:往復で1〜2時間程度

のの働き方

のでは、様々な働き方が可能です。

勤務形態の選択肢

  • 日勤のみ:の中には日勤帯のみで働ける施設もあります
  • シフト制:早番・日勤・遅番・夜勤のローテーションが基本
  • パート・アルバイト:週2〜3日から働ける柔軟な雇用形態

で働く環境

エリアのでは、資格取得支援制度や研修制度が充実している施設が多くあります。での経験を積みながら、キャリアアップを目指すことができます。

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